196回 経済産業委員会

2018-05-29 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。
質問の機会をいただきまして、委員長、また滝波、大野筆頭理事始め、皆様の御理解に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。また、大臣、大変お忙しい中ありがとうございます。
早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。
もう既に報道にもありますが、まず、米国の自動車の関税引上げについてお伺いをいたします。
五月二十三日、米国商務省が、安全保障を理由に自動車関連の輸入関税を引き上げる検討に入ったというふうに入っております。WTOルール上は、この安全保障を理由とした輸入制限、容認する条項はございますが、客観的事情から見ても、この自動車の輸入に安全保障の脅威というのはどういう部分があるのか。これが恣意的に使われると、ルールそのものが壊れかねないような危険もはらんでいるかなというふうに思っております。
地元でも、中小企業、昨日もいろんなところでお話もしたんですが、景気は良くなってはいるが、アメリカの動きが見えないというところを不安に思われている方も多くいらっしゃいました。
今回のこの動きにつきまして、世耕大臣から、この受け止めと対応についてお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 自動車及び自動車部品の輸入に関する通商拡大法二百三十二条に基づく調査については、これまだ、調査に入るということでありまして、具体的な措置が決定されたわけではありません。一部、税率が二五%というようにも報道されていますが、これ、税率も含めてまだ何ら決まっていないという状況でありますので、その影響等については予断を持ってお答えすることは控えたいというふうに思いますが、仮に非常に広範な貿易制限措置が発動されるとすれば、これはもう世界のマーケットを混乱をさせて、WTOに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないものでありまして、極めて遺憾であります。
ルールに基づく多角的貿易体制を重視する日本としては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきだというふうに考えております。
また、日本の自動車メーカーは、米国内でも極めて良質な雇用をたくさん生んでいるわけであります。直接雇用で九万人、波及効果で百五十万人と言われていますが、そういったことも、やはり米国の経済に多大な貢献をしているということも非常に重要だというふうに思っております。
あしたから、私、パリに出張しましてOECD閣僚会合に行ってまいりますが、そのマージンで日米EU三極貿易大臣会合もセットをされております。そういった場も使いながら、またEUとも連携をしながら、今私が申し上げたような考え方をしっかりアメリカ側に伝えていきたいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 調査に入った段階であり、いたずらに不安をあおることは我々も慎まなければいけないなというところをまず思いました。
パリの方にも行かれる、その場でも、そういう場を使って是非いろいろ発信していただきたいと、改めて大臣にも御期待を申し上げたいというふうに思います。
続きまして、次の問いに行きたいと思うんですが、農業、まず今、経済産業委員会ではコネクテッドインダストリーズという文脈をずっと議論をしておりました。それも視野に入れながら、農業について、今日は農林水産省も来ていただいております。
私も政務官やらせていただいたんですが、働き手がいなくなっているこの農業、これを起爆剤を、なるものはやはりICTでありIoTであるなというところをすごく実感もいたしました。その辺りの、農業におけるICT、IoTの必要性、重要性について、農林水産省から御意見をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(菱沼義久君)
 農業者の減少、高齢化等、人手不足が深刻化する中で誰もが取り組みやすい農業を実現するためには、ICTやIoTを導入した、積極的に活用していくことが重要と認識しております。
このため、農林水産省では、ICTの活用により熟練農業者のノウハウを見える化して新規就農者などが学習できるシステムや、スマートフォンで遠隔操作できる低コストの水田の水管理技術、こういったものを開発して実証導入しているところでございます。
今後も引き続き、ICTやIoTの活用により、産学官の連携を密にして、新たな農業を創出するよう積極的に取り組んでまいる所存でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今日、資料をお配りしております。これは、NTTグループの農業ソリューション。私も、いろんなところの展示など、幕張メッセなどでやられている農業展示などでもこの取組なども見させていただいたんですが、あらゆるところで情報技術の活用が重要になってくるし、農業分野は、今までこういうところの活用がなかった部分だけ、イノベーションを起こし得る起爆剤として、今後のICT、IoTの使い方というのは非常に重要になってくるかなというふうに思っております。
例えば、各種センシングシステムなども書かれておりますが、これ以外では自動トラクターなどですね。私も運転させていただいたんですけど、農業の場合は圃場をこうやって移動するわけですけど、数センチでもずれるともう駄目になっていくわけなんですよね。そういう数センチのずれもないようなICTの中での自動運転であったりとか、まさに今後の最先端技術を使うべきは農業であるかなと。
例えば、ドローンを飛ばして、ドローンから各圃場の窒素含量なども全部把握をして、そのデータが飛ばされて、上で、IoT、ネットの関係を通じて、最後はそのデータに基づいて肥料の適切な散布なども全部できる、こういう自動化なども今後研究される農業の分野というのは非常に広範な可能性があるところかなというふうに思っております。
こういうNTTの取組も含めて、これまで労働集約産業であった農業の生産性向上や働き方改革、さらには、ある意味では、今まで農業はとにかく、今までのベテランの人の勘だったり、そういうものが受け継がれないまま来ていたものですけど、そういうものをデータ化して、これから農業を志していく若い人にも見えるようにする。これが担い手育成にも非常に重要であります。
こういう技術、技能のデータ化による伝承など、高齢化の波にさらされている農業の発展に大いに貢献するものであり、リアルデータをつなげるというコネクテッドインダストリーズの理念にも通じるかなというふうに思っております。
コネクテッドインダストリーズの理念、重点五分野以外、とりわけ農業にも影響を与え得るものとも考えておりますが、改めて経済産業省の見解をいただきたいと思います。

○政府参考人(前田泰宏君)
 お答え申し上げます。
コネクテッドインダストリーズは、スピード感を持って、具体論に着手しながら成功事例を生み出すということで重点五分野を設定しておりますが、御指摘のとおり、それに限定するものではございません。したがいまして、農業もその対象となり得ると。
これまで、特にデータ活用を促進する観点から三点申し上げます。
一つは、五月二十三日に成立した生産性向上特別措置法に基づく産業データ活用事業の認定制度及びIoT投資に対する減税措置、二つ目は、データの利用権限に関する契約ガイドラインの抜本的な改正、三点目は、先進的なAI技術を有するベンチャー企業とリアルデータを豊富に有する大企業とのマッチング及び共同開発の支援、これらは全て農業にも裨益するものだというふうに考えております。
具体例を申し上げれば、経済産業省におきまして、IoTビジネスの創出を推進する地域の取組を認定する地方版IoT推進ラボという取組がございますが、例えばですけれども、北海道の士幌町におきましては、高校を中心に農業IoTデバイスを活用したデータを使って栽培技術とか栽培方法というものを開発して、それを技能伝承とか地域全体の生産性向上につなげていくという例がございます。
また、農水省におかれましても、農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会というのを設置されておられますが、我々もそこに参画をして、連携をしながら契約に関するガイドラインの明確なものを作っていこうと、こういう取組もございます。
いずれにいたしましても、農業分野における更なるデータ利活用事例が創出されることを期待をしておりまして、積極的に推進していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
是非、イノベーションを起こし得る分野は様々あると思います。しっかりと取組をしていただきたいというふうに思います。
続きまして、国際仲裁についてちょっとお伺いをしたいかなというふうに思います。
大臣、先日ロシアへも行かれましたが、ロシアも割と仲裁というのが非常に充実をしております。仲裁は、当然和解とは違って、裁判官が担う和解とは違って、仲裁は、仲裁人は誰かというところも含めて契約で決めて、その判断を尊重するというところはまた違いがあるわけでありますが、今後、国際的なビジネス紛争の解決手段としては、今、グローバルにも仲裁というのが注目されておりますし、日本としても注目をしていかなければいけないかなと。裁判に比べて、当然非公開であります。
また、ニューヨーク条約というのがありますが、裁判の場合は、海外の財産の執行力というのもなかなか限定されているところもあるんですけど、仲裁の場合は、そのニューヨーク条約の下で、百五十、六十か国それに加盟しております。その加盟国の中での仲裁であれば、海外に対しての財産の執行力というものも確保し得るという、いろんな面でも実は利点があり、今後はしっかりと、特に中小企業ですね。
今、中小企業にとってみたら、この仲裁をしっかりと活用するためには、日本で国際仲裁というのができ得る環境整備、人的、物的インフラも含めて非常に重要であるかなというふうに思っております。また、日本の中小企業だけに限らず、将来的に、例えばA国とB国、その紛争を日本の仲裁機関で解決しようというその機運が盛り上がれば、そういう法的な基盤があるということになれば、その信頼感の下で外国からの投資なども促進し得るというような様々な効果もあるかなというふうに思っております。
ただ、残念なことに、まだ企業の中で仲裁というものの有用性がなかなか周知はされておりません。ここ辺りの周知徹底をまずしっかりしていかなければいけないかなと思います。そしてまた、仲裁に関する人材育成というところでも、日本の中でこの国際仲裁センターというものを設置することで、人材育成の場も含めて、非常に仲裁に対する機運を盛り上げていくというところは重要であるかなというふうに思います。
世耕大臣に、国際仲裁の重要性並びに国際仲裁センターの国内設置ということも含めて御所見をいただきたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今御指摘のように、国際仲裁は、一審で終了するという迅速性、あるいは紛争処理の中身が公開されないという非公開性といったメリットがあるわけであります。こういったメリットをより多くの日本企業に周知をするために、ジェトロや日本商事仲裁協会など関係機関と連携をして、意識啓発、広報を積極的に進めていくことがまず重要だというふうに思っています。
また、国際仲裁センターの国内設置については、今年五月から大阪で、一般社団法人日本国際紛争解決センターというのによりまして、人材育成などの拠点づくりに向けたパイロットプロジェクトが実施をされているところであります。
内閣官房の取りまとめでは、その実施状況及びその検証結果を踏まえて今後の在り方について検討していくこととされておりまして、経産省としても、関係省庁と連携して積極的に検討に参加してまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
 仲裁というもののまず周知を是非引き続き。
いろんな企業の方から聞いても、まず、仲裁というものが何なのかということも分かっていない、メリットもやはり分かっていない方もおります。ただ、先ほど申し上げたようなメリットもありますし、あとは、企業内でも紛争の解決というものに対してのやはり意識がなかなか薄いなというところもあるかなというふうに思います。そういったものも含めた企業戦略をしっかり取れるようなことがグローバルで日本企業が勝っていく上でも非常に重要だと思いますので、その点、引き続き是非よろしくお願い申し上げます。
最後、中小企業、また小規模事業者への支援につきましてでありますが、よろず支援拠点、こちらは、平成二十六年から全国各地でワンストップの相談窓口として設置もされているところであります。
通常の中小企業支援というのは、やはり事業計画書の作成や補助金申請など実務的な支援が多いかというふうに思っておりますが、今後の中小企業にとって必要なのは、やはり企業や事業者の元々持っている強みや長所を自ら気付かせて伸ばすコーチング、これに徹して、またさらに、販路拡大や新商品開発など、あらゆる選択肢を提示して最良の方法を一緒になって考えていく、結果が出るまで、売上げが上向くまで何度でも寄り添っていく伴走型の支援であるかなというふうに思っております。
私も、いろいろお話も聞いた、これ、平成二十年八月に開設された富士市の産業支援センター、エフビズというところでありますが、こちらはこの伴走支援で大いに成果を出しておりまして、今、全国各地でも、開設予定も含めて、北海道から九州まで二十自治体まで広がっているというふうに思っております。
こういった伴走型を更によろず支援拠点でやっていただくこの期待感というのは大きいと思うんですが、経済産業省が進めているこのよろず支援拠点のこれまでの成果の総括をまずいただいて、経産省からいただいた後に、今後の課題について、最後、大臣からいただければというふうに思います。

