各地の党員会へ

2016-12-29 ブログ

今年も多くの党員の方々に支えていただきました。
秩父、朝霞、川越、入間、さいたま市緑区での党員会の様子です。
いつも笑顔で迎えていただき本当にありがとうございました。
来てよかったと思っていただけるよう、さらに精進します。

埼玉県本庄 農業懇談会

2016-12-29 ブログ

本庄にて地元農業者の方と懇談会。
深刻な人手不足の問題をどうすべきか。技能実習制度はどうあるべきか。真剣な議論ができました。
最初は厳しい顔色をされていた方々も、最後は「私たちの声が届いた感じをもった」と喜んでいただきました。よかったです。
とりわけ農政は、現場の声が本当に大事。来年も徹していきます。

防疫対策に万全

2016-12-28 ニュース

公明新聞:2016年12月28日(水)付

蒲島知事と対策について協議する矢倉政務官=27日 熊本県庁

蒲島知事と対策について協議する矢倉政務官(奥側左)=27日 熊本県庁

県庁で矢倉氏

矢倉克夫農林水産大臣政務官(公明党)は27日夕、熊本県庁を訪れ蒲島郁夫知事らと今後の対応を協議した。

県によると、養鶏場の半径3キロ圏内を移動制限区域、同10キロ圏内を搬出制限区域に設定、搬出制限区域内には25農場がある。蒲島知事は「監視体制の強化や、風評被害の防止をめざすとともに、発生地やその周辺の防疫体制を徹底して終息に万全を期したい」と述べた。

矢倉政務官は「県と国が密に連携を取りながら原因究明に努め、ウイルスをしっかりと封じ込めていけるよう全力を尽くす」と語った。

IR法を契機に依存症撲滅を

2016-12-27 メルマガ

矢倉かつおです。

国会閉会後も、予算編成や鳥インフルエンザ対応、地元を含めた現場まわりなど動いております。

このメールでは当初、国際時代における農業について書く予定でしたが、終盤国会の激しい動きのなか、別に書かなければいけないテーマが出来てしまいました。

IR法(統合型リゾート推進法)です。

この法律の賛否について、公明党内も意見が割れたこともあり、ご懸念のお声も頂いているところです。

賛成・反対それぞれ何を背景に決断したかなど、後ほど考えを書きますが、その前に、少し丁寧に、この法律の中身を追ってみたいと思います。「カジノ解禁法」という呼称が一人歩きしている印象がありますので。

 

〇IR法は、直ちに「カジノ」を解禁するものではありません。

まず誤解されがちですが、IR法は、それだけでカジノを「解禁」したものではありません。

カジノ含むIR(統合型リゾート)を解禁するにはどういった要件が必要か、関係省庁に検討するよう指示をだしたものです。

その指示も「丸投げ」ではありません。

「統合型リゾートの敷地に占めるカジノの面積割合は限定する」「地方議会の同意を要件とし、公聴会などを開催する」「数は厳格に少数(日本で2か3くらいと言われます)にする」「ギャンブル依存症対策のため十分な予算を確保する」「入場制限をかける」など、16項目にもおよぶ付帯決議により、縛りをかけています。

解禁に厳しい制限をかけるため、今後、1年以上かけて議論します。

ただ、そうはいっても、いわゆる賭博である「カジノ」が将来的に「解禁」される可能性を開いたことは確かです。重大な政策転換です。

 

〇IR(Integrated Resort=統合型リゾート)とは?

そこで立ち止まり、ここでイメージしている「カジノ」とは何か、考えたいと思います。

アメリカのギャング映画の舞台になったようなものを想定される方も多いと思います。マフィアが取り仕切り、イカサマが横行、負けが込んだ客は身ぐるみはがれてしまうような。

しかし、ここで想定されている「カジノ」は違います。

数千室規模の高級ホテル、映画館、世界各地の食べ物が並ぶレストランゾーン、ショッピングゾーン、国際会議場などを備え、国際会議や展示会、見本市などで海外の人との商談をするビジネスマンや、観光を目的とした家族連れなどがターゲットの「統合型リゾート」、その一角にある「カジノ」です。

運営するのはマフィアではありません。ちゃんとした会社です。

意外に思われる方も多いのではないでしょうか。

よく例としてあげられるのがシンガポールの「マリーナベイサンズ」です。

テレビのCMにもでていました。

3つのホテルをまたがって、その屋上に連なる帆船型のプールが印象的なリゾート施設です。「カジノ」は、全体面積の5%ほどです。こういったカジノが認められている国は世界で140カ国あります。

IR法が、単純な「カジノ解禁法」ではないことはお伝えできたと思います。

 

〇公明党は何故自主投票としたのか?

では、なぜ賛否がわかれたかについて、です。

経済効果をめぐる判断の違い、などもありますが、もっとも重要な点は、「ギャンブル」をはじめとした「依存症」をなくすにはどうすべきか、その手法をめぐる判断の違いだと思います。

この法案に反対した人は、依存症蔓延の危険を更に高めると主張することで、依存症の脅威についての国民理解を進めました。

では、法案に賛成した立場の人が依存症蔓延を放置するのか。決してそうではありません。

むしろ、この法案の成立を契機に、国が「依存症」の問題に本格的に取り組む体制をつくろうとした点が賛成派の思いだったと感じます。

なぜ、そういえるか。実は、私が、その思いで「賛成」したからです。

 

〇各種依存症対策こそがこれからの重要課題です。

実のところ、日本はすでに多くの依存症にむしばまれています。

ギャンブルだけでなく、アルコール、薬物、そしてパチンコや競輪、競馬(これらは「ギャンブル」とはみなされていません)などです。これらの依存症に苦しむ人や家族その他が大勢いらっしゃいます。

私はこれまで主に再犯防止の観点から、「薬物依存症」の問題に取り組んできました。

そこで感じたことは、日本は依存症対策について未整備だ、という点です。専門の医療機関も相談体制も全く足りていません。唯一、アルコール依存症については基本法がありますが、それ以外は、国の方針すらあまり定まっていないのが現状です。

ただ、いくら訴えても、なかなか予算は増えません。

主張は正しくても、「時」あるいは「機運」というものがないと多くの人は動かないというのが実感でした。

そんなとき、この法案が提出されました。

はじめは反対するつもりでした。

しかし、提案者を中心とした賛成派の議員で、これまで、依存症にそれほど関心を持たなかった方も、真剣にこの問題に取り組む必要性を認識するようになりました。私は、そこに与野党こえて依存症対策に踏み出すエネルギーを感じ、問題解決への「機運」を感じました。そして、最後は、その「機運」を信じ、賛成することを決意しました。

このように、反対派は、依存症撲滅の「声」を残すことを選択し、賛成派は、悩みながらも法律を成立させ、依存症撲滅の体制を国に求める「機運」をつくり「力」を得ることを選択しました。しかし、その根底にある、「依存症をなくしたい」という強い思いは、賛成も反対の人も一人残らず共有しているのです。

その両方の声をうけ、今回、ギャンブルを含めた依存症対策のための予算は、28年度予算額が1.1億円であったものが、29年度予算案では5.3億円となり、なんと5倍になりました。また、全国で5カ所しかなかった依存症の指定専門医療機関も、一気に67カ所に増やし、全ての都道府県のみならず政令指定都市にも設置することとなりました。

大事な点は、ギャンブル依存症対策は、カジノだけではなく、公営競技や風営法上の遊技も含めた総合的対策を講ずる必要があるという点です。

IRを推進するにあたっては、このような社会的問題を排除し、最小限に抑制することこそ最重要の課題であると認識しています。

法律が成立した以上、これをテコに、今後はどれだけ依存症対策(ギャンブルに限らず)を打ち出せるかが勝負です。とりわけ、私を含め「賛成」した人間の責任はより重いと感じています。頑張ってまいります。

 

次号は、一年を振り返りメールを送る予定ですが、鳥インフルエンザの対応などのため、あるいはこれが最後のメールとなるかもしれません。

皆様、本年、大変にお世話になりました。どうか良いお年をお迎えください。

ありがとうございました。

農業女子プロジェクト

2016-12-25 ブログ

サンタと一緒に写真に写っているのは、美しい容器にはいったピクルスです。
先日、熊谷で女性農業者の方々と懇談しましたが、そのうちのお一人、棚澤さんが自家栽培の野菜でつくられている無添加ピクルス。これが本当に美味しい!!食べだしたら止まりませんでした。なんといっても、おしゃれです。さすがです。

