189回 法務委員会(裁判所職員定員法案 開かれた司法等)

2015-05-14

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
今日議題になっております裁判所職員定員法の一部を改正する法律案、こちら、様々な趣旨、御説明を事前にもいただいているんですが、その一つが家庭事件の処理の充実強化であります。とりわけ、先ほども少し話題になりました成年後見事件、非常に増加をしている。これ、以前も私も質問させていただいたところであります。
まず、最高裁にお伺いしたいんですが、裁判所が、成年後見事件、これ増加をしていることに対してどのように対応されているのか、一般的にまず御説明をいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(村田斉志君)
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、成年後見関係事件の事件数は増加しているところでございまして、裁判所としても、これに対応するため、様々な取組に努めているところでございます。
その一例を申し上げますと、東京や大阪といった大規模庁におきましては、成年後見関係事件の適正、迅速な処理を目的といたしまして、これを専門的に取り扱う部署を設置するなどしてノウハウの蓄積を図っております。また、必要な情報を的確に収集し、適正、迅速かつ合理的に手続が進行できるよう、申立てに関する書類につきましては定型書式を整備いたしているところでございます。さらに、職員が手続を御案内するという際に、効果的、効率的に説明が行えるよう、制度の内容あるいは手続などを分かりやすく説明したパンフレット、さらにはDVDなどを作成いたしまして利用をしております。
このほか、後見人等による不正行為をできるだけ防止して、かつ御本人の財産を適切に管理していただくという観点からは、御本人に一定額以上の財産がある場合には、弁護士、司法書士等の専門職を後見人又は後見監督人に選任したり、通常使用しない預貯金等を信託するという後見制度支援信託という仕組みを活用するなどしておりまして、これが結果的に後見監督の合理化にもつながっているというところでございます。
今後も、成年後見関係事件の適切かつ合理的な運用のためにこのような取組を続けていくとともに、更なる運用上の工夫を検討してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
今、一般的に御説明いただきました。
これとはまた違う観点で、成年後見事件が増えることで裁判所の業務がどういうふうに増えているのかというところもまた質問したいと思います。
今、私の手元のみでちょっと恐縮です、資料はあるんですが、家庭裁判所が成年後見に関わる部分、主に三つあると思います。後見人の成年後見の開始が一つ目。もう一つが後見等監督処分。もう一つが後見人等の報酬を決定する過程。
一番、裁判所の業務がこれからまた増えるであろうということを表す端的な部分がやはり後見等監督処分であると思います。手続が開始した後、裁判所が定期的に財産管理等がなされているのかをチェックをするこの手続がやはり必要になってくる。これについては、やはり特色としては、以前の、二年、三年ぐらい前に開始をされた後見事件であっても、その後定期的にチェックをするわけですから、やはり以前の事案についての業務であっても累積的にどんどん増えていくというのが、これが一つの特徴であると思っております。
具体的な数値が、平成十五年には後見等監督処分一万八千二百五十だったのですが、平成二十四年には四万三千四百四十八まで増えて、その二年後の平成二十六年には九万三千六百五十八。この二十四年から二十六年ではこれは二倍になっているぐらい、これぐらい、その時々の変動はあると思いますが、やはり増え続けるということは確かな傾向であると思います。
今回、法律の趣旨の一つ、また内容の一つが裁判所書記官、これが三十九名、四十名弱増えているというところ。これが今回大きな、この点に関しては意味もあるかと私は評価もしたいと思っております。これに関しまして、成年後見制度、増加に対しての今回のこの法案の対応、効果がどのようなものであるのか。成年後見事件についての裁判所書記官の役割等も御説明いただきながら、改めて御説明いただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(中村愼君)
御指摘のとおり、裁判所では、成年後見の中でとりわけ監督というところをしっかりやっていかなければならないというふうに考えているところでございます。
その意味で、書記官のどのような関与をしているかという御質問でございますが、もちろん申立て等の関係でも一定の役割を果たしているのは当然でございますが、監督の段階におきましては、それぞれ後見人等から提出される書類を審査をしたり、あるいは裁判官からの指示を受けて関係者と連絡調整を行ったりするなど、実効的な後見監督のために極めて重要な役割を果たしているというふうに考えているところでございます。
人的体制というところでございますが、成年後見事件、また監督事件が増えている状況の中で、昨年の書記官につきましても、後見監督事務を行う部門に内部シフトを含めて相当程度配置し体制の強化を図ってきたところでございますし、今回の増員を認めていただくことによりまして、運用上の工夫ということも併せて不断に行っていく中で、現有人員の有効活用と相まって適切な事件処理に必要な体制整備に寄与するものというふうに考えているところでございます。

