2015-09-06
公明新聞:2015年9月6日(日)付
個人番号カード(案)
社会保障と税の共通番号
全住民に12桁の番号付与、書類申請など手続き簡素に
マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで、日本に住民票がある全ての人に割り当てられる12桁の個人番号です。住所変更や結婚しても変わらず、生涯にわたって使うものです。
マイナンバー制度の導入によって、国や自治体など各機関が管理する個人情報が一つの番号で結び付けられ、情報の照合や呼び出しが容易になります。これまで本人であるかどうかの確認は、氏名、住所、生年月日、性別によって識別していましたが、マイナンバーを使えば番号一つで本人確認ができるようになります。
そのため、年金や福祉などの申請時に用意していた住民票といった証明書が減るなど、行政手続きが簡素化されます。
また、所得や社会保障の受給状況が正確に把握できるようになるため、脱税や生活保護の不正受給を防いだり、本当に助けが必要な人に支援ができたりと、公平な負担や給付を実現させることができます。
なお、法人には1法人に一つの法人番号(13桁)が指定されます。
年金や医療など社会保障、納税、災害対策と幅広く
マイナンバー制度では、「個人番号カード」が活用されます。このカードは表面に氏名、住所、生年月日、性別、顔写真、裏面にマイナンバーなどが記載。ICチップも搭載されています。公的な身分証としても使えます。
まず、今年10月以降、個人番号などを記載した通知カードが、住民票に記載された世帯ごとに簡易書留で届けられます。
申請は、この簡易書留に同封されている書類に顔写真を貼り、返信用封筒で郵送する方法があります。スマートフォンで顔写真を撮影するなどして、申請用ウェブサイトからオンラインで申し込むことも可能です。
申請後、「交付通知書」が届きます。来年1月以降、本人が市区町村の窓口に出向き、個人番号カードを無料で受け取ることができます。通知カード、交付通知書、運転免許証など本人確認書類が必要です。
10月以降にナンバー通知、個人番号カードの申請を
マイナンバーは来年1月以降、社会保障や税、災害対策の行政手続きの際に必要となります。
社会保障関係では、年金の資格取得や確認・給付、雇用保険の資格取得や確認・給付、ハローワークの事務、医療保険の給付の請求のほか、児童手当や生活保護といった福祉分野の給付などに使われます。
税務関係では、税務署に提出する確定申告書、届出書、法定調書などに記載します。
災害対策では、防災・災害対策に関する事務、被災者生活再建支援金の給付、被災者台帳の作成事務などで使い、避難先で必要な支援を受ける際にも活用されます。
企業では、税や社会保障の手続きを行うため、従業員のマイナンバーが必要です。保険会社などの金融機関でも、税の手続きにおいてマイナンバーの提出が求められる場合があります。
戸籍や旅券の取得、自動車登録などへの利用も議論されています。国は、国民生活の利便性向上のため、マイナンバーの活用範囲を広げていく方針です。
制度とシステムの両面で個人情報をしっかり保護
「個人情報が漏れるのでは?」と、不安に感じている人もいると思います。
この点について、個人番号カードのICチップには、所得情報や健康情報などプライバシー性の高い情報は記録されていません。また、サイバー攻撃などから個人情報を保護するため、児童手当や生活保護などの情報は市区町村、税の情報は税務署などと、個人情報を分散して管理します。これにより、芋づる式に情報が漏れる恐れを防ぐ仕組みとなっています。
役所間で情報をやりとりする場合は、マイナンバーを直接使わず、暗号化して行います。
他人が悪用する「なりすまし防止」のため、マイナンバーを収集する時は、本人確認が義務付けられており、顔写真やパスワードも設定されています。2017年からは、個人情報について不正な照会、提供が行われていないかを自分で確認することができるシステム(マイナポータル)も稼働する予定です。
公明党は、マイナンバーや個人情報の取り扱いを監視・監督する第三者機関の設置を推進するなど、個人情報保護に配慮するよう訴えてきました。