2021-04-22
○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
今日は、医療法等改正案に関する質疑でございます。
まず、法案について。本法案では、二〇二四年の第八次医療計画から、都道府県が作成をする医療計画の記載事項として、新興や再興感染症等の医療というのがこれ記載をされることになっております。ただ、このコロナの状況下、もっと早くにというような声も一部あるというふうにも理解もしているところでありますが、この点、今年度から始まっている第八期の介護保険事業計画では、いわゆる基本指針として災害や感染症対策に係る体制整備というのが、これ既に盛り込まれているわけであります。
こうした介護保険事業計画とある意味歩調を合わせるという形で、第七次医療計画の後半三年の医療計画に、通知などで来年度から五事業に並立した形で新興感染症等を記載するなど、そういうふうにすべきだという御意見もあるわけでありますが、まず、これについての厚生労働省の意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(迫井正深君)
御指摘のとおり、介護保険事業に係る基本的な指針において、介護事業所については、感染症対策としての研修、訓練の実施、あるいは関係機関等が連携した支援体制の構築等を求めているところでございます。
一方の医療機関についてでございますけれども、現行制度では、医療法に基づく院内感染対策のための指針策定や研修実施とともに、感染症法に基づく都道府県での感染症患者に対する医療提供体制構築を含めた予防計画策定が求められておりますけれども、今般の医療計画への新興感染症対応の追加では、新型コロナ対応により得られました知見を踏まえまして、感染患者、感染症患者の受入れ体制と一般の医療提供体制の両立を図るため、平時からどのように備え、感染拡大時にどのように対応するかを定めるものでございます。
御指摘の医療計画の記載事項に新興感染症等対応を追加する時期でございますけれども、国において基本方針等の策定に当たり足下の新型コロナウイルス感染症対応に関する課題整理が必要となるということ、あるいは都道府県においても足下の感染症対応に全力を尽くしていただいている中で、計画策定に当たり必要となる業務の負荷を最小限とする観点等も踏まえまして、次期、第八次の計画策定時とすることといたしておりますけれども、一部の自治体、都道府県では、現行の第七次医療計画の中、中間見直しに合わせまして、今般の対応により得られた知見を踏まえまして、感染拡大時における受入れ体制の確保でございますとか、感染拡大時に備えた人材育成、確保などの内容を盛り込む見直しを行っていると承知をいたしておりまして、計画策定年でございます二〇二三年度に先立ちまして積極的に計画策定の準備に取り組む都道府県に対しましては、国としても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君
介護保険事業計画の部分には、該当する形としては、医療法であったり感染症法というような話を踏まえた、踏まえた上で、今ほど、計画策定年である二〇二〇年度に先立ち積極的に活動している都道府県に対しての支援ということも話もあったところであります。
それで、大臣にお伺いしたいんですが、今局長からも話があった二〇二三年度に先立って積極的に計画策定準備をしている都道府県に対しまして国としてどのように支援をされるのか。
あわせて、一昨日の質疑で、私、大臣に質問するに当たりまして、その前に、この病床確保というところでは感染症の専門医の必要性というのも言及させていただいたところであります。この点、県によりましては、県内の専門医とかを指導医として専門医がいない医療機関などにも派遣するなどの取組も行っているところもあるわけでありますが、こういった取組に対しての評価と支援の在り方について、大臣から答弁をいただければと思います。
○国務大臣(田村憲久君)
まず、二〇二三年に先立ってということでありますけど、これ、今も局長から話がありましたが、今般、この新型コロナウイルス感染症ということでいろんなことを我々は知見として学んだわけであります。そういうものを技術的にしっかりと情報をお伝えすると。それぞれ、何といいますか、この感染状況違っておりまして、大変な勢いで広がったところ、そうでなかったところ、いろいろありますから、そういうような広がったところのいろんな情報等々、こういうものをしっかりとお伝えをさせていただくということは非常に重要であろうと思います。
それから、あわせてこれ、これから策定していく中において、当然のごとく、これも今回の中でまさに学んだことなんですけれども、ゾーニングをしやすい、そういう一般病床というものをしっかり確保していくということの重要性、それから人の配置といいますか、そういうものも今回学んだわけでありますので、そういうこともしっかりお伝えしながら、今言われた感染管理の専門家、こういう方々をしっかり養成していくこと重要だというふうに思います。
一つは、これは積極的疫学調査等々にも関わってくる部分なんですけれども、FETP、これ感染研で実地疫学専門家養成コースというのがございますけれども、こういうところからいろんな人たちが地域に行かれたり、地域から学びに来られたりいたしております。
あわせて、今回のコロナの状況の中でも、介護施設等々でクラスターが出たときに、各都道府県で感染管理の専門家を確保、養成いただいて、そういうところに派遣をお願いいたしたいというようなことを、これを通知を出させていただいておりました。そういう意味では、そういう感染管理の専門家の方々、こういう方々の養成も、これは学会等々とも連携しながらしっかりと進めていくということ等々を御支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君
是非、それぞれの都道府県でもまた専門医を県内の病院に派遣するとかという計画もされているところもあります。そういうところの支援も改めて考えていただきたいというふうに思います。
ちょっと一問飛ばしまして、その後、この法案の関係で、医師の働き方改革を進めるためのタスクシフト・シェア、今回実施をされます。これによれば、医師の業務量の削減などにもつながるわけでありますが、例えば、この職種が業務拡大する中で、これらの業務の拡大の部分において、安全第一の遂行のために、座学だけでなく、シミュレーターなどを使った技術の習得などの研修も必要だと思われますが、それに対しての方向性についてと、あわせまして、今回こういうふうにタスクシフト・シェアが実施されたことになった場合、診療を受ける患者側の意識の問題というのもあります。こういった方々に対しての患者側の理解と啓発が必要と思われますが、これについての厚労省の見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(迫井正深君)
今回の改正で、診療放射線技師、それから臨床検査技師、それから臨床工学技士につきましては、法改正に合わせまして養成カリキュラムの見直しを行うとともに、既に資格を取得した者などにつきまして、今回追加される業務を実施するための要件として、厚生労働大臣が指定する研修の受講を義務付けることとしておりまして、この研修について関係団体の協力を得ながら準備を進めているところでございますけれども、見直し後の養成カリキュラム及び研修のいずれにおいても、座学のみではなくて、シミュレーターなどを用いた実技の研修を含めて行うことを予定をいたしております。
それから、救命救急士につきましては、救急外来における救命救急処置の実施について、勤務する医療機関が実施する院内研修の受講を義務付けることといたしておりますので、今後、こういった研修の詳細について御指摘も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
それから、タスクシフトの関連で、医療を受ける患者さんが医療は多職種によるチーム医療で構成されているところを理解をいただくことは非常に重要だというのは御指摘のとおりだろうと思います。
この点、厚生労働省では、医療のかかり方普及促進事業といたしまして、医療のかかり方に関する国民の具体的な行動変容につなげるために、医療の上手なかかり方に関する情報発信、これを始めております。例えばこうした機会を通じまして、医療機関におけるチーム医療やタスクシフト・シェアの取組を患者側の御理解を得る形で促進してまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君
よろしくお願いします。
では、一旦ちょっと法案を離れて、一つ是非検討いただきたいことがありますので質問したいと思います。
それは、流産、死産した母親の方を是非母子保健の産後健診の対象にという部分であります。
近年、晩婚化とか晩産化という中で不妊に悩んでいる方もいらっしゃるわけでありますが、特に日本における妊娠満十二週以後の死産の数というのが年間二万人に上っている。こういうような方々の悲嘆のプロセスというのは、不安だったり、うつだったり、PTSDになったり、場合によっては夫婦関係にも影響するなど、本当に多くの問題が指摘されていて、一年以上続くということも試算されているわけであります。これはもう本当に本当につらい、つらいことだと思います。特に奥様の方は本当につらい経験をされるというふうに思っているところであります。