○矢倉克夫君
裁判所書記官は、後見事件に関しまして、申請書の形式審査等だけに限らず、判事の判断をされるに当たっての前提の調査であったりそういう部分もやはりされている、実質上非常に多く関与をしている方であると思います。その方々が、職員数を増やすということは非常に時代の傾向にも合ったものであると思うし、改めて評価もしたいと思っております。
その上で、こういう、これだけノウハウのある書記官の方々のやはり知見というのも広く一般に国民の方に共有もしていただくことも大事であると思います。前回、三月二十六日に私質問したとき、市区町村長申立てがやはり長く手続が掛かる、その理由がそれぞれの地方公共団体のノウハウ不足である、この旨も指摘もさせていただいたところです。
そういった点も踏まえて、例えば地方公共団体が主催をしている後見事務についての研修会などにもやはりこういう裁判所の書記官がまた入っていって、講師としていろいろ手続的なものも教えていくような環境整備みたいなのもこれは積極的に進めていく部分はあるかと思いますが、この点について当局から御意見をいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(村田斉志君)
お答え申し上げます。
委員の御指摘の点に関しまして、例えば、お話ございましたとおり、自治体等が市民後見人の養成事業を実施するというような場合に、家庭裁判所がそれについての講師の派遣等の協力を要請されるという場合がございます。成年後見制度に関して家庭裁判所が関係機関と適切に連携していくということは重要なことだと考えておりまして、市民後見人の養成事業を実施する自治体等から講師の派遣や検討会等への参加の要請があれば、司法機関としての公正中立性には留意しつつ、裁判所書記官等を講師として派遣するなど、庁の実情に応じて積極的に協力しているものと承知をしております。
このような協力は今後も続けられていくものと考えておりまして、そうした連携が、委員のお話にありましたようなノウハウの共有ですとか地域に開かれた司法を進めるといった観点からしても意義を有しているものというふうに考えております。

○矢倉克夫君
なかなか、裁判所書記官といってもどういう勤務をされているのかなじみがない部分であると思いますが、市民生活に非常に密接に関わっているところ、こういうところでも関わっていることを国民の皆様にも知っていただいて、開かれた司法を実現する上でも大事な部分だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
続きまして、もう一点、この法案の趣旨として挙げて御説明いただいたのが、女性の活躍を推進するというところであったと思います。国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進というところ、本案がどのような部分でこれに関係するのか、この点御説明をいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(中村愼君)
政府におきましては、女性職員活用・ワークライフバランス推進協議会におきまして、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針を決定いたしまして、これを踏まえて、仕事と育児の両立支援の制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等の観点から、試行的に行政府省の本省において定員上の措置を行うというふうに承知しているところでございます。
裁判所は同協議会の構成員ではございませんので、この取組指針の直接の対象ということにはなりませんが、取組指針の趣旨等を参考にしながら検討してまいりました結果、裁判所におきましても、取組指針に準じまして、行政府省の本省に当たり、司法行政事務を行っております事務総局におきまして同様の取組を試行的に行うということで、事務官一人の増員をお願いしたところでございます。
今回の定員措置は行政府省においても試行的な取扱いということでございますが、この一名の定員増を十分に活用して、育児のための制度を積極的に取得しながら仕事の面で活躍できるような体制整備に効果が出るように努めてまいりたいと考えているところでございます。

