【矢倉かつお】法務委員会_20150414

2015-04-14 矢倉かつおチャンネル

189回 法務委員会(難民認定等)

2015-04-14 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党、矢倉克夫です。よろしくお願いします。
まず、先週の十日であったと思いますが、訟務局、設置をされました。そちらのまず意義についてお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(定塚誠君)
お答えいたします。
その前に、訟務局創設に当たりましては各方面から多大なる御支援をいただきまして、どうもありがとうございました。職員一同頑張っていきたいというふうに思っております。
これまで訟務は、国の利害に関する訴訟が提起された場合にこれに適切に対応するということを重きを置いてやってきたわけでございますが、今後は、将来の法的紛争を回避するためのいわゆる予防司法機能も強化する必要があるというふうに考えております。また、国際化の進展に伴いまして、国際訴訟等への関与の在り方についても積極的に検討していく必要があるというふうに考えております。
そして近年、国の利害に重大な影響を及ぼす訴訟が増加傾向にあることから、訴訟への適切な対応という観点から、政府として、統一的、一元的な対応を行うために訟務に関する指揮権限を強化する必要があるというふうにも考えておるところでございます。これらに的確に対応する組織を整備するというのが訟務局新設の意義であるというふうに認識しております。
以上です。

○矢倉克夫君
私も、昨年の十月二十八日の質問において、法務省はとりわけ国際訴訟の担い手たるべきという期待の下にもありますが、この訟務局創設、応援をさせていただきました。今回このような形で創設をされたことは非常に喜ばしいことでありますし、今局長からもお話のありました、非常に意義のあるところでありますので、是非更に充実したものにしていただきたいというふうに、このように思っております。
元々この訟務局は、やはり国賠に対しての被告、とりわけ国内の訴訟に対しての対応というのが中心になるかとは思いますが、今お話にもありました国際的な問題の対応というのも非常に重要になってくると思います。もとより所管の問題もありますので、法務省が経産省や外務省と同じように例えばICJやまたWTOの紛争の前面に立ってというようなことはまた違うレベルの話になるのかもしれませんが、法務省というのは霞が関の顧問弁護士というような意味合いもあるかと思います。とりわけ人的資源、法曹資格を持っている人が非常に多い法務省が、これから更に激化をしていく国際紛争の分野においてもしっかりと力を発揮していく必要があるかと思っておりますし、その意味でも今回の訟務局創設というのは大きな意味もあるかと思います。
今後は、とりわけ他省、外務省とか経産省とかとの連携の在り方を含め、例えば、局長も今御答弁いただいた、局長レベルでのパイプを持った議論のやり方もできるというようなことも今回の訟務局創設で一つやり遂げることができたと思うんですが、そういうようなきっかけをうまくつかんで他省との連携の在り方というのも更に考えていく必要があるかと思いますが、上川法務大臣より御所見いただければと思います。

○国務大臣(上川陽子君)
委員におかれましては、訟務局創設に当たりまして大きなお力を頂戴したことを心から感謝申し上げます。
ただいま御質問の国際的な様々な紛争ということにつきましても、訟務局への期待ということの御意見がございました。国際化の進展、そして国際取引そのものが飛躍的に拡大をしているということでございますので、我が国が国外で訴訟等を提起されるリスクというのは高まっているというふうに考えております。
外国の裁判所におきまして我が国を当事者とする訴訟等が提起された場合におきましては、制度上は法務省が対応可能であるということでございますが、これまで慣行的には外務省が対応してきたというところでございます。国際司法裁判所等の国際法上の司法手続あるいは国際的な紛争解決手段に関しましては、制度上は法務省が直接関与するということにはなっておりません。
しかしながら、こうした場合におきましても、国内の訴訟におきまして、事実認定でありますとか、あるいは証拠の評価につきましても、訟務の知見、ノウハウ、こうしたことが活用できるという場面もあろうかというふうに考えておりますので、関係各省、関係各部署としっかりと連絡体制を強化をいたしまして、国際訴訟案件等への対応の在り方あるいは役割分担につきましても議論を進め、またそうした連携を強化してまいりたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
国際ルールが様々なレベルで作られる過程、裏を返せば紛争が起きるリスクもあるというところであります。その辺り、今後も一層法務省の知見を生かしてより良い運用の在り方を考えていただければと思います。
それでは続きまして、先週に引き続き難民問題を取り上げたいと思います。前回の質問、大臣より、やはり保護されるべき人が保護されないというような在り方はよくないというようなお話もお伺いもいたしました。
その御意見を踏まえまして、まず、今難民条約等もあります。この保護されるべき人、難民条約においてどのように規定をされているのか。また、今様々な国際的な情勢の変化等もある、そこの部分も範囲を超えた上で保護されるべきというような意見もあるわけですが、保護されるべき人というのはどのように捉えられているのか、御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(井上宏君)
まず、我が国における難民の定義でございますけれども、入管法におきましては、難民条約の適用を受ける難民をいうとされてございますところ、難民条約におきましては、難民とは、人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見、これらのことを理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にあって、その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためその国籍国の保護を受けることを望まないもの、このような定義になっております。
他方、難民条約上の難民に該当しない場合でございましても、人道的な観点から必要と認められるときには本邦での在留を特別に許可することとしております。例えば、本国において内戦や戦闘状態から逃れたいわゆる避難民につきましては、避難していることのみをもって直ちに難民条約上の難民に該当するということにはなりませんけれども、人道的観点から在留を認めるべき場合につきましてはその在留を認めておるところでございます。

○矢倉克夫君
例えば、今シリア等でも内戦、更に激化をしております。今の御説明ですと、本来内戦などで避難をされている方は難民条約の難民という形ではないのかもしれませんが、やはり人道上の配慮からも保護すべきであると。その上で、そういうのが国際的な潮流にもなっているというようなお話でもあったかと思います。
現状、今、日本の難民の認定の状態を見てみたいと思いますが、先週も申し上げました、難民の申請自体は非常に増えている。昨年の平成二十六年の段階で五千人ぐらい、これ平成十七年の頃に比べればもう相当増えている、平成十七年が三百八十四人でしたので。
他方、認定をする数というものがどうなっているかといいますと、平成十七年が四十六人認定をされていたわけですが、平成二十五年は六人のみで、平成二十六年は十一名と。申請自体がもう加速度的に増えているのに、認定者が実は減っているというような状態になっている。
このような状態は背景としてどのような理由があると分析をされているのか、御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(井上宏君)
難民の認定でございますけれども、それはあくまでも申請者が難民条約の定義する難民に該当するか否かによって判断されるものでございまして、我が国における難民認定数が少ないのではないかという御指摘があることも事実でございますけれども、実際のところは、諸般の調査を綿密に行いまして、例えば第一次の審査でございますれば、法務大臣が指定する入国審査官、これ難民調査官といいますけれども、研修によりましてその能力を高めました難民調査官が具体的にインタビューをしていろいろと調べる。そのような手続を行っておりますし、二次審といいましょうか、異議段階、異議の申立てに対する審査におきましては、学識経験者等を難民審査参与員というふうに任命いたしまして、三名一班の体制で必要に応じて直接申請者から事情を聞くなど、そういう丁寧な手続をした上で、その難民審査参与員の意見を伺って、それを参考にして難民の認定を決するという。そのような慎重な適正な手続を経た上で個別に判断した結果、余り数が出ていないというのが実情であると判断してございます。
その背景事情はいろいろあるとは思いますけれども、先ほど委員御指摘のように一時は五十人程度の認定があった時代もあるわけでございますが、その当時、ミャンマーの国内情勢が非常に悪くて、かなりミャンマー国籍の方の難民認定があったということ。ただそれは、大変最近ミャンマーの国内情勢が安定してきているために減っているようなことが一つ指摘できると思いますし、また最近申請数が増えている国は具体的にはネパールでございますとかトルコ、スリランカ、ベトナムなどでございますけれども、では、これらの国々における国内の社会情勢が近年非常に急激に悪くなったかといいますと、どうもそのような事実はないと。このようなことから、難民の認定数が余り増えないということの一因になっているのではないかと思います。
いずれにいたしましても、難民条約の定義する難民に該当するか否かにつきまして、これまでの実務先例や裁判例、さらには国際的な実務先例なども参考にいたしまして、個々の事案に応じて適切に判断してまいりたいと存じます。

○矢倉克夫君
今、申請している人が国内的に安定している国の人が増えたというような事情もあったと思いますが、やっぱり見過ごしていけないのは、国際的な事情の中でも、本来真に保護をすべき人の申請が増えるような事情が非常に増えていると。内戦も非常に激化もしている、そういうような紛争状態の中で保護を求める人は増えているわけですし、潜在的に保護を求めたいという人はやっぱり多いことは言えるかと思います。
しかも、条約上の難民の定義には当てはまらないとしても保護すべきという部分は世界の趨勢でもあるわけですし、かといって、では日本だけ認定数が減っている、ほかの国は、例えばドイツなんかは、認定申請者になりますけど、二〇一三年で例えば対前年比が申請、四・五万人増えている、一四年では六・三万人増えていると。この数、桁違いにすごいわけですが、それだけ世界の中では難民申請をしたいという理由を持っている人がやっぱり増えているというような状態は看過してはいけないと思います。
じゃ、何で日本で認定数が減っているかというと、理由としては、本当に真に保護されたいというふうに思っている人の申請数自体が減っているかもしれないというようなところ、要するに、日本に申請しても駄目なんじゃないかと諦められちゃっている環境もひょっとしたらあるのではないかなと。逆に、先週申し上げましたとおり、濫用しようとする人の申請自体が増えてしまっていて、制度自体非常にひずみが来てしまっているのではないかというようなところはあるかと思います。
我が国も国際協調主義を掲げているわけですから、今の難民認定の制度、在り方が仮に濫用の温床だけになってしまって、本当に真に保護をされたいと思っている人からは日本に申請しても駄目だというふうに忌避されるような状態になってしまってはやはりよくないかと。改善すべき部分はやはりしっかり改善するというような方向性をまた議論をしなければいけないと思います。
ポイントとして、今理由として推測されるのは、まず認定の基準自体がやはり厳し過ぎるというところ、一つ目。あともう一個は、認定に当たっての前提の情報、事実、収集する情報がほかの国に比べてやはり少し偏ったものになっているか、少し範囲が狭いか、詳細な部分が足りないかというようなところであるかと思います。
とりわけその後者の部分において具体的な情報収集、どのようにされているのか、簡単にちょっと御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(井上宏君)
難民認定の手続を適正に行うためには、これは難民申請者の出身国の情報とか国際情報を幅広く収集して参照することが重要でございます。
当方どもが参照しておる情報といたしましては、例えば一般的な報道もございますし、外務省が公開しておる各国、地域別の渡航情報というのもございます。また、英国、イギリスの内務省の報告でございますとかアメリカの国務省の報告など、各国の人権状況やそういう国内情勢についてかなり良い情報を出しております。その辺も参照しております。さらに、国連難民高等弁務官事務所、UNHCRでございますが、ここが提供しております出身国情報、特に難民を多く出している諸国の出身国情報でございますとか、特定の国や地域出身者の保護の必要に関する事務所の見解等、このような情報も参照しながら適切な取扱いに努めておるところでございます。

○矢倉克夫君
今、出身国情報というような話もありました。とりわけ今は難民高等弁務官事務所なども非常に詳細なマニュアルなども作っている、各国の赤十字なども作っている、そういうようなものも、しっかり情報共有という部分も含めてやっていくべきであろうかと思います。
最後に、大臣、時間ちょっとぎりぎりで恐縮ですが、日本の問題の一つ、特に難民高等弁務官の事務所などから言われているところ、情報の共有化等も非常に少ないという部分は言われていると思います。この、認定の基準をどうしていくのかというところの部分とはまた別に、やっぱり各国の優れた知見等も取り入れていくという姿勢をもっと取り入れないと、難民認定の国際的な潮流の中で国際協調主義をしっかり標榜している日本の責務を果たす上でも、まだまだ足りない部分はあるのではないかと思います。
例えば、難民高等弁務官事務所などとのノウハウの共有を図るであるとか情報の共有化も図っていく、人材交流などというのも積極的にやっていくべきかと思いますが、その点、最後に御所見をいただければと思います。

○委員長(魚住裕一郎君)
上川法務大臣、答弁は簡潔に願います。

○国務大臣(上川陽子君)
難民調査に関わる様々な知見を共有しながらやっていくというのはやはり大変大事なことだというふうに考えておりまして、UNHCRとの間でもこれまでも人材育成あるいは出身国情報等の提供、こうした面での協力関係を構築してきたところでもございます。
これから先におきましても、その拡充に向けて協議を進めてまいりたいというふうに考えております。積極的な関わりの中で、難民の認定の制度そのものの質が向上することができるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
終わります。