2018-03-19
○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
十四日に引き続きまして、本日のテーマに関連し、主に財務省の文書書換え問題について御質問をいたします。
信なくば立たず、政治、行政への信頼が失われていることは、国家の基が失われるかどうかという重大な瀬戸際に立っているということでございます。与野党の区別なく、真相究明そして信頼回復に努めたいと思っております。
財務省に聞く前に、まず総理に確認したいというふうに思います。御自身の関与の有無は別といたしまして、この問題が国政に支障を与えております。今回のこの予算委員会も、本来であれば、復興であったり、外交であったり、財政である、そういうことを議論をすべきことは多いわけでありますが、それができていないしわ寄せは国民に来ているわけであります。
行政のトップとして総理はこの事態、どのように受け止めていられるのか、まずはお伺いをしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
まず、これまでも申し上げてきたとおり、私や妻が、この国有地払下げや学校の認可に、もちろん事務所も含めて一切関わっていないということは再度明確にさせていただきたいと思います。ただ、私の妻が一時期名誉校長を務めていたこともあり、国民の皆様から疑念を、目を向けられたとしてももっともだと思います。
その上で、本件については、私自身、さきの衆議院選挙における各種の討論会やこれまでの国会においても質問に対して丁寧に説明をしてきたところでありまして、今後ともしっかりと説明をしていかなければならないと考えております。
財務省において決裁文書の書換えが行われたことは、行政全体に対する信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感するところでございますし、行政全般に対する最終的な責任は内閣総理大臣たる私にあるわけでありまして、改めて国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。国民の皆様から厳しい目が向けられていることを真摯に受け止めながら、捜査に全面的に協力するとともに、なぜこのようなことが起こったのか、全容を明らかにするためしっかりと調査を進めていく、麻生大臣にはその責任を果たしてもらいたいと思います。
その上で、全てが明らかとなった段階において、二度とこのようなことが起きることのないように、信頼の回復に向けた組織の立て直しに全力を挙げて取り組んでいきたいと、このように考えております。今後とも、国会審議などの場でしっかりと説明責任を果たしてまいりたいと思います。
○矢倉克夫君
このようなことが起きる行政の体質をどのように変えていかれるのか、総理の御覚悟が求められております。後ほどまた改めて総理にはお伺いをしたいというふうに思います。
さて、財務省、今回の件は、書換えといういまだかつてない、言語道断と言ってもいい事態であります。これは国民の財産である情報を私物化しているのではないかと、このような疑念が持たれてもしようがない。問われているのは、単なる情報管理という話ではなく、行政がどこに向いて仕事をしているのかというこの姿勢の問題であります。改めて猛省を促したい。
まず、この点をお伺いしたいと思いますとともに、特に、この一連の流れで、私も議院運営委員会の理事として様々なやり取りもさせていただきました。五日の時点では国交省から書換えの疑いがあると通知があったということであります。それが、官邸の方には話も行ったが、最終的には我々与党も含めて情報が入ってこなかった。これは国民軽視と言っても、国会軽視と言ってもいいのではないか。これについてはどういう事情があったのか、改めて説明を求めたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
今月の二日の日に朝日新聞の報道があり、それを受けて国会でも、本国会でも御議論がいただきました。その中で、国政調査権を背景として国会からの強い御要請といいますか御指示があり、それを受けて、私ども、それまでは捜査に全面的に協力する、捜査最優先という立場でございましたが、その国会からの御指摘を踏まえ、その捜査の分は一部乗り越えて調査をしないといけないということで調査に取りかかったということでございます。職員から事情を聴取し、あるいは文書を探索し云々ということをやっていきました。
委員御指摘のように、五日の日に国土交通省から情報をいただきました。貴重な情報でございましたが、一つの情報でもありました。それも含めて、我々としては、調べられる限りのことを調べて、ただ、我々の力だけではどうにも力が及ばないところがあるということを認識したものですから、捜査当局に協力をお願いいたしました。
ただ、我々は、捜査を受けている立場でございますので、我々ができるだけのことをやって、ある程度の特定ができない限り捜査機関には協力はいただけないということだというのは認識をしておりましたので、そういう意味で、その協力がお願いできるような段階になったのが九日金曜日の昼ぐらいということで、そこから正式にといいますかお願いをして、大阪地検にお邪魔をしてコピーを取らせていただいて、そのコピーを取って帰ってきたのが日付変更線を越えて十日の日、それを、いただいたものをその日の夜中から作業をし始めてということをやって、十一日に大臣に報告ができ、十二日に国会に報告ができたということでございます。
