196回 経済産業委員会

2018-05-31 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。
三人の参考人の先生方、貴重な御意見、大変ありがとうございます。
時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思いますが、まず、田辺参考人にお伺いをしたいんですが、資料の四ページにも書かれてあるとおり、エネルギーミックスの省エネ対策の下では五千三十万キロリットル程度の省エネ実現、これは家庭の消費量より更に超えるという、もうまさに改めて見ると大変な目標であるかなと思っております。今の私の理解では、その五千三十万のうち家庭は千百六十万キロリットルということでまず目標を掲げているというふうに思っているんですが、十ページの例えば建築などの基準、これを実現することも、これが達成することで千百六十万という理解であるかなというふうに思います。
まず、この十ページですが、確かに建築物の在り方による省エネ、非常に重要だなというふうに思います。ここに書かれている実現を目指すために、その制度とまた技術面でどういうところが更に改善が必要であるのか、御所見をいただければというふうに思っております。

○参考人(田辺新一君)
 お配りしている資料の二十二ページというのをちょっと参考資料で見ていただきたいんです。私が作った資料なんですが、日本の住宅全ての面積に対して、現在新築されている面積は一・五%しかありません。この逆数が大体住宅が何年もつかという数字になります。今七十年ぐらい要はもつような住宅になっているということです。三%になると三十三年になります。ということは、普通の物の家電製品の商品だと三年とか五年サイクルで省エネへ入れ替わってくるんですけど、住宅はとにかく長い年月掛けないと入れ替わっていかないと。
ですから、まずは新築をきっちり良いものにすると。それでも、古いものがいっぱいありますから、その古いものに対する修理、修繕するというその技術が一気に変わっていかないんですね。ですから、住宅建築制作をするときには新築から変えていかないといけないんですけど、修理に使えるような部品とか設備とか窓とか、そういうものが良いものしか手に入らないようにマーケットを変えていくというのが実は非常に重要じゃないかというふうに思っています。
一方で、非常に断熱性も悪かったり、必ずしも日本の住宅が世界に誇れる住宅ではないことから、質を上げていく、一方で健康対策とか質を上げていくことを省エネのもう一つの目標にすべきではないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今その部品、良いものがマーケットに広がるようにするための具体的な政策としては、標準化とかそういうものも含めたということでよろしいんでしょうか。何か具体的に更にあれば教えていただければ。

○参考人(田辺新一君)
 先ほど申し上げましたが、五年、六年前に、住宅トップランナー、建て売り住宅の方々に、中央値で基準を守ってくださいと、三割しか守れていなかったのが九十何%になりました。それから、ゼロエネルギーハウスが昨年多分四万棟ぐらい建っていると言われていますけど、そうすると、そこで使われている住宅部品は非常に質の高いものになります。それがマーケットの真ん中になってくると値段もこなれてきますから、特に窓なんかは非常に安くなっていまして、そうすると普通の人も改修などで簡単に使えるようになると。こういう好循環を生むことが非常に重要ではないかというふうに考えます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。大変参考になりました。
もう一点だけ田辺参考人にまたお伺いしたいんですが、新しい省エネの概念というところ、それ非常に重要だなというふうに思います、私も。これをどういうふうにしていくのか、またちょっと抽象的な質問で恐縮なんですけど、使うのを少なくするから操るという形にする、そのためには制度とまた技術の面でどういうところを更に変えなければいけないのか、更に詳しく教えていただければと。

○参考人(田辺新一君)
 既に行われていますけど、例えばVPP、バーチャルパワープラントといいまして、もしあるときに少し電気を市場から調達するときに、発電事業者から調達するのか、省エネ量として調達することもできます。例えば、ビルで既にガスと電気を一緒に使ってビル用のエアコンを動かすようなシステムもありまして、電気が足りないときはガスの方で動かせば電気減るわけです。その量が売れるようになってきていますから、そういったシステムですとか、ディマンドレスポンスとか、昼間に太陽光があるときにお湯を沸かす、ヒートポンプで沸かせば、昼間の温度が高いので夜お湯作るより効率いいんですね。
こういったことを、今までだと使うんで駄目だと言われたことを認めていくことが、次の省エネ、ひいては、これ、実は技術競争としても極めて世界中で厳しい競争になっていますので、省エネの新しい概念の投資として研究や開発を行っていくべきだというふうに思います。

○矢倉克夫君
 その技術競争とともに、そういうものに対する投資を促進するという政策もそうだと思いますし、あとは、使う側の消費者がそういうものを選別するために誘導する、誘導するという言葉は良くないですけれども、それがいいというふうに思わせる、更に良くない言葉を使ってしまいましたけれども、そういうようなことを選んでいただけるような環境整備をするためにはどういう政策がよいのか、また教えていただければと思います。

○参考人(田辺新一君)
 住宅を例に取りますと、実は自分の家が寒いと思っていらっしゃらない方がいっぱいいらっしゃるんですよね。マンションに住むと、ああ、暖かかったとか、私は体験してもらうということは非常に重要だと思っています。
例えば、ゼロエネルギーハウスをデモで造ってそういうところに泊まっていただくとか、あるいはビルも、働きやすいビルで私は適切な温度にして働ける環境で働いてもらえば、ああ、こういうところで働けばよかったんだとか、我慢しなくたってよかったんだと。
我々のデータで、コールセンターという、電話のオペレーターが働いているところで一年間取ったデータがあるんですが、快適温度から三度高いと六%電話を受ける数が減るんです。これ、三十分残業しないと駄目なので、三十分のエネルギーも掛かりますから、効率をよくして早く帰って省エネ機器を使うというのは、これは働き方にも極めていいんじゃないかというふうに思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。大変興味深いお話をいただきまして、ありがとうございます。
続きまして、大野参考人にお伺いをしたいと思いますが、資料にありますところの下で、省エネということについての経営陣の意識を巻き込まなければいけないという御視点はそのとおりだなというふうに思いました。まず、裏を返せば、これまでは現場だけの感覚が強かったということかなと私理解したんですが、これまで現場だけの課題となって経営陣まで行かなかったその背景みたいなのをもし教えていただければと思うのと、あと、その経営陣をどういうふうに意識させるかということで、総量の削減義務であったり、排出量というようなある程度義務化を前提にした上での経営陣に対する意識付けというところの御視点だったと思うんですが、例えば、経営陣を巻き込んだ形、何かインセンティブを与える、政策としてどういうものが考えられるのかというのを御視点いただければ、御示唆いただければと思います。

○参考人(大野輝之君)
 なぜ現場止まりになってしまうかということなんですが、これはよく、エネルギーコストが上がる、やっぱり電気料金が上がると非常に大変であるという話でよく出るんですけれども、これは、エネルギー多消費型産業、電気だとかガスとかこれをたくさん使う産業ですね、ここは確かにそうなんですけれども、実は、一般的に多くの産業の中では、エネルギーコストが経営に占めるコストって極めて小さいんですね。そんなに大きくないんです。ですから、そこが例えば一〇%上がったとしても、経営全体のコストに掛かるウエートは余り多くないんですよ。そうすると、経営陣にとっては、電気料金がどうかとかガス料金がどうかとか、そういうことよりもっともっと投資判断に大きな影響を与えるものがあるので余りそこに関心が行かないんですね。ですから、そういう、現場の人は省エネのことを知っていても、なかなかそういうところまで目が行かないというのが実態だと思います。
大企業の場合でもそうですし、特に中小企業の場合なんかは、自分の工場がどれぐらい電気料金を使っているか、エネルギーを使っているか、それ自体を知らないということがございます。ですから、そういう意味で、自主的な対策をするということだけ言ってもなかなか進まないという状況です。
したがって、そういうことを義務化をすることによって、この問題が、もし仮にこれ遵守をしなければやはりこれ企業名が公表されるとか、そういうある意味ペナルティーをやることによってやっていこうというのが一つでございます。
それから同時に、もう一つは、メリットを入れるというお話ですけれども、現在は、キャップ・アンド・トレード制度というのは、一方で削減の義務が掛かりますけれども、同時に、もっとその削減を義務以上にすることによってより大きな削減をした場合には、その削減する権利のようなもの、排出する権利を売買できるということで経済的メリットもございます。
ですから、キャップ・アンド・トレードは、一面では厳しい規制という面がございますが、同時にインセンティブという面もございます。そういう意味では経済的手法も活用しているものでございまして、そういう観点から世界的には利用が進んでいるということかなと思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございました。
経営の観点から、コスト面的な視点からすると意識が少なくなるという事実は、ああ、なるほどと今思いました。
あとは、今お伺いして思ったんですけど、それであれば、企業に投資する人たちがそういう部分を更に重視して投資をするというような意識になっていけば、それに反応して経営陣もまた変わっていくのかなというようなことも考えました。ちょっと時間があれば、また後でお伺いしたいというふうに思いますが。
ちょっとその次に、大島参考人にお伺いしたいんですが、再生可能エネルギーは私も拡大はしていかなければいけないなというふうに思っております。それで、いただいた資料の八ページ目に、目標が低過ぎるということをおっしゃっていただきました。これからは、分散型のエネルギー社会、それをやっぱりしっかりつくっていくのは再生可能エネルギーだと思いますし、資源のない日本にとっては再生可能エネルギーをやっぱり広げていかなければいけないなと本当に心から強くも思っているんですが、この再エネの目標を今までのトレンドをこのまま延長すればこうある、それに比べればちょっとやはり低過ぎるんじゃないかというようなお話であったかと思います。
例えば、これを延長し得るための課題であったり、どういうところを更に改善しなければいけないかというところを、もし御視点あったら教えていただければ。

○参考人(大島堅一君)
 このグラフは、先生御指摘のように、そのまま線形に延ばしたものでありまして、再生可能エネルギーの普及というのは、むしろ、こういう線形に増えるというよりは、幾何級数的にといいますか、もう少しカーブが上向きになるものですので、かなり控えめに私は書いたつもりでございます。
再生可能エネルギーは、もう世界的な価格は非常に下がっておりまして、再生可能エネルギーが高いから、何でしょう、普及が進まないというような議論はもはやなくなってきております。
日本の課題は、やはり幾つかの今までの電源の使い方が最も合理的になるような制度がございますので、再生可能エネルギーを中心とする分散型エネルギーを利用することを前提にしたインフラ整備であるとか、あるいはそのルールの設定というのが必要なのではないかというふうに考えてございます。昨今指摘されております系統運用におけるルールでありますとか、あと電気の優先的な使い方ですね、エネルギー基本計画では原子力や石炭に関してベースロード電源というような規定がございますが、そういったことをあらかじめ国として決めるのではなくて、やはりそのときそのときの経済的な合理性に従って使うというのが重要でありますので、もうベースロード電源、ミドル、ピークというようなやり方はやめて市場で判断させていくと。それによって再生可能エネルギーが増えていくというようなことになるのではないかというふうに私は思っているところです。

○矢倉克夫君
 三人の先生方、大変に貴重な御意見ありがとうございました。法案審査及びエネルギー政策にしっかりと反映していきたいというふうに思います。
ありがとうございました。

