198回 国土交通委員会

2019-05-16

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
私も一昨日、視察参加をさせていただきました。改めてメルセデス・ベンツ日本株式会社の御協力に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。習志野の方まで高速道路を一緒に通行をしたんですが、一切、一切まではないですけど、ブレーキ、アクセルをほとんど踏まずに動いていたこの実態を見て、本当に感動をいたしました。
まだ一般道路に当然これ波及するにはまだまだ課題も多いわけでありますが、仮にそれができるというのは、混合道路の状態の中で、隣の車がどういう状態になっているのか、何をしようとしているのかを車が判断できる、場合によっては前に通っているおばあちゃんが先に行けというふうに手を振っている、この意味すら分かるぐらいに車が変わるという状態になると思います。まさに車という概念が変わって、アイフォンが電話という概念を変えたぐらいの社会的変革が起きるものであるかなというふうに思っています。
改めて国土交通省にお願いしたいのは、これ、事故がない社会、事故を限りなく減らす社会という意味合いでは非常に重要な取組であるし、国土交通省にとっては所管としてもいいぐらいの流れでもあります。省庁の枠を超えて、内閣官房であったり経産省がやる部分はあるかもしれませんが、より国交省も更に入っていただいて、規制の調和であったり業界団体の連携であったり是非お願いをしたいなというふうに、主導権を握っていただきたいなというふうに思います。まずはこのことをお願いを申し上げたいというふうに思います。
その上で、今日は特に自動運転の車両整備に関わる部分の法案審査になります。まずは法案の基本的事項について幾つかお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
今回の法案の肝の一つが、先進技術の点検整備に必要な技術情報を認証整備事業者等へ提供することのこの義務付けであります。少し懸念をしているのは、外国の会社にもしっかりとこれが義務として掛かるのかというところを、懸念もあるわけでありますが、その点に絡みまして、まず端的に、この自動車製作者、義務が掛かる自動車製作者の範囲についてお答えをいただければと思います。

○政府参考人(奥田哲也君)
お答え申し上げます。
お尋ねの自動車製作者等の定義でございますけれども、自動車の製作を業とする者、いわゆる自動車メーカーのほか、外国において本邦に輸出される自動車を製作することを業とする者から当該自動車を購入する契約を締結している者であって、当該自動車を輸入することを業とする者、いわゆるインポーターを指しております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
外国法人、外国の会社は日本の法が全部適用されるわけではありませんが、その会社にもしっかりと実効性を掛かるように輸入インポーターも入れているということになるというふうに思いますし、輸入インポーターの行動を規律して、最終的には外国会社にもしっかりとこの規律を及ぼしていく、今後の工夫もまたそれは必要であるかなというふうに思います。
その上で、改めて、今回のこの情報提供でありますが、法律については、分解整備と言われていたものが今後、特定整備というふうになります。順序を若干変えることになるかもしれませんが。この特定整備というのは、従来分解をしていたことが念頭に置いていた整備とはまた概念がずれるという意味で特定整備となっていると思いますが、典型例がいわゆるエーミングであるというふうに思っております。
今日は、エーミングは複雑なので、ちょっと資料をお配りもさせていただいておりますが、要するに、自動ブレーキ等のセンシング技術を用いる装置では前方、周辺を監視するカメラとかレーダーのずれが誤作動を生ずると。こういうずれがないようにしっかり調整をする、エーミングであります。
これについて、当然ではありますが、今回の法令また省令に委ねられているところがあるかというふうに思いますが、提供すべき情報の範囲内にこのエーミングに必要な情報が入り得るというふうに、当然入るべきであるというふうに思いますが、確認の意味を込めて答弁いただきたいと思います。

○政府参考人(奥田哲也君)
お答え申し上げます。
先生から資料を配付していただきましたけれども、自動ブレーキ等に用いられるカメラ、レーダーの調整、いわゆるエーミングは、車両と仮想目標物、ターゲットを正対させた状態で、車両にスキャンツールを接続し、その表示値を確認しながら縦方向、横方向の角度を微調整することに行うわけでございます。
この際、エーミングを行う作業上の条件、ターゲットの種類と設置場所、スキャンツールに表示される値や指示、カメラ、レーダーの微調整の方法等については自動車の型式ごとに異なっておりまして、自動車製作者等が定める手順書やターゲットの配置図がなければ作業を適切に行うことができない状況にございます。このため、エーミングに関するこれらの技術情報は、自動車製作者等に対し整備工場等への提供を義務付ける自動車の点検及び整備をするに当たって必要となる当該自動車の型式に固有の技術上の情報に該当するものと考えております。
国土交通省におきましては、本法案の成立後、エーミングに必要な技術情報につきましても本規定に基づき適切に認証工場等へ提供されるよう必要な省令の規定の整備を行うとともに、自動車製作者等に対してその確実な履行を徹底してまいります。

