211回 予算委員会

2023-03-28

公明党の矢倉克夫です。
令和五年度予算三案につきまして、自民、公明、与党を代表し、賛成の立場から討論を行います。
以下、主な賛成理由を申し述べます。
第一に、隠れた安全保障とも言える少子化問題に対応し、子育て支援を着実に前進させる予算となっている点です。
こども家庭庁の創設、出産育児一時金の引上げに加え、妊婦や子育て世帯に対し十万円相当の経済的支援を行う出産・子育て応援交付金を実施する費用として三百七十億円計上をしております。これは、妊娠時から出産、子育てまで一貫した伴走型の相談支援、特にゼロ歳児から二歳児への伴走型支援と経済支援を一体のものとして予算化するものです。ほかに、産後ケア事業の拡大や保育所の空き定員等を活用して未就園児を定期的に預かるモデル事業を実施するなど、当事者に寄り添った施策が随所に見られ、評価をいたします。
第二に、新たな成長産業育成とともに、賃上げを実現するために必要な施策を盛り込んでいる点です。
特に、GX経済移行債を発行し、民間のGX投資を支援する仕組みを創設するとともに、二〇五〇年カーボンニュートラル目標達成に向けた革新的な技術開発支援に四千五百六十四億円を措置するなど、経済成長と脱炭素を両立させるものとなっております。これと、個人のリスキリングへの支援を含む人への投資、五年一兆円施策パッケージを併せ着実に実施することにより賃上げを伴う労働移動円滑化を進める一方、下請Gメンを増員し、適正な取引や価格転嫁に対する監督を一層強化することなど、賃金を上げたくても上げられない中小企業・小規模事業者を支えるための施策を盛り込んでいることを評価いたします。
第三に、今後の物価高騰やウクライナ支援、新型コロナ対応などを見据え、対策を講じている点です。
一般予備費五千億円に加え、コロナ禍や物価上昇、ロシアによるウクライナ侵略により先行きの見通せない世界情勢等を踏まえ、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費に四兆円、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費に一兆円を計上しておりますが、これは不測の事態に対応できるよう万全の対策を講じるものであり、最終的に国民の生活を守るため必要なものであると考えます。
第四に、流域治水の本格実施、切迫する大規模地震から社会経済システムの機能不全を最小限に抑えるための対策に加え、事後保全型から予防保全型のインフラメンテナンスへの転換を図るなど、未来への投資として、国土強靱化、防災・減災関係予算四・七兆円を計上、激甚化、頻発化する風水害から国民の生命や財産を守るため必要不可欠なものとなっている点です。
第五に、安定的な輸入と適切な備蓄を組み合わせつつ、水田の畑地化支援により畑作物の生産を推進するとともに、肥料、飼料などの国内生産の拡大を推進するなど、国民の命を守るための食料安全保障の確立等に資する農林水産予算を二・三兆円計上している点であります。
第六に、安全保障、外交面の強化が図られる予算となっている点です。
新たな国家安全保障戦略が戦略的なアプローチとして第一に掲げるのは外交力であります。本予算が新時代リアリズム外交を展開するため外務省予算を前年度比四百八十五億円増の七千五百六十億円計上をしている点など、評価をいたします。
その上で、外交力と両輪を成す抑止力強化について、新たな防衛力整備計画の初年度として、継戦能力の向上を含め、必要な防衛費予算が計上していることを評価をいたします。
なお、政府は、本予算における防衛費増額分の財源を歳出改革や決算剰余金の活用、税外収入から捻出をし、新たな国民負担を求めておりません。引き続き、国民負担を最小限に抑える努力とともに、抑止力強化と近隣諸国との外交関係改善を両立、推進することを政府に求めたいと思います。
以上、令和五年度予算三案について賛成する主な理由を述べさせていただきました。経済安全保障の推進など、それ以外にも様々理由はございますが、ここでは省略をさせていただきます。
内外重要課題が山積する中、国民の生活と平和を守る政治の責任を果たすために、本予算の速やかな成立と着実な執行を求め、私の賛成討論といたします。よろしくお願いします。
以上です。

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