特定秘密保護法について(上)

2013-12-09

矢倉かつおです。
53日間におよぶ臨時国会が終了しました。
私にとって、事実上の初国会でしたが、国会質問する機会を5回も与えていただきました。
そのうちの1回は、本会議での安倍総理に対する質問です。
一生に一度あるかないかの機会を、いきなり1年生でやらせていただきました。

色々とご報告したいことも多いのですが、今回は「特定秘密保護法」について記載します。
私の事務所にも連日のように数多くのご意見をいただきます。
説明が足りず、大変に申し訳ないと思っております。
今回のメルマガはこの重要法案につきまして、少々長くなりますが、2回に分けて発信させていただきたいと思います。

まず、公明党がこの特定秘密保護法の成立を、なぜ支持したか。
答えは、第一に、この法律がないと、どうしても守らなければいけない情報が外に漏れてしまい、外国やテロの攻撃に晒されてしまう危険性があるからです。
そして第二に、この法律がないと、諸外国から「日本では重要な情報が守れないので、日本に情報を渡すのはやめよう」と言われてしまう可能性があるからです。

これまで日本には、国家秘密を守るためのしっかりしたルールが法律レベルではありませんでした(自衛隊法など一部の例外を除いて)。
あるのは、国家公務員法100条という刑罰規定ぐらいです。
何が秘密で、それをどう管理するか等々、「法律」ではなく「政令」という省庁ごとの規則で決めていました。
これは世界からみると異常な状態であると言えます。
いくら政令で定めても、国民の目からは詳しいことは見えません。
外国の人からみたら、なおさら分からないでしょう。
「日本には、秘密を守るルールすらないのか」と思われてしまいます。
法律をつくるべき国会が、その仕事をさぼっていたと言われても仕方のない状態でした。

ちなみに、今の法律では、秘密を漏らしてしまったことに対する刑罰は「懲役1年以下」です。
物を盗んでも窃盗罪で「懲役10年以下」の刑罰なのに、国の安全を守るために必要な情報を漏らしても「懲役1年以下」というのは軽すぎるのではないでしょうか(アメリカなどでは、情報によっては極刑もあります)。
このままでは、ますます外国から「日本は秘密を守ることに熱心でない」と見られてしまいます。
そこで、極秘情報を扱う人の範囲を定め、情報を漏らしたことに対する罰則を外国並みに重くすること。
さらに、秘密指定を適切に行わせるとともに、秘密の公開の手続きを定めた、今回の法律が必要になるのです。

では、この法律をつくり、秘密の取り扱いを国際レベルに引き上げることで、具体的にどういう効果があるのでしょうか。
例えば本年1月、アルジェリアでは「日本人人質殺害事件」が起きました。
あの時、アルジェリア政府による突入計画など、重要な情報は日本政府に入りませんでした。
「もう少し外国からの情報収集がうまくいっていれば、もっと違う結果になったかもしれない」という後悔が、今の日本政府にはあります。

情報がうまく入らなかった理由の一つは、日本の情報管理が外国から信頼されておらず、「日本に情報を渡しても、情報が漏れる」と思われたことでした。
今回、この法律が出来て、「日本に情報を渡しても、漏れることはない」と各国に信頼してもらうことができれば、今後、同種の事件が発生した際に、アメリカやイギリス、フランスなどの政府からも情報が入り、国際テロなどの未然予防に役立つことが期待されます。
今、問題となっている「中国の防空識別圏の問題」等に対処するための必要な情報の共有にも効果を発揮します。

ちなみに、間もなく発足予定の国家安全保障局のリーダーである国家安全保障局長は、「特別公務員」といって、今の法律のままでは、国家公務員法100条の秘密保持義務の対象外になりかねない状況です。これもおかしな話となってしまいます。

そして、公明党がこの法律を支持した第三の理由といってもよいと思いますが、今回、きちんとした法律をつくることで、これまで行政に任せきりだった「秘密管理のあり方」を、オープンに議論する土壌が、やっと出来ました。
これは見過ごせない点だと思います。

実はこれまで、日本にはすでに、「特別管理秘密」という秘密が存在していました。
その数なんと42万件です。
これを規律するルールらしいものはつくられていましたが、内容がそれほど詳細でなく、結局、各省が独自に秘密の管理等を取り扱っていました。

今回、法律をつくることの意味は、こういうバラバラな状態を統一させ、きちんと、国民の皆様どなたにも「見える」形でそれを監視する枠組みをつくることにあります。
この法律をつくる過程で、おそらく多くの方は、「安心・安全を守るには、守るべき秘密があり、それを守りつつ『知る権利』をいかに確保するか」という作業の難しさをお感じになったことと思います。
このような悩みを共有し、国民的な議論になったこと自体、有意義であったと私は思います。
「法律をつくる」ということは、これまで、ある意味では、政府に勝手にやらせていたこれらの作業を、国会の責任としてとりあげたということであり、秘密行政のあり方を根本から変える意義があったと思います。

国会審議では、核持ち込みに関する日米の「密約」や薬害エイズ情報など、過去の情報隠しが議論となりました。
今回の法律により、こういう秘密が更に増えるのではないかとのお声もありますが、私は違うと思います。
これまで、それぞれの役所の判断で「秘密情報」として隠されてしまっていた情報の管理の仕方が、衆人環視のもと法律で決められるのです。
そういう秘密の動きが無くなるよう、国会の監視のもと行政を縛る枠組みがやっと出来たということです。

この法律が明記した、「30年間秘密指定された情報の公開原則」や、国会の秘密会への秘密情報提供(これまでは、国会法に規定される「内閣の声明」により国会に提供を拒否されていた情報も、国会内で適切な手続きをとれば提供されるようになりました)など、今後、その細部をしっかりつくる必要があります。
その意味では、この法律はまだ出発点です。
皆様のご意見を拝聴しながら、さらにより良い枠組を作っていきたいと決意しております。
(次号へつづく)

矢倉かつおから メッセージを直接お届けします。 ぜひ、ご登録ください。