○矢倉克夫君
今後制定される省令にエーミングに関する情報は必ず入り得るということを確認をさせていただきました。
先ほど赤池先生からもお話があったんですが、このエーミング、車種であったり、そのそれぞれごとによって必要なやり方等もまた違う、そこをどう規格も含めて統一していくか、汎用化していくのか。そこがばらばらですと、やはりそれぞれの整備工場の関係の方も費用負担が大きくなるので、先ほど御答弁いただいたとおり、中長期的な課題になるかもしれませんが、この汎用化については引き続きしっかりとやっていただきたいというふうに、御要望をまず申し上げたいというふうに思います。
その上で、また情報の公開の方に戻りたいと思うんですが、義務は課されているわけでありますが、最終的にはこの義務をしっかりと履行していただく確保をしなければやはりいけないわけであります。
国土交通省としては、この自動車製作者等による情報提供義務、このエーミングに関する義務も含めて、これの履行をどのように確保されるのか、特に輸入車に対してはどのように確保されるのかを改めて御答弁をいただきたいと思います。

○政府参考人(奥田哲也君)
お答え申し上げます。
自動車製作者等から自動車特定整備事業者への情報提供の方法につきましては、今後、自動車整備技術の高度化検討会において審議、決定し、省令に規定する予定でありますが、制度開始当初は、現在の運用を参考に、国産車については日本自動車整備振興会連合会が管理、運営するインターネットを活用した整備情報提供システムによりまして、また輸入車については各自動車メーカーのホームページにアクセスすることにより閲覧又は入手できる形を想定いたしております。
なお、自動車製作者等がこれらの情報提供を確実に行わない場合、自動車特定整備事業者は適切な整備を行うことができず、ひいては当該整備事業者に整備作業を委託したユーザーが不便を被ることとなります。このため、法案成立後、これらの情報提供が確実に行われることを継続的に注視する体制の整備が必要であるというふうに考えております。
具体的には、自動車整備技術の高度化検討会において関係業界団体の代表から情報提供の状況や課題について継続的に聴取をするとともに、毎年、運輸支局長等が行う整備主任者研修の機会を捉えて整備工場の生の声を聴取することにより、情報提供が適切に行われているか把握していくことを想定をいたしております。
なお、輸入車につきましては、整備情報の提供が欧米の法規でも規定されているところでありまして、海外自動車メーカーもこれに対応いたしております。したがいまして、今般、我が国においても本法案により同様の規定を整備することにより、インポーターに対し一層整備情報の適切な提供を徹底できるものと考えております。
国土交通省といたしましては、これらの対策を講じることにより、自動車メーカー及びインポーターによる整備情報の提供が確実かつ継続的に行われるよう指導監督してまいります。

○矢倉克夫君
国産車に比べると、現状は外国車についてはそれぞれのホームページに上げるという形になっている。国産車の場合は、業界団体も含めて、FAINES含めた整備関係の情報の提供のシステムがあるわけでありますが、そことはまた一段違うところでの取組にやはりならざるを得ないところはあるかというふうに思います。
国土交通省としてもしっかりと、今御答弁いただいたとおりでありますが、外国の関係の企業もしっかりと情報提供する体制は引き続き監視をお願いしたいと思います。
インポーターも、当然、ちゃんとそこら辺をメーカーがやってくれないと自分たちも売れないわけですから、そういう部分での利害もしっかり把握した上で、インポーターを通じた取組というものも是非お願いをしたい。
最終的に、今は現状の取組でという話でありましたが、政省令でまたお決めになるときは、この外国の企業に対してもしっかりとこの情報提供義務というものを履行し得ることを目途として、その視野でしっかりと政省令決めていただきたいと、この点は御要望させていただきたいというふうに思います。
その上で、引き続きでありますが、もう一点、また情報提供に関してです。
自動車製作者等による情報提供は、提供ではありますが、まず一点は、これは有償で行われるのか。有償で仮に行われるとしたら、今までは自動車製作者等から関連の情報は系列のディーラーに行っていたわけであります。これを広げていくという今回の情報提供の義務の範囲でありますが、この有償の度合いについて系列のディーラーとそれ以外の整備工場の間で提供価格に差異を設けるべきではないと考えますが、この点についての御所見をお願いします。