棚澤さんは、農水省の農業女子プロジェクトメンバーのお一人。
https://nougyoujoshi.maff.go.jp/overview/

棚澤さんの会社、MK Farmさんです
https://www.facebook.com/pickles.mk/?fref=ts

頑張る女性農業者の方々、応援いたします。
ついでにクリスマスツリーも。

農水省平成29年度予算

2016-12-20 ブログ

農水省の来年度予算額が事実上固まりました。
強い農業、生産性の高い農業育成のためにも必要な農業農村整備事業の予算もしっかり確保できました。前政権時代に半分となりインフラ整備に支障が出ていました。
党の農林水産部会で報告。引き続き、稲津部会長はじめみなさんと連携していきます。

花きの生産性向上へ

2016-12-18 ニュース

公明新聞:2016年12月18日(日)付

高橋社長(右)から説明を受ける矢倉政務官(左隣)と三田部市議=16日 埼玉・深谷市

高橋社長(右)から説明を受ける矢倉政務官(左隣)と三田部市議=16日 埼玉・深谷市

矢倉政務官 ユリ栽培農家と懇談
埼玉・深谷市

矢倉克夫農林水産大臣政務官(公明党)は16日、花き農家の生産性向上へ埼玉県深谷市内の有限会社・高一農場を訪れ、高橋哲夫社長と懇談した。これには、公明党の三田部恒明・同市議も同行した。

高一農場は、およそ14ヘクタールのハウスを使ってユリを栽培し、ユリの切り花を年間約450万本出荷する市内最大の花き農家。

席上、高橋社長は、コンピューターでハウス内の環境を制御して出荷調整し、作業効率を上げるための機械化などを進めてきた経緯を説明。矢倉政務官は「現場の声を農政に生かし、生産者の経営努力が所得向上につながる環境整備をしていく」と語った。

地元埼玉の農業者の皆様と

2016-12-18 ブログ

地元埼玉の多くの農業者の方々と懇談をいたしました。
深谷では、県内有数のユリ生産者の方と農業経営のあり方について意見交換。生産の効率化だけでなく雇用のあり方についても大変に素晴らしい取組みをされてました。驚きました。
https://www.komei.or.jp/news/detail/20161218_22427

そして、深谷花園の直売所を訪れたあと、深谷市の小島市長及び市内JAの組合長はじめ責任者の方々と、あるべき農政について、長時間、有意義な意見交換ができました。良い信頼関係を構築できたと思います。
熊谷妻沼では女性農業者の方々とも対話。こちらはもう少し時間が欲しかったかも。また改めてお話しを伺いにいきたいです。

農政は、政治・行政のなかでも特に、現場感覚が求められるものの一つです。答えは現場にある。ますます多くの人と対話を重ね、反映していきたいと思います。

全国フードバンク推進協議会

2016-12-12 ブログ

全国フードバンク推進協議会米山代表はじめ関係者の方が政務官室に。
食品ロスの問題や生活困窮者支援について協議、私からは、省庁横断で課題に取り組む姿勢とともに自治体への協力要請、広く社会的課題に取り組む民間団体をいかに支援するかについて考えをお伝えしました。
どこかのタイミングで取り組みも視察に行こうと思います。

福島県飯舘村と南相馬市を訪問

2016-12-10 ブログ

木曜日、高木陽介副大臣(経産、内閣府)とともに、福島飯舘村と南相馬市を訪問。
先日の葛尾村、川俣町に引き続き、農業者の方々と1時間強にわたり懇談。様々なお悩みにお応えしながら、ともに前に進む思いを共有することができました。大変、有意義でした。
経産省、農水省のみならず除染の関係で環境省にもきていただきました。
営農再開は複雑多岐にわたる課題が多く、引き続き、政務の立場から省庁横断の枠組みをつくる重要性を感じたところです。
あんぽ柿の加工現場も確認。食べてみました。絶品でした!

営農再開が復興の要

2016-12-09 ニュース

公明新聞:2016年12月9日(金)付

関係者と意見交換する高木副大臣、矢倉政務官=8日 福島・南相馬市

関係者と意見交換する高木副大臣(左側手前から4人目)、矢倉政務官(同3人目)=8日 福島・南相馬市

福島県飯舘村、南相馬市で
高木副大臣、矢倉政務官 関係者と課題探る

高木陽介経済産業副大臣(原子力災害現地対策本部長)と矢倉克夫農林水産大臣政務官(ともに公明党)は8日、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た福島県飯舘村と南相馬市を訪れ、営農再開に向けた課題を探るべく農業関係者と意見交換した。

飯舘村では、2017年3月末に帰還困難区域以外の避難指示が解除される予定になっている。南相馬市は、帰還困難区域を除いて7月12日に解除された。

両地域での意見交換では、担い手不足や6次産業化に向けた支援、相談体制の充実などに関する意見が寄せられた。また、鳥獣被害について、原発事故以来、対策を講じることができなかったため、イノシシやサルなどの被害が他の地域よりも深刻だとして、早期対応を求める声が上がった。

意見交換を終え、高木副大臣は、同県浜通りの相双地域は農業が基幹産業の一つであることから「営農再開が復興の要になる。実情と課題を把握し、政府と地元自治体で連携を取る中で一丸となってしっかり支援していく」と語った。

矢倉政務官は、「省庁の縦割りを超えて、現場で吸い上げた課題を実現する一歩にしたい」と述べた。

農業の競争力を強化
2016年12月1日
公明新聞:2016年12月1日(木)付

政府が改革方針 13のプログラム決定
公明推進の収入保険など 経営安定、所得向上へ

政府の農林水産業・地域の活力創造本部は29日、農業の競争力強化に向けた改革方針を正式決定し、「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改定した。同プランは2013年12月に策定され、10年間で農業者の所得倍増をめざすための政府方針。今回の改定では、新たな章節「更なる農業の競争力強化のための改革」を追加し、与党で取りまとめた「農業競争力強化プログラム」の13施策を取り入れた。

農業競争力強化プログラムのうち、農作物の価格下落時に収入を補う収入保険制度の導入に関しては、公明党が一貫して主導してきた。安定的な農業経営を支えるセーフティーネット(安全網)として、現在、制度設計の詰めの作業が進んでおり、政府は来年の通常国会に関連法案を提出する見通し。

生産者(農家)の所得向上に直接的に関わる施策としては、全国農業協同組合連合会(JA全農)の自主的な自己改革を促し、肥料や農薬、機械などの生産資材価格の引き下げや、効率的・機能的な流通・加工構造の改善を進めることが盛り込まれた。農家が生産資材を価格などで比較・選択できる環境を整えるほか、農家が有利な条件で安定的な取り引きを行えるよう、国の責務を明記する法整備にも取り組む。

このほか、輸出力を戦略的に強化するため、農林水産物・食品の輸出額を1兆円にする目標の達成時期を「19年まで」と1年前倒しした上で、海外市場への輸出サポート体制の整備に取り組む。生乳の流通改革では、酪農家が出荷先を自由に選べる仕組みを推進。消費者が食品を選ぶ時に比べやすくなるよう、全ての加工食品を対象に原料原産地表示の導入を進める方針を示した。

現場に即した改革推進
党農水部会長 稲津久衆院議員

公明党は、収入保険制度の創設や酪農の生産基盤強化など、現場の声を聞きながら議論を進めてきました。地方の基幹産業である農業の競争力強化は、地方創生や地域活性化につながる大事な政策です。今回の改革方針を受け、生産者が意欲を持って農業に携われるよう、輸出拡大をはじめとする“攻めの農業”に全力で取り組みます。

一方、農協改革に関しては、農協の自主性を尊重する基本路線から逸脱しないよう主張。農産物販売事業の強化に向けた年次計画の策定など、農協の自己改革を促す内容を改革方針に盛り込みました。これからも、現場の実態に即した改革を進めていきます。

木質バイオマス

2016-12-07 ブログ

木質バイオマスについて、経産省と農水省合同の勉強会。
礒崎農水副大臣と松村経産副大臣を座長とし、両省の副大臣、政務官をメンバーとし定期的に議論します。

農業金融について

2016-12-07 ブログ

都銀や地銀、政策金融機関などの代表が集まる「中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会」にて、冒頭挨拶。
こののち自由討議にて、農業金融における日米の比較を念頭に、拡大に向けた課題について述べました。

