かつおニュース VOL4

2014-06-29 かつおニュース

通常国会を終えて

2014-06-25 メルマガ

矢倉かつおです。

150日間に及ぶ第186回通常国会が閉会しました。
予算委員会や決算委員会、文教科学委員会や拉致特別委員会など様々な場で質問をし、政府の見解を質してまいりました。私がする質問の大半は、現場からアイデアをいただいたものです。お声を寄せてくださった方に改めて感謝申し上げます。このメルマガでご紹介しきれなかった質問については、今後、順にご報告します。

これまで何度か強調してきましたが、この通常国会期間を含め約1年間、「公明党だけが頼りだ。」という声を幾度かいただきました。特筆すべきは、野党の支持者の方からも多くいただくという点です。与野党のなかで政府へのブレーキ役を果たしているのが公明党であることを、世間が認めている証左といえます。

ただ、政府・与党のブレーキ役という役割は甘くないです。大変なリスクを伴うものだ、と、この約1年間の議員活動で実感しました。

比較少数の政党が与党内協議で議論を交わし、10の要求を投げつけられたとします。それを押し返し、2にしたとして、それでも、この2の部分で合意したことにつき、「飲み込まれた。」「妥協だ。」と厳しいご意見をいただくのが大半です。「10だったものを2までにした。」と言われることは、あまりありません。ただ、与党のなかで押し返す勢力がいなければ、10のまま通ってしまうのも事実です。これをさせないことが、与党のなかの比較少数政党の責任とも考えます。

今、与党内の安全保障議論が熾烈を極めております。5月15日の安倍総理の会見で、総理は、「平和主義を絶対に守る。」と強調するとともに、『国際法上合法であれば憲法上も認められる』といった趣旨の考え方は「採用しない。」と明言、集団安全保障措置への参加は許されない、自衛隊が湾岸戦争等で武力行使をすることはこれからもないと断言しました。これは、従来の総理の見解からは大転換です。その後も政府は、公明党との協議を経て、少しずつ態度を軟化させてきました。公明党が与党にいなければ、与党内でこの問題は議論らしい議論もなく、もっと前に終わっていたでしょう。そして今、議論は、集団的自衛権を認めるベきか否か、について最大のヤマ場を迎えております。様々、報道がなされているようですが、党内ではまだ議論は決着しておりません。

この安全保障の問題をめぐり、これまで何度か党内で議論しましたが、今週に入りはじめて、党内の全国会議員だけが集まる会合が複数回開催されています。先週末と今週月曜日の党内の議論において私からは、集団的自衛権を認めるべきか否かの議論の前に、個別的自衛権で対応できるところがあるかを議論すべきであること。そのためには、「国民の幸福追求権」を守るためどこまで必要かという実質的な観点から、(個別的)自衛権の概念を整理する必要があるかもしれないこと。しかし、それが集団的自衛権であるべきかどうかは、憲法9条の規範性を維持する観点から慎重に考えるべき問題であること。などを主張しました。

与党として、いつかは決めなければいけないのは確かです。北側副代表はじめ党の代表の方が、必死に与党内協議に臨んでいます。国民が納得できる経緯を経たうえで、一定の結論がでることを望みます。

186回 本会議(賛成討論)

2014-06-20 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となっております国会法等の一部を改正する法律案並びに参議院規則の一部を改正する規則案及び参議院情報監視審査会規程案の各案に対し、賛成の立場から討論を行います。
以下、賛成する主な理由を申し述べます。
本各案は、各議院に情報監視審査会を設け、特定秘密保護法十条及び同法附則十条により、国会の行う審査又は調査に必要な特定秘密がきちんと提出されるよう、国会自らの手で、その手続と特定秘密の保護措置を整備するものであります。
各案に賛成する理由の第一は、情報監視審査会に、政府の特定秘密の運用状況を常時監視する機能と、国会の委員会等による国政調査への政府の対応が適切かどうか審査をする機能を持たせた点であります。特定秘密保護法については、国民の皆様から、恣意的な運用がなされるのではないかとの懸念を頂戴しているところであります。こうした懸念を払拭するべく、各議院に置かれた情報監視審査会がこの二つの機能を存分に生かしていくことが期待できます。
第二に、国会から特定秘密が万に一つも漏えいすることがないよう、きめ細かな措置がとられている点です。特に、情報監視審査会の委員が議院の過半数の議決という厳格な手続を経て選任されること、その委員は選任後遅滞なく秘密を漏らさないことへの宣誓を行うこと、厳格な保護措置を講じた情報管理室を設置し、物理的に保護された施設を利用して審査を行うこと、情報監視審査会の事務局職員に適性評価を受けさせることなどは高く評価することができます。
第三に、情報監視審査会から政府に対してなされる運用改善勧告、特定秘密の提出・提示勧告について、従来からの三権分立の原則にのっとった理解に基づき、その実効性を担保する工夫がなされている点です。情報監視審査会が改善勧告をした場合には、その勧告の結果とられた措置について行政機関の長から報告を求めることができるとの規定を設け、政府が勧告を軽視しないような工夫がされております。
最後に、情報監視審査会がその権限行使について公正な判断をするために、常任委員会などから審査要請があった場合には、正副議長や審査の要請をした委員長又は調査会長及び与野党の理事が出席、発言することができ、議会の幅広い視点で審査する体制が取られている点も評価すべきでございます。
以上、主な賛成理由を申し上げました。
同僚議員の幅広い御支持を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会質問_20140619

2014-06-19 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(学校教育法案 大学教育の質的転換等)

2014-06-19 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
質問に入る前に、冒頭、一言。私、隣の新妻議員と、先々週、福島の富岡へ行ってまいりました。先週も、双葉から埼玉に来られている方のお話もお伺いもして、今週も予定が合えば月曜日、楢葉に行く予定ではあったんですが。特に、富岡など、住宅地の中で帰還困難区域と居住制限区域が分かれている、コミュニティーが分断されているという状況を見てまいりました。
そういう意味でも、本当に、寄り添っていく一人の政治家として、私、しっかりとこれからも復興に向けて寄り添う思いで頑張っていきたい、これを改めて決意として、まず冒頭述べさせていただきたいと思います。
質問、入らせていただきます。
五つ通告していたんですが、ちょっと冒頭の一つは、既にもう審議もされている部分もあるので飛ばさせていただきます。
次に、質問なんですが、先ほど、大臣、教授会への権限について、移譲は駄目である、委任は良いと。私、理解としては、この移譲というのは、要は譲り渡すこと、これは当然ですけど、権利は持っていても譲り渡すことができないということは、強行法規的に定めている例は、法律、ほかにもあると思います。
委任はできると。その上で、大臣、先ほどの御答弁では、この委任ができるための要件としては、最終的な決定は学長にある、その上で、その委任をする行為そのもののことだと思うんですが、委任することが学長の主体性であってということ、この二つがまず要件として挙げられているというふうに私は認識をいたしました。
それで、例えば、現行の学内規程、これが今どうなるのかということが現場の中でもいろいろ御関心があるところだと思います。今の大臣がおっしゃった二つの要件がしっかり満たされているかどうかというところが大事だと思いますが、これが有識者会議で、またガイドライン等でこれから検討されるという理解でおります。その上で、どのような点がポイントになるのか、文部科学省の見解をいただければと思います。

○政府参考人(吉田大輔君)
今回の改正案は、権限と責任の一致の観点から、大学の決定権者である学長がリーダーシップを発揮し、教授会を始めとした学内の組織との適切な役割分担の下で責任ある大学運営を行っていくことを目指すものでございまして、改正案が成立した際には、各大学におきまして改正の趣旨を踏まえた内部規則の点検が行われることが必要であると考えております。
先ほど来申し上げておりますように、文科省としては、法律成立後速やかに有識者会議を開催をし、各大学における内部規則の解釈や運用等も含めて見直しの在り方について検討を開始したいと思っておりますが、御指摘の論点についてもその中で取り上げて検討してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
様々、大学の自治という形で、いろんな事情もあって決断されている大学の事情もあるかと思います。その大学の現場がしっかりと混乱しないように、この辺りを、現場に混乱を与えないための明確なガイドラインというのを示していただけるように、今後もしっかり指導をいただければと思います。
二点目になります。国立大学法人法の改正に関しまして、国立大学法人における学長の権限濫用を抑える措置、具体的には学長選考会議やまた監事制度などが私はあると認識をしております。
特にこの監事について、これまでそれはどのように機能していたのか、機能をそもそもしていたのか、今後、機能を強化するためにはどういう措置が必要であると思っているのか、これも文部科学省から意見をいただければと思います。

○政府参考人(吉田大輔君)
国立大学の学長がその権限を適切に行使をしていく必要があるわけでございますけれども、その際、監事による監査や、それから学長選考会議による業務執行状況の評価などを適切に行っていくことは重要な課題であるというふうに考えております。
監事につきましては、これまでも国立大学法人法に基づきまして、財務諸表、決算報告書に関する意見を作成するほか、監査の結果に基づき学長に意見を提出するなど、国立大学法人の業務の適正化に役割を果たしてきたものと考えておりますけれども、先日、可決、成立いたしました独立行政法人通則法の改正に伴いまして国立大学法人法の改正も行われ、その中で監査報告の作成義務ですとか、あるいは役員による法令違反、不正についての学長及び文部科学大臣への報告義務の新設など、監事機能の強化を図るための措置も講じられたところでございます。こういった法改正を踏まえて、更に監事が役割を果たすことを期待しているところでございます。
また、今回の法改正によりまして、学長選考会議が主体性を持った選考を行うことを促進するということとしておりますけれども、中央教育審議会の取りまとめにおきましても、学長選考会議が学長の業務執行状況について恒常的な確認を行うことが求められておりまして、この点については施行通知等において周知を図り、各国立大学における取組を促してまいりたいと、こう考えております。

○矢倉克夫君
ガバナンスという点で、やはりガバナンスという言葉の中の肝は権限濫用へのチェックであると思います。その趣旨からも、その方面での対策もしっかりまた今後御検討をいただければと思います。
続きまして、今度はまた、やはり日本の大学の質の向上ということが今言われている、私も常々日本の大学生の学ぶ意欲をどうやって高めていけばいいのかなということは考えております。私も大学へ入ったときに非常に驚いたのが、大学でクラスで集まってまずやったことは、試験対策委員会というのを立ち上げて、それについての対応を協議をするという、大学ってそういうところなのかなというのを非常に衝撃を受けた記憶はあります。
他方で、その後、アメリカで学ぶ機会も与えていただいたんですが、皆さん、非常に学生勉強もされている。大変な勉強ぶりで、夜も寝ないでこんな分厚い本を百ページも読んできて、それで授業をするというような人々ばかりでした。
これは私ではなく私の友人の話なんですけど、私の友人があるアメリカの大学生にノートを見せてくれというふうに言ったら、非常な勢いで怒られて、君は僕がこのノートに、作るまでにどれくらいお金を掛けていると思っているんだと、もうふざけるなというふうに怒られたと、私ではなく私の友人が言われたわけですけど、そういうような経験もありました。
やはり大学生の学ぶ意欲をしっかり高めていく。なぜ日本の大学でこういうようなことになっているかといえば、私個人の意見ではありますけど、先ほど二之湯委員の問題意識もひょっとしたらかぶるのかもしれないんですが、やはり大学に入ってさえいれば大丈夫だという安心感がまだどうしても風潮として残ってしまっているのかなと思っております。これをどうやっていくか。裏を返せば、大学卒業した方とそうでない方のやはりある意味格差がまだある部分もあるのかなという部分も感じているところです。
私も社会の友人、出ている友人、いろいろいるんですけど、当然大学卒だけではなく大学出ていないで仕事をしている方もいっぱいいる。専門学校に行っている方が多いんですけど、料理学校を卒業して料理人になった方であるとか、IT卒業して非常にIT関係で頑張っていらっしゃる方、またアニメの専門学校へ行ってアニメ業界で非常に頑張っている方、皆さんいらっしゃって、本当に人格的にもすばらしい人たちばかり。ただ、いかんせん、実際の技能とかその掛けている時間に比べて給与面というのがやはり少ないなというふうな友人がいっぱいいる。何とかそういう人をしっかり押し上げていくことが、私、ある意味、日本の大学生が少し安住しちゃっているところに対してちょっと刺激を与えることにもなるんじゃないかなと、これがひいては大学の質を高めることにもなるのではないかなというふうに、一面ではありますけど、思っております。
それで、先ほど大臣、既にお答えくださったところと若干かぶるところはあるんですが、私も報道で確認しましたけど、政府の教育再生実行会議が、高校卒業後に進学できる職業教育学校の創設、今提言されていると。これは、そういうような大学ではないけど、しっかり技能を付けた方の社会的地位も高めるとともに、待遇もしっかり高めていくというような位置付けもあるかと思います。やはり、こういうような方々の技能が正確に職業や給与に反映される社会をつくっていくことが、ひいては大学の質を私は高めていくことになるとも思っておりますが、この点、大臣の御見解をいただければと思いますが。