○政府参考人(高島竜祐君)
 お答え申し上げます。
まず、よろず支援拠点のこれまでの成果についてでございます。
販路拡大や商品開発など、専門性の高い高度な提案を行う支援機関の役割を担うべく、委員がおっしゃられましたとおり、平成二十六年の六月に、中小企業・小規模事業者の様々な経営課題に対応するワンストップの相談窓口として、全国四十七都道府県によろず支援拠点を整備したところでございます。
これまでのよろず支援拠点の相談対応件数でございますけれども、平成二十七年度約十三万件、平成二十八年度約十九万件、平成二十九年度約二十万件となっておりまして、年々増加傾向にございまして、多くの方の御相談に利用していただいているものと思っております。
また、平成二十九年度の相談者満足度調査というものを行いました。それの結果によりますと、相談者の約六割の方が満足である、約三割の方がやや満足であるというような御回答をいただいておりまして、これまでは比較的高い評価をいただいているものと認識しております。

○国務大臣(世耕弘成君)
 御指摘のとおり、よろず支援拠点というのはまさに伴走型の支援をやるために設置した支援機関でありまして、販路開拓、商品開発など幅広い専門家を配置することで、伴走型で専門性の高い高度な提案を行っていくことが求められているわけであります。
こういった機能を充実させるために、例えばタブレット端末などを利用して、その町にはいないんだけど遠隔で専門家がしっかり相談に乗るなど、よろず支援拠点の相談体制の更なる整備を進めるとともに、地域の支援機関との連携強化も図って、よりきめ細かな相談体制を構築していきたいと考えております。

○矢倉克夫君
 伴走型支援の拠点としてのよろず支援拠点に御期待申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございます。