TPP懸念払しょくを

2016-10-06

公明新聞:2016年10月6日(木)付

TPPを巡り政府と意見を交わした党総合対策本部=5日 衆院第1議員会館

TPPを巡り政府と意見を交わした党総合対策本部=5日 衆院第1議員会館

消費者目線の利点説明も
政府「再交渉なしで参加国一致」
党対策本部

公明党のTPP総合対策本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)は5日、衆院第1議員会館で、環太平洋連携協定(TPP)の承認を巡る最近の動向などについて関係省庁と意見を交わした。

席上、内閣府は、TPP参加国の動向について、米国が協定の年内承認に向けて取り組んでいるほか、他の参加国も速やかに国内手続きを進めていることを確認していると紹介。さらに、米国を含む各国が「『再交渉はあり得ない』ということで完全に意見が一致している」と説明した。

農林水産省は、売買同時入札(SBS)による輸入米の取引が問題視されていることに言及。輸入業者が販売促進費などと称して卸業者に金銭を渡していたことが明らかになり、実質的に卸業者の買い入れ価格が下がり、国産米の価格に下落圧力が掛かっている、との指摘があることに対し、「ご心配をおかけし、おわびする」と述べた。

その上で、農水省は「省を挙げて調査しており、今週中には(結果を)公表できるように努力している」と強調。さらに、近年は、国産米の価格が安い年はSBS米の売れ行きも低調で「国産米の価格を押し下げているという状況にはなっていない」と説明した。

また、外務省は、同省が国会に提出したTPP協定文書や、その説明書の一部に誤訳があったことを謝罪。閣議決定した条文自体には「影響はない」とした上で、正誤表の作成など、今後の対応を説明した。

公明議員からは、TPPに前向きな団体の声を一覧で政府が資料として示したことに対し、「(TPPの影響を懸念する)農業団体などの声が入っていないが、そうした意見も載せるべきだ。心配を払しょくしていくよう努めるのがわれわれの責任だ」との意見が出た。さらに、「TPPの議論は、農家や工業団体など生産者の視点で語られることが多いが、消費者の選択肢が増えるという利点を、もっと議論し説明していくことも重要だ」とする声も上がった。

SBS
通常、輸入米の取引は、輸入業者から国がコメを買い取り、国内での流通に携わる卸業者に販売するという二段階を経る。しかし、SBSでは、輸入業者と卸業者がペアで入札に参加し、国と特別売買契約を結ぶことで、輸入業者と卸業者は実質的に“直接取引”する。ただし、輸入業者が事実上の関税に当たるマークアップ(国の売渡価格と買い入れ価格の差)を国に支払い、国は、高値で卸業者に販売することで米価の下落を防いでいる。