「与党の責任」(上)

2013-12-20

矢倉かつおです。
国会会期も終わりましたが、連日、税や予算の検討を行っており、また休日や夜は、地元をまわっております。
前回、特定秘密保護法について記載しました。「報道では伝わらない内容がよくわかった」というご意見を数多くいただきました。本当にありがとうございます。

他方、「公明党は与党のブレーキ役を担うはずなのに、結局、政府に追随しているだけではないか」とのご意見もいただいております。
この点、公明党は、「知る権利」の配慮が不十分だった当初政府案の修正を粘り強く交渉し、ひとつひとつ成し遂げました。
官邸主導の動きの中、「与党のなかのブレーキ役として責任」を果たした、とお伝えしたいと思います。
長文になってしまい恐縮ですが、大切な問題ですので、今回は、この点についてご報告します。

そもそも、この法律の原案を作成したのは政府、つまり安倍内閣です。
自民党と公明党が政府より説明をうけ、53日間という短い臨時国会で成立を期す旨の連絡を受けたのは、だいたい今年の8月の終わりから9月ごろのことでした。

私も9月上旬に初めて政府提出の原案を見ましたが、当時の率直な感想を言うと、「行政が何の基準もルールもなく、秘密を指定すること」を認めるものであり、問題だと感じました。
(余談ですが、テレビのコメンテーターの方の発言を聞くと、「当初政府案を前提に話しているのでは?」と思うようなことが多々あります)

前回、日本には、すでに42万件にもおよぶ「特別管理秘密」が存在することをご紹介しました。
それが、何の統一ルールもなく管理されていたことが、これまでの「情報隠し」を許していた原因の一つであると公明党は考えます。
だから、情報漏洩の防止とともに、明文のルールを法律でつくり、秘密を管理することが必要です。
しかし、政府原案がそのまま通ると、現状のずさんな秘密管理を法律で追認するようなものとなってしまいます。
「これでは法律がない方がマシだ」と感じました。

他方で、この法律を早くつくり、各国との情報共有の体制もつくらないといけません。
ならば、「政府原案を修正し、知る権利を決して侵害しないものに変えていく」ことで、「与党内のブレーキ役」として全力を尽くそうと公明党は決めました。
この作業は、自民党だけでは出来ない作業です。
労多くして評価されることの少ない地道な作業であり、見方によっては「成立に手を貸した」と世間の批判をあびる可能性もあるものです。
しかし、これを出来るのは与党のうちの公明党だけだと自負もし、その覚悟でのぞみました。

そこからが大変でした。
9月7日の初会合を皮切りに、合計13回会合を開き、多くの専門家の方を呼んで議論をし、その結果をもって役所と対峙しました。
こうして、多くの成果を勝ち得たと思います。
主なものを記載すると以下のとおりです。

1.「秘密の指定・解除等」の客観的基準作成
まず、行政が「何のルールもなく」秘密の指定・解除等を行うとされた政府原案を改めさせ、「弁護士を含めた有識者会議の意見を聞いて作成する客観的な基準」に従ってなすべきであるとの趣旨で修正をしました。
公明党のこの修正がさらに発展をし、最終的に、指定や解除の状況について政府が毎年、有識者会議の意見を付して国会に報告し、公表することまで義務づけることが出来ました。

2.秘密延長の内閣の承認、閣議議事録作成
また、秘密指定が30年を超える場合には「内閣の承認」、つまり閣議決定が必要であることを明記しました。
さらに重要なことは、閣議決定が必要であるとしたことをうけて、その「閣議の議事録を作成すること」を安倍総理に認めさせました。
これは明治時代以来の慣行を破るものです。

3.「知る権利」を明記、取材行為の処罰禁止を明記
さらに、「知る権利に資する」「報道の自由」に配慮すべき旨の規定を盛り込みました。
そして、その具体性を確保するために、取材行為は「正当業務行為として取り扱い」違法とならない旨の規定を入れ込みました。
この修正が、さらにその後の修正を生み、最終的に、取材行為は、「スパイ目的等でない限り処罰されないこと」が明記されました。

4.特定秘密の公開原則
また、たとえば防衛秘密などは、これまで防衛省限りで廃棄していましたが、「特定秘密の指定が解除された情報」は、「原則、公開すること」、また「廃棄する場合には内閣総理大臣の同意を得ること」を政府に認めさせました。
これが更に発展をし、「30年以上秘密指定された文書」は原則すべて公開されることが義務づけられました。

5.情報公開制度充足、国会への情報提供義務
そのほか、情報公開のための有識者会議設置や、これまで国会にも提出されることのなかった秘密を、一定の手続き(秘密会)を経れば、国会に提出させる義務を政府が負っていることなどを、国会質問の過程で明らかにしました。

ここまで修正をやり遂げた公明党の「次になすべき仕事」は、多くの野党と建設的な議論をして、より広い合意を目指すことです。
衆議院では、みんなの党、維新の会と実務者レベルで合意が出来ましたが、このように広範囲に与野党合意が出来たことは画期的なことです。
これも、公明党の大口衆議院議員をはじめ関係者が粘り強く交渉した結果です。

このように公明党は、政府に追随などせず、政府・役所と議論を戦わせながら、野党との協議も整わせ、もともと不十分だった政府案の内容を充実させるために、岩盤に穴を開けるような思いで粘り強く交渉してまいりました。
この点は、引き続き丁寧にご説明していきたいと思います。

また、「採決を急ぎすぎではないか」とのご意見も多くいただきました。
この点について、説明不足のまま、あのような姿を広く見せたことが大変に残念でもあり、申し訳なく思います。
私も議員1年生として「与党の難しさ」を実感いたしました。
他方、あのタイミングで採決をする事情もあり、次回のメルマガでは、この点について私なりにご説明をさせていただきます。

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