○国務大臣(下村博文君)
おっしゃるとおりだと思います。特に、これから社会経済の高度化、複雑化、グローバル化が進む中で、様々な分野で高度な人材が求められるようになっております。ここで言う高度な人材とは、当然ながら学歴ではなく高い実力を備えた人材のことであります。だからこそ、高度人材の育成を担う大学の役割はますます重要であり、各国が競うように高等教育の充実に努めているのもそのためであるというふうに考えます。
我が国の大学は、先ほどもちょっと答弁をさせていただきましたが、アメリカに留学されていますからよく御存じでありますけれども、やっぱり日本の学生の方がそもそも勉強していないと。これは、大学側の問題である、学生の問題というよりはそういう大学のシステムの問題だと。つまり、学生の知力を最大限に伸ばすような教育が十分に対応としてできていない。それから、成績評価についても甘さ、それはもう指摘されております。
ある世論調査では、多くの国民が日本の大学は企業や社会が求める人材を育てることができていないという厳しい見方をしている、それが実態としてあると思います。その背景には、大学が社会の変化やニーズに的確に対応できておらず、学生から見ても大学での学習が実社会で役立つ必要なものと感じられていないと、そういう考えがあるのではないかと思います。各大学においては、このような社会からの厳しい評価を謙虚に受け止め、改革に努める必要があると思います。
具体的には、学生の能力を最大限に伸ばすため、大学での学習や実社会とのつながりを意識させる教育の充実や、能動的な活動を取り入れた授業や学習方法、それから双方向の授業展開、教育方法の工夫、改善、厳格な成績評価により学習を促す環境を充実する、そういうところも大学はもう努力をしなければならない。既にしている大学も相当ありますが、更に努力する必要がある。
文科省としても、大学教育の質的転換に取り組む大学への重点支援を更に高めていきたいと。また、厳格な成績評価の結果、留年者が増えた場合でも、文部科学省として定員管理を柔軟化して、予算を削減するというようなことはもうしないと。それから、大学入学者選抜の在り方を含む高大接続の抜本的見直し、大学入学試験そのものの見直し。それから、大学と地域、産業界との連携強化などを進め、学生の学習意欲を高める大学教育の実現を目指す。そういうことをまさにオールジャパンで取り組むときに来ているというふうに認識しております。

○矢倉克夫君
大臣、意気込みのある御答弁、大変にありがとうございます。
大学をしっかりサポートしていく中で、やはりどんな人でも頑張れば頑張るほど報われていくという社会をつくっていくこと、これ教育面から支えていくという意味合いでもやはり大事であると思います。
最後に、また大臣にお伺いしたいんですが、やはりいろいろ、様々これまで議論もあったとおり、例えばグローバルなランキングの中で日本の大学のランクはなかなか低いところもある、ランキングの様々な問題点もひょっとしたらあるのかもしれないですが、そういうような事実もあり、今回もこういう議論はやはりグローバル化の中で日本の大学の質そのものも高めていかなければいけないという問題意識が当然ある一方、大臣も今少しおっしゃってくださいましたが、各大学で非常にいい取組もしているところも当然あるかとは思います。
今後は、やはり海外の留学生に対して、しっかり日本の大学、こういうところも非常にいいところがあるんだということをアピールもして、来てもらう、その意味でも、内なるグローバル化を進めていくという意味合いでも日本の大学のいいところをしっかりまた海外発信していくということを、これもやはり国としてやるべきではないかと思っておりますが、大臣の御見解をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
既にボーダーレス化しているわけですから、国内外から優秀な学生をいかに集めるかということに対して日本の大学は更に努力をすべきだというふうに思います。そのために積極的に海外に発信する大学についても支援をしていきたいと思います。
今日でも多くの大学が海外に向けての情報発信を行っております。文部科学省が平成二十四年度に実施した調査では、インターネット上で英語などの外国語により教育研究活動等の情報を公表する大学数は全大学の半数近い三百六十五校に上がっております。また、昨年度までの事業である大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業に採択された十三大学が合同で開設した英語によるウエブサイトには、世界から年間約三十五万件のアクセスがあります。さらに、近年では、海外に拠点を設けて情報発信や学生のリクルートを行う大学も増えつつあります。
このほか、日本学生支援機構においても、日本留学希望者向けに海外で留学フェア等を実施しているほか、英語などによる日本への留学をナビゲートするゲートウエー・ツー・スタディー・イン・ジャパンを開設しておりまして、アクセス数は年間約六十万件に達するなど、日本留学の情報発信に努めております。
文科省としても、今年度から開始するスーパーグローバル大学創成支援事業などによりまして、海外に向けての情報発信や海外展開を含め、我が国の大学の国際通用性、国際競争力を高める取組を強力に支援していくほか、留学コーディネーターの配置等による日本留学に関する情報発信の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
終わります。

【矢倉かつお】北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会質問_20140613

2014-06-13 矢倉かつおチャンネル

186回 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(日朝合意等)

2014-06-13 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
先ほど横田御夫妻の切なる思いをお伺いして、改めて解決に向けて頑張らねばならないと決意をいたしております。
さて、先日の日朝合意、私も大変驚きました。まさに電撃的であったなと思います。合意に向けて、関係者の方の御尽力、敬意を表したいと思います。
その上で、まず、政府参考人、今日来ていただいておりますが、合意文書作成の経緯、御説明をいただければと思います。
特にお聞きしたい点は、この合意文書、五月二十六日から二十八日のストックホルム会議で一気にまとめ上げられたのか、それとも、三月末に北京で局長級で会議されていたんですが、そこからストックホルムの会議まで二か月間あったわけです、その二か月の間で下準備をした上で草稿としてまとまっていたものが最終的に合意をされたのか、その点も含めて、御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今回の合意につきましては、五月二十六日から二十八日の政府間協議において、この前の三月の北京における協議も踏まえまして、双方が関心を有する幅広い問題について集中的、真剣かつ真摯に議論を行い、その結果を代表団としては本国に持ち帰って報告をした上で、四大臣会合を受けて、日朝両政府間の合意として確認し、発表に至ったと、そういう経緯でございます。
三月の協議という土台はございましたけれども、基本的には、ストックホルムで二日半にわたって、相当長時間、集中的に真剣に議論した結果が今回の合意であるということであると思います。