青森2例目の鳥インフルエンザ

2016-12-05 ブログ

鳥インフルエンザについて、青森で発生した2例目は、1例目と同じ農場内にある350メートルだけ離れた別の施設です。同じタイミングで野鳥から感染したものが時間差ででてきた、ともいえます。防疫措置はともに完了しました。新潟も、自衛隊の動きなどもあり想定を上回る速さで初動対応は完了する予定です。

公明党の議員の皆様が現地で尽力されています。体制整備や原因究明、風評被害対策を含め、国と自治体との連携が重要です。ネットワーク政党の力が如何なく発揮されています。
万全の予防措置をとります。
https://www.komei.or.jp/news/detail/20161205_22250

 

花き振興セミナー

2016-12-03 ブログ

昨日はさいたま市にて「花き振興セミナー」を開催。
高品質な日本の花き、一昨年、その産業育成のための議員立法が施行されました。国内需要開拓と輸出拡大のため何が更に必要かを共有し合ういい会合となりました。

後半は、来年、さいたま市で開催される世界盆栽大会のPRも。
NHKの「趣味の園芸」の司会などもつとめられた、清香園五代目家元である山田香織先生によるデモンストレーションも。
自然の凝縮としての盆栽の魅力を、短い時間でぎゅっと詰めて語ってくださいました。

 

世界標準ルールとしてのTPP(TPPその3)

2016-12-02 メルマガ

矢倉かつおです。

引き続き、TPPについてです。

アメリカのトランプ次期大統領が、大統領就任時にTPPから「離脱」すると宣言しました。

なぜか。

今のところトランプさんが、TPPはアメリカに「利益」をもたらさないと判断しているからでしょう。

トランプさんの頭にある「利益」とは、簡単にいえば、二国間の経済的な「勝ち負け」だと思います。確かに、前回および前々回メルマガで指摘したとおり、日米間でいえば、TPPは日本にとって、より有利です。

では、なぜオバマ政権下のアメリカは、そのTPPを推進しようとしているのか。それは、TPPの中に、トランプさんと異なる意味での「利益」「価値」を見いだしているからです。

前回および前々回と、複数国間にまたがり同じルールで関税削減を実現するというTPPの特徴をあげました。

TPPには、もう一つ、より重要な特徴があります。それは、「モノ」だけでなく「データ(情報)やサービス」といった「形のない資産」の動き(新しいところでは電子商取引など)も含め、経済全体の動きを公正にする基本ルールであるという点です。

海外でモノをつくる、商売をするということは大変なことです。

例えば、自社製品の「にせ物」(侵害される権利に応じ「模倣品」、「海賊版」などといわれます。)が横行し、本来の価格の100分の1以下で販売されている。こんなことは日常です。利益は奪われ、ブランドイメージも崩れます。

OECD(経済協力開発機構)によると、世界の貿易総額の2.5%にあたる5000億ドル(50兆円以上)は、こういった「にせ物」の取引であり(国内分を含めるともっと巨額です)、しかも、その利益の多くは組織的犯罪グループに流れたりします。

これは、「知的財産」の問題です。

また、「この国で仕事をしたいのなら、製品に関する大事な技術をこちらによこしなさい。」そんな無茶をいわれることもしばしばです。

これは「投資」の問題です。

特に今、世界で問題となっていることは、国が支配権を事実上有する「国有企業」に対する過剰な優遇問題です。

一部の国は、「国有企業」に対し不透明な形で資金援助等をしたりするなど、公正な競争をゆがめたりします。こうなると、その国でビジネスを行う企業は、事実上、国を相手にして競争しなければいけなくなります。巨象と闘うようなものです。

上記のような問題に正面から向き合い、あるべきルールについて高いレベルで幅広く合意した「国どうしの約束」は、現在のところTPPが初めてです。

オバマ現アメリカ政権と日本政府が共有している「利益」「価値」とは、このTPPを成功させ「世界基準」にしよう、全ての企業が世界各地で安全・安心な経済活動をすることを可能とする「ルールのひな形」にしよう、という戦略的な意図です。

単なる二国間の「勝ち負け」の問題ではなく、ともに栄える発想に立たないといけません。

こう考えたとき、「トランプさんがTPP『離脱』を宣言したら終わりなのだから、いくら日本で審議しても無駄だ」といった議論が、いかに主体性のない無責任な議論か、明らかだと思います。

日本は、このTPPの戦略的意義を含め、TPPがいかにアメリカの「利益」にもつながるか、トランプさんに粘り強く訴え、進めていかなければいけません。

前々回のメルマガでもお伝えしたとおり、トランプさんの「離脱」発言は、米国が各国に約束した国内手続きを「しない」(議会に提出を「しない」と言う趣旨かと)という趣旨に過ぎないと考えられ、日本は、ともにTPPを進めた国としてトランプ次期米国大統領に対し、国内手続きを「する」ように説得する責任があります。

むしろ、トランプさんが大統領に正式に就任してはじめて交渉は始まります。

トランプさんが仮に就任時に離脱を宣言したら、それはTPP発効の「終わり」ではなく発効に向けた「始まり」である、ということは改めて強調したいと思います。

次回のメルマガにて、「農業とTPP」について配信します。TPPについては次回で最終です。いつも長文となりすみません。よろしくお願い致します。

 

中小企業対策としてのTPP(TPPその2)

2016-12-01 メルマガ

矢倉かつおです。

前回、TPPがいかに日本に利益をもたらすかについて、主に関税の側面から考えました。

このTPPについて「大企業優遇だ」との批判のお声が根強くあります。

「関税削減といっても、利益をうけるのは、『製品』をつくり輸出している大企業だけだろう。」というものです。

しかし、これは違います。

まず、製品をつくるのは大企業だけではありません。

加えて、例えば、今回のTPPでは「部品」(例えば自動車などの)にかかる関税も、多くは即時に撤廃されます。そして、その部品(関連品も含む)の多くをつくっているのは中小企業です。

TPPは、そんな日本の優れた中堅・中小企業が、「日本に居ながらにして」、より世界と「面的につながる」ことを可能とします。

ここで強調したいことが、「供給網(サプライチェーン)」のグローバル化という、世界経済の動きです。

今の経済活動は、一つの「完成品」をつくるために必要な無数の材料の調達、部品づくり、組み立て、そして消費者への販売などそれぞれを、異なる複数の国でつくり行う、いわば分業が進んでいます。

例えば、iPhoneなどスマートフォンは、液晶はA国、チップはB国、指紋センサーはC国、という形で部品製造段階において分業され、それらが「網の目」のようにつながり「供給」され組み立てられることで一つの完成品となり、消費者の多い市場に輸出されたりします。

こういった世界的に広がる面的な分業体制が「供給網のグローバル化」です。

TPPは、12カ国の力を「面的につなげ」結集し、巨大な「供給網」をつくる取り組みです。域内人口だけで8億人という「巨大なマーケット」をつくり、その人々を中心に完成品を届ける、そのための壮大な「供給網」をつくります。

その「供給網」の中心に日本の優れた中堅・中小企業、付加価値の高い部品をつくる中堅・中小企業をおくということが、TPPを推進する日本の戦略の一つです。

日本がTPPの枠に入ることにより、日本の中小企業は「日本に居ながらにして」巨大な供給網にはいるメリットを享受します。

それは、TPPに加盟していない国との間で有利に競争を進めることを意味します。長期的にみれば、これまで日本内外の大企業が、日本以外の企業に頼んでいた仕事を日本の中小企業に取りもどすことも可能となります。

まさに、日本の中小企業が世界で勝つための戦略の一つこそ、TPPを中心とした通商戦略なのです。

政府は、このTPPの効果を最大限、日本の中堅・中小企業が活かせるよう万全の体制をとっています。

特に、商工会議所や商工会、自治体、金融機関、ジェトロなどを幅広く結集し中小企業を支援する「新輸出大国コンソーシアム」を結成、この半年間あまりで、すでに2300社ほどに対し、専門家を割り当て、支援を開始しております。

改めて、TPPは大企業優遇などではなく、大企業と中小企業を含めた日本の企業が、ともに世界で勝つために必要なものなのです。

次回は、アメリカの動向を探りつつ、TPPのもう一つの特徴から、世界の経済秩序としてのTPPの側面を考えたいと思います。