国家が存在する第一義的意義は自国民を守ることです。そのために、「日本は自国民を守る体制をしっかり整えている」ということを広く示すことは重要です。
加えて私は、この地球上に住む人たちになんらかのプラスの影響を与えることも国が存在する意味であると考えます。日本が世界に与えるプラス、世界に発すべき価値、それは憲法9条の掲げる「専守防衛」「平和国家理念」です。これこそ、日本外交が諸国との関係を築くうえで基軸の一つにしなければならないものであると考えます。
戦争の世紀といわれた20世紀から得られた財産のひとつこそ、憲法9条であり、紛争なき世界へ向けた名誉ある地位・役割を担うことが出来るのは、この9条を保持する日本だけだからです。
これは、日本の防衛に対する努力をおろそかにする理由にはなりません。安全をめぐる国際情勢は厳しさを増しております。しかし、他方で、紛争が止まない世界の現実は、掲げるべき理念・理想の放棄の理由とはならず、むしろ、そのような世界だからこそ、日本は理念を放棄してはならないと考えます。
理想論だ、という方もいるかもしれない。しかし、私は、政治家の役割のひとつは理想を語ることであると考えます。政治の言葉に理想がなくなれば、政治は死んだも同然だと思います。理想を抱き、それに向けてあらゆる力を結集させるべく言論で訴えること、これが政治だと思っています。
日本の国民を守るという責務との関係でも、憲法9条は重要です。今、政治家に求められていることは、防衛感覚と外交感覚のバランスであると考えます。そのバランス感覚を支える理念こそ、私は憲法9条であると思います。
政治家がひとたびこのバランスを欠いた言動をすることはかえって国を危うくします。外交や国防、国を守るといったことは、ちょっとしたきっかけで大崩れをしかねない微妙な問題です。ボタンの掛け違いが取り返しのつかない失敗を招かないよう、対話で平和的な解決をめざし、粘り強く関係改善を図らなければなりません。その根幹にすえるべき思想は、憲法9条の「専守防衛」「平和国家理念」です。
日本の安全と世界の平和のために、「平和国家社会」を目指し、国内外に発信します。
1 「景気実感の最大化」とともに「世界で勝てる」日本経済の実現