この問題こう考える(4)安全保障のあり方

2015-03-07

2015年3月7日(土)付 公明新聞より

他国防衛は許されず
憲法の下、専守防衛に限定
「外国で戦争ができる国」との批判は誤り

昨年7月1日の安全保障法制整備に関する閣議決定について、「政府は『憲法第9条の下で集団的自衛権の行使はできない』としてきたこれまでの政府解釈を閣議決定で変更し、集団的自衛権の行使を容認した。日本は外国で戦争ができる国になった」とする批判が一部にあります。しかし、これは全くの誤りです。

政府は憲法第9条の下で許される武力行使は自国防衛に限られ、他国防衛のための武力行使はできないと解釈してきました。閣議決定はこの政府解釈を厳守したもので、専守防衛という安全保障の基本は何ら変えていません。

その上で閣議決定は、核、弾道ミサイルなどの大量破壊兵器の拡散、拡大する国際テロやサイバー攻撃、大国間の軍事バランスの変化といった厳しい安全保障環境に対応するため、憲法第9条の下で許容される「自衛の措置」の限界について新たな考えを示しました。

まず第1に、日本に対する直接の武力攻撃だけでなく、他国に対する武力攻撃が発生した場合でも、これにより「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が覆される明白な危険」があれば、「自衛の措置」として自衛隊に武力行使を認めました。

しかし第2に、その「自衛の措置」は、国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない場合に限られ、第3に、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことも定められています。

憲法第9条の下で許される「自衛の措置」は、この3要件が満たされた場合に限られます。この「自衛の措置」は、国際法上、集団的自衛権が根拠となる場合があります。しかし、決して「他国の防衛それ自体を目的とする武力行使」ではなく、丸ごとの集団的自衛権の行使を認めたものでもありません。どこまでも憲法上は自国防衛のための「自衛の措置」の範囲内です。

この3要件があるため、自衛隊が憲法第9条が禁じる海外派兵を実施することはできません。公明党は、今後の安全保障法制の整備においても、これらの原則を的確に反映させていきます。