203回 厚生労働委員会

2020-11-26

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。
 四人の参考人の先生方、大変貴重な御意見ありがとうございます。
 私からは、まず脇田参考人に、今般の予防接種法及び検疫法の一部改正法案についての新型コロナウイルス対策に対しての位置付けであったり、また意義について、端的に伺いたいと思います。
 先ほど来より、世代ごとのリスク、ベネフィットのお話、どのようにワクチン接種を進めていくかという運用部分のお話についての御意見もあったと思いますが、そういうことも運用として動かしていく上ではやっぱり法的根拠も含めて必要であるというふうにも思っておりますし、先ほど坂元参考人からは自治体の体制整備というところで法的根拠が必要だという御意見があったところであります。
 そういう点も含めて、今、アドバイザリーボードのメンバーとしても危機意識をしっかり発揮するというお立場から、今回の法案が全体の対策についてどういう意義を持っているというふうにお考えか、お伺いをしたいと思います。

○参考人(脇田隆字君)
 お答えしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の対策において、今現在は、我々もこうやってマスクをして、手洗いをして、ディスタンスを取って、三密を避けるといったことをやっている、それでまあ何とか感染を予防しているという状況なんですけれども、いわゆる新しいワクチンが利用できるようになって、そして個人個人がこのコロナウイルスに対する免疫を付けるということがこの流行を抑えていくことで非常に重要であるというふうに考えています。
 そういった意味で、今現在開発が進んでいる新型コロナウイルスに対するワクチンが承認をされて、その効果とそれから安全性がしっかりと検証した上で使えるようになれば、それはなるべく早く市民、一般の方々に接種ができるような体制をつくるということがこの感染症を克服するために重要であるというふうに考えています。
 もちろん、接種の際の実施体制である、これはもちろん、やはりこういった国全体での流行における感染症ですので、国が主体となって行っていただき、ただ、実際にその接種を実施するのは川崎市を代表とするなどの市町村ということになりますから、そういった国とそれから都道府県、そして市町村の役割をしっかり明確にして、さらに、その費用の負担は国が全体的には負担をしていただいて、さらに、国民としてはそのリスクとベネフィットをしっかり見極められるような情報を届けていただき、有効性と副反応に対してもしっかりフォローすると、そういったワクチンを届ける全体の体制をしっかり整えていただくということがこの法案の意義であるというふうに理解をしています。
 ありがとうございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。全体の体制を整える上でも必要だという御意見は大変参考になりました。
 その上で、早期に届けるべき、安心を届けるという意味合いでも重要なワクチンの点ですけど、安全性と有効性というのをしっかり確認しなければいけないのは当然でありまして、それで、片山参考人にお伺いをしたいと思うんですが、まず、先ほど、今四つのワクチンの概略、非常に分かりやすい資料をありがとうございました。
 今の進んでいるワクチンというのは、多くはこれまでに、日本では有効というか、日本では流通というか、日本では使用されていなかったメッセンジャーRNAワクチンであったりウイルスベクターワクチンなど新しい技術を持ったタイプのワクチンということになります。
 こういう特質を持ったもの、今まで例がないからということの不安感もある一方で、例えば毒性を抜いたウイルスを入れる今までのワクチンとは違って、安全性という点でも一般的にはという、むしろあるんじゃないかというような御意見も一部であったりとかするんですけど、そういう部分について、今開発されているワクチンの一般的な安全性について等、もしお分かりのところがあればおっしゃっていただければと思います。

○参考人(片山和彦君)
 この四つのタイプのワクチンについては、一番最後のノババックスのリコンビナントたんぱく質というものについて、今のワクチンに現状一番近いものです。例えば、パピローマウイルスのVLPというのもリコンビナントウイルスたんぱく質の一つですから、あのワクチンというのが大体これと同じタイプというふうに御理解いただければと思います。
 残りの三つが新しいもので、アストラゼネカのアデノウイルスというのは組み換えたウイルスそのものを打ちますので、そこにちょっと抵抗があるかもしれませんが、実際にウイルスとしては複製する能力を奪ってありますので、そんなに心配することはないと思います。
 それから、メッセンジャーRNAのタイプですけれども、それぞれ必要最低限の領域を宿主の細胞の中で合成させてウイルスのたんぱく質を表示させると、提示させるというタイプのワクチンですので、むしろ不活化の全粒子ワクチンと比べると副反応が出にくいのではないかと私たち研究者の目からは見えます。必要最低限の領域だけを提示させるということですね、余分なものは入れないという形です。
 それから安全性という面ですが、治験のデータ以上のことは私たちには分かりませんので、治験のデータを見る限りにおいては、今まで過去に開発されたワクチンに比べて安全性が低いというデータにはなっていません。ほぼ同じレベルになるだろうと思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
 その安全性の確認について、先ほども少しお話がありましたが、この日本での第三相試験というのがなかなか困難性を伴う状況下にあって、どう安全性を確認するか。
 本会議等でも話は出ているんですけど、PMDAでは、海外で発生予防効果を評価する検証的臨床実験が実施された場合では、日本人における免疫原性であったり安全性を確認することを目的とした国内臨床試験を実施することで十分な場合があるとされておりますが、こういうこの日本における検査において、今やったような目的を達するために必要な検査、どういうデータが必要でどういう検査が必要なのかということをもう少し細かく、もし御知見いただけるところがあれば教えていただければと思います。

