2013-09-30
矢倉かつおです。真夏の激戦から2カ月以上が経過しました。
気付けばもう、すっかり秋。空が高いですね。とんぼも飛んでおります。
明日10月1日、安倍首相が消費税増税の判断について会見をされる予定です。
そんな大詰めの局面のなか、先週から突如議論の俎上に乗ったのが、復興特別法人税の廃止です。これは、震災復興財源確保のため、企業に平成26年までという約束で課された特別な法人税を、1年間前倒しで廃止する、というものです。
先週末、関係省庁からこの点につき補足説明をいただきましたが、率直な感想として、この説明で納得できる人は少ないだろうなというものでした。
説明の柱は、法人税減税をしなければ、企業の海外移転が進み、これぐらいGDPベースで経済成長は落ちますよ、といったストーリーでした。しかし、数値ばかりが踊っている感じでした。
その根拠も企業などを対象としたアンケート結果などが主体であまり説得力を感じませんでした。
私個人の意見を言えば、法人税減税の方向性自体は検討に値すると思います。
長い目で見れば企業活力を呼び起こし、経済のパイ(経済規模)を大きくするものだと思います。
ですが、やはり説明責任は果たす必要があります。
どんなにもっともらしい数字を並べても、「一般庶民だけ増税されて企業は減税というのはおかしい」「被災地の犠牲のもと企業だけ得するの?」と言った普通の、ごく当たり前の思いに対しては全く無力です。
問いや質問に対し真摯に答える対話の姿勢をもっともたないといけないのでは、と率直に伝えました。
更に、法人税減税により大企業を中心とした黒字企業が恩恵をうけたあとのストーリーが大事であること、具体的には、雇用の7割を支える中小企業の業績にも好影響が及ぼすメカニズムが確保されるとともに、働く人の賃料のアップに結びつく具体的な政策を提言すること、それがない限り、せっかくの減税も企業の内部留保を増やすだけで絵に描いた餅であること、さらには、廃止としても復興財源の代替は絶対に確保をする必要があることなどを意見しました。
議論は大詰め、まもなく一定の結論はでますが、最後まできちんとした説明を求めたいと思います。