2018-04-11
先日(5日)の経済産業委員会での質問のやりとりの要旨です。
事務所の秘書さんがまとめてくださったので、こちらに載せます。
私にはもったいないくらいの秘書さんです。
動画も載せます。
1.福島風評被害対策
【質問】農林水産省がこのほど発表した「福島県産農産物等流通実態調査」の内容について伺いたい。
〔答弁〕農産物の価格水準までは回復していないが、福島県産という理由での消費者からのクレームは現在ほとんどない。一方、福島県産の米や牛肉は品質面で値頃感が強くなっており、取引価格の上昇が見込みにくいという課題がある。
【質問】福島応援のため福島県産を積極的に購入するという消費者の声もあり、他方では、仲卸や小売業者は、具体的なクレームがあるわけではないが、福島産を扱いにくいという報告もある。経産省としてこのミスマッチをどう解消するか。
〔答弁〕これまでも流通業10団体に対し福島県産品の販売促進の要請を実施してきたが、これに加え、小売・流通業の方々に消費者の中に福島県産品を応援したいという声があることを農水省や福島県と連携し、しっかり説明や要請を行っていく。
【質問】福島県産品の安全性と正確な情報をオールジャパンで内外へ発信すべきと考えるが経済産業大臣への意気込みを伺う
〔答弁〕海外の閣僚と会う機会が多いので、そうした機会に福島県産を含む日本産食品の輸入規制の緩和・解除を申入れている。福島の現状を正確に理解をして貰うことが大事であり、そのためのDVDも作成し、海外の要人にも渡している。
2.商工中金問題
【質問】商工中金が目指すべきビジネスモデルは何か。それは中小企業が現下直面する課題にどう役に立つのか、大臣の見解を。
〔答弁〕地域の金融機関が担い切れていない銀行本来の機能である担保や個人保証に頼らない事業性評価による融資、事業承継等を含めた課題解決提案型のビジネス、さらにきめ細かい経営支援について強化するなど、中小企業の生産性向上、成長に寄与してほしい。
【質問】商工中金はこれまで危機対応業務が中心であったが、今後、商工中金として求められる業務に対応するため、どのような体制を組むのか、中小企業庁としての考えを伺う。
〔答弁〕これまで事業再生分野で商工中金は先駆者として新しい手法も開発したノウハウもあり、事業性評価にも取り組んできた実績もある。それを実現するために外部人材の最大限の活用が必要と考える。大変厳しい道であるが、今後4年間、ビジネスモデルの確立に全面注力させる。
【質問】新しく生まれ変わる商工中金が今後果たすべき役割、期待について伺う。
〔答弁〕商工中金が地域金融機関と信頼関係を築き、連携、協業し、中小企業に対する支援に重点的に取り組むことにより、生産性向上と地方創生に貢献していくことを期待している。
3.健康寿命延伸産業創出推進事業について
【質問】経産省が進めている「健康寿命延伸産業創出推進事業」を実施している神戸市と八王子市の二事案の概要と、課題について伺う。
〔答弁〕平成29年度から、わが国初のヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)を活用した二つの案件、神戸市では糖尿病性腎症者に対して生活習慣等を通じて人工透析への移行等重症化予防を目指す事業、八王子市では大腸がんの早期発見数増加を目指す事業がスタートしている。
課題は、SIBという仕組みに対する理解が十分ではないということ、またその成果指標の設定について、どのように関係者間の合意を形成していくかである。
【質問】経産省が作成したノウハウ集に基づく啓発を含め、地方自治体への働きかけをより強化すべきではないか。
〔答弁〕今後、各種セミナー等でノウハウ集を使って、普及啓発に努めたい。また例えば介護予防や認知症予防等の分野でのニーズも高まっており、新たな分野でも案件形成支援にも取り組んで行きたい。
【質問】SIBにかかわらず、広く社会的課題に向けた投資の在り方を、地域の金融機関も考えなくてはならないと思うが、金融庁の見解は。
〔答弁〕地域金融機関が、適切なリスク管理の下、健全な経営で社会的課題解決に取り組むNPO等に対し、資金需要への対応を含めその育成、成長を後押しする取組みを行うことは、地域の活性化、地方創生に資すると考えている。
4.エネルギー
【質問】SDGsアワードをとった北海道下川町の地域エネルギー自給と低炭素化の取り組みに対する資源エネルギー庁の評価を伺う。
〔答弁〕下川町の取り組みは、持続可能な森林経営を中心として、木材製品の生産と供給、未利用森林資源の再エネ活用、再エネ熱供給システムを核としたコンパクトタウン等を総合的に推進するものであり、これが評価されたのは喜ばしい。このような事例を通じて、地域活性化につながるエネルギーの地産地消が進むことを期待している。
【質問】地域の雇用を生み、地域の富の流出を防ぎ、地方創生にも資する、地域によるエネルギー自立の視点も重要。一部独占のエネルギー社会を、多様なプレーヤーの取り込みによる地域分散型に移すべきであり、その鍵となる、再生可能エネルギーが有する可能性について、大臣の所見は。
〔答弁〕エネルギーの地産地消は地域の資源を活用し、大手電力会社にお金が流れていくのではなく、地域の中で循環させ、その過程で雇用も生む点で非常に重要。地域の活性化につながるかたちで再生可能エネルギーの導入を図り、分散型エネルギーシステムの構築を推進したい。
【質問】資源エネルギー庁は、地域のエネルギーによる利益を地域に落とす循環型のシステムを作るためには何が必要と考えているか。
〔答弁〕再エネの導入拡大の課題は高コストであり、固定価格買取り制度における入札制度の導入や中長期価格目標の設定、あるいは太陽光発電のコスト低減の研究開発などによるコスト効率的な導入を図っている。
【質問】エネルギー情勢懇談会で、再生可能エネルギーが代替策ではなく「自立した主力電源」であるとされた意味は何か。どのように政策に反映するのか、経産大臣の見解を伺う。
〔答弁〕再エネについて、日本は遅れているが、世界的には価格低下が進んでおり、グローバルなエネルギー企業でも主力電源として捉えている。日本としても、特に蓄電、水素あるいはデジタルシステムなどと統合することによって自立した主力電源として活用できる可能性が拡大しているのではないか。