○矢倉克夫君
二日の期間で集中的にこのような形で文案をまとめていただいた。その後、政治主導というリーダーシップを発揮された上でこういう合意になったという報道は今確認されたと思います。他方で、まだ事務方レベルでは具体的な詰めはこれからまた更なる課題であるなどというのは改めて伺いました。まさにここからが勝負であるかとは思っております。
ただ、他方、とはいいましても、これまで北朝鮮は、この問題に関しては解決済みだということをずっと言っていた、それを今回、合意という形でまさにこの場に引っ張り出してきたというのは、私は大きな成果であるかと思っております。
それも踏まえまして、外務大臣より、まず、現時点において、日本がこの合意において何を勝ち得たのか、その辺りの御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、今回の合意におきましては、拉致問題につきまして、拉致被害者及び拉致の疑いが排除されない方々、こういった方々はもちろんでありますが、あわせて、先ほどの質疑にもありました墓参の問題、あるいはいわゆる日本人配偶者の問題等、こうした全ての日本人に関する問題につきまして包括的、全面的な調査を実施する、こういった目標を対象とするということとなりました。そして、それに際しまして、日朝双方がとるべき行動措置について文書の形において明確にお互いの意思を確認することができた。また、先ほども質疑の中に出ておりましたが、この文書の中で、日本人の生存者が発見される場合には帰国させる方向で必要な措置を講じる、こういった一文も明記することができました。
まずはこういった点を確認し、そして調査を行うことになったわけですが、ただ、この調査につきましては、実効性をしっかりと担保しなければなりません。今回の合意は大きな一歩ではあると認識しておりますが、この調査の実効性をしっかり担保し、そして具体的な結果につながるべく、これからしっかり努力をしていかなければいけない、このように認識をしております。

○矢倉克夫君
大臣御答弁のとおり、成果は上げられていると思っております。
ほかにも、例えば、北朝鮮に対して、全ての機関を対象とした調査を行うことができる権限を持った特別な調査機関の立ち上げ、全ての機関ですので、これまで北朝鮮、国内での秘密機関がやったことであるから分からないというような抗弁も言ってきた部分はあったと思うんですが、それに対してしっかりと封殺するような形での合意もできたことはあるかと思います。
ただ、今大臣おっしゃったとおり、これから実効性を上げることが非常に大事。我々の目的をまず考えるのは、あくまで全ての被害者の方が帰還されるということがこの目的である。そこから考えますと、今現時点ではまだやっとスタートラインに立ったということは、あくまで言うまでもないことであるかと思います。
他方、北朝鮮側が今回この合意によって何を得たのか。その部分に関しては、やはり成果の一部、彼らが望むものの一部はやはり手に入れたということは言えるのではないかと思います。例えば、北朝鮮のこれまでの様々な貢献に対して日本が一定程度の評価をしているということ。これは、今現状は北朝鮮は世界各国からもう人権侵害ということでいろいろ非難されている部分があったわけですが、その中で当事者の日本がある程度評価をしたということを北朝鮮はこれからどうやって使っていくのか、そこは気を付けないといけないと思います。
そして、何といっても、経済制裁一部解除という文言がしっかり入ったというのは彼らにとっては大きな部分はあるかと思います。言わば、日本は、まだ種をもらっている状態、この種を植えて本当に大きな木がなって実がなっていくのかというのはまだ分からない状態、ひょっとしたら芽すら吹かないというようなこともあり得る。他方、北朝鮮は、明らかに果実というのを持つ可能性は十分あるという点はあると思います。
ここで確認したいのは、調査開始のみをもって制裁解除に合意した意図はどういう点であるかという点です。調査の開始といいましても、北朝鮮が自ら犯したこの行為についての調査を自らするということ、そういう点では、自らの行為を自ら調べること、これの開始のみで制裁解除を認めたという部分はあるわけですが、ハードルが余りにも低いのではないかというようなお声も当然あるかとは思います。
また、よく引き合いに出されている二〇〇八年の合意において、それと文言を考えてみますと、二〇〇八年の合意においては、この調査というのは生存者を発見し帰国させるための調査、そのような前提でおりました。それに比べて今回の合意は、まだ開始すべき調査というものがどの程度のものなのか、ここからはまだ見えてこない。
もうこの段階で解除という、制裁解除というものを明記をしたその意図について、政府参考人より御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今委員御指摘のとおり、今回の合意におきましては、政府として、北朝鮮側が全ての日本人に関する包括的、全面的調査を実施するための特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で部分的な制裁解除を行うこととしております。
ただ、この調査を開始する時点というのが、単なるその言葉ではなくて、実際の行動でなければならないというふうに思っております。したがいまして、北朝鮮側は、調査開始前にその特別委員会の具体的な組織、構成、責任者等を日本側に通報するということを今回約束しております。
政府としては、こういった情報を十分把握して、具体的な結果が得られるように取り組んでいきたいと思っておりますし、我が方が制裁解除をするに際して、そのようなきちんとした調査が開始されるということを見極めた上でこれを行っていきたいというふうに思っております。
それから、二〇〇八年の合意との比較について御指摘がございましたけれども、今回、二〇〇八年のときとは違って、合意の中に、拉致問題については、日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じるということが明記されておりまして、この点は、二〇〇八年の合意よりも、より具体的な今後の対応として北朝鮮にはっきりとこの点を確認したということは一つの成果であるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
何をもって開始する時点というか。先ほども確認したとおり、これからこの合意も、詰めもしていかなければいけない段階であると思います。しっかりと厳密に確認をいただければと思います。
肝腎なのは、やはり相手方に余り簡単に果実を与えないことである、特に、相手方が満足するような十分過ぎる果実をやはり与えてしまわないということではあるかと思います。向こうが十分に満足してしまえば、もうそこでそれ以上進めるモチベーションは当然なくなってしまうわけでありますので、その点で、制裁解除の具体的内容についてお伺いしたいんですが、例えば人的往来の制裁措置、このような形で解除の内容として今書かれていますが、これの内容についてはまだこれから詳細は詰める余地はあるのでしょうか。そうであれば、例えばその人的往来というのも、全ての人間という形で、その前提で議論するのではなく、やはり部分的に段階的に、往来ができる人の人的要素というのをこれから段階的に解除していくというやり方もあるかとは思っております。
また、ついでに申し上げると、同じく解除の中で、人道目的の船舶入港の禁止について述べられておりますが、人道目的の船舶の入港かどうかというものはなかなかこの判断が難しい。これをチェックがしっかりしないと、結局抜け穴になってしまうというようなこともあるかと思います。この辺り、どのようにチェックをされていくのか、今後の方針をまたお伺いしたいと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
まず、人的往来につきましては、今回の規制解除によって二〇〇六年七月五日以前の方針に戻るということになりますけれども、その手続の具体的な詳細につきましては、今後関係省庁間で調整をしていきたいというふうに考えております。
それから、人道目的の北朝鮮船舶の入港禁止措置の解除の実施のための手続の詳細につきましては、これは基本的には、二〇〇八年の当時、相当限定的にしか認めないという話はしておりましたけれども、こういった点を改めて関係省庁で調整をしていくということになると思います。
いずれにしましても、ここでいう人道目的が指す内容については、食糧、衣料、医薬品を中心とする生活・衣料物資を想定しているというところでございます。

○矢倉克夫君
人的往来範囲、以前に戻るというところでありますが、安易に広げ過ぎないように、そこはしっかりとまた協議もいただければと思います。また、人道目的も、これから国土交通省等ともまた連携を組むんですが、手続的なところもしっかりときっちりと監視できるような体制を是非よろしくお願いいたします。
とはいえ、北朝鮮が今までの態度を変えてきた、本当に僅かな契機かもしれませんが、見えてきたという部分は何らかのシグナルではないかとは思っております。
外務大臣にお伺いしたいんですが、北朝鮮がこのように軟化をしてきた背景、様々言われております。中国との関係が悪くなってこの四か月間、原油も止められている、そういうような中国との関係が、今まで後ろ盾だった中国との関係が悪くなって、何とか局面を打開したいというところでより寄ってきたというような部分もある。また、経済制裁がやはり効いてきたというような部分もある。
そのような外部要因が彼らを追い込んだというような意見もある一方で、北朝鮮の中で何か動きがあるんじゃないかというような意見もあるかと思います。例えば、李秀勇外相が就任をされたわけですが、元々、金正恩第一書記の腹心だったからというような部分での意見もあれば、やはりスイス大使を務められたぐらい国際感覚豊かな方が、そのような方が入ったことで何らかの国内の中でもいろいろ状況があるんじゃないかというような御意見もある部分ではあります。
その辺り、外務大臣、今、北朝鮮の中での情勢をどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、北朝鮮のこの内部の動向につきましては、政府としまして絶えず大きな関心を持ち、注視し、そして分析をしてきております。ただ、公の場でこの北朝鮮の内部の動向について、あるいはこの背景について申し上げるというのは控えなければならないと考えます。
ただ、御指摘の中国との関係につきましては、経済関係を含めまして、北朝鮮、中国と密接な関係を現在でも引き続き持っております。中国が国連の常任理事国の一国であるということ、あるいは六者会合の議長国であるということ等を考えましても、この朝鮮に対して中国が大きな影響力を持っているということは間違いないところであると考えております。
そして、李秀勇外務大臣の就任についてでありますが、李秀勇外相、本年、最高人民会議において就任したということ、もちろん承知しておりますが、この動向につきまして引き続きしっかり注視はしたいと存じますが、具体的に私の立場からコメントすることは控えさせていただきたいと存じます。

○矢倉克夫君
引き続きよろしくお願いいたします。
古屋大臣にお伺いしたいんですが、この拉致問題の解決、これは大臣も常々おっしゃってくださっているとおり、特定失踪者を含めた全ての被害者の帰還である、このように、私も全くそのとおりであるかと思います。
それで思い返されたのが、昨年七月の閉会中審査で藤田隆司さんが発言されていたこと、これは藤田進さんの弟さんのお言葉ですが、東京都内の大使館五十か国以上を回って驚いたと、どこの大使館も拉致問題について非常によく理解はしているんですが、特定失踪者のことは全く知らなかったと。進さんのことを話すと驚かれるし、こんなにいるのかと改めて事の重大さを再認識したと。
その後、大臣の御尽力等もありまして、先ほども話もありました横田めぐみさんの写真展、各国大使もどんどん来た、その場で特定失踪者というのがいるんだということも更に皆様理解もされたと。当時の状況に比べれば、拉致被害者というのはもっと大きくいっぱいいらっしゃるんだと、政府認定の方だけではなくて本当に多くの人がいるんだということが世界各国でも知れ渡るような状況になってきたと思います。やはり、こういう点での国際世論を味方に付けていく、情報戦というのは非常に重要であるかと思っております。
大臣より、今後引き続きどのように各国に対して、この拉致被害というのはこれだけ大きなものなんだということを発信されていくにはどのようになされるおつもりか、取組を、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(古屋圭司君)
今委員御指摘のように、一昨年ですか、藤田さんがジュネーブ訪問をして、実際に拉致の疑いを排除できない事案、いわゆる特定失踪者、国連関係者でさえもほとんど認識していなかったんですね。私は、その話を聞いて大きな危機感を持ちました。だからこそ、私どもは、国際社会、そして国連に対して北朝鮮の拉致問題という一つの象徴的なテーマでしっかりとした決議をしていただく必要があるだろうということで、国際社会に働きかけて、政府を挙げて、外交チャンネルも駆使して、結果的にCOIの決議ができたんですね。各政党にも大変御尽力をいただきました。私は感謝改めて申し上げたいというふうに思いますが。
これによって、やっぱり北朝鮮は何百人にもわたる拉致をしたということが知られることになったんですね。カービーさんの、あのカービー委員会のレポートにも百人単位の数字が出ています。こういった国際社会の圧力というのが、北朝鮮が結果として今回の合意をせざるを得なかったというところにつながっていると思います。北朝鮮からすれば、我々は拉致問題も含めてそういった対応をしますという姿勢を見せざるを得なかった。だから、今度は、そういう意味で、総理の決断によってドアをこじ開けたということは、本当に解決に向けての一歩を踏み出した。
何度も申し上げるように、しかし、これからが本当に胸突き八丁の交渉であります。それは、二国間の交渉だけではなくて、世界に対しても今後もしっかりアピールしていく必要があります。国際社会に、政府が主催をして昨年度からやっている取組を継続してやっていく、あるいはジュネーブとかワシントンとかニューヨークとか含めて取組をしていく、こういったことは当然必要でありますので、引き続きしっかりやっていきたいと思います。
一方では、やっぱり国内の啓発ですね。これも極めて重要でございますので、是非各党におかれましてもそういった国内の啓発活動に対して全面的なお力添えをいただきたいと。このことが北朝鮮に対する圧力につながります。
御承知のように、北朝鮮は、意外なことなんですが、本当に細かい情報を気にしていますよ、彼らは。ですから、今日、この委員会でどんな議論をしているかということも恐らく彼らは全部キャッチしているでしょう。そういう意味では、私たちが強い情報発信をしていくということが極めて大切だと思います。
引き続き、この安倍内閣の下で拉致問題を解決をするために、担当大臣として全力を尽くしてまいります。

○矢倉克夫君
全ての方の帰還のために、私も全力で頑張りたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会討論_20140612

2014-06-12 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(地方教育行政法案 賛成討論)

2014-06-12 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に対して賛成の立場から、また、みんなの党提出の修正案には反対の立場から討論を行います。
以下、政府提出案について主な賛成理由を申し上げます。
一点目は、独立した合議制執行機関としての教育委員会制度を堅持し、現行の教育委員会と首長の職務権限の配分を変更しないこととした点です。
政治的中立性、継続性、安定性の確保や、レーマンコントロールによる多様な民意の反映といった観点から、教育委員会制度の存在意義はいまだ失われるものではありません。本改正案において教育委員会制度が維持されたことを高く評価いたします。
二点目は、現行の教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者たる新教育長の事務執行の適正化を図るための規定を設けた点です。
本改正案においては、教育委員による教育委員会会議の招集の請求権と委任事務の執行状況に関する教育長の報告義務について規定されております。また、教育委員会は、新教育長に委任した事務について、執行方針の策定、是正の指示、委任の解除を行うことが可能であることが確認されています。
今後、教育委員が、これらの権限の行使を通じて、教育委員会の事務執行の適正化のために積極的な役割を果たしていくべきである旨を周知徹底するとともに、新教育長及び教育委員の資質確保のための研修体制を整備することを政府に求めます。
三点目は、教育委員会と首長の連携強化のため、大綱の策定や総合教育会議における協議、調整という仕組みを新設したことについて、首長による教育委員会への権限の侵食を許すものではないことが制度的に担保されたことです。この点に関し、個別の教職員人事や教科書の採択は総合教育会議における協議の対象ではないことが確認されております。また、教育委員会と首長との間で合意に至らなかった協議調整事項については、それぞれが所管する事務について最終的な決定権を有することとなります。
今後、教育委員会と首長の相互理解の下に政策を進めていくためには、総合教育会議における運用上の工夫を積み重ねていくことが欠かせないということを付言したいと思います。
以上、本改正案に賛成する主な理由を申し上げました。
なお、みんなの党提出の修正案については、教育委員会制度は地方教育行政制度の根幹を成すものであり、設置するかどうかを自治体の決定に委ねるという制度設計には反対いたします。
今般の制度改革の発端は、いじめ自殺等の重大事案への対応において、現行の教育委員会制度における責任の所在の不明確さ、危機管理能力の不足、審議の形骸化等が指摘されたことにありました。
今回の改正案は、それらの指摘に対し適切な手当てを行った制度設計となっております。しかし、制度改正をして終わりではなく、今後の運用を通じて制度に魂を込めていかなければなりません。そのためには、教育委員会の活性化は欠かせません。また、教育委員会事務局体制の改革も必要です。
本改正案の成立が子供たちの幸福のための教育という視点に立った地方教育行政改革の契機となることを念願して、私の賛成討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会質問_20140610

2014-06-10 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(地方教育行政法案 首長と教育委員会の連携等)

2014-06-10 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
今日は、総合教育会議についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、大臣にお伺いいたします。総合教育会議の趣旨は、これまで何度も確認されておりましたが、首長と教育委員会の連携を図るという点であります。それで、そもそもなぜ連携が必要であるのか。裏を返せば、これまで連携がなかったことでどういう不都合があったのかという問いにもなると思いますが、その点について御所見をいただければと思います。とともに、過去に比べてより連携が必要となった事情があれば、それも併せて御意見をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
首長は、現行制度におきましても、私学や大学等の事務を所管するとともに、予算の編成及び執行や条例案の提出を通じて教育行政に大きな役割を担っておりますが、首長と教育委員会の意思疎通が十分でないため、地域の教育の課題やあるべき姿を共有できていないという指摘があります。これは制度上はありませんが、実際は首長とそれから教育長、教育委員会メンバーが意思疎通をしている自治体もかなりあるというふうには聞いておりますが、制度上は担保されているわけではないということであります。
また、近年の教育行政におきましては、いじめや児童虐待防止、キャリア教育、地域における子育て支援、放課後子どもプラン、また、この四月からは、文部科学省、省令改正いたしまして、土曜学習、土曜授業の推進を教育委員会の判断でできるようになるということをいたしましたが、これは、首長がこれに対してどういう思いを持っているかどうかが、結果的にそこの教育委員会がどの程度実施をするかどうかにも相当影響しているところもございます。
こういうような分野において、首長の所管する行政分野と密接に連携する必要性が高まっております。こうしたことから、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつより一層民意を反映した教育行政を推進していくため、総合教育会議を設置することとしたものであります。

○矢倉克夫君
大臣、御答弁いただいたとおりかと思います。連携がなかったことでまず形骸化が起こったという点もそうでありますし、今大臣から、キャリア教育や土曜授業等のお話もされておりました。
先週静岡で行われた公聴会においても、公述人のお一人が、生涯教育の比重等が高まったこと、これによって、これまで首長と教育委員会の権限がそれぞれ別にあったものが重なる領域もどんどん増えてきたと、これが今総合教育会議というものも求められる背景の一つであるという御意見がありました。今大臣がおっしゃった御答弁もそのラインに沿う部分であるかと思います。
それで、この総合教育会議において、これまで度々議論となりましたのが、調整事項とは何かという点であります。今申し上げた総合教育会議設置の趣旨から考えますと、調整とは、首長と教育委員会それぞれが権限に属する事項、これ重なり合う部分について双方同じ立場で協議をし結論を出すものという理解であります。つまり、首長から教育委員会への働きかけという一方向のものでは必ずしもないという理解をしております。
調整事項は何かという問いに対して、政府はこれまで、教育委員会の権限に属する事項のうち予算や条例等の首長の権限に関わる事項に限定されるという御答弁、何度もいただいておりますが、この発言の御意思もこの双方向性というものを踏まえたものである、このように理解もいたしております。後ほど、もし御意見があればいただければと思うんですが、そのまま続けさせていただきますけれども、事実、総合教育会議の機能としましても、教育委員会から首長に働きかけを行うことも期待をされているという理解もしております。
先日の地方公聴会でも、例えば、教育委員会が予算編成の過程においてもこれまで以上に関与することができるようになったと、これが一つ総合教育会議における意義であるというような発言も、興公述人であったと思いますが、発言もされておりました。
それで、問題は、この総合教育会議において、教育委員会が今言ったような主導権といいますか働きかけをするために必要な制度的担保がどのようになされているかという点であるかと思います。今現状の改正案では招集権や議題設定権は教育委員会にないわけですが、この前提で、教育委員会がその会議の場においても首長に対して働きかけをする制度的担保がどこにあるのか、この辺りを文部科学省から御意見をいただければと思います。

○政府参考人(前川喜平君)
改正案におきましては、教育委員会は、その権限に属する事務に関して協議する必要があると考える場合には、首長に対し協議すべき事項を示して総合教育会議の招集を求めることができるとしているところでございます。
総合教育会議は、首長の側からだけではなく教育委員会の側からも、例えば教職員定数の確保、教材費や学校図書費の充実など政策の実現に予算等の権限を有する首長との調整が特に必要と考える場合には、積極的に会議の招集を求めることができるものでございます。

○矢倉克夫君
今挙げていただいた一条の四の四項は総合教育会議の招集を求めることができるという、これはできるという権限規定であり、これに対して、当然ですが、首長が応じる義務があるかどうかというところは明記はされておりません。これはいろんな配慮があってこのようにされていると思うんですが。九項において、前各項に定めるもののほか、総合教育会議の運営に関し必要な事項は総合教育会議が定めると規定もされております。
この点、その招集の在り方にしても、基本的には教育委員会の方から招集求めるような要請があれば基本は応じるというような形での運用も今後しっかりと文科省としても通知をしていただきたい。これは意見としてお伝えをしたいと思います。
今ありましたとおり、総合教育会議についてもう一点の不安は、首長による教育委員会への介入の場になるのではないかという点が一部あるわけですが、これを払拭し、会議が趣旨のとおり機能するためには、やはり必要なことは議事の公開であると思っております。
改正案は、議事録について、小規模自治体の負担を勘案し努力義務とすることとされております。通常、議事録という場合は、個々の発言を逐一記載するものである、このように理解をしております。そのような議事録であれば、この小規模自治体の負担軽減という趣旨、合理性はあるものと思っております。ただ他方で、詳細な議事録ではなく簡単な概要等を作ることは、これはできるのではないかと。あと、特に協議をした項目全て、こういう項目を協議したというようなことは、しっかりと記録に残して住民の方々全てに見ていただく。それを通じてしっかり透明性のある、また特に不当な介入等もない、しっかりした会議運営がなされていたということを住民の皆様を巻き込んで監視をするというような体制もつくる必要はあるかと思います。
この辺りの概要メモや協議の項目の作成について御意見をいただければと思います。

○副大臣(西川京子君)
教育委員会の議事録の公開につきましては、平成二十四年度の文部科学省の調査におきまして約半数、四八・七%の市町村教育委員会が公開をしておりません。全ての教育委員会に対して議事録の作成、公表を義務付けることは、先ほど先生がおっしゃったように、事務局人数の少ない市町村教育委員会においてはかなり厳しい事務負担となるだろうということで努力義務にとどめたわけでございますが、文科省の調査は議事録の公開状況のみを一応調査しておりまして、作成状況までは調査していないんですね。
そういう中で、実は現行の地教行法が成立いたしました昭和三十一年当時、文部省が各地方公共団体に示した教育委員会規則案においては、会議録、議事概要ですね、を作成しなければならないという規定が明記されておりますので、先生がおっしゃった簡単な項目をメモした議事録とか、簡単な議事録は恐らくある程度の教育委員会で作成しているだろうということは推測できるわけです。そういう中で、簡単な議事録概要のみを公開している市町村教育委員会が二三・一%、今でもあります。
そういうことでございますので、住民への説明責任をやはり果たしていかなければいけませんし、この教育行政の透明化、そういういろんなことは大変重要でございますから、法案が成立した暁には、やはり施行通知や説明会などの機会を活用いたしまして、可能な限り議事録を作成し、公表するように指導してまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
今、施行通知というふうなお話もいただきました。やはり、この総合教育会議、しっかり運営なされるかどうかというのは、議事等も公開した上で、住民の方を巻き込んでその監視の下に置くという部分は非常に大きな要素であるかと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
次に、総合教育会議の機能について、具体例も挙げまして、空き教室を利用した放課後児童クラブの問題に関連をしてお尋ねしたいと思います。
安倍総理も先日、共働き家庭などの小学生を放課後に預かる放課後児童クラブの定員数をこの五年間で三十万人拡充するという方針を打ち出されました。その目的達成のためにも、先日も委員会で指摘させていただいたんですが、空き教室、これを利用して放課後児童クラブをこれ拡充していくということは非常に重要であるかと思っております。
ちなみに、平成二十五年五月時点で、放課後児童クラブとして空き教室が利用されている割合は二八・一%。これは、文部科学省所管の放課後子ども教室で空き教室が利用されている割合が七一・三%に比べると少ない数であるかと思っております。
この点、先日の委員会で大臣より、放課後児童クラブの空き教室利用が進まない理由は教育と福祉の意識の壁である、このように御答弁いただきました。ただ、大臣からまた、しかし総合教育会議を設けることによりこの壁を取り払う契機となるとの御趣旨の期待が述べられたと記憶をしております。
問題は、政府、これまで何度も空き教室利用ということを促進をいろいろ促してきた部分はあると思うんですが、なかなか先ほどの数字のような形の状態ではありました。これまでなかなか功を奏しなかったところが総合教育会議を設置することでなぜできるようになるのか、このような効果の部分を、総合教育会議の機能を明らかにする意味でも、大臣より御答弁をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
御指摘のように、学校の余裕教室等の活用状況につきまして、現在、放課後児童クラブ全体の約五〇%、放課後子ども教室全体の約七〇%という数字になっております。
小学校の近くに児童館などがある場合には余裕教室等の活用が必要ないこともありますが、活用が進まない主な理由として、一つは、放課後児童クラブの多くは福祉部局が担当しており学校を所管している教育委員会との連携が必ずしも十分でないこと、また、学校施設の放課後の活動への利用が管理上の理由から教育委員会や学校の理解が得られにくいことなど、教育と福祉の関係者間における意識の壁があるのではないかと考えております。
文科省としては、ただいま御審議いただいている地教行法改正案において設けることとしております総合教育会議を活用し、首長と教育委員会が十分協議することによりまして、このような意識の壁を越え、児童や保護者など関係者の立場に立って連携を深め、放課後の活動について学校の余裕教室等の積極的な活用が促進されるものと期待をしているところでございます。
また、放課後児童クラブ等への学校の余裕教室等の活用につきましては、厚労省と共同で一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室の整備等を推進していく方向でありまして、教育委員会がその当事者となり一体型の運営に責任を持つようになるということによって余裕教室等の活用促進が一層図られるよう促してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
大臣、御答弁いただいたとおりであると思います。
意識の壁があった部分を、今回大臣から関係者の立場に立ってというお話がありましたが、やはり総合教育会議を設けることで、そこに様々な地域のボランティアの方であったりPTAの方であったり、そういう住民の方々をそこに巻き込むことで、これまで壁があったものを取り払う効果がやはり私はあるかと思っております。法律でも、一条の四の五項のところで、関係者からも意見を聴くことができると。この関係者としてまさに地域住民の方にその総合教育会議の場に入っていただいて、いかにこれまでなかなか壁があってできなかった空き教室の利用が大事なのであるか、その意識を教育委員会等もしっかりと理解をしていくという過程は非常に重要であるかなと私は思います。
他方で、放課後児童クラブを学校の、保育用に空き教室を利用するということは現場教員の負担を増やすことになるという懸念も一部ございます。それに対しては今後どのように対処されるおつもりであるか、また御意見をいただければと思います。

