営農再開こそ復興の柱

2017-03-10 メルマガ

矢倉かつおです。

明日で、東日本大震災から6年となります。

今年は農水大臣政務官として、新たな決意のもと、この日を迎えます。それは、被災地、特に福島における早期の営農再開を成し遂げることです。

生業(なりわい)の中心である農業の再開は、復興の柱です。そのため、大臣政務官に就任して以降、率先して福島を訪問しました。いまでは農水省における事実上の「復興担当政務官」として広く認知されております。

特に重視したのは少人数の農業者との懇談会です。これまで、葛尾村、飯舘村、川俣町、南相馬市、浪江町、富岡町などにおいて、10人弱の皆様と各1時間半ほど懇談してまいりました。

営農再開の前提は、支え合いの農業を可能とする地域コミュニティの回復であり、そのために、地域の核となってくださる方の存在が重要です。懇談会にお集まりいただいたのは主に“自らが核となる!”という意欲のある方々でした。

政府も営農再開にむけた「共同体」の一員であり、同志たるべきであるとの信念を強くしました。

意見交換で多く要望をいただいたのは、営農再開に必要な設備費用などの負担の問題です。ただでさえ環境が厳しい中、あらためて農機など巨額な初期投資を課せられるのでは、最初の一歩さえ踏み出すことはできません。

そのため、早速、平成28年度補正予算における農水省予算において、個人などが購入する農業用機械、施設整備・撤去、果樹の新植・改植、花き等の種苗や家畜の導入などにかかる費用を、上限「4分の3」まで国が助成することといたしました。通常、このような助成は上限「2分の1」です。しかも、個人に直接支払うという制度はあまり例がなく、画期的です。

風評被害も大きな問題です。たとえば福島のお米はこれまで出荷全量が自主的に検査されておりますが、平成27年以降において食品衛生法に基づく基準以上の放射性物質が検出された例はゼロ(平成26年も、0.00002%の割合)です。つまり安全なのです。それでも値段が下がるのは何か。それは、安全性の問題以前に、卸や小売りなど流通の段階で、「福島産」ということが不当に市場評価を下げる要因なのではないか。それであれば、販路の開拓等も含め、政府が関与すべきと考えました。

これを受け、農水省では、平成29年度予算案において、流通の実態調査や販路拡大のための専門家による指導・助言、量販店での販売コーナーの設置や商談会開催等の戦略的販売促進を強力に支援するなどの措置のため、47.1億円を計上いたしました。これもはじめての動きです。

他にも様々なお声をうけ、一つひとつ実現しています。

現場の方々との対話は本音のぶつかり合いです。お言葉の一つひとつを重く受けとめ、同苦し、ともに希望を見いだすために誠実に対話しております。地道な作業ですが、ここにこそ政治があると感じます。

お一人おひとりの希望に満ちた力強い動きに触れたとき、本当に喜びを感じます。はじめて懇談会をもったとき、一人の30代前半の若者が、「両親は畜産をやっていたが私は花をつくり福島の復興に役立ちたい。絶対成功してみせる!」との力強く決意を述べました。明るい未来を感じました。

ほかに、大手企業の力も借りて、福島産ぶどうによる福島産ワインをつくる動きや、エゴマを栽培しそれを油にして付加価値を高め販売している動きなどもあります。また、避難解除の動きを見越して、帰還者を雇用し、ともに農作業を行うことを通じて“帰還者の心の交流場所”を提供しようという取り組みもあります。

3・11から6年です。一番苦しんだ人ほど、一番幸せになる権利があります。単なる復興にとどまらない、新しい福島の創生とともに、福島発の希望の光が世界に広がるよう全力を尽くしてまいりす。

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