安全保障法制整備の方向性Q&A

2015-03-22

2015年3月22日(日)付公明新聞

問1 なぜ安保法制整備が必要なのか

国民の命と暮らしを守るため、切れ目ない対応を可能にする

日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しています。大量破壊兵器や弾道ミサイルなどの開発・拡散は急速に進み、テロの脅威も深刻です。

その中で、国民を守るためには安保法制に“隙間”があってはなりません。例えば、警察や海上保安庁では対処できない場合、自衛隊がすぐに協力できる体制がないと、国民の生命・財産は守れません。

そこで昨年7月、平時から有事まで切れ目のない法整備の方向性を提起した閣議決定が行われました。

閣議決定について、明治学院大学の川上和久教授は「現実を見据えた解決への一歩」と高く評価。劇作家・評論家の山崎正和氏も「(憲法が許容する)個別的自衛権の今まで欠けていた部分を補完、拡充するもの」と指摘しています。

この閣議決定を基に今回、与党協議会が再開され、合意文書が取りまとめられました。

問2 どのような法整備をするのか

日本の平和と安全を確保し、国際平和協力へのさらなる貢献めざす

与党協議会が取りまとめた文書は、自民、公明両党が現時点で共有するに至った認識を基に、安保法制整備の方向性を示した中間的なものです。

政府が進める法整備は、(1)武力攻撃に至らない侵害への対処(2)日本の平和と安全に資する活動を行う他国軍隊に対する支援活動(3)国際社会の平和と安全への一層の貢献(4)憲法第9条の下で許容される自衛の措置(5)その他関連する法改正事項――の5分野に及びます。

日米安全保障条約を軸にして、国民の生命を守る体制をより一層、強化するとともに、人道復興支援など国際社会から高い評価を得ている平和協力の分野でさらなる貢献をめざします。

取りまとめ文書に基づき政府が主要な条文案を示す4月中頃には与党協議会を再開し、さらに緻密な議論を進めます。

5月半ばに法案の国会提出をめざします。

問3 自衛隊の海外派遣が無制限に広がらないか

(1)国際法上の正当性(2)国民の理解と民主的な統制(3)隊員の安全確保――の3原則が厳格な歯止め

自衛隊は日本の平和と安全を守るための実力組織です。それだけに自衛隊を海外での活動に参加させる以上、たとえ、その目的が武力行使ではなく、国際平和協力や人道復興支援のためであっても、慎重を期す必要があります。そこで公明党が与党協議の場で強く求めてきたのが3原則です。

一つは国連決議に基づいているなど、国際法に照らして正当性があるかどうか。二つ目は、国民の理解を得るため、国会の関与など民主的統制を明確にすること。さらに三つ目で、活動に参加する自衛隊員の安全を、これまで以上に確保することを求めました。与党の取りまとめに盛り込まれたこの3原則は、自衛隊の海外派遣が無制限に広がらないようにするための厳格な歯止めとなります。今後の安保法制整備に当たっては、法律の中に自衛隊の派遣の目的、要件、手続きを明確に書き込んでいくことが必要です。

問4 海外で戦争をする国になるのではないか

専守防衛を維持する新3要件など法案に「過不足なく盛り込む」方針

政府はこれまで、「海外での武力行使は憲法第9条の下ではできない」と解釈し、昨年の閣議決定でもこの解釈を変えていません。

「海外で戦争する国になった」との批判が一部にありますが、全く的外れです。

閣議決定は「自衛の措置」発動の厳格な新3要件【別掲】を定め、自衛隊の武力行使は、どこまでも日本が武力攻撃を受けたと同様な事態の場合に限られることを明らかにしました。これは専守防衛の範囲内です。安倍首相も「他国の防衛それ自体を目的とする集団的自衛権の行使を認めるものではない」と国会で明言しています。

今後の安保法制整備では、専守防衛を維持した新3要件と共に、安倍首相、内閣法制局長官の国会答弁の趣旨も過不足なく盛り込まれます。

「自衛の措置」発動の新3要件
(1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合

(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないとき

(3)必要最小限度の実力を行使する