189回 決算委員会(軍縮、拡不拡散/北朝鮮の脅威等)

2015-04-20

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
岸田大臣、また中谷大臣、よろしくお願いいたします。
今月二十七日から、NPT、核拡散防止条約、こちらの運用検討会議が開催されます。岸田外務大臣御出席とお伺いをしております。私からは、この問題も絡めまして、核、また軍縮、さらには不拡散の政策のこれまでの在り方、外交・安全保障の観点からの検証をした上で、可能であれば、今後どのような在り方がいいのかというのを御議論できればというふうに思っております。
まず、今、世界の核管理ということで、直近に関心非常に高まっているところはイランの核合意であるかと思います。こちらについて、内容と課題、御説明をいただければと思います。

○副大臣(城内実君)
お答えいたします。
先般、ローザンヌにおきまして、EU3プラス3、すなわちアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国とイランとの間でいわゆる包括的共同作業計画の主要な要素について合意に至り、今後、六月末を目指して最終合意に向けた交渉が行われております。
今般のこの合意後に発表されましたモゲリーニEU上級代表とイラン・ザリーフ外相との間の共同声明によりますと、イランによるウラン濃縮等の制限、IAEA追加議定書の暫定適用等につき合意に至ったというふうに承知しております。いずれにしましても、最終合意に向けて引き続き交渉が行われております。
国際不拡散体制強化の観点から、また中東地域の安定のためにも、イランの核計画が専ら平和的な性質のものであることを査察等により検証することが不可欠であります。そのことを担保するためにも、最終合意の形成とその着実な履行が重要であります。

○矢倉克夫君
今副大臣より、査察、ございました。まさに、この査察をしっかりと継続的に実効性あるものにしていくのかというところは今後大きな課題であるかと思っております。
また、今のお話に続きますが、合意を成立させたそれぞれの要因、とりわけ今回ヨーロッパ諸国とアメリカ合衆国が入っております。オバマ政権、どういう背景があったのかというところの御説明と、また、中国とロシアが今回合意にも関与をしております。そちらが関与した背景も併せて御説明をいただければと思います。

○副大臣(城内実君)
お答えいたします。
ローザンヌ合意の成立を促した要因についてのお尋ねがございましたが、EU3プラス3とイランとの交渉においては、全ての当事国がイランの核問題を平和的、外交的に解決するという強い政治的意思の下、粘り強い議論を行ってまいりました。こうした当事国の努力により、二〇一三年十一月の共同作業計画、いわゆるジュネーブ合意というものでありますが、これを経て今般の合意に結び付いたと考えております。
また、二〇一三年八月にイランでアフマディネジャド大統領からローハニ政権に政権が替わりまして、その発足後、イランの交渉態度がそれまでに比べて柔軟になったことも交渉を前進させることになった要因であります。さらに、国際社会としても多くの国々がイランの核問題の平和的、外交的解決を支持し、EU3プラス3とイランとの交渉と合意を後押ししてきた経緯がございます。
また、欧州諸国とアメリカという御指摘がありましたけれども、欧州諸国、アメリカを含む全ての当事国がイランの核問題を平和的、外交的に解決するという強い政治的意思の下、粘り強い議論を行ってまいりました。また、ロシア、中国と御指摘がございましたけれども、交渉当事国の間で考え方に若干の差が見られることはあったと思われますけれども、合意を形成するという基本的目標は、米国、ロシア、中国など全ての当事国が共有していたというふうに考えております。

○矢倉克夫君
オバマ・アメリカ大統領のプラハ演説から六年たちまして、その意義としましても、やはり最大の核保有国が核なき社会というものをしっかりと理念ではなく現実のステップとして発信をしたというのはやはり大きな意味もあったのかと思っております。
とりわけ、今、核保有国、アメリカ、またロシア、中国も含めた合意ということですが、保有国にとっても、今まさに国際テロ、非常に脅威を増している、そのようなテロ組織に核が流出するという危険性というのは、これは非常に大きな問題であると。やはり核兵器そのものが国際のセキュリティーの脅威になっているということ、それは非常に認識をされているという、その延長で今回イランの合意がなされたというふうに私は理解もさせていただいております。
ただ、他方で、先ほど課題ということを少しお話し申しましたが、アメリカの国務省のプレスリリースなどによると、今回のイランの核合意でどのような効果がまずあるのか。要するに、ブレークアウトタイム、つまり核兵器を造れるまでの期間というのが、現在二から三か月であったものが一年ぐらいには何とか最低でも延びるだろうというようなものであります。俗な言い方をすれば、今回の合意で時間稼ぎができる、いざ本当に脅威が生じたときに対応するための時間というのが、しっかりと対応できるような状況になったということであると思います。
アメリカの一月議会でキッシンジャー元国務長官が、オバマ政権、核拡散の防止を狙う段階から、核武装の阻止は不可能と見て、それまでの時間を長引かせるという拡散管理に転じているというような議会での発言もあったと聞いております。
このような背景もありまして、今回のイラン合意、現実的なステップとしては非常に評価もしている部分ではありますが、改めて核不拡散の難しさも感じているところでございます。
その上で、冒頭申し上げましたNPT会合に移りたいと思います。
イランの核合意に見られますように、核保有国と保有しない国の間の駆け引きが微妙なバランスの中でなされているというときに、今懸念をしているところは、核保有国の中でも、先ほど冒頭申し上げたテロに対しての脅威という点で、核の役割というのを低減しようという、そんな潮流がある中で、伝統的な核の力に依存をした国力の増加というような風潮も出てきているというところであるかと思います。とりわけ記憶に新しいのがロシアのプーチン大統領の発言、クリミア併合の過程で核戦力を臨戦態勢に置く可能性があったというふうに発言もされました。
NPT、岸田大臣行かれますが、今最大の軸というのは、核保有国に対して核軍縮をしっかり求めるという体制と、また核を持たない国が核不拡散と平和的利用をしっかり要求をされている、この二つが対立をしているというような状態でありますが、先ほどのプーチン大統領のような発言というのは、核を持たない国が、ロシア始め核保有国の軍縮に対しての約束というのを、これは信頼感を停滞させるというようなおそれもあるかと思っております。
NPTの交渉にも関係してくるところかと思いますが、まず岸田大臣から、このプーチン大統領の発言、与える影響をどのように思っていらっしゃるのか、お答えいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、NPT運用検討会議、五年ぶりの今年の会議ですが、NPT運用検討会議自体が、核軍縮とそして核の不拡散とそして原子力の平和利用、これを三つ大きなテーマとして掲げています。そうした三つのテーマにおいて結果を出すために、核兵器国と非核兵器国の協力なくして現実的な結果は得られない、こういった思いをしっかり持って臨まなければいけないと思っています。
そして、その中にあって、プーチン大統領のこの発言ですが、今回のロシアによるクリミア併合ですが、そもそもクリミア併合自体が一九九四年のブダペスト覚書に反していると認識をしています。すなわち、米国、英国、ロシア、そしてウクライナの間において、ウクライナが核兵器を放棄する代わりにウクライナの領土を保全する、この四つの国においてこういった覚書を交わしているわけですが、ウクライナにおいてクリミア併合が行われる、このブダペスト覚書そのものに反していると認識をいたします。
是非、こうしたプーチン大統領の発言が核軍縮・不拡散の動きを逆行されるような結果につながらないよう、ロシアに建設的な協力を求めていかなければなりません。こうした核兵器国の協力なくして結果を出すことはできません。是非、そうした思いをしっかりとNPT運用検討会議においても反映させていかなければならないと考えます。

○矢倉克夫君
今お答えいただいたことと重なってしまうかもしれませんが、私、今まで日本政府の対応、いろいろ言われている部分でもあるんですが、唯一の被爆国としての立場として貫く部分と、やはり核保有国との意見の調整といいますか、そういう部分でのなかなか難しい立場に置かれているのかなというような、こういうように思っております。
私としては、率直に申し上げれば、今まさに核保有国と核を持たない国との調整というのが大事な部分に、日本こそしっかりとリーダーシップを発揮してNPTの交渉を進めていただきたいというふうに思っているんですが、この点、まずまた大臣から一言いただければと思っております。

○国務大臣(岸田文雄君)
おっしゃるように、我が国は唯一の戦争被爆国であり、こうした核軍縮・不拡散の議論をリードしなければなりません。その際に、やはり現実的、実践的な対応を求めることによって核兵器国と非核兵器国が協力をし具体的な結果につなげる、こうした議論を進めていかなければならないと思っています。
核兵器国にも、我々はこの五年間、NPDIという非核兵器国十二か国の枠組みで議論を進めて、そして国連に十八の文書を提出し、合同文書をまとめて更に国連に提出するという働きかけを行ってきましたが、この文書を通じて核兵器国そして非核兵器国双方に具体的な努力、協力を促していく、こうした働きかけをしっかり行っていきたいと考えています。