午前中の委員会でも御指摘いただいたように、五日の日に国土交通省から情報をいただき、それを、最終責任は私だと思っておりますが、それがこういう形になったということについて厳しい御批判を頂戴しております。その御批判は、私の責任として、そこは申し訳ありません、真摯に受け止めさせていただいておりますし、真摯に受け止めなければならないというふうに存じております。
○矢倉克夫君
二言目には捜査とおっしゃるわけでありますが、捜査機関の協力、確かに捜査機関にある原本をコピーする等の協力はあるかもしれませんが、その職員の中の聞き取り、それについてなぜ捜査機関の協力を得なければいけないのか。それをやるべきどうかという判断が捜査機関にあるのか。それを伝えるべき判断権限が捜査機関にあるのか。
先ほどの国交省の話にしても、国交省から情報が来た、この情報を国会の方にも開示をしない、それがこの一週間の混乱にもつながったわけであります。捜査、捜査という姿勢だけで全て隠れみのにするようなことは是非やめていただきたい、改めて申し上げたいというふうに思います。
その上で、次の質問に更に真摯に答えていただきたいというふうに思います。
今回のこの書換えにつきまして、財務省の方としては、理財局の一部、これが答弁との誤解を生じないようにというようなお話でありました。これについては、改めてでありますが、まず、なぜそのようなことが起きたかを測る上では、今回の関連する事実について一旦確認をしなければいけない。具体的には、なぜ森友学園だったのかということを改めて幾らか確認をしたいというふうに思っております。
基本的なところからでありますが、国有地の払下げというのは、これは原則一般競争入札であります。ただ、公共、公用、公共利用であればそちらが優先となる。今回は学校法人への払下げというこの例に該当するというような話でありますが、そもそも森友学園は、土地の取得要望書提出時点においては小学校の設置許可もまだ受けておらず、資金計画の妥当性も説明はできていない、認可資料の受理すら許されていなかった団体であります。この団体に対して、なぜ公共、公用利用優先という適用があったのか。申請なしとして通常の原則にのっとって一般競争入札というやり方もあったかと思うんですが、基本的なところで、まず、それについてはどういう判断があったのかを理財局からいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
今ほどの御質問、要するに、国有地で、元々は利用価値があって国有地として所有していたものですが、それが国有地として利用する必要がなくなったものをどういうふうに取り扱うかということがまず出発点でございます。
その上で、まず一番最初には、要するに、そういう状態を宙ぶらりんにしておいているのが一番ある意味で国民の皆様に裨益をしないので、まずは公用、公共用に活用できないかというのをやるというのが、長い間国会でも御議論いただいていたと思いますが、国有地の有効活用という言葉の下に御議論いただいたのがそういう考え方でございます。
それで、公用、公共用、公共用という場合には基本は社会福祉法人と学校法人ということになりますが、そこで活用できないということであれば、これはもう経済的にその土地の価値を金銭として、まあある意味入れ替えさせていただくということで一般競争入札で売却をするということになるわけですが、基本的に、まず公用、公共用優先というのがずっと続いてきた基本的な考え方でございますので、その下で処理をしておる。で、学校法人として手を挙げてこられたので、学校法人としてはもう認可されないということになれば、それは当然そうじゃなくなるわけですが、手を挙げてこられておられて、大阪府の方も認可する可能性があるというか、認可しないという決断にもなっていない状況の下ではその次の段階には踏み込めていないということだったというふうに認識をしております。
○矢倉克夫君
とはいえ、森友の土地取得申請から大阪府による設置計画書の受理、これは認可ではなく、ただの受理です、受理まで一年間もこれ掛かっているわけであります。そのためにも、わざわざ近畿財務局は審査を延長してまでお付き合いをしているわけでありますが。
財務省の処分方針通達によれば、受付期間終了後、原則二か月以内に相手方を決めるとされております。それにもかかわらず、最終的に将来的な売払いを前提にした事業用定期借地権契約という、これ締結まで申請から一年五か月も掛かっている。これだけ長い間どう転ぶか分からないこの森友に関わっていたというのは気の長い話であるというふうに思いますが、これは通常なのでしょうか。その点の御判断をお願いします。
○政府参考人(太田充君)
私の承知している限り、二か月という目安はありますが、なかなか二か月でそう簡単に進んでいないというのが、済みません、今通告を明確にはいただいていなかったので調べ切れていないんですが、私の記憶する限り、そんなに簡単には物は進んでいないというのが多いという印象で、私は仕事上はそういう印象で仕事をさせていただいているということでございます。基本的にはやっぱり社会福祉法人なり学校法人なりについては相当程度優先順位があり、そこが使っていただけるならという考え方でやってきたのが国有財産の有効活用といった言葉の下でやられてきたことだというふうに思ってございます。
○矢倉克夫君
目安が二か月とある以上、その割には長くなっているという事実がやはりあるかというふうに思います。
その上で、今回は定期借地権の契約という形になっております。先ほどの質問の中では、こういう賃借という形の特例は五年で八件あるという形でありますが、定期借地権という形は一件のみという理解でおります。これは、借地借家法でやはり賃借権が必要以上に保護、この場合で保護されてしまうのを回避するためというような財務省の説明もあらかじめ受けておりました。もうこれは確かに理解はするところであります。
加えて、先ほども話にもありました、今回新たに欠落していたというこの文書、こちら、今、公租公課の取扱いについてでありますが、これが欠落した経緯というのは、貸付料から公租公課料の関係の控除をすることの関係であります。一部、財務省に確認をすると、こういうものが森友側に見えてしまうことであらぬ紛争になってしまうと、そういうような関係もあって欠落させたのではないかというような話もある。
要するに、いろいろ交渉していく中であっても、これ近畿財務局としても、森友側との交渉というのは一筋縄ではいかない大変なものだという理解はあった。であれば、なぜならば、そのような相手に対してこれだけ長く付き合わざるを得なかったのか。他方で、政治家のいろんな働きかけがあるということはいろいろ事実としてあったわけであります。こういう客観事実を応じた上で、本当に政治へのそんたくというのがなかったとこれは断言できるのか、これはまた改めて理財局の方にお伺いしたい。ほかに理由があるとすれば何なのか、それについての御意見をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
今委員がそんたくという言葉をお使いになられました。そんたくというのは、基本的にはその本人の心の中ということでございますので、そのときの担当者なりの心の中まで私が見通してお話しすることはいたしかねる、私にはそういう能力はないというふうに思ってございますが。
ただ、私なりにこのポストに就いてこの話をずっと勉強もし、見てきた中で申し上げると、基本的に、森友学園という、あるいは籠池理事長という、そういう方がいらっしゃって、それに対してというよりも、やっぱり、最初に申し上げましたように、基本的に、私どもというか国有財産を担当しておる者は、まず国有財産を処分をするというのが仕事である、処分するときにはまず公用、公共用が優先であると、その中でそれでどうしてもできないときには、要するに金銭の解決、要すれば一般競争入札だという頭ででき上がっておりますので、そういう意味で、学校法人として出てきてこられたものについては、それができないということに、学校法人になれないということであれば、もちろんそういうことになるんですが、そうではなければ、それについて努力はしないといけないという気持ちでやっておったと思います。
遅れたという批判のある法律相談文書のときの担当しておった第一統括国有財産官のところが法曹部門になかなか大変なんでというようなことを言っている部分が出てきますが、まさにそういう苦しい中ではあるものの、原理原則にのっとってやろうとしたということだというふうに私は認識しております。
○矢倉克夫君
局長が今おっしゃったとおり、このそんたくというのは、まさにされる側が分かるわけではない、した側がどういう心の思いかというところがあります。であれば、今回現場でいろいろと苦労をされた方々がどういう思いだったのかを早く聞いて我々に伝えていただきたい、その辺りについては。彼らもやはりやりたくなくていいことをやらされたかもしれない。被害者かもしれない。そういう方々のどういう思いだったのかということを我々も情報をいただかない限り、いつまでたってもこの議論は同じことを繰り返して繰り返して時間だけが浪費をするわけであります。内部調査を早く終わらせて、すぐ出していただきたい。それが我々に開示されない限り、いつまでたっても同じ議論で何も進まない。
それについてはいつまで出せるのか、改めてお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(矢野康治君)
お答えいたします。
内部調査、今急いでやっておるところでございますけれども、きちんと、誰が何のためにやったのか、どこまで関与したのかということを突き止めたいと思っておりますので、し尽くしてからさせていただきたいと思っております。
また、捜査当局との関係にも考慮する必要がございます。それらを考えながらも、できるだけ早く結論を出して御報告したいと思っております。
○矢倉克夫君
後ほど財務大臣にもお伺いをしたいというふうに思います。
それでは、今回のこの書換えというもの、これがなぜ行われたのか、今まで分かっている範囲での事実を基に、ある程度の確認をさせていただきたいというふうに思います。
まず、また理財局長にお伺いをしたいというふうに思うんですが、この書換え、どのような対応でなされたのか。