○矢倉克夫君
今御説明ありました事務官一名、ちょっと一名だけですと、やはりなかなか、試験的な部分もあるというところではありますが、その趣旨もまた踏まえて、これはさらに、そういう形での増員というのをやはり考えていかなければいけないところであるかと思います。
ワーク・ライフ・バランスと、また女性の活躍というところから考えると、やはり育休等も踏まえて、休む部分での体制というのも必要かと思うんですが、やはり女性の方が働きやすい環境をつくっていくというのは、もうこれは非常に大事な部分であると思います。
とりわけ、私もいろいろ資料、統計見ていて一つ面白いと思ったのが裁判官以外の職員の育児休業取得率で、男性が育児休暇を取られている、これ平成二十五年なんですが、一五・五%いらっしゃるんですね。平成二十一年が七・四%だったのに比べれば、これは倍になっている。民間などが男性の育児休業取得率が二%であり、また一般公務員も三・七%であるのに比べれば、裁判所に関しては非常に多いんだろうなというふうに思っております。こちらについてはさらに、もっともっと高めていけるような政策を進めていただいて、模範となるような形を取っていただくことがやはり大事だと思っています。
これに加えて、例えばテレワーク、在宅勤務などの推進などもやはりしっかり考えていく必要もあると思います。環境整備等も含め、また予算的に研究開発、また施設の形状などもやっぱり考える必要な部分も含めて、先ほどの男性の育児休業取得の推進とともに、テレワークの推進、これをしっかり進めていくことについての裁判所の御意見をいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君)
お答え申し上げます。
裁判所におきましては、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、特定事業主行動計画、いわゆるアクションプランを策定いたしまして、仕事と育児の両立を支援する諸制度の周知を積極的に行ってきております。
中でも、委員御指摘の男性職員の育児休業につきましては、平成二十七年度からの第三期の行動計画におきましても更なる利用促進を図っているところでございます。今後も、引き続き、全ての職員がワーク・ライフ・バランスを実現できる勤務環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
また、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方改革の一環としまして、政府におかれては、国家公務員のテレワークの推進に向けた取組がされていることを承知しております。
裁判所におきましては、法廷等での裁判及び事件当事者との窓口対応などの業務があるという職務の特性や、職場環境において行政府省とは異なる面があることも踏まえながら、裁判所におけるテレワークが裁判事件等への影響をどのような形で持つのか、あるいはワーク・ライフ・バランスに与える効果、職員のニーズはどういったものであるのかというようなところも含めて、十分に考慮しながら今後検討を進めてまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
裁判所はそこに在庁をしてやらなければいけない業務がやはりあるという部分では特殊な部分もあるかと思います。国家全体でテレワーク推進、閣議決定も平成二十五年にしている部分もありますので、その特殊性も踏まえた上でいろいろ工夫もして、それぞれワークのシフトなどもしっかり考えながらやっていただくことは引き続きお願いしたいと思います。
ちょっと時間もありませんので、最後一言、質問しようと思っていたんですが、やはり裁判所の判事の方も、先ほど小川委員から再任等も御質問もあった、そこの部分はまた別途検討する必要はあると思うんですが、私としては、事件が減った部分もあるんですけれども、過払い請求の、それぞれ今まで少し定型的な判断でできたような事件が減った一方で、やはり複雑な事件も増えているのは確かであると思います。裁判員制度など刑事の方でも更にこれから発展をしていく、判事が関わっていく部分も多くなってくると思う。また、医療関係や労働関係など専門的なものも増えている。そういう部分では判事の増員という部分、実態をよく見ながらではあるんですが、一方でやはり考えなければいけないと思っております。
ちょっと時間がありませんので意見だけですが、その部分についてはやはり最高裁もしっかり予算をまた取っていくというところをより積極的な意識を持っていただいて、更に調整をしていただきたいということを要望申し上げまして、私から質問、終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございます。