196回 経済産業委員会

2018-06-05

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
今日は法案の審議ということで、エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案、こちら、省エネというところが主になっているかというふうに思います。御案内のとおりですけど、日本は、地理的な部分もそうですし、資源の面でもエネルギーというところでは非常に制約がある国ではありますが、そういう制約がある国だからこそイノベーションというのは起き得るのではないかなというふうに私は思います、特にエネルギーの分野に関しては。トインビーではないですけど、挑戦と応戦、まさにそういう制約があるところから新しい試みをして、しっかりと技術革新も含めていく、そういうチャンスを実は日本は持っているんじゃないかなと思っております。その最たる部分が私は再エネでもあり、そして今議題となっている省エネではないかというふうに思います。そういう今後の更なる日本の省エネを更に進めていく上での法案としても、この法案は評価をさせていただきたいというふうに思っております。
その上で、今日はちょっとお時間も多めにいただいております。ただ、質問もちょっと多めにさせていただきましたので、早速、まずは法案についての質問に入らせていただきたいというふうに思います。
先ほど滝波先生からも、最後、法案の概要についてもお話があったわけであります。認定制度をつくる、そしてさらには、今回は認定管理統括事業者という制度も改めて設けられて、その上での認定制度を創設されたというふうに理解もしている。また、荷主の制度の定義なども変えられたという内容であります。
私からは、まず、じゃ、法案について幾つか御確認したいというふうに思うんですが、まず、この認定管理統括事業者の制度であります。こちら、今まではそれぞれの工場や事業者ごとの規制であったわけでありますが、今回は管理統括事業者が複数の事業者を代表して省エネ上の義務を履行するという形に変更されているという理解であります。一定の資本関係にある複数の事業者が一体となってこの取組を行う、その扱いの義務を履行するのが親会社にある管理統括事業者であると。
これは、別会社の省エネ取組も親会社の統括事業者が管理をするという話になりますが、これは一定の資本関係にあるというだけでそのような義務履行が可能であるのか、可能というためにはどのような措置がまた必要なのか、まずは答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答え申し上げます。
認定管理統括事業者の認定制度でございますけれども、これは、今、矢倉先生御指摘のありましたように、一定の資本関係を有していることに加えまして、一体的に省エネ取組を行っている事業者グループの親会社などを認定管理統括事業者に認定いたしまして、その親会社など、これは認定管理統括事業者でございますけれども、が定期報告などの省エネ法の義務をグループ単位で一体的に担うことを認める制度でございます。
具体的に申し上げますと、その認定に当たりまして、例えば親会社が子会社などの月ごとのエネルギー使用状況を把握して、それらの状況を踏まえてグループ全体として最も投資対効果の高い省エネ取組を判断し、推進する体制となっていることなどが求められますことから、認定管理統括事業者による省エネ法の義務履行は可能であると考えてございます。

○矢倉克夫君
 単に資本関係にあるというだけではなく、一体として取り組み得る、そしてそれが見込みがし得る、相乗効果を生むというような計画を持った上でやっている取組を認定するというような御趣旨であったかなというふうに思います。
その上であれば、更にこの認定というものをしっかり的確にやっていただく必要があると思いますので、その辺りは運用で是非お願いをしたいというふうに思います。
今の関連でまた御質問なんですけど、そうはいっても、これまでそれぞれの会社に、子会社に特に管理統括者というのが置かれていたわけでありますが、今回の制度を導入することで、子会社の方にはそのような管理統括者というのが置かれなくなるわけであります。
これは、場合によっては、これまで省エネがしっかりなされていた部分がかえって省エネの動きを後退し得るような余地も出てくるかというふうに思いますが、そのようなことがないのか、支障が生じないのか、そのようなことがないようにどのような対応を検討されているのか、また答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
認定管理統括事業者制度の認定を受けた場合には、親会社などの認定管理統括事業者が定期報告などの省エネ法の義務をグループ単位で一体的に担うことを認めるために、今先生御指摘のありましたとおり、その子会社などにはエネルギー管理統括者は配置されないことになります。
他方で、省エネ取組を一体的に推進することを要件として求めているため、親会社などの認定管理統括事業者がグループ各社のエネルギー使用状況などを把握して、グループ全体として最も効率的な省エネ取組を選択すると、そうしたことから、よりめり張りの利いた省エネが促進されるものと考えてございます。

○矢倉克夫君
 今、最も効率的なということをおっしゃっていましたけど、その辺りを、最も効率的かどうかと最後認定するのは政府ということでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(高科淳君)
 選択するのは、認定管理統括事業者が自分の子会社の中で費用対効果の高いところはどこかというのを選んで選択していただいて、それが全体としてどういう形で省エネになるかということを見ながら、政府としてもその認定をしていくということになると思います。

○矢倉克夫君
 じゃ、その辺りの判断の基準の部分について、また改めて別の問いでお伺いもしたいかなというふうに思います。
こういう枠組みをまたつくった上で更に連携をしていく、今まで個社ごとの省エネはしっかりされておられた、ただ、全体の省エネ量をしっかり更に進めていく上では、個社だけでは、取組だけではやはり難しいところもある、そういう中で連携した形での省エネ取組を更に一層推進していくという形での今回の枠組みであるかなというふうに思っております。
この連携ということなんですが、連携の具体的にイメージを教えていただきたいというふうに思います。どういうものが連携と言われているのか。特に、単に設備投資を共同して行うというだけではなくて、省エネ成果の把握の前提として、一部業務における情報の共有であったり相当の緊密性というのが必要だというふうに思うんですが、この辺りについて、まず連携とはどういうものを想定されているのか、具体的にどういう点なのかというのをまた答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答え申し上げます。
連携、いろんな形があると思いますけれども、例えば、複数の企業の間でその設備を集約をして、それによりましてエネルギー効率をより改善するというようなもの、あるいは複数の事業者が共同して共通のシステムを導入して、それによって全体としてのエネルギー効率を引き上げるものと、そういったようなものが連携として想定されると考えてございます。

○矢倉克夫君
 何かこれまでの事例で、よりこういう業種でこういう取組があったとかという具体的なことがあれば、もし、教えていただければと思うんですが。

○政府参考人(高科淳君)
 多分、設備集約みたいなものであれば、例えば化学プラントみたいなところが、上工程、下工程ある中で、それぞれの上工程、下工程がある中で、その上工程を一つのところに集約をして、全体としてエネルギー効率の改善を図るというような事例を聞いたこともございますし、あるいは、これ食品会社の例ですけれども、食品会社と小売が共同で気象情報に基づく需要予測を立てるためのシステムというのを一緒に導入すると。それによって食品ロスであるとか、結果としてエネルギーロスというのも削減してエネルギー効率を改善するというような事例も伺ったことがございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
それはまた、今、上工程、下工程の話もあったので、それに関係しては問い五でもまたお伺いしたいというふうに思いますが、じゃ、また次の質問に行きたいというふうに思いますが、一体、先ほどの効率的な省エネというものの把握、認定ということにも関わるかと思うんですけど、今回のこの法案も、連携による省エネの計画の認定を受けた者は、これは定期の報告等において、当該社の工場等におけるエネルギーの使用量のほか、当該連携省エネに係るエネルギーの量及び計画の認定に際して定めた方法に基づき算定した、使用したこととされるエネルギーの量を報告するというふうにされていると理解しております、法案はですね。
要は、効率的な省エネがなされたかどうかと把握する上で報告が上がってくる事項というのは、単純に省エネ量、これだけになったということが上がってきているわけではないわけであります。
省エネ量ではなくて、こういう形である方法に基づいて算定した使用したこととされるエネルギーの量を、これを報告するものとしているわけでありますが、こういう形で具体的に効率的な省エネがなされているかどうかというふうな点ではどのように把握をされるのか、御答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答え申し上げます。
連携省エネ計画の認定を受けるには、連携に参加する事業者が共同して連携して行う省エネ取組の目標や内容あるいは実施期間、それから、その省エネ量の事業者間での分配方法、それを記載しました連携省エネルギー計画を提出することとされております。経済産業大臣は、連携省エネルギー計画が今後制定されます指針に照らして適切であり、確実に実施される見込みがある場合に計画を認定するということになります。
また、毎年度のその定期報告の中で連携省エネの実施状況を把握することとしておりまして、その定期報告におきましては、実際のエネルギー使用量だけでなくて、その認定された連携省エネ計画に基づいて配分されたエネルギー使用量、この双方を報告させることで適切に連携省エネが実施されていることを確認することとしております。
御指摘、その省エネ量が進んだかどうかというのは、この毎年の定期報告を見ながらそれぞれのエネルギー消費量がどれぐらいかというのを比較して、その中でその省エネ量が進んでいるかどうかというのを見ていくことになりますので、そうした意味では、そこで確認はできるということだと思います。

○矢倉克夫君
 継続的に報告を受けて、その間の移動、推移によって把握をしていくということであるというふうに今理解をさせていただきました。
その上で、先ほど、連携による効果の一つとして上工程と下工程というような話がありました。従来であれば、例えばA社とB社があって、それぞれが報告をしている関係で、このA社とB社が共同してやっていることによる省エネで、B社間の方では省エネになっているけどA社の方では増エネになっていたと、そのようなことの報告がうまく反映されなかったことで省エネの取組が成立しなかったというような内容の話かというふうに思います。これを、省エネ量というのを分配するというのが今回の法律の趣旨の一つかなというふうに思います。
改めてですけど、連携省エネの計画の分配の方法というのはこれどのように把握をされるのか、それによって省エネ効果というのはこれ上がっていくのか、なぜそれが上がるのかということをまた答弁をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
連携省エネ取組におけます省エネ量の分配の方法は、連携に参加する事業者が共同で提出いたします連携省エネルギー計画の中で規定されて、国はこれを認定するということになってございます。
その省エネ量の分配方法でございますけれども、個々の事業者の貢献の実態を踏まえたものから極端な乖離がないことなどを前提といたしまして確認した上で、基本的には柔軟に認める方針でやりたいと考えております。それによりまして、事業者の連携省エネ取組に対する意欲を喚起して省エネの深掘りにつなげていきたいと、このように考えております。

○矢倉克夫君
 分かりました。
是非、今まで、先ほどの例だと、これまで一体でやった上で取組をしていたけど、A社は増エネという形で評価されなかった、裏では、そういう評価がされなかったがために共同で行うという事業が推進しなかったということもあったかと思うんですが、こういう枠組みができたことでA社も評価され得ることになる理解はあると思います。
そうすることで、今までは省エネの取組をしていなかった共同の在り方というのも、今回の制度を基にしてやはり新たに進み得るインセンティブというのにもなってくるんじゃないかなと、そういう分配の在り方を是非追求していただいて、A社も含めた省エネに動こうというような向きになるような柔軟な運用を是非お願いしたいなというふうに思っております。
もう一つ、今回の法改正の三つあるうちの最後の荷主の関係なんですが、荷主の定義、これは所有権を中心にして今までやっていたところでありますが、様々な物流の動きを通じて、本来所有権を中心として決めていた、輸送の方法を決定する者が今までは所有権を持っている者というような前提で決められていたものを、その前提に基づいて定義を変えられたというような理解であります。実質的な定義の本来の趣旨に合った形での修正だというふうに理解もしております。他方また、荷主とともに今回は準荷主というものについての義務も課しているわけであります。
まず、この準荷主に消費者というものは含まれているのか、これについてもお答えをいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
改正法案におきましては、事業者であって、貨物の受取日時や場所の指示を通じて物流効率化による省エネに貢献できる荷受け側などを新たに準荷主と位置付けて、省エネに向けた努力を求めることとしております。したがいまして、事業者に当たらない消費者は準荷主には該当しないということでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
法律の建前がやはり事業者を中心とした建前である、その法律の前提の上での制度であるからやはり消費者というものは入れないということの趣旨でよろしいわけでありますね。
他方で、省エネ全体を進めていくには、事業者の行動もしっかり確保していくとともに、消費者にも省エネという意識をやはり持っていただく必要があるかというふうに思います。よく、この荷主の関係でいえば宅配便の再配達の問題などもこれあるわけでありますが、働き方改革というところで再配達を、もう本来であれば、荷受け側である消費者がしっかりと時間を管理して再配達というのがないようにすればドライバーの皆さんの働き方改革にもなるという文脈でよく話もあるわけでありますが、それに加えまして、やはり無駄な再配達が減れば当然無駄な労力もなくなって省エネにもやはり通じると、省エネの面でも消費者の意識改革というのは非常に重要であるかなというふうに思っております。
そういう点で、消費者がこのような形で、再配達の問題についても無駄なもの、行動を起こさないようにしっかり意識する、省エネの意識という点からも考えていく必要もあるかというふうに思いますが、このような点からどのような取組をされているのか。今日、環境省さんにも来ていただいておりますが、答弁いただければと思います。

○政府参考人(小野洋君)
 お答え申し上げます。
国土交通省が行った調査によりますと、宅配便の再配達のトラックから排出されるCO2は年間でおよそ四十二万トン、営業用トラックのCO2排出量の約一%程度に相当するとされておりまして、温暖化対策としてもこの宅配便の再配達問題は重要と考えております。
環境省といたしましては、宅配便の再配達削減に向けまして荷受け側の意識改革というのは委員御指摘のとおり大変重要と考えておりまして、昨年の三月に、クールチョイス、できるだけ一回で受け取りませんかキャンペーンというキャンペーンを立ち上げまして、宅配便を利用される国民の皆様に御協力を呼びかけております。
国民一人一人に再配達削減に取り組んでもらえるよう引き続き関係省庁とも連携いたしまして、様々な普及啓発方法を検討、実施してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
 是非、引き続き啓発をよろしくお願いいたします。
またちょっと準荷主の話に戻りたいと思うんですけど、準荷主に努力規定しか求めていないのはこれなぜでしょうか。これ答弁いただければと思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
荷主は、輸送のモード、これトラックなのか船舶なのか鉄道なのかといったことですとか、その発着の日時とか場所、そういったその貨物の輸送の方法等を決定いたします。そうした荷主と異なりまして、準荷主は、荷主が決めた輸送の方法等の下で受取日時などを指示できるのみであると。そうしたことから、例えば輸送量が一定以上の特定荷主に求めております国への定期報告などの義務や全ての荷主を対象とする指導、助言の規定の対象とはせずに、努力規定のみを措置することとしてございます。
その上で、準荷主に対しまして、貨物の受取日時の計画的な設定などの取組に努めてもらうために、ガイドラインなどによりましてそのような取組を奨励することを考えております。

○矢倉克夫君
 今おっしゃっていただいた努力義務ではある一方で、やはりどうやって準荷主にしっかり関わってもらうかという点では、そういうインセンティブをしっかり与えていくというところは必要かなというふうに思います。奨励というふうにおっしゃっていただきましたが、そういうことを是非引き続きしていただいて、横展開、意識の改革というところも含めてやっていただきたいというふうに思っております。
その上で、ちょっと政務官にもお伺いしたいというふうに思うんですが、先ほど連携の関係で、連携というのは設備の連携だけではなくて、やはり情報の共有であったり様々な連携が必要であるというふうに思っております。省エネで連携すると言っておりますが、それぞれやはり競合の他社であったりするわけでもありますけど、そういう競合するような他社も含めてやはり連携をしていくというためには、この企業活動を促すためのインセンティブというものが必要だなというふうに思います。
今回の法改正に加えて、政府としてどのように企業者それぞれにインセンティブを与えて連携の枠組みを推進しようとされているのか、御答弁をいただければと思います。

○大臣政務官(平木大作君)
 これまでの事業者単位の取組だけでは更なる省エネの推進がなかなか難しい中にありまして、今後は、連携省エネを含めまして、事業者にとりまして省エネの多様な選択肢があるということが極めて重要なわけでございます。
このため、適切な評価ができない現行法の改正のみならず、今回の法改正と併せまして創設をいたします税制の措置や、あるいは既存の補助金なども活用してこの連携省エネは推進してまいりたいと考えております。
具体的には、改正法案に基づきまして認定をされました連携省エネルギー計画の実現に資する設備投資について、法人税に係る特別償却などを認めるほか、省エネ補助金についても、連携省エネ取組については優先的に採択をしていく予定でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
税制とか補助金による点も非常に重要かなというふうに思います。その上で、やはり連携をしていくというためには、情報の共有であったり、また相応のそれぞれ交渉するなどの様々な負担もある、こういう負担を軽減していく連携の枠組みというものも、プラットフォームもつくっていく必要あるかなというふうに思っております。
それでまた、政務官にも更にお伺いしたいというふうに思うんですが、平木政務官にも。例えば、特に中小企業の省エネを進めていくためには、省エネルギー相談地域プラットフォームというのを整備されていると思います。これがどのような制度であるのか、これまでの実績と課題についてもまずお伺いをしたいなと。
私としては、この省エネルギー相談地域プラットフォームというのは、個別の企業の相談窓口に加えまして、やはり省エネ目的の下で競業他社同士の連携を促すプラットフォームとしての機能としても期待したいなと。ドイツでは、相互学習型省エネルギー推進ネットワークという制度もあって、そのような形でも非常に成功事例があるかというふうに思っておりますが、こういう形での連携の枠組みを補助するプラットフォームとしての省エネルギー相談地域プラットフォーム、更なる発展の部分も含めて、政府の見解を平木政務官からいただきたいというふうに思います。

○大臣政務官(平木大作君)
 省エネのノウハウに乏しい中小企業にとりまして、この取組を推進をしていくためには、専門家による指導、助言が必要なわけでございます。そこで、省エネに関する中小企業の相談窓口となる省エネルギー相談地域プラットフォームの整備を現在全国で進めているところでございます。ここでは、中小企業のエネルギーの使用状況だけではなくて、経営状況などの実態も把握した上で、省エネの実施計画の策定から実施、検証、そして見直しの各段階に応じたきめ細かな支援を行っているところでございます。
一つの事例でありますけれども、例えば地域のホテルや旅館のシーツですとか寝具のカバー、こういったリネンの供給を行っている企業、従業員数七名の中小企業なわけですけれども、ここに対して行った支援を通じまして、結果としてA重油の年間のコスト、百四十七万円の削減に成功した、こういった事例も出てきているところでございます。
今御紹介差し上げた事例も含めまして、平成二十九年度には、全国四十四都府県で四十四のプラットフォーム事業者に対して人件費や旅費などの活動費を助成をいたしまして、五百七十四事業者への支援が実現したところでございます。今年度は、全国四十六都道府県で五十四のプラットフォーム事業者を採択したところでありまして、今後とも中小企業の省エネの取組を支援してまいる決意でございます。
なお、これまでのプラットフォーム事業者が、地域の事業者による先進事例、今委員からも御紹介をいただいたような形の先進事例の共有、行う取組もしてきたわけでありますけれども、更に省エネ取組において事業者が連携するということは極めて重要でありまして、今後は、このプラットフォーム事業者が開催するセミナー等において複数事業者の連携による省エネ取組を紹介するなどして、地域の競業他社間の省エネを更に展開していきたいと考えております。

○矢倉克夫君
 是非プラットフォーム化を進めていただきたいというふうに思います。
続きましては、ちょっと先日の参考人質疑の議論も踏まえた上で、また幾つか御質問させていただきたいというふうに思います。
参考人、三人の参考人のうち田辺先生からいろいろいただいた答弁も踏まえてなんですが、まず、田辺参考人から住宅の省エネということが非常に強調をされておりました。地球温暖化対策計画やまた未来投資戦略二〇一七年等でも、二〇二〇年までにハウスメーカー等が新築する注文住宅の半数以上をZEHにすることを目指すであったりとか、二〇三〇年までに新築住宅の平均でまたZEHの実現を目指すであったりとか、そのようなことも書かれているわけでありますが、今日は国交省さんにも来ていただいております。
このような住宅の省エネ、やはり省エネの部分で今後大きく進展させるために必要なところは住宅の分野であるなということをこの前、参考人質疑でも改めて実感したところでありますが、こういう住宅の省エネを進めるために消費者への動機付けが重要であると思います。田辺参考人も、やはり新築の部分でどういうふうにこのような取組を進めていくのかというところを多くおっしゃっていただいたわけでありますが、その辺りの消費者の動機付けについて国交省さんとしてはどういう取組をされていらっしゃるのか、御答弁をいただければと思います。

○政府参考人(眞鍋純君)
 今御指摘をいただきました、また先日の参考人の御意見として田辺先生の方からも御意見がございましたとおり、住宅の省エネ性能の向上を図るためには、住宅の新築、さらには購入、リフォーム、賃借をしようとする消費者の方々に対して省エネ性能に優れた住宅の選択を促すための動機付け、これが大変重要であると認識してございます。
このためには、まず、住宅の省エネ性能の見える化などによりまして分かりやすい情報提供を進めることが必要というふうに考えております。平成二十七年に制定、公布されました建築物省エネ法において、建築物の販売又は賃貸を行う事業者に対して省エネ性能に関する表示の努力義務、これを規定させていただいております。この規定を踏まえまして、省エネ性能に関する表示が適切に運用されるよう国土交通省からガイドラインを策定、公表しておりまして、これに基づいて平成二十八年四月、建築物省エネ性能表示制度、略称BELSと言っておりますが、このBELSを創設してございます。
このBELSの普及策でございますが、現在、経済産業省、国土交通省、環境省、三省の連携の下、この三省が所管する補助事業の要件としてBELSを統一的に採用して普及を図っております。こうした取組でBELSの実績は伸びてございまして、今年の三月末時点で五万件を超える実績を数えてございます。現在もなお増加しております。
また、こうした性能の表示と併せまして、消費者の方が省エネ性能に優れた住宅を新築あるいは改修する際の負担を軽減するという観点も重要かというふうに思います。このため、経済産業省、国土交通省、環境省の三省連携によるゼロエネルギー住宅、ZEHへの支援、これを平成三十年度から構築してございます。また、既存住宅の省エネ改修への支援というものもメニューとして持ってございまして、そうしたことを進めてございます。
さらに、昨年九月から、学識経験者の先生方あるいは業界団体の方々をメンバーとする研究会を立ち上げ、省エネ基準への適合率の更なる向上などに関する課題の整理を行い、今年三月に取りまとめを公表してございますが、その中でも、建築主等への省エネ性能向上の必要性に係る普及啓発あるいは情報提供の徹底が必要であるという御指摘をいただいているところでございまして、今後、審議会などにおいてこれらの御指摘も踏まえた具体的な制度設計、制度の充実を考えていきたいというふうに考えてございます。その際に、消費者への動機付けのための施策ということも含めて検討を進めてまいります。

○矢倉克夫君
 見える化というところをおっしゃった、一番大事な視点の一つかなというふうに思います。是非それは引き続きやっていただきたいというふうに思います。
その上で、今、見える化のお話もあったんですけど、同じ参考人質疑で、例えば、やはりそういう省エネの住宅の効果を多くの消費者の方が体感されていないというところの問題点も同じ田辺参考人がおっしゃっておりました。
例えば、そのゼロエネルギーハウスをデモで造って、消費者にそういうところに泊まってもらうなどの体験をしてもらう必要性もあるんじゃないかというようなお話もあったわけでありますが、このような点について何か施策はあるのか、環境省さん来ていただいていますので、よろしくお願いします。

○政府参考人(小野洋君)
 お答え申し上げます。
環境省でございますけれども、住宅の新築あるいは新居の購入を検討しておられる方をターゲットにいたしまして、省エネ住宅のメリットを体験していただくべく、昨年の十二月から今年の二月にかけてクールチョイスZEH体験宿泊キャンペーンを全国十か所で実施いたしました。実際に御宿泊いただいた方からは、断熱性あるいは機密性の高い住宅の快適さというのを実感いただけたという多くの声をいただいてございます。
本年度も同様のキャンペーンを予定しておりまして、引き続き消費者の方々が省エネ性能の高い住宅を選択していただけるよう、効果的な普及啓発の方法を検討、実施してまいります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
十か所やられたということで、私も是非機会があったら泊まってみたいなと今思っているんですけど。
その上で、もう一つ、同じやっぱり参考人の関係で、今度は国交省さんにまたお伺いしたいというふうに思うんですが、大野参考人がおっしゃっていた話であります。私が、現場の方の省エネの意識というのはあるんですけど経営陣になかなか浸透しないと、なぜかというふうにお伺いもしたら、やはり経営の側面から見ると、エネルギーコストを下げるといっても、全体のコストからしたらやはり割合は少ない、どうしてもほかのコスト削減の方に意識が行ってしまって省エネというふうに意識が行かないんだというような背景の事情を御説明いただいたところであります。
であれば、どうやって経営陣の方に省エネを向けるかというと、やっぱり企業に投資をしている投資家の人たちが省エネというものを評価した上で投資をするという投資行動になれば、それはまた経営陣への省エネに対する意識付けの変更にもやはりなっていくのかなというふうに理解もしたところであります。
その上で、田辺参考人からは、不動産鑑定に利用されているエンジニアリング・レポートとかの評価項目として、例えばエネルギーに関する項目、これ、具体的にはビルの省エネであったりとかグリーンビルだとか、そういう環境配慮に関する面を取り扱うべきではないかというような御提言もいただきました。
国際的にも、例えばGRESBだとかはそういうところも前提にした上でいろいろと項目を入れているというような理解、ちょっと間違えていれば訂正いただきたいんですけれども、そういうところもある中で、日本としても、例えばJ―REITなんかはREITの総資産額を三十兆円にするという未来投資戦略の問題もあるわけでありますが、そういう国際標準の潮流にもしっかり合わせるべく、この投資の中にあっても省エネということを考慮し得るような体制をつくらなければいけないというふうに思うんですが、国交省さんの御見解をいただければと思います。

○政府参考人(鳩山正仁君)
 不動産の鑑定評価に関して御質問いただきました。
不動産の鑑定評価基準におきまして、現在、建物を評価する上での個別的要因としまして、設計、設備等の機能性や建物の性能等を位置付けております。この中で省エネルギー対策の状況といいますものは、耐震性とか、それからアスベスト等有害物質を使っているかどうかというようなものと並ぶ非常に重要なものとして、既にこれは局長通知で出しておりますが、留意事項という中に明示的に定めているところでございます。
先生御指摘いただきましたエンジニアリング・レポートというのは、不動産鑑定士が鑑定評価を行う、特に証券化対象不動産について鑑定評価を行うときにいろんな専門家の意見を聞かないといけないというときに、その求めるものの一つのものをエンジニアリング・レポートという言い方をしているわけですが、しかし、もちろん専門家の方によっては、出しておられるものが全ての分野をカバーするものではございませんので、幾つかの、もし省エネが入っていないんだったら省エネは省エネできちっと確保する、検討する、確認するということが必要でございます。そういう意味で、現在の不動産鑑定評価基準の中でも既にこの省エネ対策というのは重要だということは、鑑定評価基準の中に位置付けているところでございます。
その上でということでございますけれども、これ田辺参考人の方からも御紹介いただきましたが、最近、ESG投資という観点が非常に重要になっているというお話がございまして、国土交通省でもこのESG投資の普及促進に向けた勉強会というものを開催いたしまして、今年三月二十八日にその検討結果を公表したところでございます。
その中身につきましては、普及促進にESGの投資ということで、ちょっと重点はやや省エネではないんですが、健康性とか快適性、これも田辺参考人から御紹介いただいたところでございますけれども、そうしたものに関する認証制度の在り方、こうしたものを考えるべきではないかというようなことを中心に御意見をいただいたところでございます。
これを踏まえまして、現在、認証制度そのものをどう打ち立てていくのかということと、それに加えて、御指摘のありました鑑定評価制度につきましても、健康性、快適性のみならず、元々の省エネとかそれから環境面、このESGのEのところでございますね、そこについてどういう形でこの鑑定評価に反映させる仕組みをつくっていくのかということで検討を進めてまいるところでございます。

○矢倉克夫君
 鑑定評価の部分も含めて検討、評価を進めるということであります。最後は、そういう検討の結果が金融商品の評価項目というところにもしっかり入り込んで、それが投資家の行動にも影響を与えるというような形で、これは今日は金融庁さん来ていただいていないですけど、いろいろと省庁横断的にも御議論いただいて、経産省とも連携して、是非より一層進めていただければというふうに思います。
それで、経産省にも、この今の関係も少しあるのかもしれないんですが、六月三日のNHKの番組で、ESG投資促進のために、企業の環境に関連した経営情報の開示に向けて指針を作成すると、経産省が、このような報道があったわけであります。現状どのようなことを想定されているのか、御答弁をいただければというふうに思います。

○政府参考人(岸本道弘君)
 気候変動に関する企業の取組を投資判断に組み込む動きが国際的に広がってきていると認識しております。
こうした中で世界からの投資を集めていくには、日本企業も気候変動関連の情報発信を積極的に進めていくことが重要でございます。この気候変動関連の企業情報開示につきましては、金融安定理事会の気候関連財務情報開示タスクフォース、いわゆるTCFDにおいて国際的な検討が進められているところでございます。
我々としては、このタスクフォースの提言も踏まえ、日本企業の気候変動対策における貢献、強みを見える化し、グローバル市場に積極的に発信していく方法等について、有識者、企業経営者、金融機関を中心とした研究会を立ち上げて、関係省庁とも連携しながら具体的な検討を行ってまいりたいと考えているところであります。
こうした取組を通じまして、グリーン成長に向けた投資促進を図って日本の環境ビジネスの発展につなげていきたいと考えております。

○矢倉克夫君
 投資行動の動きを影響を与えるには、やはり民間の意識変革というところも非常に重要であるかというふうに思います。経産省として、是非今の方向性を更に拡充していただきたいというふうに思っております。
ちょっと続きまして、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
また参考人質疑での議論を前提にした上でなんですけど、参考人質疑の中で、エネルギー基本計画のまた長期エネルギー需給見通しを策定することの意義というのが一部議論があったわけであります。参考人の皆様の中では、やはりこれについて国は関与せずに民間に委ねるべきだという御意見もあったわけでありますが、大臣にこの件に関しての御所見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 エネルギーは国民のあらゆる活動を支える基盤でありまして、エネルギー政策を進めていくに当たっては、安定供給、経済効率性の向上、環境への適合という3EプラスSを、これ同時に実現をしていかなければいけないわけであります。
どういったエネルギー源を活用していくかということは、最終的には、効率的な資源配分を実現するという観点でいけば、市場の競争を通じて選択をされていくことが原則だというふうに思っていますし、我々もそういう立場に立ってこれまで電力、ガスのシステム改革、自由化というのを断行をしてきたところであります。
ただ一方で、やっぱり健全な競争を促進していくためには、市場のルールを作らなければいけないとか、あるいはインフラがしっかりしていなければいけないといった環境整備が必要だという点、あるいは、安定供給や環境適合といった、必ずしもこれ市場原理だけで本当にやれるのかといった価値も併せて実現をしていかなければいけないという点も踏まえれば、政府による市場への適切な関与は必要だというふうに考えているわけであります。
エネルギー基本計画というものは、こうした観点から、専門家や関係者の意見も吸い上げながら政府としてエネルギー政策の方針を決めているものであります。また、長期エネルギー需給見通しは、このエネルギー基本政策に基づいていろんな政策を行っていった場合にどういうエネルギーの需給構造が実現される見通しであるかということを示すものだというふうに考えています。
こういった基本的な戦略ですとか見通しをしっかり文章にして、数字にして対外的に示すということは、これは電力事業者はもちろんのこと、需要家あるいは資本市場などに予見可能性を与えて、それぞれの企業行動、産業における行動の適切な意思決定に資することができる、そういった意味から一定の意義があるんではないかというふうに考えています。