我が党の横山委員の質問に対して局長は、ある一つの文書に対して、ある日、書換え前の文書が書換えのものに変わったというようなことではなく、答弁に合わせて何回も何回も繰り返し換えられたというような趣旨の説明をされていたかというふうに思います。
複数人でこれは意思の疎通、連絡があったということでありましょうか、書換えということについて。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
先日の横山委員の御質問に対して、私、確かに、何回も何回もというような言葉遣いをいたしました。それはちょっと私の言葉遣いが不適切だったと思っています。何回も何回もと申し上げますと、要するに調書というものを、書換え前のもの、書換え後のものにしているんですが、その調書そのものを何度も何度も差し替えをしていたというふうな印象を与える言葉遣いであったと思って反省をしております。基本的に紙を何度も、一回だけとまで確認はできているわけじゃ、何度も何度もということじゃなくて、直す、こういうふうに書き換えよう書き換えようというのを何度か何度か考えていたと、そういうことを申し上げるつもりで申し上げました。
その上で、委員の御指摘の、複数人でやっていたのかということの御質問でございますが、理財局の一部でと申し上げております。当然、単数ではなくて複数でやっているというふうに私どもは認識してございます。
○矢倉克夫君
答弁があって、それとの関係も考えてこのようなことをした、何回か、何回かに分けてやったと。
今改めて申し上げますけど、複数人であるということは、この複数人で意思の疎通、連絡があってやったということでまずよろしいか、その点とともに、これはやはり、何が目的かは別にしても、組織の中で統一的にやられていたという理解でよいか、それだけ確認させていただきたい。結論だけで結構です。
○政府参考人(太田充君)
複数の中で意思疎通が図られていたということだと考えております。
理財局全体の組織と言われるとそこはあれなんですが、一部の職員の間では意思疎通がなされてそういうことが行われていたということだと考えております。
○矢倉克夫君
これは、この前も横山委員の答えに通してありますが、答弁が先で、それに応じてなされたということでよろしいわけですね。
○政府参考人(太田充君)
基本的には、答弁があってそれを踏まえてということですが、答弁をしたことによって、その先の議論の展開もある程度考えてというところまで含めてという意味で答弁があってというふうに申し上げているつもりでございます。
○矢倉克夫君
今の答弁だと、やはりなかなか分かりにくい。またちょっと改めてお伺いをしたいというふうに思いますが。
それでは、答弁があってということを前提に回答されているわけであります。具体的にどういう答弁だったのかを、いつ頃の答弁かということも含めてお答えいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
一つ一つが、この答弁があってここはこうなって、この答弁があってここはこうあってというふうには、そういうふうに結び付けてまでできてはおりません。基本的には、二月下旬からそういうことをやり始めているということですが、最終四月までかけてということでございますので、基本的に二月から三月にかけての答弁があってということだと思います。
何か一つということで、仮に例えば例を挙げさせていただければ、大変問題だったと思いますけれども、要するに、書類なり、何がないのでお答えできないというようなことを答弁をしておりました、当時。それで、そういうことであれば、基本的には、今回の書換え前にあるような経緯というようなものは、まさにそういうことだということを気にしてそういうことをしていたんだろうというふうに考えられるということを、例えばの例でございますが、申し上げさせていただきたいと思います。
○矢倉克夫君
答弁に合わせて書き換えたということを断定的におっしゃるのであれば、どの答弁で、それに対してこういう書換えがなされたということまでしっかりと、特に書換えがいつなされたかということを特定して比較対照をするぐらいの調査をしないと、これはいつまでたっても何も分からない。分からない分からない状態の質問のやり取りばかりになってしまう。時間もたっているわけであります。そこまでやっていないという答弁ではなく、やっていただきたい。それは是非お願いをしたいというふうに思います。
その上で、ではいつ書換えがこれはなされたのかということを改めてお伺いをしたいというふうに思います。
私も、議運の理事として、また筆頭の国会対策としても十二日にもいろいろ確認もさせていただいたんですが、財務省の方からお話をいただいている話は、この書換えの事実が分かったのは、個人ファイル、聞き取り調査の結果分かった個人ファイルを見ていった上で、その中の文書で書換えの前の文書が残っていたということでありました。
私も一時期役所にいた時期もあるわけでありますが、普通、ファイルはあえて消さなければ作成の日時というものもちゃんと残っております。また、場合によっては変更履歴などのこの過程も全部これは残っている。これを見れば、ファイルがあるということは分かったわけでありますから、少なくともこのファイルについて書換えというものが疑われた時期というのはいつなのかというのは今はもう御答弁いただけると思うんですが、この辺りについてはいかがでございましょうか、局長。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
委員のおっしゃっていることは重々分かっておりますので、要すれば、きちんと調べて、何がいつどうということを御報告申し上げなければいけないというのはそう思っております、それは重々承知をしています。
ただ、現時点で、その十四の文書のうちの十三の文書は基本的に近畿財務局が決裁をしたもので、それについて今回提出をさせていただけたものは、紙のものもあれば、いずれも個人が手控えとして持っていたというものでございますが、紙のものもあれば電子的な個人のパソコンに残っているものもあって、それは、じゃ誰がそのものを持っておったかということは、それは今の捜査なり調査そのものの対象の相手ということもありますので、それも含めてきちんと調査をして報告させていただければ、ないとと思っております。
ただ、一点、何でもかんでも、要するに、おまえが言っているのは隠しているだけじゃないかという顔で皆さんが御覧になっているのは重々承知をしております。それで、十四のうちで一つだけ要するに本省の決裁だと申し上げました。それは特例決裁で電子決裁だともう申し上げました。それは電子決裁でございますので、変更履歴も残っているので、それはいつその変更をしたかというのが私どもでも今明確に答えられる状況で把握ができております。それは特例決裁という、政治家の先生なり総理夫人なりが出てきているといって、今委員会でも一番、一番と言うとあれですけど、取り上げられている資料だということだと思っておりますが、これが変更されておるのは、平成、昨年、二十九年の四月四日に変更をしております。
○矢倉克夫君
今ほど局長が答弁されたこの十四のうちの一つは本省決裁、電子決裁、これは、我が党の里見議員が財政金融委員会で質問されたことに対しての事実であったかというふうに思います。お伺いをしたとおり、確かに電子決裁ですからちゃんと残っているわけであります。こういう事実も含めて、しっかりとこれからも開示はいただきたい。
この上で、この四月四日というのが分かったのであれば、じゃ、なぜそれがここで書き換えられなきゃいけなかったのか、その背景を測る上で、どういう答弁と関連しているのか、どんどんどんどん調べれることは調べれると思います。そういうのは是非調べていただかないと困ります。
捜査機関がということもありますが、この捜査が最終的に刑事罰を構成するために必要な捜査の事実というものと、今回、国民、国会が財務省に対してどういうふうに思っているのか、これを考えるための基礎的な事実というのは、もう必ずしも一致するわけではない、捜査があるから全部出せないということではないわけであります。そういう部分も含めて、是非どんどんどんどんとこれは出していただきたいというふうに思います。後ほど改めて調査の加速をお訴えをしたいというふうに思います。
その上で、今局長がおっしゃった電子ファイル、もうこれは当然でありますが、紙ファイルのように物理的に置いてあるところを誰でも地理的に物理的にアクセスできるというものとはまた違い、電子の中で管理もされて、アクセスできる人というのはある程度限定はされ得るものであるというふうに思います。
この本省決裁の電子ファイルは、どの範囲のレベルの人がしっかりアクセスできたのか、書換えという行為についてどこまでやれたのか、それは明確なんでしょうか。それについてお答えをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
基本的に、今のことはある意味で固有名詞につながる話なのではございますが、理屈の上でといいますか、そういうことで申し上げますと、基本的には文書管理責任者というのがおります。その文書管理責任者は基本的には課長級の者でございます。それと、あとはその文書管理責任者から権限の委任を受けた者はできますので、基本的には課長級の者及びその課長級の者からこれをやっていいよという意味で委任を受けた者というものがそれを見ることができる、あるいは書き換えることができるということになるというシステムでございます。
○矢倉克夫君
この辺りの事情も引き続きしっかりと開示をいただきたいというふうに思います。
その上で、こういう形で一つ一つしっかりと、書換えがいつだったかということも、客観事実をどんどんどんどんと開示をしていかなければいけない。何でもかんでも調査が終わっていないということだけで済まないで、分かることはどんどん出していただく。もうこれは、こちらが聞くよりも前にどんどんどんどんと出していただくというような姿勢を持っていただかないと、これはいつまでたっても終わりません。その辺りの姿勢は是非改めていただきたいというふうに思います。
その上で、では、答弁についてでありますが、改めて、問題となったその書換えをしようとしている原因となった答弁というもの、これがどういうふうに形作られたかということでありますが、十四日の私の質問に対して局長は、佐川氏の関与は大きかったと答弁をされました。その後、衆議院の財務金融委員会におきまして、佐川氏は知っていたと思うというような答弁もあった。書換えを知った上で、局長の具体的な関与というのは、これは書換えを具体的に指示をしたということの理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(太田充君)
先日、委員あるいは今御指摘のいただいた財務金融委員会で御答弁を申し上げたところまでしか、まだ我々としてきちんと把握ができて御答弁、御回答申し上げられる状況には至っておりません。
まさに、誰が指示をしたかということは、今捜査も含め、あるいは調査でやっていることの一番の、それができれば、基本的に調査のもうほとんど肝でございますので、それを今、先ほど官房長もできるだけ早くと申し上げましたが、そういう覚悟でやっておるというところでございます。今まで御答弁申し上げたところまでのところが私の今答えられるぎりぎりのところでございます。
○矢倉克夫君
それでは、次はこの答弁ですが、通常は役所で答弁を作るときは、これ応答要領というのを作ります。今回の関連の答弁というものもその例に外れないというふうに思いますが、改めてですが、この一連の流れの中での答弁、いろんなものもあります。
先ほどは、文書があったかどうかというような答弁だということもありました。ほかには、例えば事前の価格交渉があったかどうかというような質問に対する答弁というのも考えられます。政治家の関与があったかどうかというような質問に対する答弁も考えられる。そういうようなものそれぞれがどのような形で、これはテレビでも見ていらっしゃいますから、どのような形で、応答要領というのがどのラインで作られているのか、これは改めて局長の方に確認をしたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
お答えを申し上げます。
今、問題の森友学園に関する答弁ということで御説明を申し上げます。
前任の佐川もここで答弁をしておったわけですが、物によっては各局、要するに理財局だけではなくてほかの局にも調整をしないといけないという場合がありますが、基本的に、本件森友学園の国有財産の処理ということは、財務省の中でも理財局単独で答弁を作成する責任が、できると、そういうことでございます。そういたしますと、大臣なりあるいは総理なりの答弁ということであれば、それは大臣であれば私どもの方の大臣官房、総理であればもうちょっと違うところまでだと思いますが、理財局長の答弁は基本的に理財局の中だけで答弁書を作ることは完結をいたします。
もう一点、通常であれば、普通であれば、答弁書を作って、それを最終的には、たしか局長なんだと思いますが、最終決裁をしてということになるわけですが、今の私も実は同じ状況にありますが、多分、当時の佐川前局長も毎日毎日物すごいたくさん御質問を頂戴して、そうすると、答弁書を作っている職員は正直に言って本当に朝まで作業をしておりますので、それを局長が見て直してというような時間はありません。物すごく一生懸命作ってくれますので、その答弁書は参考にさせてはいただきますが、結局最後答弁するのは、局長本人が自分の頭の中でちゃんと整理をして答弁できるかどうかということですので、その責任は、答弁書を作った者ではなくて、答弁する局長本人の責任だというふうに思ってございます。
○矢倉克夫君
それで、まず物によっては理財局以外のところも関わる可能性もある、今回に関しては理財局がという御答弁でありましたが、その上で、あと局長、通常のラインとはまた別に、これは業務が忙しくなったという結果もあるのかもしれませんが、局長がそれを全部把握した上で答弁するわけでもないというようなことでもありました。
今回の一連の答弁というのは、これは佐川、これは前局長と申し上げていいのか、前局長が答弁ラインに沿って話したものなのか、それともそれとは外れて御自身の独断で話されたものなのか、それについては御答弁をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
独断でというのは、それはそんなことはないと思います。
基本的に答弁書があって、それを頭に入れた上でということだと思いますが、ただ、昨年のときも相当厳しいやり取りでございましたので、正直に申し上げれば、あらかじめ質問通告があって、あらかじめ用意された想定問答の答弁書を読んでいてというようなやり取りではおよそなかったと思いますので、それは基本的には最終責任はその時々の答弁する局長の責任だというふうに思っているということでございます。
○矢倉克夫君
独断でというよりはラインを、局長、佐川さんがどんどんと超えて答弁をしていったという事実はあるんですか。
○政府参考人(太田充君)
すみません、ラインを超えてというのはどういう意味でおっしゃっておられるんでしょうか。申し訳ありません。
○矢倉克夫君
応答要領で書いた趣旨を超えてということであります。
○政府参考人(太田充君)
基本は趣旨の範囲内だというふうに思います。
○矢倉克夫君
それでは、これ趣旨の範囲内か否か。少なくとも書き換えなければいけなかった原因というものの動機は、佐川さんが自分でどんどんと離れた答弁をした、それを合わせるために佐川さんが具体的に指示をしたのか、それとも、理財局全体として作った答弁がどんどんずれていく、だから理財局全体の意思としてやったのか、その辺りについて御答弁をいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(太田充君)
