【矢倉かつお】北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会質問_20140613

2014-06-13 矢倉かつおチャンネル

186回 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(日朝合意等)

2014-06-13 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
先ほど横田御夫妻の切なる思いをお伺いして、改めて解決に向けて頑張らねばならないと決意をいたしております。
さて、先日の日朝合意、私も大変驚きました。まさに電撃的であったなと思います。合意に向けて、関係者の方の御尽力、敬意を表したいと思います。
その上で、まず、政府参考人、今日来ていただいておりますが、合意文書作成の経緯、御説明をいただければと思います。
特にお聞きしたい点は、この合意文書、五月二十六日から二十八日のストックホルム会議で一気にまとめ上げられたのか、それとも、三月末に北京で局長級で会議されていたんですが、そこからストックホルムの会議まで二か月間あったわけです、その二か月の間で下準備をした上で草稿としてまとまっていたものが最終的に合意をされたのか、その点も含めて、御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今回の合意につきましては、五月二十六日から二十八日の政府間協議において、この前の三月の北京における協議も踏まえまして、双方が関心を有する幅広い問題について集中的、真剣かつ真摯に議論を行い、その結果を代表団としては本国に持ち帰って報告をした上で、四大臣会合を受けて、日朝両政府間の合意として確認し、発表に至ったと、そういう経緯でございます。
三月の協議という土台はございましたけれども、基本的には、ストックホルムで二日半にわたって、相当長時間、集中的に真剣に議論した結果が今回の合意であるということであると思います。

○矢倉克夫君
二日の期間で集中的にこのような形で文案をまとめていただいた。その後、政治主導というリーダーシップを発揮された上でこういう合意になったという報道は今確認されたと思います。他方で、まだ事務方レベルでは具体的な詰めはこれからまた更なる課題であるなどというのは改めて伺いました。まさにここからが勝負であるかとは思っております。
ただ、他方、とはいいましても、これまで北朝鮮は、この問題に関しては解決済みだということをずっと言っていた、それを今回、合意という形でまさにこの場に引っ張り出してきたというのは、私は大きな成果であるかと思っております。
それも踏まえまして、外務大臣より、まず、現時点において、日本がこの合意において何を勝ち得たのか、その辺りの御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、今回の合意におきましては、拉致問題につきまして、拉致被害者及び拉致の疑いが排除されない方々、こういった方々はもちろんでありますが、あわせて、先ほどの質疑にもありました墓参の問題、あるいはいわゆる日本人配偶者の問題等、こうした全ての日本人に関する問題につきまして包括的、全面的な調査を実施する、こういった目標を対象とするということとなりました。そして、それに際しまして、日朝双方がとるべき行動措置について文書の形において明確にお互いの意思を確認することができた。また、先ほども質疑の中に出ておりましたが、この文書の中で、日本人の生存者が発見される場合には帰国させる方向で必要な措置を講じる、こういった一文も明記することができました。
まずはこういった点を確認し、そして調査を行うことになったわけですが、ただ、この調査につきましては、実効性をしっかりと担保しなければなりません。今回の合意は大きな一歩ではあると認識しておりますが、この調査の実効性をしっかり担保し、そして具体的な結果につながるべく、これからしっかり努力をしていかなければいけない、このように認識をしております。

○矢倉克夫君
大臣御答弁のとおり、成果は上げられていると思っております。
ほかにも、例えば、北朝鮮に対して、全ての機関を対象とした調査を行うことができる権限を持った特別な調査機関の立ち上げ、全ての機関ですので、これまで北朝鮮、国内での秘密機関がやったことであるから分からないというような抗弁も言ってきた部分はあったと思うんですが、それに対してしっかりと封殺するような形での合意もできたことはあるかと思います。
ただ、今大臣おっしゃったとおり、これから実効性を上げることが非常に大事。我々の目的をまず考えるのは、あくまで全ての被害者の方が帰還されるということがこの目的である。そこから考えますと、今現時点ではまだやっとスタートラインに立ったということは、あくまで言うまでもないことであるかと思います。
他方、北朝鮮側が今回この合意によって何を得たのか。その部分に関しては、やはり成果の一部、彼らが望むものの一部はやはり手に入れたということは言えるのではないかと思います。例えば、北朝鮮のこれまでの様々な貢献に対して日本が一定程度の評価をしているということ。これは、今現状は北朝鮮は世界各国からもう人権侵害ということでいろいろ非難されている部分があったわけですが、その中で当事者の日本がある程度評価をしたということを北朝鮮はこれからどうやって使っていくのか、そこは気を付けないといけないと思います。
そして、何といっても、経済制裁一部解除という文言がしっかり入ったというのは彼らにとっては大きな部分はあるかと思います。言わば、日本は、まだ種をもらっている状態、この種を植えて本当に大きな木がなって実がなっていくのかというのはまだ分からない状態、ひょっとしたら芽すら吹かないというようなこともあり得る。他方、北朝鮮は、明らかに果実というのを持つ可能性は十分あるという点はあると思います。
ここで確認したいのは、調査開始のみをもって制裁解除に合意した意図はどういう点であるかという点です。調査の開始といいましても、北朝鮮が自ら犯したこの行為についての調査を自らするということ、そういう点では、自らの行為を自ら調べること、これの開始のみで制裁解除を認めたという部分はあるわけですが、ハードルが余りにも低いのではないかというようなお声も当然あるかとは思います。
また、よく引き合いに出されている二〇〇八年の合意において、それと文言を考えてみますと、二〇〇八年の合意においては、この調査というのは生存者を発見し帰国させるための調査、そのような前提でおりました。それに比べて今回の合意は、まだ開始すべき調査というものがどの程度のものなのか、ここからはまだ見えてこない。
もうこの段階で解除という、制裁解除というものを明記をしたその意図について、政府参考人より御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今委員御指摘のとおり、今回の合意におきましては、政府として、北朝鮮側が全ての日本人に関する包括的、全面的調査を実施するための特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で部分的な制裁解除を行うこととしております。
ただ、この調査を開始する時点というのが、単なるその言葉ではなくて、実際の行動でなければならないというふうに思っております。したがいまして、北朝鮮側は、調査開始前にその特別委員会の具体的な組織、構成、責任者等を日本側に通報するということを今回約束しております。
政府としては、こういった情報を十分把握して、具体的な結果が得られるように取り組んでいきたいと思っておりますし、我が方が制裁解除をするに際して、そのようなきちんとした調査が開始されるということを見極めた上でこれを行っていきたいというふうに思っております。
それから、二〇〇八年の合意との比較について御指摘がございましたけれども、今回、二〇〇八年のときとは違って、合意の中に、拉致問題については、日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じるということが明記されておりまして、この点は、二〇〇八年の合意よりも、より具体的な今後の対応として北朝鮮にはっきりとこの点を確認したということは一つの成果であるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
何をもって開始する時点というか。先ほども確認したとおり、これからこの合意も、詰めもしていかなければいけない段階であると思います。しっかりと厳密に確認をいただければと思います。
肝腎なのは、やはり相手方に余り簡単に果実を与えないことである、特に、相手方が満足するような十分過ぎる果実をやはり与えてしまわないということではあるかと思います。向こうが十分に満足してしまえば、もうそこでそれ以上進めるモチベーションは当然なくなってしまうわけでありますので、その点で、制裁解除の具体的内容についてお伺いしたいんですが、例えば人的往来の制裁措置、このような形で解除の内容として今書かれていますが、これの内容についてはまだこれから詳細は詰める余地はあるのでしょうか。そうであれば、例えばその人的往来というのも、全ての人間という形で、その前提で議論するのではなく、やはり部分的に段階的に、往来ができる人の人的要素というのをこれから段階的に解除していくというやり方もあるかとは思っております。
また、ついでに申し上げると、同じく解除の中で、人道目的の船舶入港の禁止について述べられておりますが、人道目的の船舶の入港かどうかというものはなかなかこの判断が難しい。これをチェックがしっかりしないと、結局抜け穴になってしまうというようなこともあるかと思います。この辺り、どのようにチェックをされていくのか、今後の方針をまたお伺いしたいと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
まず、人的往来につきましては、今回の規制解除によって二〇〇六年七月五日以前の方針に戻るということになりますけれども、その手続の具体的な詳細につきましては、今後関係省庁間で調整をしていきたいというふうに考えております。
それから、人道目的の北朝鮮船舶の入港禁止措置の解除の実施のための手続の詳細につきましては、これは基本的には、二〇〇八年の当時、相当限定的にしか認めないという話はしておりましたけれども、こういった点を改めて関係省庁で調整をしていくということになると思います。
いずれにしましても、ここでいう人道目的が指す内容については、食糧、衣料、医薬品を中心とする生活・衣料物資を想定しているというところでございます。

○矢倉克夫君
人的往来範囲、以前に戻るというところでありますが、安易に広げ過ぎないように、そこはしっかりとまた協議もいただければと思います。また、人道目的も、これから国土交通省等ともまた連携を組むんですが、手続的なところもしっかりときっちりと監視できるような体制を是非よろしくお願いいたします。
とはいえ、北朝鮮が今までの態度を変えてきた、本当に僅かな契機かもしれませんが、見えてきたという部分は何らかのシグナルではないかとは思っております。
外務大臣にお伺いしたいんですが、北朝鮮がこのように軟化をしてきた背景、様々言われております。中国との関係が悪くなってこの四か月間、原油も止められている、そういうような中国との関係が、今まで後ろ盾だった中国との関係が悪くなって、何とか局面を打開したいというところでより寄ってきたというような部分もある。また、経済制裁がやはり効いてきたというような部分もある。
そのような外部要因が彼らを追い込んだというような意見もある一方で、北朝鮮の中で何か動きがあるんじゃないかというような意見もあるかと思います。例えば、李秀勇外相が就任をされたわけですが、元々、金正恩第一書記の腹心だったからというような部分での意見もあれば、やはりスイス大使を務められたぐらい国際感覚豊かな方が、そのような方が入ったことで何らかの国内の中でもいろいろ状況があるんじゃないかというような御意見もある部分ではあります。
その辺り、外務大臣、今、北朝鮮の中での情勢をどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、北朝鮮のこの内部の動向につきましては、政府としまして絶えず大きな関心を持ち、注視し、そして分析をしてきております。ただ、公の場でこの北朝鮮の内部の動向について、あるいはこの背景について申し上げるというのは控えなければならないと考えます。
ただ、御指摘の中国との関係につきましては、経済関係を含めまして、北朝鮮、中国と密接な関係を現在でも引き続き持っております。中国が国連の常任理事国の一国であるということ、あるいは六者会合の議長国であるということ等を考えましても、この朝鮮に対して中国が大きな影響力を持っているということは間違いないところであると考えております。
そして、李秀勇外務大臣の就任についてでありますが、李秀勇外相、本年、最高人民会議において就任したということ、もちろん承知しておりますが、この動向につきまして引き続きしっかり注視はしたいと存じますが、具体的に私の立場からコメントすることは控えさせていただきたいと存じます。