○政府参考人(奥田哲也君)
お答え申し上げます。
点検整備に必要な型式固有の技術上の情報は自動車製作者等が作成、保有するものでございまして、その所有権は一義的には自動車製作者等に帰属するものでございます。
本法案では、全国において先進技術の整備の受皿を確保するといった観点から、自動車製作者等に対し自動車特定整備事業者等への情報提供を義務付けることといたしておりますが、自動車製作者等が本来有する情報の所有権に配慮し、その範囲は自動車の安全確保と環境の保全のため必要なものに限るとともに、当該情報提供は合理的な価格の範囲で有償により行われることを想定いたしております。
なお、自動車メーカーから系列ディーラーに対する整備情報の提供も一般的に有償で行われており、その商慣行を踏まえても、情報提供は合理的な価格の範囲で行われることを想定しているところでございます。
また、情報提供の価格が合理的な範囲であることについては、本法案の成立後、情報提供の在り方の詳細を定める省令において規定することを考えておりますが、この合理的な価格の範囲の考え方には系列のディーラーとその他の整備工場の間で差別的な価格差を設けないことも含まれるものと考えております。
いずれにいたしましても、国土交通省では、自動車製作者等による整備情報の提供が系列ディーラーとその他の整備工場の間で差別的に行われることのないよう注視してまいります。

○矢倉克夫君
省令で定めた場合も、差別的にはならないようにということの規定があるというふうな確認は取れました。
系列ディーラーは、また一般の工場とは違い、リコール対応だとかそういう部分の差異はあるかというふうに思います。そういう合理的な差異に基づくものであればよろしいかもしれませんが、そうでない非合理な部分、そういう部分に関しては、しっかりと現場の感覚を確認していただいた上でちゃんと政省令にかけていただきたいと、この点も改めて御要望させていただきたいというふうに思います。
続きまして、今度は情報提供以外の、OBDの関係なんですが、御質問をさせていただきたいというふうに思います。
ベンツの方でも実際のOBD、車載式故障診断装置ですね、スキャンツールを見て確認させていただきました。車の中に大体四十個ぐらいコンピューターがある、そういう複雑な系統の車を整備をするに当たって、どういう故障があるのか、やはり外からだけでなかなか判断できないようなときに、こういう故障コードが出たら検査不十分だという、必要な情報がスキャンツールを見ることでしっかり読み取れているというような情報の確認をさせていただきました。
その上で、私もちょっとその場でお伺いしたんですけど、大体このスキャンツールの読み込みは何分ぐらい掛かるのですかと聞きましたら、一分か二分ぐらいだと。ただ、私たちが見させていただいたのは専用のスキャンツールでしたから、汎用になるとどれぐらいか分かりませんというようなお答えでありました。
その関係で、整備の現場からは、特に指定工場以外の認証工場の方々、車検場に持ち込んでそれぞれ検査をされる方とかでありますけど、実際、本当に混んでいるときとかは一つ一つの時間が非常に掛かると。それは、とりわけ、こういう認証工場とかは、いろいろ委託された車両について必要な点検を行った上で、機構であったり、また軽自動車検査協会に持ち込んで検査を受検することが一般的であるわけなんですけど、受検前にあらかじめサーバーに接続して故障コードが記録されていないことを確認したりとかした場合であっても、もう一回その場でOBD検査をやらなきゃいけない、こういうところもいろいろとどうなのか、そういうような具体的な声もあったりしたわけでありますが、こういう時間とかに掛かる負担の軽減とか、そういうものに対しては国交省として今後どのように考えられるのか、御答弁いただければと思います。

○政府参考人(奥田哲也君)
お答え申し上げます。
自動車技術総合機構では、検査機器を順に配置した検査コースを用いて効率的に自動車の検査が行われておりまして、検査に要する時間は一台当たり、乗用車では約九分半、トラックでは約十二分となっております。
一方、機構が電子的な検査に要する時間を調査するために平成二十九年度に市販の整備用スキャンツールを用いて行った模擬検査では、車両にスキャンツールのコネクターを挿入するため約一分程度の時間を要しまして、加えまして、スキャンツールにより車両に記録された故障コードを読み出すためおおむね一から五分程度を要するといった結果が得られたことから、車検場の混雑を防止するためには、全体の検査時間を増加させない対策について検討する必要があるものと認識をいたしております。
この点に関しましては、電子的な検査の手法を検討した検討会では、機構は、他の項目の検査を行っている間に故障コードの読み出しと合否判定を完了できるよう、無線方式のスキャンツールの開発とそれを用いた検査手順の検討を行うこと、また、認証工場があらかじめ検査用スキャンツールを用いて保安基準に不適合となる故障コードが記録されていないことを確認した場合、その結果は機構のサーバーに自動記録されますことから、車検場では当該記録を参照して検査を行い、原則、再度の故障コードの読み出しは行わないこととすることが提言をされております。
機構におきましては、今後、これらの提言を踏まえまして、必要な設備、機器の開発や検査手順を定める事務規定の策定を進めることといたしております。
国土交通省といたしましても、認証工場を始めとする受検者に過度な負担が生じないよう、機構によるこれらの準備を指導、支援してまいります。

○矢倉克夫君
今の御答弁の中、一旦、既に読み込んだものについては再度しないというような報告書の御紹介ありました。それを受けて、機構がしっかりと基準を設けられて、国交省としてもその方向でという形で明確な御答弁をいただくことができました。是非、現場の負担感も含めて、また、無線の方式のスキャンツールということもあります、それの開発、また、それの一般の広がりとかも含めて、支援の関係も含め、また引き続き御検討をいただければというふうに思います。
大臣にお伺いをしたいと思います。
今の情報公開の部分に当たっても、一回読み込んだものは再度その場で読み込まなくてもいいというのは、やはり認証を受けた工場であったり、そういうものに対する行動であったり、に対しての信頼感というものも根底にあるのかなというふうに思っております。
それで、整備工場はディーラー系とかそれ以外というのもありますが、特にディーラー系以外の整備工場に関しましても、やはり地域に根差した存在でもあり、とりわけ地方にとっては非常に重要な存在になります。今後、自動運転の技術が広がれば広がるほど、やはりちゃんとした技術、専門性を持った人が整備をしなければいけない事態にますますなっていくというふうに思います。
こういう自動運転の時代を見据えて、特にディーラー系とまたそれ以外の整備工場に対して、大臣から役割に対する期待というものを答弁いただければと思います。

○国務大臣(石井啓一君)
国の認証を受けた自動車整備工場は、必要な設備と従業員を有し、ユーザーからの委託に応じて点検、整備を行うことにより、車社会の安全、安心を支える不可欠な役割を果たしているものと認識をしております。
また、近年、自動ブレーキ等の先進技術が普及をし、今後、自動運転の実現も期待をされる中、これらの先進技術の点検、整備に対応できる自動車整備工場の社会的重要性はこれまで以上に大きくなるものと考えております。
国土交通省といたしましては、自動車整備工場が技術の進展にしっかりと対応し、先進技術の点検、整備を行う能力を備えることにより、引き続き車社会の安全、安心を支えていくことを期待するとともに、先進技術に対応可能な整備工場のネットワークが全国に構築されるよう、必要な環境の整備を進めてまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
地方とかはとりわけディーラー系以外の整備工場が多いわけであります。そういうところも視野に入れて、今後の技術に対応できることを期待しと、今大臣からありました。国交省としても、その期待が、彼らが応え得るような支援の体制というものも引き続き是非よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
では次に、最後、またもう一点ちょっと質問をさせていただきたいというふうに思います。
少し視点を変えてちょっと質問したいというふうに思うんですが、今回の法案、特に情報提供に関しては、系列のディーラーとそれ以外の整備工場区別なくしっかりと情報提供をする、このような枠組みをつくったということも一つ意味もあるのかなというふうに思っております。
この系列のディーラー以外の整備工場との関係というところで、実は私、よく現場でお聞きするのは、部品調達における話になります。これは主に公正取引委員会さんの方に聞く話になるんですが、例えば、ある部品メーカーから部品を調達するわけでありますけど、部品メーカーから系列のディーラーのところに部品を卸すときは定価の四割引き、しかし、それ以外のところに卸すときは定価でいく。私が聞いている限りは、こういう事例が非常に多いわけであります。片方は割合的に言えば六〇の価格、片方は一〇〇の価格。これは、実際すると、六〇の価格からしたら一〇〇の価格は大体一・七倍ぐらいの価格で売られているという状態になります。こういう状態ですね。
あと、例えば販売も拒絶するというような事案があるというふうにも聞いております。今日は、まず資料の方には、こういう部品の販売の拒絶とかに関しては例えばEUの規則があるわけでありますが、このEUの規則、例えば、翻訳をちょっと入れ込ませていただいたんですが、一定の自動車関係の行動は競争法の除外になっているんですが、この行為は除外になりませんよとEUが規則を入れているのは、まさにこの部品の供給の制限とかなんですよね。ハードコアな制限と言っているので、EUに関しては、こういうことがあればそれだけでアウトだという行為として列挙をしている。それ以外も当然アウトになり得るものがあるというふうに規定もされているわけであります。
こういう制限が仮に日本であった場合、一般論として、部品の供給を系列のディーラーだけにしてそれ以外はしない、若しくは非常に高額な価格でほかのところだけ売り付ける、こういうようなことがあったら一般論としては競争法上問題になり得ると思いますが、その点について御見解をいただければと思います。

○政府参考人(粕渕功君)
お答え申し上げます。
まず最初に、系列ディーラーのみに販売するようなことについての御質問でございましたけれども、これにつきまして、事業者がどの事業者と取引するか、基本的には取引先選択の自由の問題と考えております。事業者が価格、品質、サービス等の要因を考慮して、独自の判断によってある事業者と取引しないこととしても、基本的には独占禁止法上問題となるものではないと考えております。
しかしながら、例えば、自動車メーカーあるいは正規輸入車代理店が自ら自動車の修理も行っている場合におきまして、競争者である整備業者に補修部品を供給しないことによって、その整備業者が代替的な取引先を容易に確保することができなくなり、市場から排除される場合等のような場合におきましては独占禁止法上問題となり得るというように考えているところでございます。
また、次に、価格の違うような場合に関するお尋ねがございましたけれども、事業者が他の事業者とどのような取引条件で取引するかは基本的に自由でございまして、取引価格に差異が設けられたとしましても、それが取引数量の相違に基づくものである場合等におきましては独占禁止法上の問題があるとは言えないと考えております。
しかしながら、例えば、市場における有力な事業者が取引価格について合理的な理由なく差別的な取扱いをし、差別を受ける相手方の競争機能に直接かつ重大な影響を及ぼすことにより公正な競争秩序に悪影響を与えるような場合におきましては独占禁止法上問題となり得るというように考えているところでございます。

○矢倉克夫君
まず、独禁法は、当然ですけど、民民の関係である、だから自由だというところは冒頭としておっしゃっていましたが、そこで競争的な制限があることが、何かあるんじゃないかという問題点から規制されているところでありますから、民民だからというところで一律に何かいいような状態は非常に良くないなというふうに思います。
その上で、しかしながらということでいろいろな事情もおっしゃっていただいた。ちょっとまた時間を改めてこの具体的な事情は申し上げたいというふうに思いますが、例えば今の系列系以外の整備工場というのは、やはり利益に関して部品に占める割合というのが非常に多いわけなんですよね。収益の大半を部品の関係で占めていると。こういう状態でほかのところとこれだけの差が開くというのは経営に相当圧迫がされる状態になります。それぞれが存続するかどうかという大きな問題に今なりつつある。
その上で、あと自動運転とかもこれからそうですけど、部品なんかは、メーカーがそれぞれこの部品をという形で作って試用をした上でそれを発注している、それぞれ代替性がない部品なんですよね。例えばそれについて支給が止められただとか、そういうようなことが起きるとその関係の整備は一切できなくなる。これは死ねと言っているような、に近いような状態にもなり得る可能性もやっぱりあるわけであります。
時間が終わりましたので、これで終わりますが、これについては是非いろいろ実態調査を様々していただいて、今後また引き続き検討いただきたいというふうに思います。ちょっとこの件についてはまた引き続き質問させていただきたいと思います。
ありがとうございます。

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