○副大臣(西川京子君)
放課後対策を学校の余裕教室で活動する場合でありましても、これは当然その実施主体が、あるいは責任は学校ではなくて、放課後児童クラブが市町村の首長部局、そして放課後子ども教室は市町村の教育委員会が言わば責任者ということでございますので、放課後児童クラブのそして指導をする方も専任の指導員がいらっしゃいますから、直接教員の負担になるものとは考えておりません。ただ、放課後に児童が校内に残っているということで、安全面などで学校から、教員の負担につながるのではないかと、そういう懸念の声があることも承知しております。
文部科学省といたしましては、厚生労働省と連携いたしまして、今後、一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室について学校内への整備などを推進していくに当たって、責任の主体をより明確化していくことが必要であると考えております。そのために、地方公共団体に対して実施主体や責任の主体が首長部局や教育委員会であることをより明確に示していくことによりまして、先生方の負担が増えることのないように留意してまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
引き続き、よろしくお願いいたします。
引き続き、また総合教育会議の機能についてお尋ねいたします。
議論による首長との連携、これ教育委員会が通じることによって教育委員会が保有する情報が厚くなるとともに、教育委員会の視野が広がる、このような意見があります。先週の地方公聴会でも、こういう面がまた総合教育会議の機能であるというような意見が公述人からもございました。この件について大臣はどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
総合教育会議におきまして、大綱の策定を通じて、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策の目標や施策の根本となる方針を首長と共有したり、重点的に講ずべき教育施策について、予算の編成・執行権限や条例の提案権を有する首長と教育委員会による調整や保育と幼稚園、青少年健全育成と生徒指導、放課後子どもプラン等の首長と教育委員会の事務の連携が必要な事項について首長や有識者等と議論をしたりすることによりまして、教育委員の視野の拡大や教育委員会の活性化そのものにも資するというふうに考えております。

○矢倉克夫君
教育委員と首長それぞれが総合教育会議という場で連携し合うことで、お互いのノウハウを共有し合って能力を高め合うという意義は非常に大きいと思います。
そのような上のレベルにまた限らず、更にその下にある、例えば首長の下といいますか、スタッフとして頑張っていらっしゃるのは知事部局である、また教育委員会はこれから教育委員会事務局という形、それぞれがそのレベルでもまたしっかりと人事交流などで交流し合ってノウハウも共有し合っていくという、この方向性もまた大事であるかと思っております。
これについて、知事部局と教育委員会事務局の人事交流の必要性、どのようにお考えか、文部科学省より御意見いただければと思います。

○政府参考人(前川喜平君)
教育長や教育委員を支える事務局職員の資質の向上に向けまして、教育委員会におきましては、教員出身者のみならず、教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が重要であり、一般行政部局との人事交流も含めまして、適切な人材育成が行われる工夫が必要であると考えます。
今回の改正案が成立いたしました場合には、各地方公共団体の首長部局と教育委員会事務局との人事交流がより充実したものとなるよう取組を促してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
今、知事部局と教育委員会の事務局の人事交流について、一つ具体的なところからいくと、以前も私、委員会で質問させていただいた私学のいじめ問題について、現場の声の一つに、この私学のいじめの対処に当たってですが、教育委員会の管轄ではない、じゃ知事部局が管轄であるわけですけど、そこに相談を持っていくとどういう事態が生じるかというと、このいじめというものに対しての対処のノウハウがなかなか蓄積されていないというような現場のお声がありました。そういうような事案に対応する意味でも、やはり知事部局と教育委員会事務局の人事交流やノウハウの共有というのは非常に重要であるかとは思っております。
その意味で、大臣から、このいじめという観点からまた含めたこの人事交流の必要性についてどのようにお考えか、御意見をいただければと思いますが。

○国務大臣(下村博文君)
私立学校におけるいじめ問題に的確に対応するためには、知事部局の私立学校担当部署に教育に関する専門的知見を有する職員を配置することが望ましいと考えております。このため、知事部局と教育委員会事務局の人事交流も一つの有効な方策であるというふうに考えます。
なお、平成十九年の地教行法改正におきまして、都道府県知事が必要と認める場合には、都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求めることができるとされたところでありまして、この規定を活用することも可能でございます。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。

教育委員会の活性化に向けて

2014-06-05 メルマガ

矢倉かつおです。

猛暑のあとの雨模様、いよいよ関東も梅雨入りでしょうか。

通常国会は終盤を迎えております。慌ただしい日々ですが、非常に充実しています。

5月27日の参議院文教科学委員会にて、「地方教育行政法」の改正案について審議が行われました。この「地方教育行政法」は教育委員会の権限などを定める法律です。私が質疑で取り上げた議題は「教育委員会の活性化」でした。

福岡県に春日市という人口11万人弱の都市があります。この春日市の教育委員は、夏休み期間中などを利用し市内の全小中学校をまわって全教職員と意見交換するなど、「現場に入る」姿勢が有名です。これは「出張トーク」などといわれ、新聞報道でも幾度か取り上げられました。

私のほうからは、この春日市や、東京の立川市、また教育委員を公募する大阪の箕生市(教育委員6名のうち4名が、経験豊富な30代から40代の女性です)などの実例を示しながら、教育委員会が「地域の幅広い民意を吸い上げる」という本来の役割を果たすために必要な提案を、いくつか具体的にいたしました。西川文部科学副大臣からは「教育委員が自ら現場に出向いて地域住民と意見交換を行う、あるいは地域住民の意見を聞く機会を設ける。大変重要なことだと考えております。」との積極的な答弁を引き出しました。

http://youtu.be/orZQmWEsJfU
※    質疑の動画となります。「教育委員会活性化」について詳細は、動画の17分あたりからです(動画視聴には別途料金がかかることもあります。ご注意ください)

実は、この「地方教育行政法」の改正をめぐっては、当初、「教育委員会を廃止するべきだ」との議論が与党内でも優勢でした。理由は、大津市でのいじめ事件における教育委員会の対応の悪さでした。「大事なときに、教育委員会は動かないじゃないか、むしろ問題を隠している。」こういった批判の声が廃止論に行き着いたのです。

しかし、教育委員会を廃止することは、首長の教育に対する関与を強めることを意味します。特に幼少期にどのような教育を受けたかは、子どもの思想や人格に影響します。仮に教育が選挙結果により短期的に左右されるようなことが起きたとき、子どもの将来に誰も責任が持てません。「教育は子どもの幸福のため」この観点から公明党は拙速な教育委員会廃止論をおさえました。ここにも激しい与党内調整がありました。

今回の改正案は、教育委員会を執行機関として残したうえで、教育予算を預かる首長と、教育委員会の連携を蜜にするための新たな制度を導入しました。「多数決という民意」を体現する首長と、「多様な民意、地域の声を吸い上げる」教育委員会が良い意味で緊張関係を保つことは大事です。その理想通りに制度が動くために必要なこと、それが、形骸化の叫ばれている「教育委員会を活性化」させることです。

全国には、良い取組みをしている教育委員会も多く存在します。今回は取り上げませんでしたが、たとえば、埼玉県の鶴ヶ島市なども、その一例です。各地の先進的な取組みをいかに全国展開するか。この点も引き続き、議論して参ります。