190回 法務委員会(再犯防止等)

2016-03-10

○矢倉克夫君

公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
大臣所信、非常に幅広いテーマを網羅されたものであるというふうに評価もさせていただきたいところであります。テロ対策など国民の安全に関するところは当然ではございますが、そのほかにも、私も以前質問させていただいた無戸籍の問題でありますとか、一日も早く戸籍を作っていただくためのアドバイスを懇切に行っていただくということもおっしゃっていただきました。例えば、裁判費用の援助などについてもまた御検討をいただきたいというふうにも思っております。
あと、さらに角度の違うところとしては訴訟機能の充実、とりわけ法的紛争をこれ未然に防止するための予防司法機能の充実というところもおっしゃっていただいたところであります。非常に大事なところでもあるなと。社会全般の裁判コスト、訴訟コストとかをこれ下げていくという部分でもそうですし、とりわけこれは、法務省はほかの省庁とは一味違う専門家集団の集まりでもありますので、私個人の思いとしても霞が関の顧問弁護士という思いで、この部分は更に充実を図っていただきたいというふうにまず冒頭申し上げたいというふうに思います。
それで、今日は大臣も所信でも強調されていた再犯の防止について幾つか御質問をしたいと思います。
今、超党派の議連でも議員立法等に向けても鋭意努力をしているところではございます。我が公明党でも、遠山清彦衆議院議員を座長にしまして、私が不肖事務局長を仰せ付かりまして、今プロジェクトチームも立ち上げているところであります。これまで様々なところを視察も参りましたし、保護司の方や協力雇用主の方なども御意見をいただくような会合も設けたところであります。
ちなみに、視察したところの一つが川越少年刑務所でありまして、非常に老朽化が進んでいるところであります。それについても、どうやってこの設備更新等も、耐震等も含めてこれはやっていくのかというところは、我々もしっかりとこれ後押しをさせていただきたいというふうに思っております。
その会合の中で、保護司の方お二人にお話をお伺いいたしました。お一人は野崎さんという方で、多摩地区の保護司会の連絡協議会の会長をされている方であります。もう一人は横山さんという方で、これは大田区の保護司会の会長もされていらっしゃる方であります。
二人のお話を聞いていて非常に特色があるなと思ったのは、非常に地元の自治体との協力関係というのをこれしっかりつくられて活動をされているなというところでありました。
野崎さんが会長もされている多摩地区の保護司会などは、例えば多摩地区二十六市三町一村、その広いエリアを束ねていらっしゃるわけなんですけど、人口四百万人で、自治体等の協力もいただいて大体お一人当たり七円という形を負担をいただいて、トータルで二千八百万円、それをしっかりと拠出をいただいて保護司会の活動の充実に充てていくというような連携もされているというようなお話がありました。
大田区の方の横山さんは、大田区は区長も議長も副議長もこれ保護司さんである、非常に地域との連携というのがよくできていらっしゃって、例えば公的機関の場所もお借りするような対応もされているし、電気代とか水道代などもこれは自治体の方が負担をいただいているというようなお話もお伺いもいたしました。すばらしい連携の在り方でもあるし、とりわけ保護司さんは地域の篤志家として、やはり愛する地域を守って安定を図っていくためにも御自身の私生活もある意味犠牲にされながら頑張っていらっしゃる方、そういう方の仕事を支えていくにもやっぱり自治体の協力がこれ更に必要であるなということもお伺いして実感したところなんですけど。
他方で、お二人が口をそろえておっしゃったのは、私たちは特殊ですと。特殊と言うと言い過ぎかもしれないですけど、やはり自治体との協力というのがまだなかなか、不十分という言葉が正しいかどうか分からないですけど、もう少し自治体と協力関係が取れるような全国的な展開というのができないかというような要望もいただきました。例えば、研修会場や対象者との面談場所の貸与すらなかなか受けられないようなところもやはりある。保護司会活動にも支障が出てしまっているようなところもあるかなというふうに思っています。
再犯防止に当たって自治体から協力をいただくためにはいろんな法的根拠もあって、更生保護法の二条二項など、自治体は協力をできるというような形で規定もしておりますし、保護司会活動など、十七条でも同じようにできる規定で、規定はあるわけですが、やはりそれぞれ自治体ごとに取組に不均衡もある。
こういうようなものをどうやって是正をしていき、保護司会活動を更に充実させていただくために政府としてどのような取組をされていて、また考えられているのか、御答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(片岡弘君)

お答えいたします。
ただいま御指摘のとおりで、地方自治体の協力がますます重要になってきております。具体的な例を挙げましても、今、保護司の後継者の確保につきまして非常に課題が多いところでございますが、その保護司のなり手としまして、公務員を退職された方あるいは学校の先生であった方等が有力な供給源になってございまして、地方自治体にそのような方々についての御協力をお願いするということもしてございます。それから、今御指摘ありました更生保護サポートセンター、これは保護司の活動拠点でありますが、その設置場所の提供も自治体にいただいているということでございます。それから、従来から続けております国民への広報活動、社会を明るくする運動につきましても、各地方自治体の首長が率先して運動に携わっていただいているというところもございます。
そういうようないろいろな御協力をいただいておりますが、その関係で、法務省といたしましても、法務大臣を始め政務三役が全国各地に直接出向くなどいたしまして地方自治体の首長等に協力を依頼するなどしているところでございます。また、法務省保護局長と総務省担当審議官の連名で地方自治体に対する協力依頼文書を発出しているところでもあります。
そのような取組を通じまして、減少していた保護司の数が増加に転じました。そしてまた、更生保護サポートセンターも今や全国で四百四十六か所設置するという状況でございまして、地方自治体の協力を得まして、ますます保護司の活動を充実したものにしてまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君

今、総務省との連名でのお話もありました。いろいろ他省もしっかり巻き込んで、より保護司会また自治体が積極的に更に支援をいただくような体制をつくるためにも、議員立法等でもしっかりまた後押しをできればというふうに思っております。引き続きよろしくお願いします。
保護司さんが地域の篤志家であれば、やはり再犯をした方々が更に更生をしていくための生活の基盤を特に雇うという雇用の部分で支えていらっしゃるのが協力雇用主さん、時には住まいも支えていらっしゃる方でもあると思うんですけど、私も二人ぐらいお会いをしました。北九州の野口さんという方と、さいたまの白石さんという方でございます。お二人も、お話も聞いていて、やはり体当たりで更生に向かって頑張っていただいているんだなというドラマもいろいろとお伺いもして、感動もした次第でございます。
他方で、やはりいろいろと悩み等も抱えていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。とりわけ、それが雇用主さんが実際協力する上でやはり支障になっている部分もあるかなと思って、それでお尋ねをしたいと思うんですが、受け入れてもやはりまた再犯を犯してしまったというようなこともある。そこで、ああ、また再犯を犯してしまったのかと気落ちをしてしまうというようなこともあるというようなことも率直におっしゃっておりました。ただ、それでも例えば白石さんなどは、ずっとそれでも手紙を書き続けてその人の更生のためにまた頑張っていらっしゃるという努力もおっしゃってくださったわけですけど。
協力雇用主さんという形で今一万六千人ぐらいの方が登録されていらっしゃいますが、法務省の助成金などの仕組みなども効果を上げまして、平成二十七年四月の段階では五百五十一ぐらいだったのが、平成二十八年には八百二十三ぐらいの方が実際雇用をされるようなぐらいに数も伸びていらっしゃる。
ただ、他方で、これを更に雇用をされる方を増やしていくためには、やはり雇うとして受け入れた方々をしっかり更生する、矯正させるための体制づくりというのもこれは必要であるなというふうに思います。協力雇用主の方も矯正の専門家ではないので、一点目としては、まずそういう方々へのサポート体制、矯正の部分での、そちらについての御意見をちょっといただきたいと思います。
そして、まとめてもう一つお伺いしたいんですが、あとはやはり大事なところは、協力雇用主さん、いろいろと助成金等で今補助もしていただいている。金銭面での補助という部分もそうなんですけど、私が大事だなと思うのは、協力雇用主さんがある意味御自身の部分を犠牲にしてでも社会のため頑張っていらっしゃるというこの誇りをやはり大事にしていくというところは当然大事であるなというふうに思います。こういうような方々のお仕事がどれだけ社会的に意義があるのかということをしっかりアピールする方策というものもこれは大事であるかなと思います。
ちょっと二点についてまとめていただければと思います。

○政府参考人(片岡弘君)

お答えいたします。
まず、ただいま御指摘ありました刑務所出所者等就労奨励金支給制度というのを本年度から開始しまして、御指摘のように、昨年四月一日の時点で五百五十一事業主だった事業主がその後九か月で二百七十二事業主増えまして、本年一月一日の時点では八百二十三事業主になったということでございます。この数は実際に刑務所出所者等を雇用していただいている協力雇用主さんの数ということで、実際に雇っている数字ということでございます。
そしてまた、雇用主さんへのサポート体制、どういうものがあるかということですが、今現在で全国の十六か所でございますが、更生保護就労支援事業というのを展開してございます。これは、保護観察所が就労困難と判断した刑務所出所者等に対しまして、保護観察所から委託を受けた民間事業所の就労支援員が矯正施設や協力雇用主の下を訪問するなどして就職活動支援等を行うものでございます。平成二十六年度になりますが、その実績は、支援対象となった七百八十七人に対しまして五百九十三人の就労を確保したと、七五・三%の就労が実現したという数字になってございます。
また、協力雇用主さんの更なるサポートの関係でございますが、これは本年度からの取組でございます、刑務所出所者等を実際に雇用していただいている実績のある協力雇用主さんに対しまして、感謝の意を表すために法務大臣の感謝状を贈呈するという表彰制度を創設したところでございます。また、そのほか、社会を明るくする運動等の広報活動を通じまして、協力雇用主さんの存在、あるいはその意義を一般国民に知ってもらうべく、広報活動にも協力雇用主さんの活動ぶりを組み込んでいきたいと考えておりまして、これらの協力雇用主さんに対しますサポート体制、支援体制をより一層充実させてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。

○矢倉克夫君

ありがとうございます。
今、全国就労支援事業者機構、それぞれの地域団体との委託も十六団体に今や及んでいるというところ、それを更に広げていくため、全国四十七都道府県全部に広げていくためには、やはり予算の更なる拡大というのも大事であるかなというふうに思います。そちらもしっかりと引き続きやっていただきたいのと、感謝状というところは、これはもう非常に大事だなと思います。やっている方々のお仕事を顕彰することで、それぞれドラマがあるわけですけれども、それがまたいろいろと広がっていって、いろんな方々の御理解にもどんどんこれ広がっていくわけですので、これは良い取組だと思いますので、是非引き続きお願いもしたいと思います。
それで、やはり国民の理解が大事であるなと。再犯防止も、ともすれば、いかにも犯罪を犯した人に対して国がお金を出しているんじゃないかというような一部御意見も若干ではあるところではあるんですが、私が大事だと思うのは、やはりこれ、再犯防止は当然ですけど、その方々、出所者の人生のやり直しというところもあるわけですけれども、それをしっかりやることでいろんな、例えば矯正施設の人件費とか、食事も出すわけですので、入所者の人たちには、そういうふうなコストがなくなるという部分もありますし、その人たちが更生してちゃんと仕事をして納税者になっていけばしっかりと国に対しても財政的なリターンというのもある、こういう部分の全体的なコスト感覚というのもこれは必要であるかなというふうに思っております。
それで、大臣にお伺いしたいんですが、再犯防止施策がもたらしてくれる経済的、社会的効果なども、これももっと客観的に検証をしていくことが国民の理解を得るためにも大事だと思うんですが、その辺り、御所見をいただければと思います。

○国務大臣(岩城光英君)

私も、再犯防止について説明をするときに、今お話のありましたような経済的あるいは社会的な効果、こういったものを併せて話ができればより理解を深まると、そんなふうに考えてはおります。
そこで、再犯防止施策の効果としましては、一般論として二つの方向のものが考えられます。まず一つ目は、犯罪による被害や取締り等に要する費用等の社会的負担の減少、二つ目は、対象者が立ち直ることなどによる社会的利益の増大、こういったものが考えられると思います。
委員の御指摘は、このような抽象的な説明でなく、より量的に、あるいは数字的なもので国民にお示しできないかということであろうと思いますが、これはやはり量的な算定をすることはなかなか難しいといった側面があることも御理解いただきたいと思います。ただ、御指摘は非常に大事なことだと思っておりますので、再犯防止施策の効果をできるだけ国民に明確に示すということはこれからも努力をしていかなければならないと考えております。
そこで、まずは再犯の現状とその防止に向けてどのような施策を行い、それがどのような効果を期待され、また実際の効果を発揮したかを説明できるようにしていくことが重要だと思います。
そのため、法務省では、まず検察庁、刑務所、保護観察所等が保有する情報のうち相互利用に適する情報を共有して一元的に管理し、施策の効果検証、再犯要因等の調査、検証への活用等を可能とする刑事情報連携データベースシステム、この開発を平成二十七年度から進め、来年度中に運用を開始する予定であります。これからこういったシステムを活用するなどして施策の効果を検証し、より効果のある施策を推進していくとともに、その施策の効果を国民の皆様方に説明していくことにより、一層の御理解と御協力を得られるよう努めてまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君

今、大臣から具体的なデータベースのお話もありました。より積極的に進めていただいて、見える化というところも進めていただきたいというふうに思います。
麻生大臣とお会いしてお話もして、再犯防止の話になったときにも麻生さんからも、そういうコストというのもしっかり見えるような形にしていくことが更に大事だというような御指摘もいただいたということも併せて申し上げたいというふうに思います。
最後、再犯の問題等もそうなんですけど、やはり私も法務省の仕事を見ていると、再犯も当初は法務省単独の話であったのが、これから厚労省であったりとか、どんどん連携をしていかなければいけないというような、そういうような広がりを持っていくような話であった。
他方で、大臣も所信でおっしゃっていた司法と福祉の連携という部分、法テラスの関係であるとか、あれなどは、福祉部分だったものをやはり司法が関与しなければいけないというような、そういう違う方向での広がりだったと思うんですが、法務省の仕事というのは、少子化も高齢化もそうですけど、その流れの中でいろんな方面と連携をしてやっていかなければいけない仕事というのがやっぱり増えているなと。法務省は、やはりそれの旗振り役としていろんな省庁との連携というのをこれやっていく使命というのは非常に大きくなっていっていると思いますので、大臣には是非その旗振り役の役割を更に推進していただくことを改めて御期待を申し上げまして、質問を終えたいと思います。
ありがとうございます。