○矢倉克夫君
引き続きよろしくお願いいたします。
古屋大臣にお伺いしたいんですが、この拉致問題の解決、これは大臣も常々おっしゃってくださっているとおり、特定失踪者を含めた全ての被害者の帰還である、このように、私も全くそのとおりであるかと思います。
それで思い返されたのが、昨年七月の閉会中審査で藤田隆司さんが発言されていたこと、これは藤田進さんの弟さんのお言葉ですが、東京都内の大使館五十か国以上を回って驚いたと、どこの大使館も拉致問題について非常によく理解はしているんですが、特定失踪者のことは全く知らなかったと。進さんのことを話すと驚かれるし、こんなにいるのかと改めて事の重大さを再認識したと。
その後、大臣の御尽力等もありまして、先ほども話もありました横田めぐみさんの写真展、各国大使もどんどん来た、その場で特定失踪者というのがいるんだということも更に皆様理解もされたと。当時の状況に比べれば、拉致被害者というのはもっと大きくいっぱいいらっしゃるんだと、政府認定の方だけではなくて本当に多くの人がいるんだということが世界各国でも知れ渡るような状況になってきたと思います。やはり、こういう点での国際世論を味方に付けていく、情報戦というのは非常に重要であるかと思っております。
大臣より、今後引き続きどのように各国に対して、この拉致被害というのはこれだけ大きなものなんだということを発信されていくにはどのようになされるおつもりか、取組を、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(古屋圭司君)
今委員御指摘のように、一昨年ですか、藤田さんがジュネーブ訪問をして、実際に拉致の疑いを排除できない事案、いわゆる特定失踪者、国連関係者でさえもほとんど認識していなかったんですね。私は、その話を聞いて大きな危機感を持ちました。だからこそ、私どもは、国際社会、そして国連に対して北朝鮮の拉致問題という一つの象徴的なテーマでしっかりとした決議をしていただく必要があるだろうということで、国際社会に働きかけて、政府を挙げて、外交チャンネルも駆使して、結果的にCOIの決議ができたんですね。各政党にも大変御尽力をいただきました。私は感謝改めて申し上げたいというふうに思いますが。
これによって、やっぱり北朝鮮は何百人にもわたる拉致をしたということが知られることになったんですね。カービーさんの、あのカービー委員会のレポートにも百人単位の数字が出ています。こういった国際社会の圧力というのが、北朝鮮が結果として今回の合意をせざるを得なかったというところにつながっていると思います。北朝鮮からすれば、我々は拉致問題も含めてそういった対応をしますという姿勢を見せざるを得なかった。だから、今度は、そういう意味で、総理の決断によってドアをこじ開けたということは、本当に解決に向けての一歩を踏み出した。
何度も申し上げるように、しかし、これからが本当に胸突き八丁の交渉であります。それは、二国間の交渉だけではなくて、世界に対しても今後もしっかりアピールしていく必要があります。国際社会に、政府が主催をして昨年度からやっている取組を継続してやっていく、あるいはジュネーブとかワシントンとかニューヨークとか含めて取組をしていく、こういったことは当然必要でありますので、引き続きしっかりやっていきたいと思います。
一方では、やっぱり国内の啓発ですね。これも極めて重要でございますので、是非各党におかれましてもそういった国内の啓発活動に対して全面的なお力添えをいただきたいと。このことが北朝鮮に対する圧力につながります。
御承知のように、北朝鮮は、意外なことなんですが、本当に細かい情報を気にしていますよ、彼らは。ですから、今日、この委員会でどんな議論をしているかということも恐らく彼らは全部キャッチしているでしょう。そういう意味では、私たちが強い情報発信をしていくということが極めて大切だと思います。
引き続き、この安倍内閣の下で拉致問題を解決をするために、担当大臣として全力を尽くしてまいります。

○矢倉克夫君
全ての方の帰還のために、私も全力で頑張りたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。