中小企業に寄り添う支援

2018-05-30 ニュース

矢倉氏 よろず拠点の充実訴え

矢倉氏=29日 参院経産委

29日の参院経済産業委員会で公明党の矢倉克夫氏は、中小企業の経営課題の相談にワンストップで応じる「よろず支援拠点」の拡充を訴えた。矢倉氏は、中小・小規模事業者への支援のあり方として、伴走型支援の必要性を強調。販路拡大や商品開発に向けては「最良の方法を一緒に考え、売り上げが上向くまで寄り添っていく支援が重要」と強調し、相談体制のさらなる充実を求めた。

中小企業庁の高島竜祐経営支援部長は、よろず支援拠点の利用者調査で満足度が約9割となったと答弁。世耕弘成経産相は「タブレット端末を利用して遠隔地での相談に乗るなど、よりきめ細かな体制を構築していく」と答えた。

196回 経済産業委員会

2018-05-29 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。
質問の機会をいただきまして、委員長、また滝波、大野筆頭理事始め、皆様の御理解に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。また、大臣、大変お忙しい中ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
もう既に報道にもありますが、まず、米国の自動車の関税引上げについてお伺いをいたします。
五月二十三日、米国商務省が、安全保障を理由に自動車関連の輸入関税を引き上げる検討に入ったというふうに入っております。WTOルール上は、この安全保障を理由とした輸入制限、容認する条項はございますが、客観的事情から見ても、この自動車の輸入に安全保障の脅威というのはどういう部分があるのか。これが恣意的に使われると、ルールそのものが壊れかねないような危険もはらんでいるかなというふうに思っております。
地元でも、中小企業、昨日もいろんなところでお話もしたんですが、景気は良くなってはいるが、アメリカの動きが見えないというところを不安に思われている方も多くいらっしゃいました。
今回のこの動きにつきまして、世耕大臣から、この受け止めと対応についてお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 自動車及び自動車部品の輸入に関する通商拡大法二百三十二条に基づく調査については、これまだ、調査に入るということでありまして、具体的な措置が決定されたわけではありません。一部、税率が二五%というようにも報道されていますが、これ、税率も含めてまだ何ら決まっていないという状況でありますので、その影響等については予断を持ってお答えすることは控えたいというふうに思いますが、仮に非常に広範な貿易制限措置が発動されるとすれば、これはもう世界のマーケットを混乱をさせて、WTOに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないものでありまして、極めて遺憾であります。
ルールに基づく多角的貿易体制を重視する日本としては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきだというふうに考えております。
また、日本の自動車メーカーは、米国内でも極めて良質な雇用をたくさん生んでいるわけであります。直接雇用で九万人、波及効果で百五十万人と言われていますが、そういったことも、やはり米国の経済に多大な貢献をしているということも非常に重要だというふうに思っております。
あしたから、私、パリに出張しましてOECD閣僚会合に行ってまいりますが、そのマージンで日米EU三極貿易大臣会合もセットをされております。そういった場も使いながら、またEUとも連携をしながら、今私が申し上げたような考え方をしっかりアメリカ側に伝えていきたいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 調査に入った段階であり、いたずらに不安をあおることは我々も慎まなければいけないなというところをまず思いました。
パリの方にも行かれる、その場でも、そういう場を使って是非いろいろ発信していただきたいと、改めて大臣にも御期待を申し上げたいというふうに思います。
続きまして、次の問いに行きたいと思うんですが、農業、まず今、経済産業委員会ではコネクテッドインダストリーズという文脈をずっと議論をしておりました。それも視野に入れながら、農業について、今日は農林水産省も来ていただいております。
私も政務官やらせていただいたんですが、働き手がいなくなっているこの農業、これを起爆剤を、なるものはやはりICTでありIoTであるなというところをすごく実感もいたしました。その辺りの、農業におけるICT、IoTの必要性、重要性について、農林水産省から御意見をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(菱沼義久君)
 農業者の減少、高齢化等、人手不足が深刻化する中で誰もが取り組みやすい農業を実現するためには、ICTやIoTを導入した、積極的に活用していくことが重要と認識しております。
このため、農林水産省では、ICTの活用により熟練農業者のノウハウを見える化して新規就農者などが学習できるシステムや、スマートフォンで遠隔操作できる低コストの水田の水管理技術、こういったものを開発して実証導入しているところでございます。
今後も引き続き、ICTやIoTの活用により、産学官の連携を密にして、新たな農業を創出するよう積極的に取り組んでまいる所存でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今日、資料をお配りしております。これは、NTTグループの農業ソリューション。私も、いろんなところの展示など、幕張メッセなどでやられている農業展示などでもこの取組なども見させていただいたんですが、あらゆるところで情報技術の活用が重要になってくるし、農業分野は、今までこういうところの活用がなかった部分だけ、イノベーションを起こし得る起爆剤として、今後のICT、IoTの使い方というのは非常に重要になってくるかなというふうに思っております。
例えば、各種センシングシステムなども書かれておりますが、これ以外では自動トラクターなどですね。私も運転させていただいたんですけど、農業の場合は圃場をこうやって移動するわけですけど、数センチでもずれるともう駄目になっていくわけなんですよね。そういう数センチのずれもないようなICTの中での自動運転であったりとか、まさに今後の最先端技術を使うべきは農業であるかなと。
例えば、ドローンを飛ばして、ドローンから各圃場の窒素含量なども全部把握をして、そのデータが飛ばされて、上で、IoT、ネットの関係を通じて、最後はそのデータに基づいて肥料の適切な散布なども全部できる、こういう自動化なども今後研究される農業の分野というのは非常に広範な可能性があるところかなというふうに思っております。
こういうNTTの取組も含めて、これまで労働集約産業であった農業の生産性向上や働き方改革、さらには、ある意味では、今まで農業はとにかく、今までのベテランの人の勘だったり、そういうものが受け継がれないまま来ていたものですけど、そういうものをデータ化して、これから農業を志していく若い人にも見えるようにする。これが担い手育成にも非常に重要であります。
こういう技術、技能のデータ化による伝承など、高齢化の波にさらされている農業の発展に大いに貢献するものであり、リアルデータをつなげるというコネクテッドインダストリーズの理念にも通じるかなというふうに思っております。
コネクテッドインダストリーズの理念、重点五分野以外、とりわけ農業にも影響を与え得るものとも考えておりますが、改めて経済産業省の見解をいただきたいと思います。

○政府参考人(前田泰宏君)
 お答え申し上げます。
コネクテッドインダストリーズは、スピード感を持って、具体論に着手しながら成功事例を生み出すということで重点五分野を設定しておりますが、御指摘のとおり、それに限定するものではございません。したがいまして、農業もその対象となり得ると。
これまで、特にデータ活用を促進する観点から三点申し上げます。
一つは、五月二十三日に成立した生産性向上特別措置法に基づく産業データ活用事業の認定制度及びIoT投資に対する減税措置、二つ目は、データの利用権限に関する契約ガイドラインの抜本的な改正、三点目は、先進的なAI技術を有するベンチャー企業とリアルデータを豊富に有する大企業とのマッチング及び共同開発の支援、これらは全て農業にも裨益するものだというふうに考えております。
具体例を申し上げれば、経済産業省におきまして、IoTビジネスの創出を推進する地域の取組を認定する地方版IoT推進ラボという取組がございますが、例えばですけれども、北海道の士幌町におきましては、高校を中心に農業IoTデバイスを活用したデータを使って栽培技術とか栽培方法というものを開発して、それを技能伝承とか地域全体の生産性向上につなげていくという例がございます。
また、農水省におかれましても、農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会というのを設置されておられますが、我々もそこに参画をして、連携をしながら契約に関するガイドラインの明確なものを作っていこうと、こういう取組もございます。
いずれにいたしましても、農業分野における更なるデータ利活用事例が創出されることを期待をしておりまして、積極的に推進していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
是非、イノベーションを起こし得る分野は様々あると思います。しっかりと取組をしていただきたいというふうに思います。
続きまして、国際仲裁についてちょっとお伺いをしたいかなというふうに思います。
大臣、先日ロシアへも行かれましたが、ロシアも割と仲裁というのが非常に充実をしております。仲裁は、当然和解とは違って、裁判官が担う和解とは違って、仲裁は、仲裁人は誰かというところも含めて契約で決めて、その判断を尊重するというところはまた違いがあるわけでありますが、今後、国際的なビジネス紛争の解決手段としては、今、グローバルにも仲裁というのが注目されておりますし、日本としても注目をしていかなければいけないかなと。裁判に比べて、当然非公開であります。
また、ニューヨーク条約というのがありますが、裁判の場合は、海外の財産の執行力というのもなかなか限定されているところもあるんですけど、仲裁の場合は、そのニューヨーク条約の下で、百五十、六十か国それに加盟しております。その加盟国の中での仲裁であれば、海外に対しての財産の執行力というものも確保し得るという、いろんな面でも実は利点があり、今後はしっかりと、特に中小企業ですね。
今、中小企業にとってみたら、この仲裁をしっかりと活用するためには、日本で国際仲裁というのができ得る環境整備、人的、物的インフラも含めて非常に重要であるかなというふうに思っております。また、日本の中小企業だけに限らず、将来的に、例えばA国とB国、その紛争を日本の仲裁機関で解決しようというその機運が盛り上がれば、そういう法的な基盤があるということになれば、その信頼感の下で外国からの投資なども促進し得るというような様々な効果もあるかなというふうに思っております。
ただ、残念なことに、まだ企業の中で仲裁というものの有用性がなかなか周知はされておりません。ここ辺りの周知徹底をまずしっかりしていかなければいけないかなと思います。そしてまた、仲裁に関する人材育成というところでも、日本の中でこの国際仲裁センターというものを設置することで、人材育成の場も含めて、非常に仲裁に対する機運を盛り上げていくというところは重要であるかなというふうに思います。
世耕大臣に、国際仲裁の重要性並びに国際仲裁センターの国内設置ということも含めて御所見をいただきたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今御指摘のように、国際仲裁は、一審で終了するという迅速性、あるいは紛争処理の中身が公開されないという非公開性といったメリットがあるわけであります。こういったメリットをより多くの日本企業に周知をするために、ジェトロや日本商事仲裁協会など関係機関と連携をして、意識啓発、広報を積極的に進めていくことがまず重要だというふうに思っています。
また、国際仲裁センターの国内設置については、今年五月から大阪で、一般社団法人日本国際紛争解決センターというのによりまして、人材育成などの拠点づくりに向けたパイロットプロジェクトが実施をされているところであります。
内閣官房の取りまとめでは、その実施状況及びその検証結果を踏まえて今後の在り方について検討していくこととされておりまして、経産省としても、関係省庁と連携して積極的に検討に参加してまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
 仲裁というもののまず周知を是非引き続き。
いろんな企業の方から聞いても、まず、仲裁というものが何なのかということも分かっていない、メリットもやはり分かっていない方もおります。ただ、先ほど申し上げたようなメリットもありますし、あとは、企業内でも紛争の解決というものに対してのやはり意識がなかなか薄いなというところもあるかなというふうに思います。そういったものも含めた企業戦略をしっかり取れるようなことがグローバルで日本企業が勝っていく上でも非常に重要だと思いますので、その点、引き続き是非よろしくお願い申し上げます。
最後、中小企業、また小規模事業者への支援につきましてでありますが、よろず支援拠点、こちらは、平成二十六年から全国各地でワンストップの相談窓口として設置もされているところであります。
通常の中小企業支援というのは、やはり事業計画書の作成や補助金申請など実務的な支援が多いかというふうに思っておりますが、今後の中小企業にとって必要なのは、やはり企業や事業者の元々持っている強みや長所を自ら気付かせて伸ばすコーチング、これに徹して、またさらに、販路拡大や新商品開発など、あらゆる選択肢を提示して最良の方法を一緒になって考えていく、結果が出るまで、売上げが上向くまで何度でも寄り添っていく伴走型の支援であるかなというふうに思っております。
私も、いろいろお話も聞いた、これ、平成二十年八月に開設された富士市の産業支援センター、エフビズというところでありますが、こちらはこの伴走支援で大いに成果を出しておりまして、今、全国各地でも、開設予定も含めて、北海道から九州まで二十自治体まで広がっているというふうに思っております。
こういった伴走型を更によろず支援拠点でやっていただくこの期待感というのは大きいと思うんですが、経済産業省が進めているこのよろず支援拠点のこれまでの成果の総括をまずいただいて、経産省からいただいた後に、今後の課題について、最後、大臣からいただければというふうに思います。

