2014-11-09
矢倉かつおです。
実りの秋ですが、国会審議は、実り多きとはなかなか言えない状況です。
臨時国会も折り返し地点を過ぎましたが、成立した法律は、予定されていた30から40本程度のうち、まだ5本です。
閣僚をめぐる報道事実が主な理由であり、与党として真摯に反省すべきところですが、野党の対応もあまり褒められません。
一昨日など、野党が、特段の合理的理由もなく、地方創生法案を審議する参議院特別委員会の設置を拒否しました。そのため、本会議の開会が2時間以上遅れ、総理がその間、待ちぼうけとなりました。
「これに何の意味があるのだろう。」と首を傾げることも多いです。
政治課題山積みの今、重要なのは政治への信頼回復であり、そのための建設的な議論であることを、与野党問わず肝に銘じるべきだと思います。
そんな国内ですが、世界は動いています。
懸案の日中関係ですが、北京で開かれるAPECにおいて、安倍総理と習近平国家主席が会談する可能性がでてきました。この千載一遇のチャンスを逃したら、あとはないと思います。
私も本年3月の予算委員会において、「北京でのAPECなど様々機会はある、是非、首脳会談実現を!」と安倍総理に直接訴えました。
是非、実現をし、実り多きものにしていただきたいと思います。
異なる背景にある者同士が心を通わすには、多くの困難が伴います。
私も、2006年からの中国滞在時、仲の良い友人との間ですら、しばしば激しい議論を交わしました。
過去を強い口調で責められ、さすがに私も、感情的になったことがあります。
しかし、誠実に対話を重ね、最終的には、「一方が他方を責めるためだけの議論はやめよう。過去の悲惨な経験から得た結果が、お互いを罵ることだけであっては、なにより戦争という国家のエゴで亡くなった方々に申し訳ない。」と、お互い理解し、建設的な議論をすることとなりました。
少しの忍耐と誠実さが心を通わすと感じます。
国と国との関係も、結局、人と人との関係に帰着すると思います。特に、国のリーダーたる者同士の信頼関係は、外交そのものであり、その重要さは想像以上です。政治の世界に入り、実感しました。
安倍総理には、可能であれば、誰も入れず、通訳も入れず、英語などを駆使して話すなど、是非、個人的な関係をつくっていただきたいと思います。
現状、中国の首脳とそのような会談をすることが難しいのは十分理解しております。
しかし、総理は3月、私の質問に対し、「習近平主席、また朴槿恵大統領と自分は大体同じ世代でも、このような三人のトップリーダーの間で密接な関係を何とか築いていきたい。」と決意されていました。
その大きな一歩となるよう、首脳会談が実現し、成功するよう切に願います。