2014-03-28
矢倉かつおです。前回に引き続き、通常国会前半を終え、主に予算についてご報告いたします。
2014年度予算は、総額約96兆円です。このうち国債の占める割合は、総額約41兆円(43%)であり、近年では久しぶりに、税収が、国債発行額を上回りました。国債という借金を払うのは、生まれてくる将来世代であり、未来につけを回して現在のお金のやり繰りをしている状況は可能な限り改善していかなければいけません。
予算の特色として、ものづくり企業支援等、中小企業対策が充実していることなどがまずあげられます。これらは公明党の主張の反映です。
野党の一部は、公共事業費が前年度に比べ13%増加していることを激しく批判します。しかし、この増加分の大半は、特別会計からの組み入れ、つまり、別の財布で賄っていた費用をこちら(一般会計)で賄うようにした結果であり、支出は実質的に増えていません。
更に言えば、「公共事業イコール悪であるというような、単純なレッテル張りからは本当に脱却しなくちゃいかぬ」(予算委員会での太田国土交通大臣答弁)と思っています。竜巻や台風、豪雪など近年の異常気象を考えると、尚更、その感を強くします。今回、公共事業費に占める防災・減災、老朽化対策の割合は、約47%から約53%に増加しました(そのほかは、物流ネットワークの整備など)。もちろん、この公共事業支出を景気回復につなげていくには、地方の零細な企業にもお金がまわるよう公共事業入札のあり方を考えるとともに、工期のあり方(現場を疲弊させる年度末駆け込みをなくす)なども考える必要があると思います。
予算のもう一つの特色は、社会保障と税の一体改革のもと、社会保障の「充実」と「安定」が図られていることです。このなかには、地域包括ケアシステムなども含まれます。社会保障費は今回、はじめて30兆円を超えました。今後も増加の見込みです。特に消費税の増税分5兆円の使い道については、次号メルマガで詳細を書かせていただきますが、「基礎年金国庫負担割合2分の1への引上げ(2.95兆円)」「社会保障の充実(0.5兆円)」「消費税率引上げに伴う社会保障費の増額(0.2兆円)」「後代への負担つけ回しの軽減(1.3兆円)」の4本柱となっており、全て、社会保障の充実・安定に使われます。一部の野党より、消費税増税のうち、社会保障に使われるのは2200億円だけだ、という批判がありますが、これは増税分のうち社会保障の「充実」に充てられる一部だけを切り取り、さも、それが全てであるかのようなことを宣伝するための批判です。
一つ残念だったことは、参議院の予算委員会の集中審議(テーマを決めて審議するうことです。5回行いました)において、「社会保障」をテーマにするよう与党がいくら求めても、野党が応じなかったことです。「社会保障」では、NHKの籾井会長や小松内閣法制局長への追求が出来ないため避けたのでは、との声もあります。
テレビが入っていることを意識して、ひたすら責め立てることだけに時間を費やすことはいかがなものかと思いました。