○政府参考人(高島竜祐君)
 お答え申し上げます。
まず、よろず支援拠点のこれまでの成果についてでございます。
販路拡大や商品開発など、専門性の高い高度な提案を行う支援機関の役割を担うべく、委員がおっしゃられましたとおり、平成二十六年の六月に、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題に対応するワンストップの相談窓口として、全国四十七都道府県によろず支援拠点を整備したところでございます。
これまでのよろず支援拠点の相談対応件数でございますけれども、平成二十七年度約十三万件、平成二十八年度約十九万件、平成二十九年度約二十万件となっておりまして、年々増加傾向にございまして、多くの方の御相談に利用していただいているものと思っております。
また、平成二十九年度の相談者満足度調査というものを行いました。それの結果によりますと、相談者の約六割の方が満足である、約三割の方がやや満足であるというような御回答をいただいておりまして、これまでは比較的高い評価をいただいているものと認識しております。

○国務大臣(世耕弘成君)
 御指摘のとおり、よろず支援拠点というのはまさに伴走型の支援をやるために設置した支援機関でありまして、販路開拓、商品開発など幅広い専門家を配置することで、伴走型で専門性の高い高度な提案を行っていくことが求められているわけであります。
こういった機能を充実させるために、例えばタブレット端末などを利用して、その町にはいないんだけど遠隔で専門家がしっかり相談に乗るなど、よろず支援拠点の相談体制の更なる整備を進めるとともに、地域の支援機関との連携強化も図って、よりきめ細かな相談体制を構築していきたいと考えております。

○矢倉克夫君
 伴走型支援の拠点としてのよろず支援拠点に御期待申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございます。

【矢倉かつお】経済産業委員会(農業分野のIoT・ICTの活用、国際仲裁、中小企業よろず支援拠点等)_20180529

2018-05-29 矢倉かつおチャンネル

27日、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の浦和美園駅から岩槻(さらに蓮田)までの延伸に向けた自民党主催の決起大会に参加。

2018-05-28 ブログ

27日、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の浦和美園駅から岩槻(さらに蓮田)までの延伸に向けた自民党主催の決起大会に参加。

長年の関係者のご尽力もあり、延伸による費用便益比も国の基準を満たす可能性が増し、事業化への流れが一気に加速化しました。

私からは、先日、石井大臣と意見交換したことのご報告も。

歴史と文化の街、岩槻により一層の人の流れを。

27日、大宮駐屯地の61周年記念式典に参加。

2018-05-28 ブログ

27日、大宮駐屯地の61周年記念式典に参加。

大宮駐屯地にて、数多くの自衛官の方々を前に挨拶。

一日過ぎれば秩序が変わりうる現在の諸情勢のなか、内向きな議論が繰り返される国会の現状に対し、率直な思いを伝えました。

そのうえで、日本の世界の秩序安定に向けた自衛隊の存在の重要性を語りました。

川越では、10年以上、地元の安比奈親水公園をきれいにする活動をしてくださっている党員の皆様にご挨拶できました。

2018-05-27 ブログ

川越では、10年以上、地元の安比奈親水公園をきれいにする活動をしてくださっている党員の皆様にご挨拶できました。

福永県議と桐野市議が顧問されています。

地域密着の地道な活動が支援の輪を広げてくださっています。
心から感謝いたします。本当にありがとうございます!!

週末、地元のお祭りなどに参加。

2018-05-27 ブログ

週末、地元のお祭りなどに参加。

写真は先週末に訪問した、川越のふれあい福祉まつり、所沢の滝の城祭りなどです。このほか、数多くの地元行事に参加しました。

川越では、数多く福祉関係のご相談を受けました。
こういう触れ合いこそ大事ですね。

22日、経済産業委員会にて国会質問

2018-05-22 ブログ

22日、経済産業委員会にて国会質問

不正競争防止法等の改正をめぐり、ビックデータの取り扱い、企業における標準戦略と国際ルール化、中小企業による国際特許推進など、様々な課題を議論。

世耕大臣のほか、平木だいさく大臣政務官にも前向きな答弁をいただきました。

明日は本会議です。

196回 経済産業委員会

2018-05-22 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いします。
私も、今回の法案、非常に評価をしておるところであります。先ほど井原先生からもお話もあったんですが、ソサエティー五・〇に向けて今経済構造をどういうふうにしていくのか、日本も大きな岐路に立っているし、ここで勝つか負けるかが大事なところだと思いますが、特に肝になるのが、やはりデータの取扱い、処理をどうするかというところであるかと思います。その肝の部分を今回規定された意味でも非常に大きな観点があるかなというふうに思います。
私からは、まず大臣に、特に不正競争防止法関係でその狙いをお伺いしたいというふうに思っております。特に、コネクテッドインダストリーズ、大臣が提唱されている、そちらとの関係で、どういう御趣旨で狙いを持ってこのような改正に至られたのか。
先日の四月十九日の私の質問に対して大臣から、コネクテッドインダストリーズとは何か、非常に簡潔にして要を得た答弁をいただきました。一つは、日本にとってのコネクテッドインダストリーズは、大臣がそういう提唱をされたのは、まず、強みはバーチャルではなくリアルデータ、現場にあるリアルデータであると。そして、ドイツのように、ITも、企業内のIT化だけじゃなくて企業間のITも含めて、少数のIT企業も含めた形で独占されているものと違って、日本の場合は、現場個々の、個々にあるデータがあるが、それをつなげていけるかどうかというところが日本のこれからのソサエティー五・〇にとっては重要であるし、そういう方向性を示したのがコネクテッドインダストリーズだとお伺いして、本当に日本の強みを御理解した上でのこの構想なんだなということを改めて実感もしたところであります。
大臣から、改めてでありますが、このコネクテッドインダストリーズというものの実現に向けて今回の不正競争防止法の改正の狙いをどのように捉えていらっしゃるか、御説明いただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 やはり今、データというものが産業の競争力の大きな生命線になっているわけでありますね。残念ながら、前も答弁させていただきましたが、BツーCのバーチャルのデータはいわゆるGAFAと言われる巨大IT企業に全部押さえられてしまっている。じゃ、日本が勝ち筋がないのかというときに、最後、BツーB、プロ同士がやり取りをしているまさにリアルデータ、それは製造業の現場ですとかサービス産業の現場で生み出てくるリアルのデータ、これについてはまだきちっとしたプラットフォームもないわけであります。また、日本は、中小企業も含めてかなり機械化、IT化が進んでいて、中小企業の現場にもいいリアルデータがたくさん存在をしているわけであります。
今後は、やはりこのコネクテッドインダストリーズのコンセプトの下で、中小企業も含めた多様な産業が集まって、協調領域のデータの相互利用を通じてビッグデータとして活用していくことでみんなが成長していくということが、今後、第四次産業革命の日本の対応の本筋だというふうに思っています。このため、既にこの委員会でも御審議いただいて五月十六日に成立した生産性向上特措法においては、複数の民間事業者などが協力をしてデータ活用を行う取組を減税措置などで支援する制度を手当てをしたところであります。
ただ、一方で、このデータというのは、コピーが簡単にできますし、転送もできますし、これ、一旦不正に取得、利用をされてしまうとその行き先はもう分からなくなってしまうというぐらい、非常にこの影響を、甚大な被害を受ける可能性がありますので、みんなでデータを持ち寄ってというときに、やはりその持ち寄ったデータがきちっと保護される仕組み、不正取得とか不正利用ができないような対抗手段がないと安心してデータが提供できないという懸念があったわけであります。
今回のこの不正競争防止法になってくるわけでありますけれども、産構審で、不正競争防止小委員会で御議論をいただいて、新たにデータの不正な取得や使用などの不正な行為に対する差止めなどの民事措置を設ける不正競争防止法の改正案を提出をさせていただいたわけであります。
この制度の下で、そして生産性向上特措法と両方併せて両輪として、物づくりを中心とした日本の強みである現場力を生かしたリアルデータの活用によってコネクテッドインダストリーズが進んで、そして第四次産業革命の下でも日本が世界の産業を引っ張っていくような状況をつくり上げていきたいと考えています。

○矢倉克夫君
 この委員会でもう既に成立した法案も含めた一連の流れのものであることも確認させていただきましたし、やはり小さな中小企業というところに現にあるデータをどうやってつなげていくかという発想であるかなというふうにも確認しました。特に後段の点については後ほどまた政務官にもお伺いもしたいなというふうに思います。
その上で、先ほど井原先生からもお話もありましたが、今回のようなこの日本のアプローチというのは非常に先進的なものであるかなというふうに思っております。各国も、オープンにするかクローズにするか、そこで今悩んでいるわけでありますが、そのような中で、今回の法案のアプローチというのは先進的でもありますし、WIPOの事務局長なども、日本の取組は、産業財産権に近い形で保護を強めようとしつつビッグデータに関するルール作りを、作ることではこれ先駆者だというふうにもおっしゃっているところであります。
この取組をやはり海外にもしっかり伝えていかなければいけない。このデータの使い方が違うことになれば、海外、国境を通じたデータの共有にもやはり支障もあるわけでありますから、そういう点も踏まえて、この日本の取組を国際的なルールという形にしていくべく積極的に今後も動いていかなければいけないというふうに思いますが、この辺りについての取組をお伺いしたいというふうに思います。

○政府参考人(糟谷敏秀君)
 不正競争防止法に規定されております不正競争行為、これ、多くは、国際条約、国際合意に基づいてそれを国内で履行するためのものというのが多いわけでありますが、今回の新たな保護対象にしますものは日本が先駆的に取り組むものでございます。この分野、データの不正取得について国際的に統一されたルールというのは現時点で存在しないわけであります。
EUでは、創作性のないデータベースにも排他的な権利を付与されて差止めが可能となっている反面、対象はデータベースに限定をされておるわけであります。また、アメリカでは、懲罰的な損害賠償が不正使用などへの抑止力として機能をしているということで、それ以上の具体的なルールがあるわけではないということで、まだまだこの分野、そのルール化というのがこれからという状況であります。その中で、我が国が先駆的にルール化を図るというのが今回の改正法案でございます。
この観点から、我々といたしましては、今回の規制は必要最小限のものにとどめるということにしつつ、今回の内容について、米国やEU、さらにはアジア諸国も含めて、新しい制度の趣旨や内容について機会を捉えて情報発信を行ってまいりたい、それによって国際的にルールがハーモナイズされる方向に議論が行くように、我々の考え方でありますとか運用状況でありますとか、そういうことを情報発信をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

○矢倉克夫君
 是非、関係諸国の御理解を更に広めるべく努力をお願いしたいなというふうに思います。国境を越えた経済をつくる上では非常に重要な価値もあるかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
その後また政務官にちょっとお尋ねしたいというふうに思うんですが、先ほども大臣から、この法案について、データの取扱いについては日本のコネクテッドインダストリーズという概念を基礎にしたものであると、現場の中小企業から生まれたデータ、それをどうやってつなげていくのかという発想が、日本らしい発想があるというふうにもお伺いもしたところであります。
その観点からも、この法案によってデータの利活用を更に推進していく、その主体としては中小企業も重要であるというふうに思いますが、やはり何といっても、中小企業にとって、これ、制度の周知を図る意味合いでは、制度についての分かりやすいガイドライン、ガイドラインが余りに複雑になり過ぎると、またそれに対応し得るような専門家の方がなかなか少ない中小企業にとっては取り扱いにくくなって、いい制度も使われなくなるわけでもあります。こういった形での分かりやすいガイドラインが必要かなというふうに思います。
また、もう御案内のとおりですけど、この動きというのは本当に速い、一年たてば全然違う状態になっていく、それをどうやって追っていくかという話であります。技術進展やビジネスモデルの変化が速いため、もう制度自体やガイドラインを作って終わりというわけではなくて、やはり将来は経済社会情勢に応じた見直しということも見据えて今から御準備をされる必要があるかというふうに思いますが、その辺りについては、経済産業省の御見解、政務官からいただければというふうに思います。

○大臣政務官(平木大作君)
 経済産業省といたしましては、中小企業も含めた多くの企業の皆様に新たな制度、有効に御活用いただくために、まずは、改正法の施行までに、そもそもどのような行為が不正競争行為に該当するのかなどの事項につきまして分かりやすい実践的なガイドラインを策定、公表する予定でございます。また、INPIT、独立行政法人工業所有権情報・研修館や関係団体との連携の下で、全国各地での説明会の開催、相談体制の整備などを通じまして、きめ細かい周知広報活動を展開し、制度全体の理解促進に努めてまいる決意でございます。
また、今委員御指摘のとおり、データの取引実態が急速に積み上がりまして、データやIoT関連技術が日進月歩で発展することが想定されますことから、改正法の施行後におきましても、技術革新や経済社会状況に応じまして制度やガイドラインの不断の見直しは必要と考えております。
そこで、中小企業も含む産業界や有識者の皆様の御意見を集めながら、データの取引実態や技術の進展、また改正法施行後の侵害の実例などを把握し、諸外国の動向なども踏まえまして、必要に応じ、適切な見直し、行ってまいる決意でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。是非、中小企業が使いやすいような形でお願いします。
これは意見ですけど、また他方で、こういうデータの取扱いについての契約実務というものもまた向上していく必要もあるかなというふうに思います。その辺りも含めて並行的にまた議論をいただければというふうに思います。それは御意見として申し上げたいというふうに思います。
じゃ、次に、JIS法の関連についてお伺いしたいというふうに思います。私、これ、非常に重要な分野であるかなというふうに思います。
このJISに関係してですけど、よくオープン・アンド・クローズド戦略というふうに言われています。日本は、本当に物づくり、優れた技術を持っている、独創的な技術を開発される企業が非常に多い。その反映もあってか、特許という形で排他的にまず権利を囲い込んでその上で利益をしっかり図るという、この戦略、クローズド戦略というのは非常に活発にやられているというふうに思います。
私、その点は非常に重要だと思うんですが、他方で、クローズドばかりですと、今まさにコネクテッドの世界で、市場自体が縮まって、対応する市場がやはり縮まっていって最後はガラパゴスというようなこともやはりあるわけであります。クローズしつついかにオープンしていって、共同し合って、共有、共栄の経済構造、それに対応するような製品を作っていくのかというオープン戦略というのは、やはり重要かなというふうに思います。オープンということでいえば、やはり標準化であるかなと。
先日、中国へ行って改めて思ったんですが、短い時間、ずっといろいろ市を回ったら、何度も言っているキャッシュレス化がありますけど、あれはもうQRコードを使ってやっているわけでありますよね。QRコードは、日本のとある有名な会社が作られたものであります。もうこれは本当に成功事例かなというふうに思っています。特許の内容、これライセンス無償にして、その上で、規格化した上でオープンにして、QRというものは。その上で、全体を市場を拡大してQRコードを使っている人たちをばあっと広げた上で、最後は読み取りの技術を売るという戦略を使って利益を図っていった。どこをクローズにしてどこをオープンにするかという、この切り分けの戦略が非常によくできた成功事例かなというふうに思います。
こういうオープンの戦略をまた今後考えなければいけないなと。実感としては、まだ特に経営陣の皆様に、標準というかオープンにしていく戦略というものの周知も含めて、まだまだこれから必要な部分もあるのかもしれないなというふうに思っているんですが、政府として、今とりわけ、経営陣と言ってしまいましたけれども、そこに特出しはせずに、政府としてどのように企業へのオープン戦略というものの啓発、さらには標準化活動へのサポートというものをこれ実施されるのか、まず御説明いただきたいというふうに思います。

○政府参考人(佐藤文一君)
 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、QRコードのように、標準化によって市場の拡大を図りつつ、その市場の中で知財を活用しながら利益を上げるいわゆるオープン・クローズ戦略、これが重要だということは私どもも認識しておるところでございます。
ところが、日本では、知財については企業の認識、取組が進んでいる一方で、標準についてはまだ公のルールを決める国の活動という意識が強いかと思っております。標準化戦略担当の役員を置いている企業が現在のところ七十社程度しかないということなどを見ても、事業戦略と直結して捉えている企業は一部にとどまっているということが現状かと思います。
こうした企業の認識不足を変えるために、経済産業省では、標準の戦略的活用に関して企業や業界向けの講演を年百回程度実施しておりますし、また経営大学院などにおける講義を十八の大学において実施しておるところでございます。また、若手人材に対する国際標準化交渉のトレーニング研修を年二回実施するなどの取組をこれまでも進めてきたところでございます。
これに加えて、今回の法改正で新たに認定機関制度を導入して民間主導で迅速にJISを制定できる、こういうことが環境が整うわけでございますので、これを推進していくとともに、予算の面でも、国際的なルール形成の動向に関する情報収集と産業界への提供、企業の国際標準化活動への支援強化などの措置を講ずることを予定しております。
これら全体を通じて、産業界の標準化体制を強化してまいりたいと考えてございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今、公のものだという理解があったという、そこをまず突破することはやはり重要であるかなというふうに思います。
国際ルールという話も今あったので、その関係も含めて、これは大臣にお伺いしたいなというふうに思うんですが、標準化というのは、先ほども井原先生からトイレットペーパーのお話もあって、互換性というところ、そこからコストを下げるという標準という部分もあるんですが、その上で、まず企業ではそれが企業戦略に生かされるものだという理解も必要だし、そしてもう一つ必要なのは、やはり自社のこの標準を、互換性がある標準をやはり各国の規則などにも従わせるような、ルール化というような観点というのも非常に必要かなというふうに思っております。
いろんな今までそういうのに成功した例があるというふうにはお伺いしているんですが、例えば、今後はまた自動車とかも、自動車もエコカーとかそういうものがいろいろとこれからも議論されると思うんですけど、こういうものについて、いろんな自動車業界がそれぞれの規格に応じたものを造るんですが、最後はそれを世界的に、エコカーとはこうあるものだというような理解も含めてルールの中で規定をする、その部分のルール交渉も含めた上での標準化というのはやはり重要であるかなというふうに思っております。
こういう中で、標準化というものがやはり、何度も繰り返しますけど、各国の規制や政府や民間の調達などに活用されて初めて効力を発揮して市場獲得の道具となっていくわけでありますが、こういう標準をそれぞれの規制とか調達などに活用して市場獲得を図っていく、こういう国際ルールの形成という観点が重要かと思うんですが、この辺りについて日本としてどのように進むべきか、大臣の御所見をいただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 ヨーロッパなんかは、やはりこの国際標準をうまく取ってそして主導していくというのが非常に上手だと思いますし、最後は国際機関での投票になると、ヨーロッパは突然、二十八票ですかね、持っていることになるわけでありまして、非常にその辺をうまくやっているというふうに思います。
日本の場合は、過去私の勤務していた電話会社も含めて、いい技術、いいものは作っているんだけど、気が付いたら国際標準は別のものになっていると。この辺取れないと、今御指摘のように、例えば各国の政府調達はこれWTOの政府調達協定に従って行われることになりますので、せっかく日本の技術なのに、日本政府、あるいはJRといったようなその政府調達の対象になっているような機関も調達できないというような問題が起こってきているわけであります。特に、今御指摘のように、これから自動走行とか第四次産業革命に代表される分野においては、これは製品やサービスが市場に出る前からこの標準化を獲得する競争が行われるようになっていますので、日本としても、国際的な動向を踏まえた戦略を立てることが喫緊の課題だというふうに思っています。
こういった問題意識から、内閣官房を中心に関係省庁や経済団体が連携して、国際標準獲得に向けた官民連携会議というのを設立をしています。日本として市場獲得を目指すべき分野ですとか、あるいは日本が苦手としている社会システム分野といったところの国際標準化のための戦略ですとか推進体制、国際規格の活用による諸外国の規制への働きかけなどについて議論をさせていただいています。
経産省としても、関連予算を拡充をして、世界の規制や標準化の動向に関する情報収集を強化するとともに、ISO、これは国際標準化機構、あるいはIEC、国際電気標準会議といったこの標準化機関において日本による国際標準提案や委員会の幹事引受けの数を増やすなど、今後とも、関係省庁と連携しながらしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今大臣、政府調達の関係もおっしゃっていただきましたが、まさに、例えばTBT協定などでも、国際標準であれば各国の強制規格がそれを採用しなければいけないというような規定もあるわけであります。それぞれの国際交渉の場でいかに国際標準として認められるかというこのアプローチがあって初めて各国企業のいろんな動きも世界展開できる下地ができるかなというふうに思っております。
その理解の前提で、もう一つだけちょっと端的にお伺いしたいなというふうに思うんですが、今回のJIS法の改正です。今の国際標準化のために、例えばISOであったりとかそういうところで議論をしなければいけないという文脈はあるわけですが、そのような動きにとってこのJIS法の改正というのがどういうふうに役立つのか、御答弁いただければと思います。

○政府参考人(佐藤文一君)
 お答えいたします。
御指摘のとおり、国際標準の方が世界市場獲得に有効に働くというのは御指摘のとおりなんですが、一方で、国内標準の制定によって国際標準化が円滑に進むケースが多いということもあります。国際標準の制定に関しては、ISOなどの国際標準化機関において、既存の国内標準があれば、その根拠になった試験データや利害関係者間の議論の蓄積を有することが評価されますので、このためJISの制定が円滑な国際標準の制定にも大きく貢献した、そのような事例がございます。
また、JISを経てから国際標準へ提案することは、通常必要な審議プロセスを経ずにすぐに加盟国の投票に掛けることができるなどの仕組みもあり、二〇一七年には七件をこの仕組みを活用して国際標準を制定しておるところでございます。
このように、JISの制定を迅速化することは、日本が国際標準に関する取組を強化していく上でも大変重要だと思います。
もう一点だけ加えまして、国際標準の対象範囲がマネジメント分野やデータ分野、データを含むシステム分野に拡大しておりますので、こうした分野の標準化体制を国内的に構築するためにも今回のJISの対象を拡大することは大変重要でございまして、いずれにしても、官民で連携して、今後もJIS制度を活用しながら国際標準化に積極的に取り組んでいきたいと考えてございます。

○矢倉克夫君
 是非、JISを利用した国際標準という動きも加速していただきたいなと。先ほど、幹事国としての、ISOの中での、増えたというような話もありましたが、これは意見だけ。そういう動きを更に加速していっていただいて、また新興国の方でもそういう競争も今後激しくなってくると思います。そういったこと等の中で、やはり最後は官民一体となってやっていくという体制をこれつくることが非常に重要かというふうに思います。そういったISOの舞台であったりIECであったり、そういうところとの動きの加速化も是非また進めていただきたいと、これは御要望だけさせていただきたいというふうに思います。
ちょっと残り時間少なくなったんですけど、最後、特許法についてちょっとお伺いしたいと思います。
地元である企業を回っておりましたら、階段昇降機などを造っていた企業なんですけど、今後海外展開をしたいと。そういうときに、今回の改正で国際出願の関連手数料を半減するという話をしたら、大変に喜んでおりました。もう本当に、そういう点でも地元にもしっかりと喜ばれる、企業に喜ばれる非常にすばらしい改正であるかなというふうに私は思っております。
とりわけ、あと、その上で、手数料の引下げだけではなくて、出願後の制度運用も含めて、やはりワンストップ、中小企業の支援というところではここも非常に重要かと思うんですが、特許庁としてはこの辺りについてどのように取組をされるのか、御答弁いただければと思います。

○政府参考人(宗像直子君)
 特許庁は、海外に出ていく際の情報を収集する段階から、権利を取ったり、あるいは侵害対策といった各段階での御支援を、全国四十七都道府県の知財総合支援窓口、それと中小企業庁の下で運営しているよろず支援拠点、これが連携をしましてワンストップで提供しております。
中身としては、情報収集につきましては、弁理士、弁護士などが無料で相談を受け付ける、あるいは、海外でどんなリスクがあるか、出願手続はどうなっているかといった情報や助言を提供しております。それから、外国出願の際は、翻訳や代理人の費用などの半分を補助しております。それから、海外で知財を侵害された場合に、例えば模倣品が出回ってしまった場合に、それを作ったり売ったりしている人に警告状を送るための調査費用であるとか、それから、自社ブランドを先取りされてしまった場合には、それを取り消すための審判請求の費用であるとか、こういったものの一部を補助しております。外国で訴えられた場合の弁護士費用を賄う保険の加入費用の一部なども補助しております。
これらの情報が、パンフレット、ウエブサイトなどでも提供しているんですけれども、日頃から中小企業と接点のある中小企業支援機関や地域金融機関の方々に周知をして、身近に情報が得られるようにしていきたいと思っております。

○矢倉克夫君
 非常に今、広範に取組をされていることを改めて議事録に残る形でもお話しいただいたわけでありますが、しっかりまた周知をお願いしたいというふうに思います。私も行ったところは、自前でふうふう言いながら頑張っていらっしゃったところもあったので、是非よろしくお願いします。
あと一点だけ、また長官に引き続きお伺いしたいんですけれども、さっき答弁の中でおっしゃっていた模倣品の対策、これだけ一つ、私もちょっと関わっていた時期もあったこともありますので、答弁をいただければというふうに思います。どのような審議をされているのか。

○政府参考人(宗像直子君)
 具体的には、ジェトロなどの海外事務所に知財の専門家を配置しまして、現地の知財制度に関する情報提供や模倣品被害に遭った場合の対策マニュアルなどを提供しております。それから、現地の機関に働きかけもしておりますし、御相談に対する対応も行っております。
特に中小企業の皆様に対しましては、先ほど申し上げたような侵害品の調査であるとか警告状の作成、行政摘発の申請などに費用の三分の二を助成しております。
それから、各国の警察や税関などの取締り機関に対しまして、正規品を見分ける真贋判定のポイントなどの情報を提供するとともに、中国との間では、政府間の定期協議の場を通じて模倣品取締りの強化をお願いしております。
こういったことを積み重ねてまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
二〇一三年時点では海賊版も含めて五十兆円ぐらい被害があったというふうにもデータもあるぐらいでありますので、また引き続きこの辺りは対応をいただきたいなというふうに思います。
最後、大臣にお伺いしたいというふうに思います。
今回の改正で一つまた特色があるのが、弁理士さんの活動をこれまでの部分とはまた更に広げて、標準であったりデータの利活用を通じた部分まで広げられているというところも大きいかなというふうに思います。
特許というところでよくやられている、申請という話でよく今まで動かれているんですけど、当然、弁理士さんも、特許を権利化するだけではなくて、やはりその後の権利行使というところも含めて申請もされる、そうする観点からは、ほかの、特許申請をしようとしているクライアントの技術以外のものもしっかり理解した上で申請されるのが通常の実務であると思いますし、そういう点では、データ取扱いも、情報とかそういう製品の技術だとか、そういうのも含めたスペシャリストであるかなというふうに思います。
そういう、弁理士さんが今後コンサルティング機能を発揮していくというのも非常に重要であるかなというふうに思うんですが、弁理士さんが期待されているこうした役回りを果たしていけるように政府としてどのように取り組まれるのか、最後、大臣から答弁いただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 中小企業というのは、なかなか社内に専門的な人材抱えるというのが難しいわけですから、弁理士の先生方が標準化とかデータの利活用についても一体的にコンサルティング機能を発揮していくことに期待を持ちたいというふうに思うわけですが、御指摘のように、弁理士さんというのは、特許とか商標とかそういったところの手続の専門家というところもありまして、やはりこの標準化、データということについては少し自己研さんも図っていただく、そしてアップデートしていただく必要があるのかなというふうに思っています。
政府としても、日本弁理士会と協力をして、弁理士に対する研修の充実などに取り組んでいきたいというふうに思っています。また、中小企業が、この弁理士さん、こういう能力を持っていますよということをやはりしっかり分かるようにしなければいけませんので、日本弁理士会が運営する、弁理士をインターネット上で手軽に検索できる弁理士ナビをより使いやすくするため、日本弁理士会と改善について議論をしてまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
 是非、引き続き、弁理士さんともまた協力もしながら、いい形での法運用をお願いできればと思います。
以上です。ありがとうございます。

【矢倉かつお】経済産業委員会(不正競争防止法改正案法案審査)_20180522

2018-05-22 矢倉かつおチャンネル

安心して暮らせる社会へ

2018-05-21 ニュース

埼玉で古屋委員長 認知症施策を強化
矢倉氏も訴え

あいさつする古屋委員長(右)と矢倉氏=20日 さいたま市

公明党の古屋範子女性委員長は20日、さいたま市で開かれた党埼玉県本部女性局(局長=川﨑葉子鴻巣市議)主催の矢倉克夫参院議員の国政報告会に出席し「誰もが安心して暮らせる社会を築いていく」と訴えた。

古屋委員長は公明党の強力な推進で、幼児教育の無償化や私立高校授業料の実質無償化が着実に前進し、今年度からは給付型奨学金制度が本格実施する点を強調。「子育てしやすい環境を整備するため、教育費負担の軽減を一歩一歩進めてきたのが公明党だ」と訴えた。

また古屋委員長は、高齢化の進展に伴い増加する認知症の人を社会全体で支えていくため、党認知症対策推進本部が「認知症施策推進基本法案」の骨子案をまとめたことを報告。「省庁横断で総合的な施策を進め、認知症の人を尊重する社会をつくる」と力説した。

矢倉氏は、女性のこまやかな視点が農業に生かされ、利益が増加した事例を紹介し、「女性が活躍できる環境をさらに整えていきたい」と語った。

18日、東埼玉道路の早期延伸に向け、松伏町の工事現場を、川上、山﨑両松伏町議と視察

2018-05-19 ブログ

18日、東埼玉道路の早期延伸に向け、松伏町の工事現場を、川上、山﨑両松伏町議と視察

東埼玉道路は、外環から国道16号線までを南北に走る道路で、地域の渋滞緩和や沿線の開発促進など様々な効果が見込まれる地域高規格道路です。

建設途中の場所を視察、様々な課題も伺いました。
特に、町内に鉄道のない松伏町にとって、住民の皆さまの利便性を高めるとともに、人を呼び込むため、多くの期待がかかっているところです。

鈴木町長とも課題について様々懇談、街づくりへの意欲も感じました。

今年度、予算はつきましたが、引き続きの予算確保に向け、国交省とも引き続き協議をしたいと思います。

大宮駅の整備後押し

2018-05-18 ニュース

市職員と懇談
矢倉氏と党さいたま市議団

大宮駅のGCS化構想について勉強会を開く矢倉氏(正面左から2人目)と党さいたま市議団
公明党の矢倉克夫参院議員と党さいたま市議団(上三信彰団長)は11日、同市大宮区の会場で勉強会を開き、市が構想する大宮駅のグランドセントラルステーション(GCS)化について市都市局の職員と意見交換した。大宮駅のGCS化は、駅前広場を中心とした交通基盤の整備や周辺街区の街づくり、駅機能の高度化を三位一体で進めるもの。市は昨年度に構想案を取りまとめ、4月からパブリックコメントを実施し、市民から意見を募っている。矢倉氏は席上、大宮駅のGCS化について「夢のある構想だ」と強調。北陸、東北、北海道の各新幹線が乗り入れる大宮駅の「東日本の玄関口」としての役割を重視し、構想の実現へ国の後押しを求めていく考えを示した。

11日、さいたま市議団の皆さまとともに、大宮駅周辺の開発や大宮駅のグランドセントラルステーション化構想について、さいたま市と協議しました。

2018-05-18 ブログ

11日、さいたま市議団の皆さまとともに、大宮駅周辺の開発や大宮駅のグランドセントラルステーション化構想について、さいたま市と協議しました。

http://www.city.saitama.jp/001/010/015/004/007/p057992_d/fil/02GCS_houkoku.pdf

さいたま市は東日本におけるヒト・モノ・情報の対流拠点として、また、首都圏における防災拠点としてますます重要度を増します。

その要衝である大宮駅。
その整備、拡充に向け、かなり具体的に突っ込んだ議論ができました。

政令市と国に、県も加えさらに公明党のネットワークを活かした連携を密にし、素晴らしい大宮駅をつくります!!

15日、オーストリア議長御一行の表敬を、議院運営委員会の理事として受けました。

2018-05-18 ブログ

15日、オーストリア議長御一行の表敬を、議院運営委員会の理事として受けました。

代表団の方々と率直に幅広く話をできました。政治と倫理、宗教の話も。

「すごくいい議論ができた」と同行した公使からの喜びの声が私に。

つながりを強くしたいです。

今日の本会議で、中小企業の設備投資に係る固定資産税の特例を定めた「生産性向上特別措置法」や「産業競争力強化法」が可決成立しました!!

2018-05-16 ブログ

今日の本会議で、中小企業の設備投資に係る固定資産税の特例を定めた「生産性向上特別措置法」や「産業競争力強化法」が可決成立しました!!

野党の皆さんの審議拒否もあり成立が想定より遅れましたが、なんとか。

私は経済産業委員会で、10日、14日と1時間以上、質問。
様々な中小企業対策とともに、ITの発達がもたらした産業構造の変化についても突っ込んだ議論を。
政府の進める「規制のサンドボックス制度」に関連して、いわゆる「ライドシェア」や「フィンテック」などについても具体的に問題提起しました。

いつもですが、原稿なし、です。自由な雰囲気で議論ができよかったです。
法律の円滑な運用に引き続きつとめます。

事業承継の加速化を

2018-05-16 ニュース

矢倉氏 中小企業のM&A推進

矢倉氏=15日 参院経産委

15日の参院経済産業委員会で公明党の矢倉克夫氏は、中小企業経営者の高齢化が進み、後継者難が深刻化している問題を踏まえ、事業承継の加速化について政府の見解をただした。

矢倉氏は、産業競争力強化法等改正案で事業承継の有効な解決策の一つである合併・買収(M&A)に対する税制優遇措置などが盛り込まれていることを念頭に、「中小企業向けのM&Aマーケットをしっかり育成、整備していく必要がある」と指摘。企業経営者と後継者のマッチングに力を入れるよう主張した。

世耕弘成経産相は、各地に設置している「事業引継ぎ支援センター」が成果を上げていることに言及。「マッチングの精度をさらに高めていく」と答弁した。

196回 経済産業委員会

2018-05-15 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
法案の審議、いよいよ佳境に入ってきたなという思いでおります。とりわけ、よく議論もされているサンドボックス制度、こちらの範囲というか、有用性を議論する上で、私、前提として、まず今日は、中小企業金融、少し問題提起をしたいなというふうに思っております。
先日、私の国会の部屋に東京情報大学の教授の堂下先生という方がお越しくださったんですが、その方、昨年の我が党の財政・金融部会でも、フィンテック時代に適合した新しい金利の体系の在り方という講演をしてくださった方であります。
まず、その堂下先生とお話ししていく中で、やはり議論になったというか、意見が一致したのは、特に事業性の短期金融であります。主に、もう無担保で無保証で短期に決裁をしてすぐに融資ができるような、そういうローンの在り方というのも非常に重要であるかという議論もありました。
確かに、私も地元入っていろいろと、いろんな業者と話をしているんですが、通常の運転の場合であっても、例えば支払サイトが長いような旅客であったりとかは、売り掛けが立った後も実際それが回収されるまで時間が長くなる、その間のつなぎ融資をどうしても運転継続していくためには必要だというのはよくある話でもありますし、農業関係とかでいえば、問屋さんなんかは、取引が多いところはやはりそういうような融通というのも非常に重要になってくる。
突発的に来る顧客からの要望に対しても対応するためにどうしてもつなぎの融資が必要になってくるということは、現実の中小取引でもこれ間々あることだと思うんですが、まずは経済産業省に対して、そういう中小企業の事業用の短期資金の重要性やこういうつなぎ融資を含めた短期資金の供給に対してどのような対応をされているのかをまずお伺いしたいというふうに思います。

○政府参考人(安藤久佳君)
 お答え申し上げます。
中小企業の皆さん方に限らないと思いますけれども、事業全体としては成り立っているんだけれども、その時々のキャッシュフローとの関係でショートしてしまうと、こういうようなお話がよくあるわけであります。したがって、そういった段階のときに弾力的かつ柔軟に短期資金を速やかに供給させていただく、こういった機能は大変大事だというふうに認識をさせていただいております。
一例を申し上げますと、昨年の中小企業の信用保険法などの改正の際に、信用補完制度につきまして新たに金融機関と信用保証協会の連携規定というものを置かせていただきました。この連携に基づきまして、現実に、私どもと金融庁がアレンジをさせていただきまして、金融機関と信用保証協会の適切なリスク分担によって、金融機関によるいわゆる事業性の評価、こういったものを行った融資や適切な期中管理、そして経営支援を促進をするということをさせていただいております。また、中小企業の多様な資金需要に一層対応するため、逆に、信用リスクの高い創業あるいは小規模事業者の皆様方について利用可能な一〇〇%保証の上限額を拡充する、こういったような制度の見直しを行ったところでございます。
いわゆる事業性評価の融資も様々な種類がございますけれども、例えば一例申し上げますと、一つ一つの担保を設定するのではなくて、仕入れや在庫といったような商流全体を把握をさせていただいて融資を行ういわゆるABLといったような手法とか、あるいは、あらかじめ設定した一定の貸出額の範囲内におきまして金融機関が企業の短期資金をスピーディーに融通をするいわゆる当座貸越し、こういったような融資制度がございます。
まだまだ金融機関の皆様方、リスクをなかなかお取りになれないということで、十分まだこういった融資が行われているというところまでは行っていないわけでございますけれども、少しずつでもこういった融資制度が普及をするように全力を挙げてまいりたいと、このように思っております。

○矢倉克夫君
 今、事業性評価のお話と、またありました。事業性評価をする、要は、こういう小口のものであっても即座に融資をするための評価の在り方という部分での事業性評価であろうと思います。これはまた後ほどフィンテックの関係で、そういった財務データにかかわらず評価し得る技術が生まれたというところのまた文脈でも話関わるところだと思いますが。
その上で、堂下先生とも、今中小企業庁からいろいろと対応いただいていることをお伺いしたんですが、そういういろんな工夫をされている中ででもやはり広がらない仮に理由があるとしたら、これは金利の上限規制というものもやはりあるのではないかというようなところが意見があったところであります。
御案内のとおり、貸金業法改正等も経た上で、今は、かつてのグレーゾーン金利をなくす趣旨の下で、利息制限法の利息にあって百万以上の融資であっても上限一五%、こういう金利の下でのみ貸し出すことができるというような体制になっております。
例えば小規模の事業者の短期金融というのはどれぐらいの額かといえば、何百万とかそういう額というのは頻繁に融通は行われるときはあると思うんです。例えば百万の融通をお願いして、その分で今の一五%、仮に二〇%だとしても、じゃ金利はどうなるかといえば、一日大体六百円ぐらいであります。それが二か月間、三か月間ぐらいの貸出しでもどれくらいの金利収入になるかといえば、大した金利にはならない。結局、そうなると、貸し出す人がなかなか貸し出さないというような事態になるというようなことはよく言われていることであります。
金融庁さんに今日来ていただいているのでちょっとお伺いもしたいんですが、金融庁さんの方でも、平成二十二年の六月のいろいろ内部での検討におきましても、ヒアリングで、零細事業者から、短期のつなぎ資金なので金利が高くても負担を感じることはないといった御意見や、また他方で、平成二十年の内閣府の規制改革会議の生活基盤タスクフォースとかの議論の中でも、上限金利の引下げを受けまして貸金業者の急激な貸し渋りが発生をして、中小零細事業者の中でも倒産や廃業が目立つようになったというような政府内部の議論もあったというふうにお伺いもしておりますが、金融庁として、この貸金業法の改正によって、金利の上限規制などにより、小口の短期資金の供給についてはどのように理解をされているのか、まずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(水口純君)
 お答え申し上げます。
平成十八年に成立しましたいわゆる貸金業の規制等に関する法律の一部改正法、貸金業法でございますが、によりまして、出資法の上限金利の引下げ、それと、利息制限法の水準の上限金利といたしますことで資金需要者の金利負担の軽減というのをなされたところでございます。
こうした中、中小企業の資金繰りの状況について見ますと、例えば平成三十年三月の日銀の全国企業短期経済観測調査、短観によりますと、資金繰りが楽であるとされている中小企業は、苦しいとする中小企業に比べまして一二ポイント高うございます。そして、金融機関の貸出態度が緩いとする中小企業は、厳しいとする中小企業に対しまして二二ポイント高いという結果になってございまして、実際、足下では、銀行、信用金庫、それから信用組合、各業態の中小企業向け貸出残高というのは増加を続けているという状況でございます。
また、平成二十六年八月に全国財務局が各都道府県の商工会議所を対象に実施したアンケート調査によりますと、中小企業の資金繰りが悪化した要因としてこの改正貸金業法の影響というのを挙げた中小企業の割合はゼロであったところでございまして、貸金業法の改正による中小企業の資金繰りに与える影響というのは限定的であるというふうに考えてございます。
ただ、いずれにしましても、金融庁としましては、引き続き、中小企業を含む資金需要者の状況というのをよくフォローしてまいりたいというふうに考えてございます。

○矢倉克夫君
 今、現状の認識をいただきました。
他方で、今後の景気状況によっては、また金利の状況いかんによっては、今おっしゃっていただいたような事実が仮にそうだとしても、しっかりした小口の事業性の融資というのをやはりこれ考えていかなければいけない事態が来るかというふうに思います。そのための制度の実証というのもやはり重要な意味もあるかなというふうに思っているところです。
私、大臣に、改めてこの中小企業の金融とサンドボックス制度についてちょっとお伺いもしたいと思っているんですけど、今の上限金利の話なども、これは制度としてはまさに今そうなっているので今の金融庁さんのおっしゃっていただくような形に当然なると思うんですが、やはりサンドボックス制度の中でどういうふうにより良く変えていける動きがつくれるかというところも一つ例があるかなというふうに思っています。
今の金利の在り方というのは、例えばその議論も見ても、やはり消費者金融というところを中心に想定をされている。私、当然その部分では今の金利の制限というのはあるべき姿であると思うし、ここは一切動かしてはいけないというふうに思っているんですが、他方で、金融も、消費者金融もあれば事業者金融もあり、今はそういうのはもう一律で、金融の動きにも限らないで一律な金利規制になっているところであります。
今言った事業者金融の側面から見れば、小口、消費者金融にしたら百万円以上は当然大口なんですけど、事業性の金融としたら、百万ちょっとを超えるぐらいでもよくある金利の話だと思います。そういうものであっても、全て年利換算されて上限が掛かる。本来であれば、事業者としてももう少し利息を払ってでももらいたいというようなニーズがあっても、上限金利のせいで駄目だというような事態が今後も起こり得る可能性もあるかというふうに思っています。
そういうときこそ、規制の中でのグレーの部分をある解釈という部分でも新しく何か試みをしなければいけないんじゃないかというような例としてこの金利の問題というのも考えられると思いますし、その上で、ちょっと前置きが長くなって恐縮ですけど、例えばトランザクションレンディングという形で、今のITの技術を使って、即決でもういろいろ融資もできるような体制も今後生まれてくると思います。
そういう技術進展を踏まえて、今後は、このサンドボックスの制度を使った上で、新しい上限、事業性金融についての取組というものも実証し得る範囲内としても考えられるのではないかというふうに思っておりますが、大臣のその辺りの御所見と、もし、また加えて、そういった取組が社会に与えるインパクトを大臣の中で御所見があればまたおっしゃっていただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今、トランザクションレンディングというお話がありました。これは、大手のネット通販のプラットフォーマーなどが、そこに出店している人たちの、例えば彼らは取引データですとかそういったことが全部分かるわけですから、それをベースにして即断即決でつなぎ資金を融資していくという、そういう仕組みなわけであります。ただ、現状では、御指摘のとおり、上限金利の範囲内で行われている、あるいは金融機関が行っている、あるいはそういったプラットフォーマーが上限金利の範囲内で行っているという状況ですけれども、新しいファイナンスの形態として注目すべき点はあるというふうに思っています。
また、委員御指摘のように、これを、じゃ、サンドボックスの中でその一五%の上限金利を外したようなサービスがあり得るのかどうかということですが、このサンドボックス制度というのは、私も何度も答弁していますように、事前に何か形態を決めているわけではありませんので、トランザクションレンディングで上限金利が今の貸金業法の規制を上回るようなものを申請していただくことは可能であります。
ただし、じゃ、これ今度審査する段階で、この上限金利規制というのがなぜ入ったのか、やはりいろんな事件とか社会問題が起こった結果として上限規制金利が入っているわけですから、そういった規制が保護しようとしているような権利利益が損なわれないことがきちっと担保できるのかどうか、これは少し議論をしてみないと分からないということになるんだろうというふうに思います。
そういったことをチェックの上、それが可能である、しかも、適宜ここでも議論になっているモニタリングも含めて、実行中の監督もしっかりできているということであれば認定されるということになっていくんではないかと思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
大臣のお考えに全く同意でありまして、新しい分野として実証し得るものも当然ある、この部分は非常に私、有用だと思います。他方で、大臣もこの前御答弁いただいたとおり、この制度の目的は、既存の法律の目的が更に適切に実現され得るような実証をしっかり努めていくということであるかなというふうに思います。
そういう趣旨の下で、安易な実証が、弊害が起こらないようにちゃんと制度の中でチェックをしていくという在り方、これも制度の中では私はしっかりとできているところもあるかなという理解もさせていただいて、是非こういう形ででの実証も進めれるような運用もまた広げていっていただきたいというふうに思っております。
こちらのこの件に関しましては、ちょっと一点だけ、例えば金利の問題にしても、既存の法令に全く没却するような実証というのはやはりあるべきではないと思うんですが、いろんな工夫の仕方、金利ではなく、また手数料であったりとか、そういういろんな名目の下でという動きもあるかもしれませんが、そういうのも含めて、社会のいろんなアイデアが出ていく、その中でシャッフルしていって、既存の法令の趣旨に反しないようなものをしっかり採用していって、実証していって、それが制度に変わっていくというような大きなダイナミズムが生まれるようにこの制度については改めて御期待をしたいという点だけは申し上げておきたいというふうに思います。サンドボックスについては以上で終わりたいというふうに思います。
続きましては、もう一つの法案の産業競争力の強化法、こちらについて幾つか質問をしたいというふうに思います。
午前中の参考人の質問でも、松田参考人などは、とにかく今の状況については、ITというものの進展によって産業構造が大きく変わったということを強調されていました。また、第四次産業革命による新たな産業構造の転換、これは業態別、業務別のものではやはり遅れてしまう、そのために横串を刺すような産業構造というのがやはり起きているというようなことをおっしゃっていただいて、非常に今の時代のダイナミズムを的確におっしゃっていただいたというふうに私も理解したところであります。
この産業競争力の強化法の改正というのは、まさに今起きている産業構造の転換、これにしっかりと、企業の動きも含めて、経済全体の動きも含めて適用するための法案だというふうに理解もしておりますが、まず経済産業省の方に、経済産業省としては、この産業競争力の強化、これに向けて産業構造をどのようにこれから今後動いていくというふうに捉えていらっしゃるのか、その点まずお伺いしたいのと、その上で、特に法案ではMアンドAという手法を強調した形で産業構造の転換ということを一つ重視をされているわけであります。その今の流れの中でMアンドAという手法が果たす役回りをどのように捉えているのかを御答弁いただきたいというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、第四次産業革命の中、IoTや人工知能という新しい技術が既存の産業と組み合わせて新しい製品、サービスが生まれてきたということでございます。この中で、産業構造を、これまで、例えば自動車産業とかあるいは電子製品産業、製造業とか、あるいはサービス業といった縦割りの区分でありましたけれども、今後は、業種の垣根を越えて、経営資源を組み合わせて、例えばモビリティーですとかスマートライフですとか、そういう新しいものが生まれてくるというふうに考えております。
そして、この産業構造の変化は極めて速い流れになっておりまして、国際的にもそのトレンドがくるくる変わるぐらいに大変激しくなっております。この中で、日本企業も、迅速に経営資源を戦略的に組み替えて、そして外部の経営資源をどんどん取り込んでいくことが不可欠になっています。
この事業再編を迅速に行う手段として、我々は、今回、MアンドAは極めて有効な手段というふうに認識しております。事業再編の円滑化については、これまでも税制上の支援措置や会社法の特例措置等を講じてきましたけれども、今回の産業競争力強化法等の一部を改正する法律案では、大胆な事業再編を機動的に行えるよう、今回新しく、自社株を対価としたMアンドAを円滑化する措置を講じるなど、事業再編を促す各種支援措置を整備することと考えております。
こうしたような支援措置を活用して、今後とも産業競争力の強化に取り組んでいきたいというふうに思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
法案の審査ですので、ちょっと法案の重要な定義とかの内容についてちょっと確認の上でまたお伺いしたいというふうに思います。
今審議官の方から、自社株を対価にしたMアンドAというようなお話、答弁をいただきました。このまさに株対価のMアンドAの対象としては、特別事業再編という法文がありまして、これを一定程度の要件の下、認定をするという手続になっているかというふうに思います。
この内容そのものが今おっしゃったものの対象になるというふうに思っているんですが、この内容について、認定対象としてどのようなものを想定をされているのか、そして、その要件については省令や告示に委ねられている部分も多いかと思いますが、今の現状で、お答えできる範囲で具体的にどのようなものを想定されているのかを答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えします。
自社株式を対価とするMアンドAにつきましては、平成三十年度税制改正におきまして、産業競争力強化法に基づき特別事業再編計画の認定を受けた場合に、買収に際し譲渡した買収対象会社の株式の譲渡損益に対する課税の繰延べをすることが認められました。
これを受けまして、今回、この株価MアンドAの対象となる認定要件を今検討しているところでございますけれども、現在のところ三類型ほど考えておりまして、一つ目には、今後成長が見込まれる事業分野において革新的な技術などを用いて行うもの、二つ目には、幅広い事業者に利用されるプラットフォームを提供するもの、三番目には、事業ポートフォリオを転換を進めるものというのを考えています。そして、生産性の著しい向上が見込まれ、また、買収対価の額が買収会社、買う方の会社の余剰資金の額を超えているというものも一つの要件に考えています。
さらに、その詳細につきましては、委員御指摘のとおり、今後、省令及び実施指針で定める予定ではありますけれども、省令では、さらに余剰資金の額の具体的な算定方法など、あるいは、実施指針では、一つ目の対象類型で先ほど申し上げました事業分野として、例えばフィンテックなど、様々な戦略分野というのを未来投資戦略などを活用しながら定めていこうというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっと、じゃ、更問いで大変恐縮ですけど、最後、今、省令の方で未来投資戦略に基づいた五分野というのを想定されたんですが、それ以外のものも入り得るようなものまで想定されていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 やはり重点分野ということを考えておりまして、その際に、やはり、未来投資戦略というのを今回また改定いたしますけれども、それが主にメーンと考えています。
ただし、この重点戦略分野というのは非常に幅の広いものを今回ターゲットとしておりますので、そういう意味では、有望な分野についてのカバレッジは相当広く考えてございます。

○矢倉克夫君
 その五分野の部分を割と幅広にというような御趣旨だと今捉えましたが、それではもう一つ、MアンドAというところで今回幅を広げたところでは、再編を通じた事業承継の加速化に係る部分で、経営力向上計画について措置をされているというふうに思っております。
経営力向上計画をそのような趣旨で、MアンドAも含めた形で措置をされたというふうに理解もしておりますが、これについても、認定の対象としてどのようなものを想定されていて、また、要件としては、省令や告示に委ねられている部分もあると思いますが、これ、具体的にどのようなものを考えていらっしゃるのかを答弁いただければと思います。