○矢倉克夫君
 もう大臣おっしゃったとおりだなと私も思います。その市場、当事者同士の合理的意思の下で最適化を図るというところが大事ですけど、その前提となる市場の整備という部分ではやはり関与しなければいけないところもあるし、また予見可能性を持たせていくというところも重要かなと。エネルギーも、輸入とか対外的な部分もやはり関与してくるわけでありますから、そういうのも含めた予見可能性というのは重要であると思います。根本は、市場とやはり政府の対話というところが非常に重要であるかなというふうに思っておりますので、その前提でまた引き続きの政策決定をお願いしたいというふうに思います。
残りちょっと四問ほどでありますが、またちょっと引き続いて今度は経済産業省にお伺いしたいというふうに思うんですが、長期エネルギー需給見通し、今大臣からも答弁あったものでありますが、それについて、省エネというのは改めてどういうふうに位置付けられているのか、答弁いただければと思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
長期エネルギー需給見通しにおきましては、経済成長などによりますエネルギー需要の増加を見込む中で、徹底した省エネルギーの推進によって、石油危機後並みの大幅なエネルギー効率の改善を見込んでいるところでございます。
具体的には、産業部門におきましては、エネルギー多消費業種の製造プロセスの改善、低炭素工業炉の導入、あるいはFEMSの活用など、業務部門におきましては、建築物の省エネ化、トップランナー制度による機器の省エネ性能の向上、あるいはBEMSの活用など、家庭部門におきましては、住宅の省エネ化、トップランナー制度による機器の省エネ性能の向上、HEMSの活用など、運輸部門におきましては、燃費の向上、次世代自動車の普及、交通流対策など、これらの技術的にも可能で現実的な省エネ対策として考えられ得る限りのものをそれぞれ積み上げて、原油換算で対策を講じなかった場合と比べて五千三十万キロリットル程度の省エネを実現することによりまして、二〇三〇年度のエネルギー需要を三億二千六百万キロリットル程度とすることを見込んでいるところでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
冒頭申し上げたとおり、この省エネというものを一つのきっかけにしていろんなイノベーションもまた起こしていく、そういう政策の在り方を更に追求していただきたいなというふうに思います。
また、エネルギー基本計画に示されている、今度はまた大臣にもお伺いしたいというふうに思いますが、再エネであります。
先ほど滝波先生からも御質問があったかもしれませんが、再エネ主力電源化、今エネルギー基本計画もパブリックコメントという段階であるかというふうに思いますが、この主力という言葉にどのような意味があるのか、エネルギーミックスの中での割合は変動はない中、主力というふうに銘打たれているこの意味と政府の意思というものはどういうものなのかを、大臣から答弁いただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 エネルギー基本計画の今お示しをしている素案の中のエネルギーミックスにおいては、再生可能エネルギーは電源構成全体の二二から二四という意味では現行のエネルギー基本計画とは比率は変わっていないわけでありますが、これを主力電源という位置付けにさせていただいて、素案の中で示させていただいているわけであります。
比率が変わらないのになぜ主力になるのかという点だと思いますけれども、日本の再エネの発電コストというのはいまだ海外に比べて約二倍高いという状況にあるわけであります。この現実は今変わっていないわけですけれども、ただ、世界に目を転じると、やはり技術革新などによって低コストで再エネの導入がどんどん増大をしている中でありまして、こうした中で日本が主力電源という言葉を入れさせていただいたということは、世界の状況を日本においても実現をして、国民負担を抑制をしながら大量導入を図っていこうという決意というか気合を示させていただいたということだと思っています。さらに、二〇五〇年に向けては自立した主力電源ということでありまして、蓄電などと組み合わせて、しっかり自立をした主力電源として育てていきたいという決意を持っているわけであります。
これ、決意をするだけでは駄目でありまして、残念ながら今のところ、この二二から二四というのを上に持っていくのはまだ我々は今の段階では難しいと思っているわけでありますが、主力電源に今後していくためには、コストの低減の取組をしっかりとやるということと、やはり一番大きな制約は今系統制約が非常に大きくのしかかってきているわけでありますから、それを克服をしていく。あるいは、再エネが本当に大量に入ってきたときに、万が一太陽が陰ったり、風が止まったりしたときの調整力をどう確保をしていくかといったことをしっかり考えながら再エネ導入を拡大をして、主力電源として明確にしていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 物事、何でもやるときは気合が大事ですので、気合というのは非常に重要だなと私も今改めてお伺いもして思いました。
主力は、やはり確かに今大臣おっしゃった認識のとおり、世界ではもう再エネは主力ということであります。その世界の潮流に合わせて日本も動いていこうという強い決意、それを主力という言葉に込められたのかなというふうに今改めて思いました。
あと、自立の話もされたんですけど、要は、これまでのエネルギーの担い手も受け手も大きく今変わっている時代に来ているなと。分散型に今移動している、そういうエネルギーの供給する側、される側の関係性が大きく変わっていく中で、その大きく変わっていく潮流に一番合うのはやはり再生可能エネルギーであるなという理解で私はおります。そういう意味での主力という意味も込めて、エネルギーの構造を変えるための再エネ推進というのは更に是非推進をしていただきたいというふうに思います。
また、大臣が今系統問題についておっしゃっていただきました。その系統ですね、コストと系統と調整力というところは非常に重要な部分であると思います。系統の問題については、御案内のとおり、再エネの系統問題、コネクト・アンド・マネージが新たに提案をされて、今解消をされるという部分が一部出てきているわけであります。
こういう運用の見直しによって、今後、長期エネルギーの需給見通しの再エネ目標というのは、これは見直す余地はあるのか、これは経済産業省にお伺いしたいというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
再生可能エネルギーを最大限導入するためには、御指摘のように、系統制約の克服を進めることが不可欠であります。
その系統制約の克服に向けましては、まずは既存系統を最大限活用すべく、一定の条件の下で系統への電源の接続を認める仕組みの日本版コネクト・アンド・マネージ、これを進めていくことが重要でありまして、その具体策の検討を進めているところでありますし、このうち、送電線の空き容量の算定をより実態に近いものとする手法、これ想定潮流の合理化と言っていますけれども、これにつきましては既にこの四月から開始しているところでございます。
この点につきましては、引き続き、新たに系統に接続しようとする発電事業者の方の御意見を聞きながら、現行のルールが透明、公平かつ適切なものかを確認し、海外の先進的事例を取り入れながら必要な見直しを行うとともに、ルールの明確化を進めていくつもりでございます。
他方で、エネルギーミックスにおきましては、このような系統制約とは別の観点であります国民負担の観点、この点から、二〇三〇年度の再エネ比率二二から二四%を国民負担約三兆円で実現することとしています。この水準は、欧州と比べて、大臣からありましたけれども、日本の再エネコストがまだ高い中で、国民負担の抑制を図りつつ、水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするという極めて野心的な水準であります。
仮に二〇三〇年度の再エネ比率をミックスより引き上げる場合には想定以上の国民負担が発生することから、コスト低減の道筋が明確になって初めて現実味を帯びてくるものと考えられます。ミックスでお示しした比率以上の更なる再エネの導入が阻害されるものではありませんけれども、まずはエネルギーミックスの実現に向けて、系統制約の克服と併せて、入札制の活用など、コスト低減の取組の強化や調整力の確保などの再エネ導入拡大の取組を一つ一つ進めていくこととしています。

○矢倉克夫君
 最後はやはり国民負担がどうあるかというところが大きな問題かというところは私も同意するところであります。
先ほど大臣からもエネルギー基本計画の方向性、委ねつつ、その環境整備をするのがやはり政府であって、予見可能性というところもおっしゃっていたところであります。今後の再エネの割合についても、どのように国民負担があるのかというところを、国民の皆様とも、しっかり情報公開をして御納得いただく過程を更に連携して密にいただくことは改めて求めていきたいというふうに思います。
最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、田辺参考人がおっしゃっていた省エネにまた戻りますけど、省エネの概念を、今まで使っていたものを少なくするという概念だったものが、操るものに変えていく必要があるというふうにおっしゃっておりました。そういう操る省エネというところでやはり重要なのは、まさに見える化をしていってエネルギーを最適管理していく司令塔でもありますし、そういう動きを可能にする環境整備、その中でも、やはりコネクテッドインダストリーズという分野の概念というのは非常に重要になってくるかなというふうに思っております。
最後、大臣に、コネクテッドインダストリーズというのも重要施策として位置付けていらっしゃるわけでありますが、省エネの分野というものについてもこれは重要な概念であるというふうに思いますが、大臣の御見解をいただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今、操るとおっしゃっているのは、まさにこの最適化ということになるんだろうというふうに思っています。
コネクテッドインダストリーズの概念も、まさに企業や産業を超えてデータを共有する、そして、そのデータをビッグデータとしていろんな形で利活用していくことによってサービスの品質ですとか効率を高めていくという考え方でありますから、これ、省エネの分野でも十分使っていける概念だというふうに思っています。
例えば、今我々が省エネのターゲットとして非常に重視をしている貨物輸送の点なんかも、例えば自動車の運行情報ですとか、あるいはそこに荷物が載っている状況の情報などをみんなで共有をできると。ライドシェアばかり強調されるんですが、実は貨物便のシェアなんかがやれれば、非常にこれ省エネに大きな効果が出る。この辺も、まさにこのデータ共有というところがポイントになってくるんじゃないかというふうに思っています。
こういった取組は、単にサービスを使う側が我慢して節約をしてエネルギー使用量を削減するという従来の手法とは違って、供給する側と需要する側がこれ一体となって連携をして全体の最適化を図っていく新しい省エネの手法だというふうに思っています。
今回の改正で導入をさせていただくこの連携省エネの認定制度というのは、まさにこういった取組なども対象になってくる。そして、そういった取組に対する事業者の努力を適切に評価をするものになっているわけでありまして、法改正と併せて創設される税制措置ですとか、あるいは既存の補助金なども活用しながら、こういった事業者の取組を後押ししてまいりたいと考えています。

○矢倉克夫君
 コネクテッドインダストリーズという大きな流れに更に位置付けられる法案であるということも、最後、大臣からも明確に御答弁をいただきました。
しっかりとこの法案成立後のまた連携の枠組みを更に運用で進めていただけるようにお願い申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございました。

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