離れたというふうにおっしゃられると、ちょっとそこは、基本的には趣旨の範囲内じゃないかと申し上げました。
基本的に、相当厳しいやり取りでございましたので、その中で言葉の使い方が必ずしも、不適切でないと、その部分を捉えられて、捉えてというようなことがあり、あとは、答弁をきちんと、きちんとでなかったと思っても、やはり、なかったかもしれませんが、きちんと答弁しているというつもりでも、基本的には報道は、報道が悪いわけじゃなくて、どうしても報道は、テレビであれ、あるいは新聞であれ、字数なり放送時間が限られておりますので、そういう意味では一部が切り取られることに、それはもうやむを得ないと思いますが、そうすると、その報道を前提として次の質疑が始まるということになると、その前のところ、自分たちの答弁とは違っていて、その前提になってという辺りから、いろんなところで掛け違えというか、誤解を生じさせるんじゃないかということを考えてということだったろうというふうに思います。
○矢倉克夫君
やはりなかなか分かりにくい。どういう状態だったのか、これだけではやはり分からない状態であります。
それであれば、この理財局のみで今回の答弁というのは作られたのか。先ほども話にありました、それ以外のところの関与というのも、調整の必要もある。これだけ世間が大きく騒いでいる一連の過程の中での答弁であります。それにもかかわらず、ずっと理財局だけでこれは答弁ラインを作っていったということでよろしいんですか。その辺りは断言できますでしょうか。
○政府参考人(太田充君)
どこのところが、誰が、どこが所管をするかということについては、問題が大きくなったかどうかということではなくて、やはりその問題の関係するところがどこかということになるわけでございます。
これは明確に森友学園に対する国有財産の処分ということでございますので、非常に対象が明確でございますので、それは理財局だけで基本的に答弁する、答弁が作られるという感覚になるわけでございます。例えば、これが予算であり、その結果国債を発行するということに、予算、今は税収だけでは足りないですから、国債を発行することにということになるわけですが、そうすると、予算を作る主計局と国債を発行する理財局、両方で協議をして答弁を作らないといけない、そういう課題だということになるわけですが、本件は森友学園に対する国有財産の処分なので、それは明確に基本的には理財局しかない、関係しないということになりますので、理財局でということになるわけでございます。
○矢倉克夫君
答弁ラインを作るときに、このままだとこの答弁ラインは合わないから書き換えたのか、それともある程度の応答要領は作ったけど実際の答弁がどんどんずれていくからそれに合わせるために書き換えたのか、理財局としては今どのように検討されているんですか。
○政府参考人(太田充君)
今委員のお話しの二つの明確にどちらかだけだというふうに言えるほど整理ができていると思っていませんけれども、基本は前者の方、要するに、基本的には、答弁をしていたんだけど、その答弁がメディアでもあるいは世の中にも受け止められる、こういうふうに受け止められているということを前提に次の議論がスタートするということを考えて行動していたというふうに思ってございます。
○矢倉克夫君
やはり、こういうふうに思っているとか、なかなかこう、もっと事実を示して、こういう形で答弁が書き換えられたということを示していただかないと、やはりなかなか明確になってこない。その辺りはもっと更に調査を加速していただかなければいけないかというふうに思います。理財局以外のところからも何か声があったのではないか、答弁を作るラインでもいろんな話があったのではないか、この辺りもやはり否定し切れないところもあるかというふうに思っております。その辺りも含めて、どんどんどんどんとこれは調査を加速していただきたいというふうに思います。
麻生大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、やはりこの調査をいつまで待たなければいけないのかというところはあります。他方で、調査が終わらないからということでおっしゃっておりますが、理財局の一部によるというところだけはなぜか断定をされている。これ、なぜ終局していない調査だけでここだけは断定されるのか、やはり矛盾しているというふうに思います。
省内でどういう意見があるのかは、やはり大臣が政治のリーダーシップでしっかりと検討をしていただいて、しっかりした調査というのをやれということをおっしゃっていただかなければいけないというふうに思います。そうでないと、いつまでたってもこの国政に対しての影響というのがなかなか払拭されない。やはり、役所のラインではいろいろ言ってくるかもしれませんが、そういう部分での都合いい情報だけではなくて、ちゃんと内部調査を早くやる。これは、起訴、不起訴というような刑事の話が聞く前に終わらせなければいけない話であるかというふうに思います。
大臣の責任で早く内部調査を終わらせていただきたい、すぐに開示をしていただきたい、中間報告でも出していただきたいというふうに思いますが、その点について御所見いただければというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君)
これは、矢倉先生、度々申し上げておりますように、これ、いわゆる判こが押された決裁文書というものを書き換えるというような話は、これは誠にゆゆしき話なんであって、私どもとしても、これは財務省始まって以来というか、いろんな表現はあろうかと思いますけど、これは深くおわびを申し上げないかぬところだと考えております。
私どもとしては、三月の十五日でしたか、事務次官以下を部屋に呼んで、少なくともこれについてのいわゆる役所としての反省をということで、各局長以上、これは理財局だけの話ではないんであって、これ役所全体、役所というか財務省に対する信頼というものを失墜させたというところは最も大きなところなんだと思いますので、その信頼回復に向けてこれは全省挙げて取り組まねばならぬという点が一点と、また、もう一個は、やっぱりこれ、理財局だけに押し付けるんじゃないよということが一番大事なところなんですが、私どもとしては、これに全然関係なくまともにやっておる職員の方が圧倒的に多いわけなんであって、そこに対してはいろんな意味でこれは心身共に負担を与えておることも確かだと思いますので、それについての気をちゃんときちんと配った対応をしないと上司としてはいかがなものかということを訓示したところなんですが。
いずれにしても、この捜査をこれ全面的に今受けておる最中ですので、これいつ終わるのか、ちょっと正直、受けております立場の方から、しておる人に対していつ終わるんですかともなかなか言える話でもありませんので、そういった意味では、私どもとしては、それはある程度待たないかぬというのは確かなんですが、その上でも、私どもでできる範囲の話はあるだろうということを申し上げておりますので、私どもとしては、こういった状況というものを、矢倉先生に言われるまでもなく、私どもとしてもこれはきちんと対応せねばならぬと思って日々努力をさせていただいております。
○矢倉克夫君
今大臣から、できる範囲の話はあるだろうと、省内で指示いただいているというふうに聞きました。
そうなんです。捜査があるからといって、それ以外でしっかりとできる範囲の話は幾らでもあるわけであります。その部分でどこまでが開示できるのか、その限界はあるかもしれませんが、開示できるものは早く開示をする、調査はすぐに終わらせてしっかりと開示をしていただかなければいけない。改めて、中間報告というものをしっかりと出していただきたいというふうに思いますが、財務大臣、改めて御所見いただければ。
○国務大臣(麻生太郎君)
できる限りのものをということで、この間も理財局の一部によってというところまである程度限定ができましたので、その点を一部は報告をさせていただきましたところではありますけれども、いずれにいたしましても、さらに、いろいろ他のところにも関係いたしますので、官房を主にしてきちんとした対応をさせていただきたいと思っております。
○矢倉克夫君
この理財局の一部、それがどういう判断で、資料に基づいてなされたかということまで我々も示していただかないと、示せる範囲で結構ではありますが、示していただかないと、いつまでたっても同じ議論になってしまう。必ず、是非早めに開示をいただきたいというふうに思います。
改めて、総理に最後、今回の件は本当に民主主義の根幹を揺るがす件であります。そして、役所の中でやはりそんたくというふうに疑われるようなこの文化というものもある、部分もあるということは否定できないところもあるかというふうに思います。そういった中で、やはり行政の客観性、中立性というものをしっかりと維持していく、そのためにはやはり長のリーダーシップが必要であるというふうに思います。
あるべき行政の姿というのをしっかり示していくために、最後、総理としてどのようにされるのか、お伺いしたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君)
この議院内閣制の政府として、私は、国会で首班指名を受け、総理大臣として行政全般に対して責任を負っているわけでございます。そして、我々、政策を立案し、法律によってそれを実現していくものもございますし、しっかりと政府として方針を示していくわけでございます。示していく方針によって行政は動いていくわけでございますが、しかし、決してそれが私事についてそんたくがあってはならないのは当然のことであろうと、こう思う次第でございます。
進むべき道を示したことについては、政策的に、それについては、しっかりと行政全般でその方向に向けて政策を立案し進めていくことが求められていると思うわけでございますが、重ねて申し上げれば、私事についてのそんたくがあってはならないと、このことは徹底していかなければならないし、今回のことが二度と起こらないように、組織の立て直し、信頼回復に向けて組織の立て直しに全力を傾けていきたいと、このように思っております。
○矢倉克夫君
政治、行政が信頼できないということで一番不幸になるのはやはり国民であります。国民のためにも、早期に信頼回復、そしてそれに値する政治、行政というものを我々も一体となってつくっていきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上で私の質問を終わりまして、同僚議員に譲りたいというふうに思います。