○参考人(片山和彦君)
 安全性に対するデータですが、世界的にやはり欲しているデータというのは同じなんですね。自分たちの国で自分たちの民族でやってみたいと。データを取って安心を手に入れたいという気持ちは同じだと思います。
 ただ、例えば人種の、人種間差等について反応の違いですけれども、それについては、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ノババックス、この四種類とも、USで治験をやっているもの、それからUKで治験をやっているもの、メキシコで治験をやっているもの等が交ざっています。どういった民族がどの程度、どういった人種がどの程度入っているのかというデータが治験データとして開示しているところもありますので、その中を見ていただくと、アジア系の民族がどれぐらい入っているのか、反応が同じだったのか否かというところを見ていただくことができると思います。そういうデータを見るしか今のところはないかなというところですね。

○矢倉克夫君
 じゃ、企業としては、最低限、日本に該当するような臨床試験もしっかりとやって、それをデータを開示するというところがやはり重要だということの理解でよろしいんでしょうか。片山参考人。

○参考人(片山和彦君)
 理想的には、導入する国に対して導入する国でそのメーカーのワクチンを治験をしていただいて、第三相の試験をきちんと最後まで成立させて、それから導入するというのが本当のワクチンの導入の方法だと思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
 続いて、坂元参考人にお伺いをしたいと思います。
 資料、いただいた資料、川崎市の取組、本当にすばらしい、今までの御経験に基づいた着実な取組であるなというふうに思いました。私も国会質問の方で、全国の自治体の方から、仮に集団的な接種が行われる場合の体制整備というのはどうすればいいのかという御懸念があるということを聞いておりまして、まさに全国の懸念を体現された取組であるなと。先ほど、これをモデルケースとしてしっかりと広げていくというようなお話もありました。それについては、我々もしっかりと対応できるところ対応していきたいなというふうに思ったところであります。
 その上で、具体的に、先ほど石橋理事からも地方自治体の体制ということでお話がありました。私も全く同じ問題意識でありまして、それをどのようにするかということなんですけど、具体的には、人員の補充のための国の予算というところも、それも全くそのとおりだと思うんですけど、川崎市の場合は六百の医療機関があって、そこに医師の方がいらっしゃる。まさに接種をしてくださる医師の方がどれくらいいらっしゃるかということも非常に重要かと思うんですが、そういう人員、専門家の方を対応できないような自治体に対しては、どのような枠組みで集団的な接種ということも含めて体制組みをつくるべきなのかということをまずお伺いをしたいと思います。

○参考人(坂元昇君)
 割と医療従事者が豊富な自治体とそうでない自治体に関しては、やっぱり広域連携を組むことが私は必要ではないかというふうに思っております。
 それと、やはり、先ほどはちょっと述べ忘れたんですけど、国民のやはりこのワクチン接種に関して最大の不安は、副作用が出るんじゃないか、副作用を隠すんじゃないか、大丈夫かというのが私は共通した不安であるというふうに思います。
 現在、メーカーの方から我々の方に、いわゆる市販直後調査というのが法律で義務付けられて、それを国が進めているVシステムと連携をして見える形でできれば全症例の副作用等を集めたい、その際、自治体は協力いただけますかという今までにない問合せが来ております。こういうシステムを使えば恐らく瞬時に、一週間程度で百万程度の情報を集めることが可能なので、こういう意味でのまず国民が一番不安に思っている情報システムを公開という形で見える化して、メーカー、行政が一体となって私はつくっていくということが最も大事ではないかというふうに思っております。
 そういう点も踏まえて、広域的な委員会等をつくって、その人員がいない市町村への支援とか、そういうことをやっていけたらいい、いいかなというふうに思っています。その意味でも、しつこくなるんですが、やはりこういう体制を組むためには、一刻も早く法を通していただいて、市町村がしっかりした法的根拠に基づいてやっていける体制を築いていきたいというのがお願いであります。
 以上でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。まさに、広域連携というのが非常に重要かなと思います。
 その上で、さらにデータ上の広域連携というところも。先ほど、接種の台帳の連携についてある程度は、こちらも済みません、坂元参考人にお伺いしたいと思うんですが、ある程度はできているというところがあると思うんですが、最終的にはこれ全国に広げていかなければいけない、また、医療機関との連携というところも必要かというふうに私は思っているんですけど、現場の感覚からその辺りについての御意見をもしいただければと思います。

○参考人(坂元昇君)
 予防接種台帳は、現在、多くの自治体で電子化されております。ただ、これは、予防接種が接種主体が法的に市町村ということから、システムの設計がそれぞれの市町村で行われているということから、広域的なシステムを連携するためにはある種特殊なソフトを介入させるとか、そういうことが必要であると思っております。
 今回の新型コロナウイルスに対して最大にちょっと考えなければいけないのは、予防接種台帳には、通常、接種歴のみで、そういう副反応とかそういうものが書き込まれないというシステムになっておりますので、私は、先ほど来述べておりますメーカーが法的に義務付けられている市販直後調査、ほぼこれ全数調査でございます、それとリンクさせていく、それから国が進めているワクチンの配布システム、Vシステムをリンクさせていくということで、この三つをうまいことリンクさせて、国民の多くの方が起こった副作用とかそういうものを正しい目で見れるシステムを広くつくっていくことが大事ではないかというふうに思っております。
 以上でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。デジタル庁の話なども、しっかりそういう形での方向からも考えなきゃいけないなと今思いました。
 その上で、今の副反応についての共有というところ、非常に重要かなと思っております。隈本参考人に、その辺りについての御意見がありましたらおっしゃっていただければと思います。

○参考人(隈本邦彦君)
 まさにその市販直後調査等が、誰に打ったかということは実は市町村は知っているのに、その後何が起きたかということについては市町村は積極的に調べていないというのが今のワクチンの現状です。ですから、もう自発的な、スポンテニアスな報告を受け付けるだけ。そして、それだとやはりみんなが監視していないと上がってこないというのは実例を申し上げたところですが、メーカーと医療機関だけが報告するという仕組みがやっぱりちょっと足りないんだと思います。
 アメリカでは、VAERSといって、誰でも、接種を受けた人なら誰でも報告できる仕組みがあります。それを、そういうものを、せっかくデジタルの世界になるわけですから、その接種台帳の電子化された接種台帳とリンクさせて、接種した人がその後どうなったのかということを多角的に集めていってしっかり分析していただく。そのデータがあれば、みんな安心して、まあこれぐらいのリスクならやってみようかというふうに受けるようになるんだと思うんですね。
 そういうことはなしに、安全なんですよと、ずっと、私も実は厚生省をずっと取材していたので分かるんです。つまり、僅かなリスクを怖がってみんながワクチンを受けなくなったらどうしようと、せっかく病気が予防できるいいワクチンがあるのに、何か怖がり過ぎて打たない人がいるんじゃないかという、そういう不安を常にワクチン行政を進めている技官の方はみんなお持ちです。あるいは専門家の方もそう思っていらっしゃると思うんです。
 しかし、それは、だから安全だと言い続けることが大事なのではなくて、本当の実像を国民に伝えて、これぐらいのリスクはあるけど、でもこれだけメリットがあるんだよということを正しい数字で伝えていくということがその姿勢として大事で、ついつい僅かなリスクを怖がる、庶民は、確かにそのとおりです。僅かなリスクを怖がるけど、だから、ワクチンを打たなくなるのが嫌だから安全だと言い続けるというのではない姿勢がとても大事で、そういう意味では、このワクチンをきっかけに、まさに臨時の予防接種に位置付けるとしたら、是非そういうシステムの構築をお願いしたいと私の方からも思います。
 以上です。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。情報を提供する、根底には当然国民、判断する国民を信頼するという観点が当然あるかなと思います。その部分でも非常に示唆に富むお答えでした。ありがとうございます。
 ちょっと最後の質問になると思うんですが、坂元参考人にお伺いしたいんですけど、事前に、要は、これ新型インフルエンザのときの経験を踏まえた上で書かれた文章だと思うんですけど、これ、感染症対策におけるコミュニケーションにおいて大事なのは加害者と被害者という構図をつくらないことだという、そういうお言葉があり、私は本当にそのとおりだなと。特に、コロナの状況にあっては、被害者、みんなも被害者になり得る危険性もあるということとともに、自分も加害者になり得る可能性もあるという、そういう理解をしっかり持つことがやはり重要かなというふうに今思っているところであります。
 そういう今おっしゃったことを実現するために、政府として、また我々として発信すべき情報を含めてどういう観点で進めていくべきかということ、最後、御意見をいただければと思います。

○参考人(坂元昇君)
 市町村において過去の感染症をいろいろ扱っている中で、一つのネックは、自治体ごとに公表基準が違うということがあると。住民の方が、例えば隣の横浜市まではここまで公表して川崎市はここまでとか、何か隠しているんじゃないかとか、逆にそういうものが不安になってくるので、私は、個人が特定されない形である程度感染予防という観点からできるだけ情報は公開していくべきだと。
 その中において、やはり個人攻撃というのは、今の段階で、川崎市でもそうなんですが、SNS等で行われるということで、やはりここの監視と。そういうことを書き込む人がいたら、そこは徹底的にやって、いわゆる感染症は個人の責任ではないと、これは集団でちゃんと対応していく問題だということを繰り返し繰り返しやはり国民に伝えていく私は必要があるだろうというふうに思っております。
 以上でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございました。
 四人の参考人の先生方、大変貴重な御意見、誠にありがとうございました。しっかり政策に向けていきたいと思います。
 ありがとうございました。