○政府参考人(吾郷進平君)
 御指摘のとおり、中小企業が抱える事業承継あるいは後継者問題の解決策としても、MアンドAは重要な選択肢であると考えております。このため、今回の法改正では、高齢化や後継者不在等の事情により将来的に事業の継続が困難となることが見込まれる中小企業の経営者からMアンドAを通じて事業を承継した上で生産性の向上をする計画、これを経営力向上計画の対象に追加することとしております。
そして、認定要件というお尋ねでございましたが、この計画の認定要件といたしましては、従来の経営力向上計画と同様、事業所管大臣の定めた事業分野別指針あるいは基本方針に沿ったものでありまして、MアンドA等によって獲得する経営資源を十分に活用して、原則として、買手企業の労働生産性を三年間で一%以上向上させること、そして単なる人員削減を目的とした再編ではないこと等を確認することとしております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございました。
今、それぞれの要件的なものもお伺いもしたところなんですが、今のそのMアンドAのいろいろ企業再編等、今度は、次はちょっと中小企業の関わりを少しお伺いしたいなというふうに思ったんですが、質問前にいろいろとレクを受けて、今、二つ、MアンドAの関係では認定を受けた制度の設計があるわけなんですけど、中小企業の関わりというところですと、どうしてもやはり後者の方の事業承継、承継がこのままだとできないからという文脈でやはり中小企業って出るのが非常に多いかなという印象が正直ありまして、最初の方の、まさにこれからの新しい経済構造に向けた主要なプレーヤーとして、最初の方のMアンドAにも中小企業というような思いというかイメージがなかなか伝わってこなかったところがあったんですが、経済産業省としては、今後の株対価のMアンドAに係る会社の特例措置、今回設けているわけでありますが、こういったものに対して、こういったものを使って、今まさに産業競争力を強化するためにいろいろ手配をして産業構造を変えるという大きな動きの中、対応しようとされているわけですけど、その中で中小企業がこういった措置をどのように活用していくということをこれ想定されているのか、答弁をいただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えいたします。
自社株式を対価とするMアンドAは、買収会社にとって、多額の金銭の流出を伴わずに、また、買収対価が会社の余剰資金を超えたとしても規模の大きな買収を実施することができると、そういう意義があると思っています。
それは、例えば急速な成長を目指すベンチャー企業ですとか、同じく急成長を上げています中小企業、こういった企業ではなかなか資金の制約が大きいわけですけれども、この自社株式を対価として使えば、自社株式の対価というのは、成長するときは特にまた対価が高く評価していただけるわけですけれども、積極的なMアンドAを仕掛けることができて、他社の革新的な技術や事業の獲得を進めることが可能となると考えています。
例えば、海外でのケースで私ども一つ念頭に置いていますのは、例えばグーグルなどは、急成長する過程でユーチューブを買収したりということは全てこの株価対価を使っておりまして、やはり急成長、ユニコーンを生むためにも一つの大きな道具であるというふうに考えております。
そして、これまで、産業競争力強化法では、会社法の特例措置、すなわちこの株価対価につきましては、株式公開買い付け、いわゆるTOBを行う場合のみを対象としておりましたけれども、したがって、買収対象は上場企業に実質限られておりました。しかし、今回の改正では、その特例措置の対象に相対取引を追加いたしまして、言わば非上場でも可能にするということを考えました。これによって、非上場会社同士の買収も支援することができ、そういった意味では、中小企業、ベンチャーにも使いやすい制度になったのではないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 まず、中小か大企業かという区分けですとなかなかあれかもしれないですけれども、どんなベンチャーもやはりスタートのときは中小だったりするわけであります。そういう創業精神にあふれる中小に対しての期待というのも今お伺いできたかなと。
TOBだけではないというところで、非上場のものも含めたというような趣旨も踏まえたということも今お伺いもした。そういった中小企業も含めた、今回の制度のしっかり活性化を図って、とりわけ、今、中小企業の文脈で言っていますので、中小企業がこの制度を使いしっかりとMアンドAも通じた形でこの産業構造の変化に対応できていくためにやはり必要なのは、そういう中小企業がしっかりとMアンドAのマーケットにもちゃんと入れるような体制をつくることもやはり必要かなと。大企業同士のMアンドAとかですと、中に投資銀行が入ってとか、いろいろそういう仲裁する仕組みというのが既にあるわけでありますが、特に中小の場合ですと、そういう仲裁するサービスというのもなかなか民間ではないかもしれない、マッチングというのもなかなか難しい、そういった課題もあるかなというふうに思っております。
それ以外にも、当然ですけど、株価の評価の問題であったりとかそういった問題も含めて、私としては、やはり中小企業がMアンドAを行う上での課題というのを認識した上で、中小企業向けのMアンドAマーケットというのもしっかり育成、整備していく必要があるかなというふうに思っております。
その辺り、大臣から、どのようなお考えであるかをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 事業承継といっても、親族だけの承継ではなくて親族外の承継も増えてきておりまして、中小企業のMアンドAを推進するということは非常に重要でありますので、今回の法案でも、税制の支援ですとかあるいは金融支援、こういったものを講ずることにしております。
ただ、やはり中小企業のMアンドAについては、なかなかこれ民間での担い手というのが存在しない。今おっしゃったように、大規模なMアンドAであれば、投資銀行が間に入って、当然、手数料ビジネスも成立をしているわけでありますけれども、この小規模なMアンドAについてはなかなか担い手が少ないというのが実情だというふうに思っています。
そこを埋めるという意味で、我々は、事業引継ぎ支援センターというのを全国に設置をしておりまして、ここには年々、相談件数、マッチング成約件数が増加をしているところであります。まだまだ少ないですけれども、相談件数でいけば、二十六年度二千八百件だったものが、二十九年度二月末の時点で七千七百件まで増えております。成約件数も、二十六年度は百件程度でしたけれども、二十九年度、これも二月末ですが、千三百件という形でマッチングの成約も増えているというところであります。
さらに、事業引継ぎ支援センターが一定程度データベースを持っていますので、このデータベースと民間の金融機関ですとか民間の支援機関が持っているデータベースをしっかり連携をさせて、このマッチングの精度を更に高めていくということもやってまいりたいというふうに思っております。
これからも、いろいろ案件の掘り起こしですとかこのマッチングのやり方を更に磨き上げるなど、引き続き努力を続けてまいりたいというふうに思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
冒頭の話で、産業構造の変化に適応するための再編というのは、やはり業態を超えた再編だということであると思います。その業態を超えてお互いがシナジーを生むような連携というのは中小企業の世界でもやはりしっかりしていかなければいけないなと思いますし、今、引継ぎの文脈でおっしゃっていただきましたが、引継ぎということは、より良くそれが、ほかのところの事業がほかのところに移ればより良くなるという、そういう意味も当然含んだものであり、是非、その事業引継ぎセンターのマッチングの在り方というのも、それぞれの承継するところと譲り受けるものの本来持っている価値がくっつくことで更により価値が生むというようなマッチングの在り方も更に追求をしていただいて、中小企業連合による更なる日本の元気、構造改革というところも視野に入れてまた制度をつくっていただきたいというふうに改めて思っております。
残りのお時間を使って、あともう一つ、もう二点ほどだけちょっとお伺いしたいなというふうに思うんですが、午前中の参考人の質疑でもちょっと出ました産業革新投資機構、こちらについてであります。
産業革新投資機構についてでありますが、この投資について、私も松田参考人にも同じような問いを実はお願いしたんですが、松田参考人のお言葉からは、事業の評価についても包括的長期視点でというようなお話がありました。
その上で、私、政府の方にもお伺いしたいんですが、やはり産業革新投資機構による支援の成果というのを事後検証するためにも、それぞれの個別案件についての検証というのもやはりしっかりしなければいけないというふうに思います。その検証をした上でそれを後に生かしていくというこのサイクルをつくる、そういう前提を込みで午前中の松田参考人は総括長期的視点というようなこともおっしゃったんだなという理解もしているんですが、政府として、この産業革新投資機構の支援成果を事後検証するための情報開示の在り方というのはどのようにお考えかをまず答弁いただきたいというふうに思います。

○政府参考人(糟谷敏秀君)
 産業革新機構は、国からの資金が投入されているわけでございますから、情報開示が適切に行われることは非常に大事であるというふうに考えております。
これまでの情報公開については、毎年度の事業報告書でありますとか、個別案件の支援決定ごとの記者会見やプレスリリース、また、半年ごとに機構全体の投資活動や収支の状況、一部個別投資案件の損益等に記者会見を行っているということをやってまいりました。個別案件の損益等については、個別企業の投資対象企業への影響ですとか、譲渡先の検討に際して一定の制約が生じる可能性があることなども踏まえて、なかなか一律に開示、全て開示というわけにはいかず、慎重に判断されるべき面もあるというふうに考えております。
ただ、その中でも最大限の積極的な情報開示を行うべく、本年から株式売却案件の開示項目を見直しをいたしまして、過去の株式売却案件の全てについて新たな項目での開示を行うとともに、IPO銘柄とか譲渡先企業が開示を行っている場合は、これは個別案件ごとの損益についても公開されておりますので、こういうものについてはしっかりと公開をすることにしておるところでございます。
経済産業省としては、積極的な情報開示を行うべく不断の見直しが行われるよう適切に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 引き続きよろしくお願いします。
午前中の参考人の御意見は、そういう部分でも非常に参考になるような御意見だったと思います。参考人の御意見に応じた形での開示というものも是非引き続きお願いしたいなというふうに思います。
最後、ちょっと大臣にお伺いしたいというふうに思います。この産業革新投資機構による投資に対して政府の関与をどういうふうにすべきかという御視点をちょっと最後お伺いをしたいなというふうに思います。
午前中、松田参考人からは、この革新投資機構、投資機構となりますけど、投資機構による投資について、まず、やはり長期資金というものは不可欠だと、長期資金をしっかり出し手を確保するということは非常に重要である、そしてその長期資金の担い手としての機構の在り方については、やはり民業圧迫ではなく民業強化の誘い水になるようにというような御視点がまず一つございました。そして、先ほども申し上げた急激な資金の変動に対しての資金の出し手として期待をされているということであります。
こういった参考人の御意見に対してもし御所見があればお伺いしたいのと、今回の法の立て付けでは、投資基準というものが、まず産業革新投資機構が準拠するものである、これがどのようなものを想定されているのか。
そして、問題意識としては、私は、これ、時代の変化の速度は非常に速いわけであり、政府が投資の基準というのを非常に決めることもいいんですが、それが余りに硬直過ぎるとかえってこういう大きなダイナミズムを妨げてしまうことにもなり得るのではないかと。そこ辺りのバランスをどのように取られるのかという文脈から、政府の関与をどの程度にすべきかということを、最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 この産革機構というのは、幾つかある官民ファンドの中の一つであります。日本ではなかなか投資ファンドがしっかり育たないという中で、この官民ファンドという形態で、まさに民間の投資の呼び水になるという思いで幾つか官民ファンドが設立をされてきたんだろうというふうに思います。
ただ、官民ファンドというのは、非常に性格が分かりにくいんですね。国のお金を扱っているものですから一つたりとも失敗は許されないんじゃないかという考え方もあれば、あくまでも投資運用機関なんだから、多少の失敗があってもうゼロになっちゃうようなものがあっても、全体としてポートフォリオがちゃんと組まれていて一定程度の利回りが確保されていればいいんじゃないかという考え方もある。一方で、やっぱり官がやっているんだから民業を圧迫しちゃいけないし、そして、実は、目的はもうけではなくてやはり政策目的の方であって、多少損が出ていても掲げた政策目的がしっかり達成されていればいいんじゃないかとか、いろんな少し見方があって、この官民ファンドの考え方というのは、非常に私、これ官房副長官時代からずっと悩んできて、どういうふうにやればまともなものになるかというのをずっと取り組んできているんですけれども、そういう中で、産革機構をできる限りきちっとした民間の投資機関と同じような立場のものにしていきたいというのが今回のガバナンス改革です。
しかし、一方で、官民ファンドとしての性格はしっかりと踏まえて、政策目的を外されては困るというふうに考えておりまして、このまさに政策目的の達成というのがこれが投資基準であります。これ、民間のファンドであればいわゆる運用方針ということになるんだろうと思いますけれども、政府の政策目的を踏まえたこの投資基準というのをしっかり決めていくということにさせていただいたわけであります。
しかし、それが過度に投資判断を縛るというようなことになってはまたファンドとしての活力を奪うことになりますので、この投資基準が定める事業分野については、余りがちがちの事業分野を絞るのではなくて、重点的に政策対応が必要な分野をある程度幅広く領域を示すという形にしていきたいというふうに思います。
また、投資基準も一回決めたら終わりではなくて、動きの速いビジネスの世界ですから、これ適宜見直しを行っていくということも極めて重要だと思っておりまして、毎年度機構が行う実績評価の報告を踏まえて、必要に応じて投資基準を変更するというのも定めさせていただいているところであります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
この前ちょっと中国へ行ってきて思ったんですけど、ちょっと前までは自転車のシェアリングとかも日本でも話題になっていたんですけど、今中国に行ったら、もうその辺りはもう完璧に市場が固まって、もう次に新しいビジネスの方に話が向いている。どんどん、ちょっと前まで話題になっていたものがもう既成のものになって、今度はまた更に革新的なものをという形でいろいろ動いている、本当に時代の速さを感じました。これにしっかり合わせていくためにどうすればいいかという官民一体の動きはやはり重要であるかなと、その上で、今大臣がおっしゃった視点が本当に大事かなと思っております。
そういうバランスの観点も踏まえて、民業強化の誘い水としてのファンドというところはいい言葉であるかなというふうに思っておりますので、是非そういう形での運用をお願いしたいことを申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】経済産業委員会(生産性向上特別措置法、産業競争力強化法案審査)_20180515

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