日本助産学会は、エビデンスに基づく助産ガイドライン、妊娠期・分娩期・産褥期二〇二〇においても、こういった死産を含む周産期喪失へのケアの創出、強化が進められているわけでありますが、私、最近気付いてちょっと驚いたんですけど、この母子保健医療対策総合支援事業における産婦健診、診査事業に、これ対象にこういう死産とかされた方の母親というのがこれ明確には入っていない形になっておりまして、私、要綱見たんですが、産後二週間、産後一か月など出産後間もない時期の産婦とされている。これだけでは読み取れないわけであります。
厚労省の委託事業が本年三月に公表されたわけでありますが、その中での実態調査で、本当に死産、流産されたお母様方の大変さ、浮き彫りになっている。もうこれを個人事として相談していいのかというところから悩まれて本当に苦しまれている方がいる、こういう方を置き去りにしないようにどうすればいいかというのをやはり考えなければいけないと思います。
是非こういった方々もこの産後健診の対象として心理社会的なケアのための整備体制、国は図っていただきたいというふうに思いますが、厚生労働省の見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(渡辺由美子君)
御指摘ございましたように、死産や流産を経験された方についての心理的なケアというのは非常に重要だと思っております。
厚労省としても、これまで都道府県に設置をされました不妊専門相談センターにおいてこういった流産や死産などについての心理的な相談も実施してきたところでございますが、御指摘ございました産後の健診、これにつきましては流産や死産を経験した場合も対象になるということ、これまでQアンドAなどでは示してきましたが、御指摘のとおり実施要綱の中できちっと明確にうたっていなかったということもございますので、これは死産等による産後うつなどのリスクもあるということもございますので、明確に産後健診の対象となるということを示したいと思っておりますし、また、令和三年度からは、不妊症・不育症支援ネットワーク事業というところで、医療機関あるいは様々な当事者団体等も含めた協議会でこういった方々へのグリーフケアを含めた支援の充実を図ることとしておりますので、こういった対応をしっかりと進めていきたいと考えております。
○矢倉克夫君
補助事業ですので、要綱に入っていないと、自治体としても判断の中でこれを対象から外してしまったというような事例もたくさんあったかというふうに思います。今までの事前の相談を受けて、入れていただくというふうに明言いただきましたので、本当にありがとうございます。是非徹底して、速やかによろしくお願いしたいと思います。
最後に、大臣にお伺いしたいと思いますが、もう一つ、公明党も提案いたしまして、三月十六日に閣議決定して実現をいたしました低所得の子育て世帯に対する特別給付金、こちら、一人親世帯に対しては早ければ今週中にも自治体によっては給付、支給されるわけでありますが、一人親以外の子育て世帯に対してのこの給付金につきましても、これ是非早期にスケジュールを示していただきたい、もうそれでできるだけ簡素な手続で給付を受ける仕組みというふうにしていただきたいというふうに思っております。
大臣に、今後の事業の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田村憲久君)
一人親以外の子育て世帯に対してといいますか、特別給付金についてでありますけれども、これ、来週、四月の二十七日に都道府県、各自治体に国の検討案、これお示しをしたいなというふうに思っております。
今委員言われたとおり、手間が掛かるとという部分もございますので、できれば既存情報を活用して何とかならないかということで、できる限りでありますけれども、児童手当でありますとか特別児童扶養手当、こういうものの情報を活用して、申請不要で何とかこういうものを支給できないかと考えております。
とはいえども、なかなかこれ、検討いろいろしなきゃいけないところもございます。都道府県、あっ、ごめんなさい、関係府庁、府省、それから自治体等々と連携をしながら、令和二年のこれ所得情報でありますが、これが判明した後にできる限り早くこれ対応してまいりたい、支給ができるようにというふうに考えております。
○矢倉克夫君
四月二十七日に現行案をお示しいただくというふうに明言を初めてしていただいたというふうに思います。ありがとうございます。
特別定額給付金のときなどもやはり申請した後の給付の遅れというものがあり、やはり、すぐに届くためには申請がない形が可能であればできればいいということで、いろいろ今検討をされて、工夫もされているかというふうに思います。デジタル庁の創設というのもあり、そういった環境整備のこともしっかりと各省と連携しながら、是非必要なところにしっかりと行き渡る、そのような体制組みを大臣のリーダーシップで是非進めていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私からは以上でございます。