憲法9条と「紛争なき世界」への思い

2014-08-20 メルマガ

矢倉かつおです。

暦の上では夏も終盤、しかし暑さが続きます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
窓を開けると蝉の鳴き声が。時期、時間により変わるその鳴き声に、聞き入っております。

終戦記念日の8月15日、昨年に引き続き今年も、埼玉県内を街頭演説し、平和を訴えました。私の記憶のなかの8月15日はいつも暑い日です。今年の8月15日も、関東は暑かったです。69年前もそうだったのでしょうか。

平和を訴えながら改めて、日本の使命を考えました。

当然ですが日本の責務は、日本人を守ることです。そのために与党は、去る7月1日になされた閣議決定を了承し、「日本は自国民を守る体制を隙間なくしっかり整えている。」ということを広く示すこととしました。

ただ、私はそれに加え、国というものは、この地球上に住む人たち、自国民のみならず他国の人々にもなんらかのプラスの影響を与える使命があるから存在すると考えています。

日本が世界に発すべき価値、それは何か。様々なものが浮かびましたが、究極は、「平和国家」としての日本の姿であり、憲法9条の掲げる「専守防衛」の理念であると確信します。戦争の世紀といわれた20世紀から得られた貴重な財産のひとつこそ、憲法9条であり、紛争なき世界に向けた取り組みに対し名誉ある地位・役割を担うことが出来るのは、この9条を保持する日本だけだからです。

8月15日の街頭演説では、そんな思いを込めながら、閣議決定に込められた自国防衛のための意義をご説明するとともに「憲法9条を守り抜く」決意をお伝えしました。

国会議員となりまだ1年ですが、安全保障に関し、様々な国会論戦を間近で見、また自ら行う経験をしています。改めて感じることは、外交や国防という課題は、ちょっとしたきっかけで大崩れをしかねない微妙な課題であるという点です。その前線に立つ国会議員の役割は本当に重大であり、言動は重いものであると、自らを律しています。

「政治家に求められるべきは防衛感覚と外交感覚の『バランス』だ。」と言った方がいますが、その通りだと思います。対話外交の重要性を否定する方はいないはずなのに、防衛の必要性を語るとき、言動がつい苛烈になることがあります。

自国を守る責務を強く感じる一方、他国と協調するための対話への信念を常に忘れてはいけない、と度々感じました。この防衛感覚と外交感覚のバランスを支えるものこそ、「平和国家」として歩んできた日本に対する誇りであり、憲法9条の「専守防衛」の理念であって、この理念を世界共有のものとし、戦争のない世界を必ずつくる、という強い信念であると考えます。

街頭演説の最終地は、埼玉県の小川町でした。山に囲まれた場所で、目の前の小川では川辺でバーベキューをする家族連れの方々の姿が。平和な光景を眺めながら、戦没者の方々をはじめ多くの戦争犠牲者の方々の犠牲のもと、今の平和な日本があることに心から感謝いたしました。憲法9条とともに日本、世界が平和となるよう全力を尽くします。

教員定数の確保と「チーム学校」の推進を

2014-08-04 メルマガ

矢倉かつおです。

今日8月4日は、父の命日です。亡くなって、もう19年となります。どういう日の巡り合わせか、命日の日、私は文部科学部会の視察で、父の育った場所、北海道稚内に降り立ちました。父の喜ぶ顔が浮かびます。

教育熱心な父でした。家が経済的に大変だったときも、中学受験を目指していた私のため、夜勤バイトなどで稼いだお金を全部、予備校代に出してくれたりしました。「子どもの教育こそ、自らの責務だ。」という気迫にあふれていました。

実は私の父は、一時期、学校の先生をしていたことがあります。私の生まれるずっと前ですが。

先日7月31日、そんな父を思いながら私は、下村文部科学大臣に、公明党の文部科学部会の一員として「新しい教育を実現するための義務教育条件整備に向けての提言」と題する文書を提出いたしました。私が特に思いを込めた点は、教員定数の確保と「チーム学校」の推進です。

実は、日本の教職員の皆様は世界的にみても非常に忙しいのです。OECD加盟国の教職員の忙しさを調べたデータがありますが、日本の教職員の一週間あたり勤務時間は、加盟国平均よりさらに15時間も多いのです。週5日勤務として、一日あたり3時間、世界平均より働いています。

なぜ忙しいのか、その理由の一つは、指導(授業)に使う時間以外の勤務時間が長いということです。たとえば、日本の教職員が一般的事務業務に使う時間は、加盟国平均の2倍です。また、課外活動(特に部活動)の指導に使う時間は3倍です。これは、初等中等教育学校の教職員総数に占める専門家の割合は18%と低い水準にとどまっている(米英はほぼ50%です)ことが要因でもあります。教員以外にも多様な専門性をもった職員を配置し、「チーム学校」を実現する時期がきております。

忙しい理由のもう一つは、絶対的な数が少ないという点です。「少子化で子どもが少なくなっているのだから、教員も減らしていいのではないか」というご意見もありますが、とんでもないです。

以前、秋田県のとある小学校で行われた生徒主導による討論授業を視察したことがあります。生徒一人ひとりの「問う力」を大事にする素晴らしい授業でしたが、特に、担任の先生の誘導や指導も素晴らしかったです。陰で相当の準備をされたなと感じました。グローバル社会への適応は、このような「課題解決型・双方向」の授業を含め「授業の高度化」を促しますが、そのためには教員体制の拡充も重要です。

また、私には特別支援学校に勤務する友人がおりますが、話を聞くたびに「生徒一人ひとりに寄り添い、その子にあった対応をする教育」の必要性を感じます。特別支援学校に限らず、最近は、発達障害に悩むお子さんも増え、きめ細かな対応の必要性が叫ばれています。少子化は、教員数削減の理由にはなりません。

提言を受け取った下村大臣は、特に教育関係について熱意をもっておられる方です。財源確保を含め「ともに頑張りましょう」と力強くおっしゃいました。

頑張って参ります。

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