○矢倉克夫君
昨年、オーストリアで第三回の核兵器の人道的影響に関する会議、開催をされました。これを受けまして、我々公明党としましても、本年三月二十日に、核兵器の非人道性の議論というものを、これはやはり被爆国の日本でしかはっきりと発信をできない部分でもあるかと思います、この議論について、核兵器のない世界という目標の前進に向けて、共通の礎として、非人道性の議論をしていくための外交努力と市民社会との協力の拡大、我が国としてのそういう議論を主導するとともに、この分野について各国に表明するよう働きかけるということを、これも提言申し上げました。
今回の議論におきましても、この核の非人道性、これをしっかりと大臣からもお訴えをいただきたいと思います。この点、一言いただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
御指摘の核兵器の非人道性の影響の議論、大変重要な議論であると認識をしています。
先ほど、NPDIを通じてNPT運用検討会議に対して提言を行っていると申し上げましたが、その際に、核兵器国に対しましては自らの透明性を高める、そして、米ロだけではなくしてマルチの軍縮会議を進めるべきである、こうした提言を行い、さらには世界の指導者に被爆地を訪問して被爆の実相に触れてもらう、こういった提言をしているわけですが、それと併せて、御指摘のこの核兵器の非人道性の議論は、核兵器国と非核兵器国が協力する触媒の役割を果たしていくという認識に基づいて、この核兵器の非人道性の議論を通じて核兵器国と非核兵器国が共に協力していく、こういった議論を進めていくべきだということでこの議論を重視しています。
是非、このNPT運用検討会議等を通じて具体的な結果を核兵器国と非核兵器国が協力して出すために、この核兵器の非人道性に関する議論、これを通じて協力が実現するよう議論をリードしていかなければならないと考えます。

○矢倉克夫君
大臣から、核兵器保有国と非保有国、持たない国との間の触媒としてこのような概念をしっかりと共有をさせていく、やはり人類に対しての危機というところで触媒という意味合いだと思います。そのような観点で、是非また唯一の被爆国として、核に対しての国際規範定立に向けても更にリーダーシップというのを私は取っていただきたいというふうに改めて大臣に御要望させていただきたいというふうに思います。
私、今日、核の問題取り上げておりますのは、今申し上げたとおり、NPTのようなマルチの議論の中で核のない世界というのをどのように理念として掲げていくかというところこそ日本がしっかりとやるべきだという、そのリーダーシップを取るべきだというところの御議論でもございますが、他方で、さらに、日本自らのやはり切実な安全保障の問題、核の問題でも、先ほども御質問もありました、ございます。この核の脅威というものについても、より地域の安全保障をどうやって日本として守っていくのか、外交努力等も重ねていく上でやっていくべきなのかというところからも問題提起をさせていただきたいというふうに思っております。
具体的には、先ほど話にもございました北朝鮮でございます。北朝鮮の核の問題など、最近様々な情報がいろいろ出されております。先ほど塚田委員からも様々御紹介のあったところでもありますし、一部重複もするところもあるかもしれませんが、アメリカの北軍の司令官のゴートニー司令官ですね、北朝鮮が核兵器、米本土を狙うぐらいの能力も保有しているというような発言もされていたというようなことでございます。
先ほど、あと塚田委員が引用されていましたジョンズ・ホプキンス大学の報告書でございますが、先ほどは弾道ミサイルの一千発というような話もありましたが、同じ報告書の中で更に記述がありまして、二〇二〇年までには最大百発の核弾頭を製造する能力があるというし、ミサイルと合わせれば数年内に小規模な核兵器の製造能力を確立する可能性がある、北朝鮮がという、このような見方を同じ報告書内で示しております。
また、韓国の関係の政府の方のお話でもありますが、やはり先ほど冒頭お話もしたイランとはまた比較にならないほど北朝鮮、非常にミサイルの発射実験も行っておりますし、運搬手段というのも高度化していると、そういう報道もございます。
中谷防衛大臣、先ほどのお話もありましたが、記者会見等では可能性も排除できないというようなこともおっしゃっておりました。可能性が排除できないというようなお話も先ほどありましたが、アメリカの方の海軍大将なども、やはり北朝鮮が核弾頭の小型化に成功した前提で対応すべきだというような話もされている。この安全の意味合いでも、やはりその事実というのをしっかり前提とした上でまた考えていくというような部分の御認識というのも大事かと思っておりますが、再度の確認になりますが、中谷大臣の御認識をいただければと思います。

○国務大臣(中谷元君)
北朝鮮の核、ミサイルにつきましては、いろんな国の情報に接しているところでございますが、まず、ノドン等の配備等につきましては、北朝鮮は昨年三月、六月、七月、本年三月にもノドンを含む弾道ミサイルを複数発射をし、また、運用能力も誇示をいたしておりまして、一二年の十二月に、人工衛星と称するミサイル発射などによって弾道ミサイルの長射程化、高精度化に係る技術を進展させております。
また、核におきましても、過去三回の核実験を実施をいたしまして、こういうことを踏まえましたら、一般に核兵器の小型化、弾頭化には相当の技術力が必要とされるものの、北朝鮮がその実現に至っている可能性も排除できないということでございまして、北朝鮮の動向などを注視をいたしまして、今後、北朝鮮の弾道ミサイル、また核につきましては、我が国といたしましても重大な関心を持って情報の収集、分析に努めてまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
やはりなかなかお立場上お答えづらい部分もあるかとは思いますが、非常にリスクが高まっているという事実は各種客観的な情報からも、客観的なというか、客観的な、米国であったり、そういう部分の機関からの情報からもやはり明らかになってきているんじゃないかなというふうには思っております。
その部分でやはり懸念すべきは、北朝鮮の核技術が流出する、また北朝鮮も非常に瀬戸際外交をしているところでありますから、その瀬戸際をやっている最中でどんどんどんどんエスカレートしていくというエスカレーション効果というのもやっぱりあります。指導者の意思と離れて核の危険というのが起きてくるということをやはり考えなければいけない部分ではあるかと思います。
当然、まず前提として、北朝鮮の政情はどうなっているのかということも一つ確認はさせていただきたい。この部分もなかなかお答えづらい部分もあるのかもしれませんが、政府として今どのように捉えられていらっしゃるのか、お答えをいただきたいというふうに思います。

○副大臣(城内実君)
北朝鮮の政情、内部の動向につきましては、例えば軍幹部の人事等に若干の変動がございますが、金正恩国防委員会第一委員長を中心とした体制が基本的に固まっているように見受けられます。こうした点を含め、政府としては北朝鮮情勢につきまして重大な関心を持って不断に注視してきており、平素より米国や韓国と緊密に連携するとともに、北朝鮮に公館を設置している国を含む各国と情報交換を行うなど内部情勢の把握に努めております。
政府としては、このような情報収集や分析を不断に行いつつ、引き続き、対話と圧力の方針の下、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて取り組んでいく考えであります。
現時点で北朝鮮情勢が不安定化しているとまでは考えておりませんが、情報収集の詳細あるいは分析の詳細につきましては、事柄の性質上、お答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。

○矢倉克夫君
今、報道などでも確かに安定しているというような報道が一部見られるわけですが、例えば金正恩第一書記のその体制の中で、内部が、元々ある意味抗争していたところが、昨年の張成沢氏の処刑なども受けて、その部分では内部が固まってきたと。ただ、実際の権力基盤がしっかりと統一化されているのかどうかという部分ではないと。内部抗争がある程度収まってきたことでの安定であって、金正恩総書記がしっかりと権力を握って抑えているかどうかというのはまだ分からないとか、いろんな議論もあるところではあるかと思います。
その辺りは非常に重要なところでもあるかと思います。政府内でも議論をされていると思いますが、引き続きしっかりと注視をしていただきたい、このように改めて御要望させていただきたいというふうに思います。
先ほどの核のリスク、高まっているというところであります。実際どうするのかというところですが、外交という観点からお話もしたいと思うんですが、まず大臣に、NPTの運用の会議へ行かれる、この場でどのようにこの北朝鮮の問題について発信をされるのか、まず御意見をいただきたいというふうに思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
我が国としては、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界を目指す、こうした大きな責任を担っています。その際に、先ほど委員からも御指摘がありました核兵器の非人道性ということに対する正確な認識と、一方で北朝鮮等の安全保障上の冷静な認識、この二つの認識をしっかり踏まえながら現実的、具体的な対応を我が国として考えていかなければならないと考えます。
そして、その北朝鮮への対応ですが、まずもってこの核開発あるいはミサイル開発、これは六者会合共同声明あるいは一連の安保理決議に違反をしています。米国や韓国始め関係国と協力しながらこうした決議の完全履行を求めていかなければならないわけですが、あわせて、国連安保理決議の履行を他の国々ともしっかりと協力しながら働きかけていかなければならない。その際に、様々な国際会議を活用すること、大変重要だと認識をしています。四月十四、十五、開催しましたG7外相会談においても北朝鮮問題を取り上げました。
国際社会には、北朝鮮と国交がある国あるいは北朝鮮に大使館を持っている国、こういった国も多数存在いたします。こういった国々にもこの北朝鮮の状況についてしっかり理解をしてもらい、協力をしてもらわなければなりません。是非、多くの国々の理解を得ながら北朝鮮に強いメッセージを発し続けなければならない、そういった観点から、NPT運用検討会議においても北朝鮮問題をしっかりと議論し、注視していくこと、重要な姿勢ではないかと考えます。

○矢倉克夫君
予算委員会で公述人として来られていたのが一橋大学の秋山信将教授でいらっしゃるわけですが、私、質問させていただいたときに、秋山教授は、そのNPT、核兵器の在り方について理念的な議論を深めていくという部分では非常に重要であると。ただ、我々が直面している安全保障上の核の脅威というものに対しては、この多国間の枠組みとともに、やはり日本のより直接的な安全保障の問題として二国間等でも対話をしていく枠組みというのもこれはつくっていかなければいけないというようなお話もありました。
私はこの発言ごもっともであるかと思うんですが、北朝鮮などはIAEAの査察も拒絶して、NPTから実質上脱退もしているわけでございます。そういう背景もあるといえばあるんですけど、この非人道性というものを理念としてNPTのような多国間で議論をしていく、車の両輪として、やはり地域間での枠組み、これを、核をめぐった安全保障対話というのもやはりやっていくということ、戦略上やっていくということは、これ両方とも大事であるかなと思っております。
先ほど来、塚田委員の質問に対しても、まず米国というところ、ここは一番基本でありますので、日米の対話というのもしっかりやっていくべきでもあるかと思いますが、私はそれに加えて、韓国もそうですけど、中国ともこれはやっていくきっかけというものをやはり考えていかなければいけないのではないかなと思います。なかなか議論にならないところではあるわけですが、とりわけ中国も含めた二国間の枠組み、今現状すぐにできるとかそういう話ではないのかもしれないですけど、そこをやっていくことについての今政府の、大臣の御見解というものはどのようなものであるのか、御意見をいただければと思っております。

○国務大臣(岸田文雄君)
核軍縮あるいは不拡散の議論を進める上において、もちろん多国間のマルチの枠組み、これは大変重要でありますが、あわせて、二国間の対話、これも国際的な軍縮・不拡散の促進に加えて、透明性の向上を通じた地域の信頼醸成の観点からも重要であると考えます。是非、二国間のこうした対話も重視していきたいと考えております。
その際に、中国という国がこの核軍縮・不拡散の議論の中においても大変重要だという御指摘、これはそのとおりだと思います。日中関係については、昨年十一月の北京APECでの日中首脳会談、日中外相会談の後、少しずつ様々なレベル、様々な分野におきまして対話が進んでいると承知をしています。三月十九日には日中安保対話も開催されました。
こうした様々な対話を通じながら、中国との間においても、こうした軍縮・不拡散を始め様々な課題について対話を続けていくことは大変重要な取組ではないかと認識をいたします。

○矢倉克夫君
私、今中国というふうに申し上げたのは、今申し上げた秋山教授が「外交」という雑誌に書かれているものがありまして、要は、中国の核戦力というものを分析された結果でもあるんですが、相手国をせん滅させるようなものではなく、むしろ相手の産業基盤などを標的にして、それらへの攻撃能力を確保すれば相手を抑止するに十分だというような最小限抑止、若しくは、例えば先制攻撃を受けたときにそれに対してしっかりと反対できるというような体制を持っているというような、確証報復というのを採用しているというような議論があったわけでございます。私、それを見て、この中国との間でも、中国がどういう核戦略を持って、しっかりと議論をしていくということを、これ地域の安全保障を認識する前提でもやはり大事であるし、その点では対話が大事だというところがまず一点でございました。
その上で、北朝鮮との関係でいえば、やはり同じ東アジアの中で中国というものが、冒頭も申し上げたイランとの合意でも関わってきている、テロの危険性の中でどのような危険要因になってくるかというようなところでは利害も持てるような部分でもあるかと思います。そういうようなところをしっかりとつかまえていって、日本側でアジェンダもまた設定をしていく、二国間で議論をしていくというような枠組みというのを積極的によりやっていくというような姿勢がやはり大事であるのではないかなというふうなところでございます。
ちょっと時間がなくなりましたのでこれで終わらせていただきたいと思いますが、やはりNPTのものにしましても、この外交の在り方もそうですけど、これ、会議があって議題があってそれに対しての対処をしていくというようなものではなく、やはり核の問題にしても日本の地域の安全保障という問題でそれぞれ分析もしていき、中国との関係でも議題もしっかり設定をしていく上で積極的に安全保障を進めていくというような方針もやはり更に確立をしていかなければいけないのではないかというところを問題意識として最後お伝えさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございます。