公明新聞:2014年10月30日(木)付
与党ワーキングチームの会合であいさつする竹内座長代理(正面中央)ら=29日 衆院第2議員会館
改正法案を取りまとめ
与党ワーキングチーム
自民、公明の与党両党は29日、衆院第2議員会館で、「拉致被害者等支援法改正に関するワーキングチーム(WT)」の会合を開き、今国会に議員立法で提出する方針の北朝鮮による拉致被害者らを支援するための改正法案を取りまとめた。
公明党からは竹内譲WT座長代理(衆院議員)と、濵地雅一衆院議員、矢倉克夫参院議員が出席した。
この後、公明党の拉致被害者等の支援プロジェクトチーム(竹内座長)は会合を開き、同改正法案について議論。今後の対応を竹内座長に一任することを了承した。
公明新聞:2014年10月29日(水)付
矢倉氏 高齢者らへ支援強化訴え
矢倉氏=参院法務委
28日の参院法務委員会で公明党の矢倉克夫氏は、認知症の高齢者や知的障がい者にとって深刻な詐欺被害などの法的トラブルを防ぐため、法テラス(日本司法支援センター)と行政、福祉の関係機関による連携強化を訴えた。
上川陽子法相は、「高齢者や障がい者のさまざまな悩みや課題に対する法テラスの役割は大変に大事」と指摘。その上で、「法テラスの常勤弁護士が親身に相談に乗って、問題解決へ適切に対応できる新しい仕組みづくりに向けた努力が求められている」と答えた。
また、矢倉氏は、法テラスの弁護士らが、行政や福祉機関などと連携して高齢者らの出張相談などを行う「司法ソーシャルワーク」の拡充も求めた。
10月28日、法務委員会にて質問
以下、質問動画になります。
短い時間(20分ほど)でしたので、主に大臣の基本方針を聞くことが主眼です。
上川新大臣就任にあたり、前回、松島前大臣に質問した「再犯防止」や「司法と福祉の連携を企図した法テラスの拡充」などに加え、国際訴訟における体制整備の充実を訴えました。
特に、 国際訴訟における体制整備について
現在、国際的な問題は公開の法廷類似の機関においてルールに基づき決しようとする流れがあります。
しかし、国際訴訟に対応する日本側の体制は脆弱です。
たとえば、外務省内にあるWTO(世界貿易機関)経済紛争対応部署など、室長含めわずか5名の体制です。
外務や経産などを巻き込んだ「国際的訴訟部門」創設に向け法務省も積極的に関与すべきことを訴えました。
松島前大臣のうちわ問題でなかなか進展のなかった法務委員会ですが、やっと動き出しました。
山積する課題の解決に向け、全力を尽くしたいと思います。いたしました。
○矢倉克夫君
おはようございます。
上川大臣、就任おめでとうございます。
御就任早々大変恐縮ではございますが、新任閣僚の方々への様々な報道が相次いでいることを公明党としても大変残念に思いますし、また、与党の一角として国民の皆様に大変申し訳なく思っております。政治への信頼を取り戻す正念場であるかと思っております。大臣には御期待を申し上げたいと思っております。
改めて、大臣から御決意をいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
ただいま先生から御指摘がございました今の状況ということにつきまして、私自身も、突然の任期途中の就任ということで、大変このような事態が起きたことについて責任を感じているところでございます。国民の皆様から信頼が損なわれかねないことで、大変迷惑を掛けているということに対しても申し訳なく思っております。
一日も早くこうした審議が迅速に進むことができるように、私自身も、副大臣、政務官と力を合わせて信頼回復を図るためにも頑張っていかなければいけないということで、身の引き締まる思いでございます。これからもそうした視点をしっかりと持って頑張っていきたいと思いますので、よろしく御指導いただけますようお願い申し上げます。
○矢倉克夫君
よろしくお願いいたします。
それでは、前回の質問の確認も含めて幾つかお尋ねしたいと思います。大変恐縮なんですが、質問通告、最初、再犯防止をする予定だったんですが、ちょっと最後に回していただきたいと思っております。
まず、法テラスについて、前回、主に後見過疎の問題を取り上げて、福祉分野における司法の役割の充実、拡充を提起いたしました。大臣も所信で言及されております高齢者や障害者等の法的ニーズの掘り起こしについて、私、これ既に法的問題が顕在化した後の事後処理では意味がなく、やはり事前予防であるべきだと考えております。例を挙げれば、社会的弱者の多重債務の問題など、債務がもうどうしようもなくなった状態で任意整理をしたり破算処理するような事後対応では間に合わないわけでして、その状態を引き起こした当事者の判断能力の問題や、またこれに付け込んでいる第三者の問題なども、危険な要素を事前に察知してどう法的にプロテクトしていくのかというのが非常に大事であると思っています。
問題は、こういうことについて、普通はこのような事前の段階から司法に一般の人から話が来ないということで、普通の感覚では、法律の出番というのは、にっちもさっちもいかなくなって訴訟をせざるを得ないような状態になって初めて来ると。私も弁護士だったときも、もっと早くに言ってくれればみたいな話もよくあったりとかしたんですが。それで、早くから当事者の情報に一番触れている自治体や福祉事業者に、ちょっとでもおかしな話が出てきたら、法律に関わるかどうかは分からないけど、まずは弁護士等に連絡してみようかと思わせることが大事であろうかと思っています。そのためには、もう待っているだけでは司法の側も当然駄目で、常日頃から定期的に意見交換するなど、よほど緊密に連携を取らなければいけないというふうに思っております。
ちょっと長々と話してしまったんですが、私、その連携の核になるのが給与制のスタッフ弁護士のいる法テラスであるという認識をしております。この点、大臣も所信の方では法テラス等の充実、訴えられていたんですが、同じような思いであると思いますが、この辺り、大臣、いかにお考えか、お考えをいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
委員御指摘の点につきまして、私も全く同感でございます。
そもそも、法テラスの制度ということにつきましては、国民に身近な司法をということで制度設計されたものでございまして、まさに司法が、垣根が低くて、そしていろんな課題に対して相談をすることができる、そういう役割を社会の中で果たしていくべきだという中から生まれてきた制度であるというふうに思います。
その意味で、法テラスが今後、高齢者の方とか障害者の方たちの様々な悩みやそして課題に対しまして、法律という視点から適切に行動することができ、またそれを解決に向けてつなげていくことができるような、そうした拠点としての業務ということについては大変大事だというふうに思っております。
ニーズにつきましては本当に多岐にわたるということでありますので、できるだけ多くの関係する機関と、福祉の機関でありますとか、最近は地域の包括ケアのシステムということにつきましても充実をしていこうということでありますので、そうしたところとうまくネットワークを結びながら、その中で、先ほど御指摘がありましたように、常勤の弁護士さんが本当に身近なお気持ちに立って、相談をして、そしてそれに対して適切に対応することができるような、そうした新しい仕組みに向けての努力ということについては、今まさに求められているのではないかというふうに思っております。
○矢倉克夫君
法テラスの重要性は、法務省の設置している法曹有資格者の活動領域に関する有識者懇談会においても、泉先生や田島先生など多くの専門家の方が指摘をされているところであります。
大臣も所信で述べられていた司法ソーシャルワーク、この拡充という側面においても法務省だけではなく厚生労働省なども巻き込むべきだと、このようなことも含めて、法テラスの重要性と絡めて懇談会では話もあります。特に、この他省との連携、この部分についても大臣から御説明いただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
今回の所信で司法ソーシャルワークに向けた体制整備につきまして言及をさせていただきましたけれども、平成の二十七年度の概算要求につきましても、このことの整備のための予算ということで要求をさせていただいているところでございます。
そして、この法テラスの件につきましては、他省、つまり福祉的な様々なニーズというものも関係しているということでありますので、その一つずつの問題に対して解決すればそれで終わりということではなくて、障害者や高齢者の皆さんがいろんな課題や問題に対してシームレスに取り組んでいくことができるように、他省との連携、とりわけ厚生労働省との連携というのは非常に大事なものだというふうに思っております。そういう意味で、法テラスの役割というものは、一つの拠点、核としての役割を更に充実強化していくことが必要であるというふうに考えております。
○矢倉克夫君
大臣おっしゃったシームレスな対応、これは非常に大事であると思います。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
次に、法務省の役割について、主にルール構築という観点からお尋ねをしたいと思います。
前回の質問のとき、自民党の三宅理事の質問に対しまして松島前大臣から、法務省が各省に対し言わば顧問弁護士みたいな形で、会社に顧問弁護士がいるように各省の政府の顧問弁護士という役割を果たすという答弁がありました。私、非常に重要な視点であるかと思っております。今、組織機構的なものも含めて、この点に関してどのような試みがなされているのか、改めて大臣から御説明いただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
ただいまの御質問でございます、松島前大臣から、言わば顧問弁護士というような役割ということでございました。
国の利害に関係する争訟、訴訟は法律上法務省が行うということになっているところでございます。そしてその訴訟の結果が、国の政治や行政、経済に大変重大な影響を及ぼす訴訟が増加しているということも昨今の課題でございます。国として、これらの争訟、訴訟に適切かつ迅速に対応していく必要性がますます深まっているというふうに考えております。
同時に、委員の御指摘でございますが、法律の専門家を多数抱えておりますので、訴訟が起きてから対応するのではなくて、訴訟が起きる前に関与をし、そして行政の法適合性を高めていく、そのことによって国民の権利利益に資するような行政とすると。これにつきましては、松島前大臣は顧問弁護士というお話もございましたし、また、言い換えてみれば、政府のコンプライアンスの機能を高めていくという意味での大変大事な役割もあるというふうに思っております。
訟務組織の充実強化ということで先ほど来お話ししましたけれども、予算概算要求につきましても、この点につきましても十分に対応することができるように努力してまいりたいというふうに思っております。
○矢倉克夫君
ここにも事前予防の観点、同じような側面もあるかと思います。
今のは国内の話ですが、視点を変えまして、国際的なルール構築に向けてお尋ねをしたいと思います。
この分野、各国が主導権争いをしていることはあえて言うまでもないことであるかと思います。TPPなどもその一環というふうに私も理解もしております。
その裏返しとしまして、国際的な問題は公開の法廷類似の機関でルールに基づいて決するという流れもまた出てきているのかと思います。この前のICJの判決などもそうではありますし、これは非常に政治化しやすいような問題であってもルールに基づいてまたしっかりと議論もしていくという部分、必要な部分でもあるかとは思っております。例えばWTOなども、ラウンドとしては今非常になかなか進展もない一方ではあるんですが、紛争処理機関としては着実に非常に実績も成果も上げてきているところではあるかと思います。
ただ、問題意識として、日本の体制、こういう国際訴訟についての体制というのはまだ脆弱であるかとは思っています。例えば外務省など、今話もしましたWTOの関係、このスタッフがでは今外務省はどれくらいいるかとなりますと、室長が一人と、あとは専門のスタッフが大体四名のみ、担当官が三名、常勤調査員一名、これだけで今担当をしているという、非常にほかの各国と、アメリカとかに比べれば全然体制も弱いということを非常に感じております。
公明党は、本年四月に、経産、外務に加えまして法務省を含めた形で、国際的な法的紛争に対して一元的に対応するための国際訟務部門、これを設置することが非常に有益である、このような旨の提言も提出させていただきました。私の個人的な経験からも思うんですが、やっぱりリーガルマインドというのは、国内と国際というのを何か特別に区別があるわけでもなく、法的素養がある人というのは、国内だけではなく国際にもしっかりと伝わっていく経験と知識というものがやはり備わっているということではあるかと思っております。こういう点からも、法曹資格者が非常に多い法務省こそ、この国際法の分野、訴訟の分野においてもより積極的に動くべきであるというふうに考えています。
この点、法務省の方でも今、訟務局を新設するという動きがあると聞いております。日本を被告とする国際訴訟なども含めた対応を、いかに法務省が持っている知見を確実に活用していくのか、こういう点では非常に良い方向性でもあると思いますし、私も応援したいと、このように強く思っているところではありますが、大臣から改めて、国際的な法の支配、ルール構築に向けまして、法務省、今後どのように取り組まれるのか、御説明をいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
大変重要な御指摘をいただきまして、ただいま国外の訴訟ということでございますが、これまでは法務省は関与をしていないというのが実情でございます。しかし、国際化の進展ということ、あるいは国際取引が飛躍的に拡大しておりまして、これらの訴訟が非常に増加するということが予想されるわけでございます。
そこで、法務省といたしまして、これらの訴訟への関与の在り方につきましてまず検討をしていく必要があるのではないかというふうに認識しているところでございます。訟務組織の充実強化を図るためにも、平成二十七年度の予算概算要求におきましては訟務局の新設をお願いしているところでございます。
このような国外の訴訟に対して対応策の検討も、この組織を強化する上での一つの課題であるというふうに考えております。
○矢倉克夫君
引き続きしっかりよろしくお願いいたします。
それでは、冒頭申し上げました再犯防止につきまして、前回、いわゆる自立準備ホームに対し更生委託費が件数ごと、つまり施設に入居している人ごと、定額支給されているということを確認いたしました。この自立準備ホームというのは、一部屋に大人数を一緒に住まわせるところであったり、また一軒家を借りて出所者に個室を割り当てているところなど様々あるようでございます。
前回、約三億円の予算について、登録事業者の特性を見定めながら予算の適正な執行を行うという御答弁でしたが、この適正な執行を確保するための具体的な対応策、どのようになされているのか、御説明いただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
自立準備ホームへの予算の執行の関係でございます。自立準備ホームへの宿泊等の委託の関係では、仮釈放者につきましては保護観察ということになります。満期釈放者等については更生緊急保護という手続によることになります。いずれにいたしましても、当該施設の受入れ対象、例えばホームレスを対象としている、あるいは障害者を対象としている、あるいは高齢者を対象としているというような受入れ対象に照らしてその施設が適切であるかどうかなどを勘案して委託先を決定しているところでございます。また、当該施設については、保護観察官が実際に委託先を訪ねて生活状況等を確認するなどしているところでございます。
このように、委託先の施設につきましては、保護観察や更生緊急保護の目的に鑑みて適切に運用されているかどうかを確認した上で委託の決定をしているところであります。今後も引き続き、各施設の特性や実情等を踏まえて委託を決定するなど、その適正な予算の執行に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○矢倉克夫君
しっかり対応されているところ、効果を上げているところにはより手厚くという部分も含め、めり張りある執行をよろしくお願いいたします。
松島前大臣からは、この再犯防止について予算獲得に向けて決意が述べられました。上川大臣も引き継いでいただきたいと思っております。
そのために必要なことが、やはり何といっても、再犯防止における経済的効果というのがどの程度か、これも試算もしていくことであると思っています。私、議連の申入れで麻生財務大臣にお会いしたとき、財務大臣から強調されたのがまさにこのことでありました。この点について法務省としてどのようになされるのか、大臣からいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君)
ただいま御質問の経済的な効果ということについての試算をということのお話がございましたけれども、そもそも個々の犯罪者による再犯を防止することで得られる経済効果を正確に数字ではじき出すということについてはなかなか難しいということではあるというふうに考えておりますが、一般論といたしまして、再犯防止に向けた取組によりまして刑務所出所者等による再犯が減少いたしますと、刑事司法手続の各段階におきましての新たな支出ということにつきましては抑制されるという効果があるというふうに考えております。また、刑務所の出所者等が再犯をしなかったことによりまして、こうした方々が、再犯事件を原因とした新たな犯罪被害が生じないようにすることによっての効果もあろうかと思います。さらに、社会においてお働きになったり、あるいは消費をしたり納税をするという形で経済活動の主体となるということによっての効果もあろうかというふうに思っております。
いずれにしましても、世界一安全な日本を構築するに当たりまして、再犯防止対策につきましては果たすべき役割が極めて高いというふうに考えているところでございますので、御指摘のところも踏まえまして、国民の皆様方に再犯防止対策の効果につきまして分かりやすくお示しをし、そして御理解をいただくことができるように全力で努めてまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君
予算の獲得の過程でも非常に必要な資料にもなってくるかと思いますので、民間ベースでいろんな試算があるものですから、法務省として、より多くの方が信頼できるような試算というのも是非やっていただきたいと思います。
時間が参りました。今申し上げた再犯防止の件、また法テラス含めたこの司法と福祉の連携という点、そして私の思いとしても、また国際法務戦略という、戦略という言葉が適切かどうかも含めましてではありますが、しっかりその辺りも含めて、是非引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
公明新聞:2014年10月28日(火)付
中国人留学生の表敬を受ける山口代表ら=27日 国会内
山口代表 東大の中国人留学生を激励
公明党の山口那津男代表は27日、国会内で、東京大学中国留学生学友会(劉鳳龍会長)のメンバー18人の表敬を受け、親しく懇談した。
公明党の西田実仁参院幹事長のほか、伊佐進一、中野洋昌両衆院議員と、矢倉克夫参院議員が同席した。
席上、山口代表は、花火大会や大学祭など、公明党と中国人留学生の交流に触れながら、「今後もさらに交流を深め、日中両国の関係発展へ協力したい」と語った。
劉会長は「いつも公明党には中国人留学生を応援してもらい感謝している」とあいさつ。
山口代表は、メンバー一人一人に「生活で困っていることは」「将来はどのような進路をめざしているか」などと尋ねながら、「力になるので何でも相談してほしい」と激励した。
10月23日、参議院内の公明党控え室にて、環境省の担当者と協議しました。
先日、福島県いわき市を訪れ双葉町から避難されている方と懇談、中間貯蔵施設の建設の件を含め、様々なご意見をいただきましたが、そのときの様子を伝えるためです。
特に環境省の方に問いかけたのは、中間貯蔵施設建設予定地の地権者との方々との会合が、単なる行政手続きの一環になっていないか、相手の心を受け止めて真摯に対応することが、本当に出来ているかという点です
「結論ありきでそこに至る一過程として事務処理の一環のような対応でやっていないか。相手を論理を尽くして説得するのではなく、相手の思いを真正面から受け止める覚悟で、ともに考える姿勢でいくことが大事。もっと寄り添う姿勢を」と訴えました。
環境省も今後は個別ごとにきちんと対応をするとのことでした。
我々も一層、現場に入っていきたいと思います
公明新聞:2014年10月23日(木)付
与党WTの初会合であいさつする竹内座長代理(中央左)ら=22日 衆院第2議員会館
法改正へ与党ワーキングチームが初会合
自民、公明の与党両党は22日、衆院第2議員会館で、「拉致被害者等支援法改正に関するワーキングチーム(WT)」の初会合を開き、今国会に議員立法で提出する方針の北朝鮮による拉致被害者らを支援するための改正法案について協議した。
公明党からは竹内譲WT座長代理(党拉致被害者等の支援プロジェクトチーム座長=衆院議員)と、濵地雅一衆院議員、矢倉克夫参院議員が出席した。
政府は今年8月、公明党の意見などを反映して新たな拉致被害者の帰国に備えた支援策を決定。これを踏まえ、改正案には被害者と家族の老後の所得を補完する新たな給付金制度の創設などが盛り込まれる見込み。
竹内氏は改正案の意義について「既に帰国している拉致被害者に安心をしてもらった上で、政府が北朝鮮との交渉に決然と臨むための一助になれば」と語った。
矢倉かつおです。
朝、めっきり冷え込むようになりました。いかがお過ごしでしょうか。
国会は序盤戦ですが、私の所属する法務委員会は、所管大臣である松島大臣の「うちわ問題」により空転しました。
松島大臣は騒動の責任をとり、昨日、辞任しました。大臣の行為が違法か否かは引き続き検証するとして、上川新法務大臣には、着実かつ堅実な行政を担っていただきたいと思います。課題は山積みですが、私もしっかりと見守っていく決意です。
そんな法務委員会ですが、先週木曜日、今国会における初質問をいたしました。「うちわ問題」ばかりが議論される中、私は、再犯防止や、司法と福祉の連携の必要性などを取り上げました。
実は、日本の犯罪の約6割は、「再犯」、つまり、過去に罪を犯した人が、再度犯す犯罪です。再犯防止こそ、安全な日本をつくる前提です。
質問で私が取り上げたのは、埼玉県さいたま市岩槻区にあるNPO法人の取組みでした。
そこは、「緊急一時シェルター」というものを提供しております。
これは、釈放された人や出所した人が住む場所がない場合、家が見つかるまで一時的に住む場所であり、生活立て直しの本拠とする場所です。私も実際に訪問しましたが、普通の一軒家であり、素晴らしい環境でした。
この取組みの先進的なところは、地元弁護士会である埼玉弁護士会と連携をしていることです。
あらかじめ、弁護士会と委託契約を結び、逮捕、勾留された人から弁護士に対し、出所後の生活環境などの相談がされた場合にはすぐにNPO法人に連絡が行き、社会福祉士などとともに住居を含め、生活の改善に向けての取組みを早め早めに行います。
「住居のない人が1年未満に罪を犯す確率は約50%である。住まいの確保を。そのためにも、NPO法人への積極支援とともに、弁護士会や検察庁などと社会福祉士等との制度的な連携を!」こう訴える私に対し、大臣はじめ法務省側からは、決意に似た回答がありました。
与野党とわず多くの委員から、「現場が大事だ、という思いが伝わる良い質問でした。」とのお声もいただきました。
弁護士時代に、幾度か、国選弁護事件を受任しました。
「頼るべき肉親も居ない私は罪を犯すしかない、私なんてどうなってもいい。」と自暴自棄になる被告人のため、少ない手がかりをもとに、お姉さんを探し出しだしました。「ありがとう」と言う彼の笑顔が忘れられません。
再犯防止の問題には、引き続き取り組んでいく決意です。
法務委員会は、魚住法務委員長のほか公明党は私一人、事実上の一人会派です。どこまでも現場に課題を見いだし、それを国政に訴え、実現をはかる!その地道な活動をしてまいりたいと思います。
公明新聞:2014年10月19日(日)付
伊澤町長と意見交換する若松氏ら=18日 福島・いわき市
伊澤町長(左から2人目)と意見交換する若松氏(向こう側中央)ら=18日 福島・いわき市
党福島復興本部
双葉町長らと意見交換
公明党の福島県東日本大震災復興加速化本部(若松謙維議長=参院議員)は18日、福島県いわき市にある双葉町役場いわき事務所を訪れ、伊澤史朗町長と意見を交わした。
これには、若松議長のほか、荒木清寛副議長(参院議員)、国重徹衆院議員、矢倉克夫参院議員、いわき市議会公明党のメンバーが出席した。
伊澤町長は席上、東京電力福島第1原発事故の影響で町内の96%が帰還困難区域に指定され、「今なお多くの住民が各地の仮設住宅で不便な生活を強いられている」と指摘。いわき市をはじめ県内4市で計画が進む町民向け復興公営住宅の建設がいまだ着工に至っていないため、「早期整備へ尽力をお願いしたい」と求めた。若松氏は「地元の要望を国に伝える」と語った。
その後一行は、いわき市で被災者への情報提供や交流スペースの提供などに取り組むNPO法人・勿来まちづくりサポートセンターの舘敬理事長と懇談。舘理事長は、「原発避難者の労働意欲の低下や、離散した家族の修復が今後の課題」と訴えた。
結党50年ビジョン第2弾「政党論」を発表
10月18日、福島県にて、双葉町住民の方々と懇談しました。
「政府には、いつ帰れるのか、帰れないのか、はっきり明示してほしい。それがあいまいなままでは、生活の安定への計画がたてられない」とのお声が複数。
また、中間貯蔵施設予定地の地権者の方ともお会いしました。
来年1月の搬入に向け、単純に手続きを踏むかのような政府の対応に、土地を売るか売らないかという以前の問題として、疑問を感じるとのお声が。
伊澤双葉町長とも懇談。同趣旨のことをおっしゃっていました。
改めて繰り返しますが、福島の問題で問われているいることは、行政や政治の姿勢そのものだと思います。
被災した方々は、みなさま、やり場のない思いを抱えていらっしゃいます。それをどこまで真正面から受け止め、少なくとも同苦する姿勢があるか。
行政が、それをビジネスか何かの一環と考えているのかと疑われるような対応をしてしまってはいけないと思います。
どこまでも誠実に、誠実がこれほど求められることはありません。
あらためて役所に訴えたいと思います。
○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。法務委員会では初質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、松島大臣、葉梨副大臣、大塚大臣政務官、御就任おめでとうございます。改めて、着実かつ的確な法務・司法行政、邁進されることを御期待いたしたいと思います。私も微力を尽くさせていただきたいと思います。
それで、一昨日の大臣所信、大臣、冒頭、世界一安全な日本を掲げ、真っ先に再犯防止について触れられました。私も今、実は超党派で形成されている超党派で再犯防止を進める議員連盟の事務局次長、仰せ付かっております。今日はまず、再犯防止に向けた取組から先にお伺いをしたいと思っております。
事前に法務省からいただいた資料によりますと、例えば平成二十五年に新たに刑事施設に収容された受刑者の数は二万二千七百五十五名になります。そのうち再入所してきた人、要は再び罪を犯してきた人というのは数にして一万三千四百七人、割合的には五八・九%になります。まさに犯罪の六割が再犯者によって行われているというような状況があると思います。
大臣の言う安心な日本の実現のためには実効性のある再犯防止策、必要であると思いますが、そこで、再犯防止に向けて現状どのような取組がなされているのか、特に地域で支える仕組み等も含めまして、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
刑務所出所者等のうち住居のない者についてでございますが、その行き先として更生保護施設、福祉施設、医療施設等がありますが、さらにそのほかに最近ではNPO法人等が運営する施設をいわゆる自立準備ホームとして登録していただいております。その登録事業者数は二百八十九事業者となっております。
また、再犯防止の関係でございますが、刑務所出所者等に対する就労支援につきまして、その事情を理解していただいた上で雇用してくださる協力雇用主に登録をいただいております。その登録事業主の数は全国で一万二千六百三となっております。
なお、委員御指摘の満期出所者につきましては、保護観察の対象にはならないことから、更生保護法におきまして更生緊急保護として応急的な保護措置を保護観察所の長が行うことができるということで、原則として六か月以内で関係施設、特に自立準備ホームを中心とした施設に宿泊等の委託をするという運用が行われてございます。
以上であります。
○矢倉克夫君
今、一通り御説明をいただきました。私も弁護士時代、企業法務を中心に扱ってはいたんですが、国選弁護も度々受任もさせていただきまして、特に印象に残っているのは常習累犯窃盗の事案で、前科何犯だったかちょっと覚えていないんですが、初めて被疑者の方にお会いするときにどういう方かなと思って想像しておりましたら、会ってみたら本当にもう人生に疲れたような顔をされて、自分はもう生きている価値がないんだというようなことを私にもう涙ながらに拘置所で訴えているのが非常に印象に残りまして、何としても肉親の方を捜したいという思いで、彼自身が肉親の方がどこにいるのか、ある程度の町しか分からないというような状況があって、ただ、この人に肉親をちょっと見付けないとまた再犯を犯してしまうなという実感もいたしました。
それで、少ない手掛かりを基にしていろんなところに聞き込みもしたりして、何とかお姉さんを捜し出したというようなことがありました。それを伝えたときに、本当に被疑者の人が感動して喜んでくださった顔が今でも忘れられないところであります。
私、これをもって改めて思ったんですけど、罪を犯す人というのは人であって人ではないんだと、やはり環境というのが大事なんだなということを改めて実感もした次第であります。やはり、生きるために罪を犯してしまうという、そういう人がなくなっていくような社会、これをどうやってつくっていくかということについて、参考になる取組がありましたので御紹介をしたいと思います。
配付資料を御覧いただきたいと思うんですが、これ「月刊福祉」という本の二〇一〇年、ちょっと若干前になるんですけど、三月号に書かれていたある論文で引用されていた図になります。非常に細かな説明があるので、ここでちょっと一つ一つ御説明する時間はないので、簡単にポイントだけ申し上げたいと思うんですが。
まず一つは、刑務所から、これ一、二、三、四、五という形になります。四のところに書いてある、緊急一時シェルターという言葉が書いてありますが、要は、刑務所から出所したり又は判決が出て執行猶予付きということで社会に戻った場合に緊急避難的に住む家、これをしっかり確保していると。これによって、家が見付かるまで路上生活をするようなことがないような取組もしております。
これまず一点目、こういうような設備を整えているというところと、第二点目のポイントとしては、この図からは分かりにくいんですが、事前に弁護士と社会福祉士がやはりちゃんと連携をしていると。法律の専門家である弁護士が被疑者段階からしっかり情報を把握して、それを福祉の専門家である社会福祉士としっかりつながっていると。
これをつなげているのが、一のところに弁護士とNPO法人との申込みと受付連絡というような流れになっておりますが、実はここは個別の案件での対処ではなくて、具体的にはこれ埼玉弁護士会なんですが、埼玉弁護士会が採用している社会復帰支援委託援助制度というものが制度として存在をしております。弁護士会があらかじめ指定をした団体に委託料を払った上で、何か被疑者から要望があったときにはそれをすぐにその指定団体につなげるということを制度として取り広げているというようなところがあるかと思います。
まず、今申し上げた、ちょっと通告と順序を変えまして、社会復帰支援委託援助制度について取り上げたいと思うんですが、弁護士との連携でありますね。被疑者が逮捕、勾留された段階、言わば刑事司法の入口からコーディネート支援ができているということ、これは非常に重要であると思います。
先ほども法務省の方から話もありましたが、再犯を犯す人は、特に住居がない人が再犯を犯す率というのが非常に多いと。その中で、判決が出た、若しくは執行猶予になってすぐに社会に復帰するというときに、そこから住居のないホームレスの方をしっかり支援をするという体制を組んでももうまさに遅いという状況。そうであれば、被疑者の段階からそういうような対応をしっかりと取っていくようなつながりというのをつくっていくのは非常に重要であるかと思っております。ポイントは、これを個々の事案ごとに対処するということではなくて、制度としてしっかり持っているということ、これは非常に重要なことであるかと思っております。
そこでお伺いしたいんですが、全国の弁護士会でこのような仕組みが行われているかどうかは定かではないんですが、再犯防止のため、それを推進する法務省としては、このような司法の入口でしっかりと社会福祉士とかにつなげていくような仕組みというのをやはり積極的に支援していくべきと考えておりますが、この点いかがでございましょうか。
○政府参考人(林眞琴君)
今、再犯防止で司法の入口というふうに言われましたが、再犯防止の場合のいろんな社会復帰支援の取組というのは、通常、刑務所からの出所者に対して行うと、こういうことが最初に想定されておりますけれども、一方で、捜査、公判段階、いわゆるまだ刑務所に至る前の、入口の段階での再犯防止支援というのは非常に重要であると考えております。
捜査、公判段階におきましても、いわゆるまだこれは検察の段階と申し上げてもいいと思いますが、その段階においても、起訴猶予で釈放される、あるいは裁判で執行猶予が付いて釈放される、こういった釈放される者の中には福祉的な支援を必要とする者がおり、またそういった福祉的支援を施せば再犯防止にもつながると考えられる者がおりまして、これに対して検察といたしましても、外部の機関と連携して、確実にその社会福祉サービスの受給でありますとか帰住先の確保につなげられるような取組を現在しているものと承知しております。
その場合の外部機関の中には、保護観察所はもとよりですけれども、地方の自治体の福祉部門あるいは地域生活定着支援センター、あるいは御指摘のありました弁護士会における取組、こういったものとの連携というものも非常に重要であると考えております。
○矢倉克夫君
大事な点は、制度としてしっかりと整えていくと。弁護士会もこういう形で仕組みをつくっているところもあるので、そういうところと更に連携をして全国展開するように、また積極的に推進をしていただきたいと思います。
もう一点、先ほど申し上げた緊急一時シェルターについて、やはり民間の力を再犯防止のためには使っていく必要があるなという典型であるかと思います。環境整備という点では、特にこういう公的な施設としては更生保護施設があるわけですが、私、地元である埼玉、私が認識している限りでは更生保護施設も一か所しか恐らくないかと思っております。やはり民間の力を活用することをこういう点では改めて大事なんだなということを実例として私は挙げさせていただきたいと思います。
そこでお伺いしたいんですが、再犯防止に向けた取組をこういうふうに進めているNPO法人に対してどのような今支援の在り方をされているのか、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
先ほどお答え申し上げましたように、保護観察所の長が自立準備ホームに宿泊等を委託する場合がございます。その場合に、件数ごとに更生保護委託費を支給することができるということになってございまして、その予算額として本年度は三億七千五百万円の予算措置を講じているところでございます。
なお、その自立準備ホームの登録事業者数、今、登録事業者数を獲得する、増やすということに力を注いでおるわけでございます。NPO法人のほかに、会社あるいは宗教法人、社会福祉法人、医療法人等、様々な形態の施設に登録をいただいているところであります。その運用の実態も様々であることから、今後ともその特性を見定めながら予算の適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○矢倉克夫君
先ほど自立準備ホームという形で御説明あったと思いますが、もし今データがありましたら、平成二十三年にその制度を発足されたと思いますが、その当初の登録数から今はどれくらい数が伸びているのか、数値を挙げていただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
平成二十三年度は百六十六事業者でございました。それで、平成二十五年度の数字ですが、二百八十九事業者ということになってございます。特に、NPO法人がそのうち百四事業者を占めているという状況にございます。
○矢倉克夫君
今NPO法人と、私、先ほど緊急一時シェルター、例に挙げましたけど、これ実際行ってみましたら本当に普通の一軒家でありまして、外から見たら全く分からないようなところでありました。そこの中に入って、それぞれ出所をされた方に個室が与えられていたんですが、その方々ともお話もしましたが、やはり非常に安定した、しっかり前向きに希望を持った形で次に向かって頑張っていくというような姿勢が見られて、やはり住環境というのは大事なんだなと、心の平静にとって与える部分というのは非常に大きいんだなということを実感もいたしました。
一部でこういう部分を利用して貧困ビジネスなどもやったりとかしているところもある、大きなところに二段ベッドを何十個も並べて、そこに人を押し込めてお金を取るだけのビジネスをやっているようなところがあると思います。そういうしっかりやっているところとそうでないところ、これもやはり区分けをしていかなければいけない、その前提で先ほど予算も計上されているというようなことありました。
さらにですが、百六十六あったNPO全体の登録数が二百八十九まで今伸びている。着実に伸びているかと思います。ただ、NPOの方からいろいろ聞くと、やはりなかなかそれ以降頭打ちになって伸びないのではないかというような観測もある。さらに、どうしても業務として成り立たない、ペイしない部分もどうしても出てきてしまうかもしれないと。その辺りはますます、これ財政的な部分もあると思うんですけれども、しっかりと支援の部分も拡充して、より良いNPOの方々が支援に入りやすいような制度をつくっていただきたいと改めて思うんですが、この辺り、いただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、更生保護施設、これはなかなか収容能力に限りがございます。この二年後には刑の一部執行猶予で出所者が保護観察付きで多数出所してくることが予想されます。その場合には自立準備ホームの収容能力あるいは各種の対応能力に頼らざるを得ないということになろうかと思いますので、更生保護の観点から保護局としてその支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君
大臣にお尋ねしたいんですが、再犯防止のための課題は多岐にわたっているわけですが、今日は住環境整備について特にここまでお訴えするためにお話もさせていただきました。
先ほども一部もう既に御説明あったんですけれども、事前に法務省からいただいた資料によると、平成二十五年に、刑事施設を出所して、そのうち適当な住居、居住先がない満期出所となった者の割合、要するに、出所はしたはいいけれども定まった住所がない人の割合というのは大体二四%いるというふうにお伺いもしております。その上で、平成二十一年から平成二十五年までの間に、適当な帰住先がないまま満期出所となった受刑者のうち、出所後一年未満、もう一年未満で再犯に及んでしまった人、出所したはいいけど帰るところがなくて、じゃそういう人がその後どうなったかというと、一年未満に再犯に及んでしまったのは五四・五%、半分以上が新たに罪を犯してしまうというようなデータもあるかと思います。
再犯防止のためには、やはり住むところをしっかり確保するような社会政策を取っていく必要も大事なんだというふうに私思っているところではあるんですが、生活保護とかも考えましても、やはり住居がないと生活保護も受けられない、そういういろんなところで波及がしてくる。再犯防止を進める上ではやはり住居の確保という部分も大事であると思っております。
大臣、所信の中で、保護司の方や協力雇用主の方々への支援充実を訴えられておりました。就労支援であるとかそういう部分、非常に大事な部分はおっしゃるとおりであると思うし、その重要性はまさにそのとおりであるんですが、やはり加えて出所者の住環境の整備についてもより積極的に動いていただきたいと思いますが、その辺りを御決意をいただければと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
今委員が非常に熱心に、出所者の人たちが生きていくためにはまず住むところが、居場所が重要であること、そして、いろいろな取組の例をお話になられました。まさにおっしゃるとおりでありまして、今委員が言われたように、居住先がない満期者が二四%、そのうちの五割を超す人が一年未満にまた再犯に及んでいるという事実を考えますと、就労支援以前の、落ち着いて住んでいるところがないと仕事を獲得することもできない。
そういう意味で、今、更生保護施設はありますが、それだけでは足りない部分などもどうしていくのか、これは本当に今の更生保護施設の充実で済むのか、もっと予算を取ることか、予算だけでなくて、うちが借りられるような手元資金の用意をどういうふうにするのか、そういったことも含めて委員の皆様とも御相談しながら、そして省内を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君
力強いお言葉をありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
では、次に行かせていただきます。今の話とまた一部実はかぶる部分もあるのかもしれないんですが、いわゆる司法と福祉の接点についてであります。
私、先日、埼玉の方で弁護士会の登録もしているんですが、士業間の交流があって行ってきたんですけど、そこで司法書士の先生から言われたのは、やはり今、高齢化社会で成年後見の非常にニーズがどんどん高まってきていると。ただ、受任をする人がやはりどんどん足りなくなってきている、潜在的に人が足りなくて、もうどうしようもなくなっているという。親族後見人はやはりなり手がなかなかいなくて、第三者後見人ということで市民後見人の方もいらっしゃるわけですが、なかなかニーズに合うような方もいらっしゃらなかったりとか、そうすると、やはり専門家後見人ということで、弁護士であったり司法書士であったり、そういうような人々が役割を担っていかなきゃいけないところはあるんですが、数が全然、その部分で受任をしてうまくいくような人がなかなかいないというような話がありました。
それで、この辺りの事情を調べ上げたデータがあるわけですが、新潟の法テラスと、あと社会福祉協議会が調べ上げたデータがあるんですが、二〇一三年の九月時点で調べたんですけど、例えばこれ新潟の話なんですけど、新潟県内では、成年後見制度に対する需要者数はその時点では五千六百五十三人いると。そのうち、身寄りがないなどの理由で市町村長による成年後見申立てが必要であり、それゆえに第三者後見人が必要なのが千二百二十九人。ただ、それに対しての対応ができる人として登録しているのが三百七十人しかいないと。ニーズよりもやはり四分の一の対応しかできていないというようなことがありました。
先ほど私も直接聞いた司法書士の方からの話をデータでしっかり裏付けているところではあると思うんですが、この後見過疎の問題、これは、要するに担い手不足の問題ですけど、法務省としてどのように対応されるか、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
まさに後見人が足りない、これだけ決定的に需給の数のギャップということでございますので、今やっている取組といたしましては、法テラスが司法ソーシャルワークの一環として、法テラスの常勤弁護士等が、法的支援が必要な高齢者、障害者の方たちの代理人として成年後見の申立てを行うほか、必要に応じてその成年後見人に就任しております。
今後、超高齢化社会を迎え、成年後見制度の活用を含めた司法ソーシャルワークの取組は非常に重要であると考えておりまして、さらに、その人数が足りないということと同時に、どこにどういう方が、やってもらえる人がいるかということも分かりづらい問題があると思いますので、法テラスがいろんな相談窓口、そしてまたそのスタッフが応じることができるように、そういった面でも法テラスの取組及び広報活動にも努めてまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君
今大臣、法テラスの可能性を御答弁くださいました。私、法テラス、非常に可能性は無限に広がっている、可能性が高いところであると思います。やはり給与制の弁護士さんが常勤でいらっしゃると。やはり個別に受任をするとなかなか業務としてという部分が入ってしまって判断を控えるような方もいらっしゃるんですが、給与制の方がいるということ。あと、やはり全国的に組織がどんどん展開してきているということ。その他も含めて、法テラスが、この後見過疎も含めて、やはり福祉の分野でのニーズをしっかり吸い上げていく、その役割を担うべき大きな可能性はあるのではないかと思っております。
今、司法ソーシャルワークというお言葉も大臣からありました。先ほどのいろんな午前中からの議論についても司法アクセスというような言葉があったんですが、私、この問題を通じて感じましたことは、人員を増やすこととともに、やはり福祉に関わる方々にとっても司法をより顔の見える存在にしていく必要はあるかと思っております。
いろんな福祉関係者の方と話もしても、まず法テラスというのがまだそんなに認識もされていないと。あそこに持っていけばいいんじゃないかというようなことを認識されていない方もやっぱりいらっしゃると。その上で、やはり弁護士とかそういう方々に相談しようとかいうような思いにもなかなかならないと。早い段階に弁護士に相談するであるとか、そういうようなやはり気付きというのがこれも大事であるかなと思っております。
そのためにも法テラス、より積極的に福祉ネットワークに入っていく必要もあるかと思っております。例えば、話が来たときに、受け身の姿勢だけではなくて、ネットワークのある意味つなぎ役として、福祉ネットワークの中の一部にしっかり法テラスというのが入り込むという位置付けをやはり取るためにも、それぞれの連携役であったり調整であったり、そういうような役回りもどんどん担っていくというようなことも必要かとは思っております。
当然、業務として拡大する必要もあるわけですし、体制を充実させるための予算組みなどもこれから必要になると思いますが、法テラスをまさに福祉事業者を含んだ司法ネットワークのつなぎ役として更に積極的推進をしていくために、法務省にはより積極的に関わっていただきたいと思っておるんですが、この辺りはいかがでしょうか。
○大臣政務官(大塚拓君)
まさに、法テラス、そうした社会の結節点としての役割も非常に重要だというふうに考えております。現状は、様々な地域包括センターですとか社協、警察、婦人相談員とか、そういった皆様といろいろ連携、情報交換をさせていただきながら、なかなか自ら法的支援を求めることができない高齢者でございますとか障害者の皆様に働きかけをすると、こういうことを司法ソーシャルワークというところで取り組んできているところでございます。
一方で、大臣所信的挨拶の中でも触れられておりましたように、法テラスそのものの広報活動、周知、どれだけされているかという問題もあろうかと思います。こういったところ、予算も関わってまいりますので、委員各位の御支援も賜りつつ、法務省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○矢倉克夫君
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
これから特に爆発的に成年後見の部分に関して、それ以外も含めてやはり福祉の中での法的ニーズを吸い上げる必要性というのは大きくなってくると思いますので、より一層の充実をよろしくお願いいたします。
時間もあれですので、最後、一言といいますか、今後のあるべき法曹の姿というものをもし御意見をいただければと思っております。
私、弁護士登録をしていたんですが、実際、実は十三年たって、そのうち弁護士事務所にしっかり在籍をしていたのが、在籍というのは机に座っていたのが三年間ぐらいで、その後留学したりとか、経産省の方に任期付公務員で仕事もさせていただきました。本当にいろんな経験をさせていただいたんですが、その中で得た実感というのは、やはり法曹の持っている能力というかそういうものは社会にとって本当に有益なんだなと。法曹三者という形で枠組みはあるわけですが、先ほど来から話にもあった法の支配、それを、海外の支援の中で法の支配をしっかりと世界的にも広げていく役割も、やはり法曹のリーガルマインドというのは必要になってくると思いますし、行政の中でも法曹の人たちの持っている能力というのを活用していくやはり部分は必要であると思います。
法曹三者というカテゴリーにとらわれず、やはり社会の中での法のスペシャリストとしての法曹をこれからまた更に養成していく必要あるかと思いますが、将来的な法曹の在り方について、最後、一言いただければと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
矢倉委員から御指摘のように、そして委員自身が経済産業省に出向されたり、いろんな経験をお持ちだと今伺いました。実際に政府におきましても、経産省のみならず金融庁その他いろんな役所に弁護士資格を持った方が任期付きの採用という形で来られています。
法曹制度をこれからどうしていくかということを考える中で、旧来型のこの三つのパターン、裁判官、検事、弁護士というその概念だけでなくて、そういう国の機関やあるいは地方公共団体、あるいは企業、企業でも少しずつ法曹資格持った人を採用するようになっております。そういったところの活動や、あるいは私どもが各地で行っている国際的な法支援、あるいは国際的な法分野でいろんな国に出ていった企業をどういうふうに助けるとか、そういったことも含めて、広い範囲にその法の支配というものに関わる部分をあまねく実現するという観点からもいろいろな広いところでの活躍をしてもらう、それが重要だと思っております。
実際問題、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会というのを設置いたしまして、その下で、日弁連との共催で、国、自治体、福祉等、あるいは企業及び海外展開の各分野における法曹有資格者の活動領域の拡大に関する分科会を開催して、これらを進めるための取組をやっているところでございます。これからも進めてまいります。
○矢倉克夫君
終わります。
10月16日、法務委員会にて国会質問しました。再犯防止策や成年後見制度などを念頭に、司法と福祉の連携などを質問。日本の犯罪の6割は再犯です。罪を犯したひとが再び罪を犯す(再犯)ことを減らすことが、安心な社会につながります。
特に、刑務所から出所したあと住居のない人が、1年以内に犯罪を犯す確立は約50%です。
私からは、国選弁護人を務めたときの経験や閉会中の視察から得た経験をなどを踏まえながら、福祉関係者や司法関係者の支援の輪のもと、住むところの手当をいかに図るかなど様々質問いたしました。
大事なことは、逮捕勾留された被疑者の段階から福祉につなげるコーディネートをはかること、埼玉弁護士会などはよい取り組みをしています。
また、しっかりしたNPO団体と連携をはかること。つながりが鍵です。
他に、認知症の方などの財産管理をするための制度である成年後見制度の担い手不足に司法がどう関わるかなどを質問。法テラスの可能性にふれました。
質問の動画です。
法務委員会で扱う問題は、国土交通や厚生労働に比べイメージが持ちにくいのですが、社会の根底に関わるものです。
引き続き、現場力で質問していきます。
公明新聞:2014年10月22日(水)付
政党政治の課題と公明党の挑戦
政党を取り巻く状況
各国とも世論調査で低い信頼感 政党支えた中間団体が衰退
《政党からの視点》
政党は民主主義にとって重要な装置だが、「脱政党」が叫ばれ、「政党衰退」が指摘されて久しい。日本を含めた先進各国で、政党への信頼は低下している。さまざまな既得権に縛られ、スピード感のある決定ができないことや、党内の激しい対立は珍しくない。また、日本の民主党が政権奪取をめざしたころのように、与党の政策決定にことごとく反対し、政治が行き詰まり状態に陥るような事例も起きている。
政党に対する有権者の目は厳しい。先進各国で国民の政党への信頼は、議会や行政に比べると極めて低い。
世界各国で共通の質問による世論調査を続けている世界価値観調査(第6波)によると、多数の国で、政党を「信頼する」(「非常に信頼する」「やや信頼する」の合計)は、「信頼しない」(「あまり信頼しない」「全く信頼しない」の合計)を大きく下回っている。日本の場合、「信頼する」は14.8%(「非常に信頼する」1.1%、「やや信頼する」13.7%)に対し、「信頼しない」71.6%(「あまり信頼しない」54.5%、「全く信頼しない」17.1%)である。(1)
また、NHKの世論調査によると、「政党を信頼していない」(「どちらかといえば信頼していない」を含む)は72%に達し、「政府」「中央官庁」「国会」などを上回り、政党はもっとも信頼されていない組織と見られている。(2)
◎深刻な低投票率
政党への不信感は先進国で目立つ低投票率にも表れている。わが国では、20代、30代だけでなく、中高年齢層の投票率の低下も見られる。内外の課題に現実的に対応しようとする政党の間では政策の違いは少なくなり、明確な争点は減少する傾向にある。景気悪化など国民の不満が増大すれば、空気を変えたいとの国民の思いを反映して、国政選挙で自動的に与党が敗北するような構図が出来ているようにみえる。
米国では政党は、大統領を生み出す重要な装置であるが、民主、共和の二大政党は共に、富裕層から多額の献金を受け、大衆の声が届きにくくなっており、「第三の政党」を待望する声は決して小さくない。欧州では右翼政党やネット政党の台頭など、伝統的な大政党を忌避する動きも目立つ。わが国でも、2012、13年の衆院選、参院選で自民党が大勝したが、勝因は民主党の失政によるところが大きく、日本維新の会(当時)や、みんなの党への支持も少なくなかった。また、最近の調査では民主党への支持は大きく後退したものの、自公政権に対抗できる一定規模を持つ政治勢力への期待は根強い。(読売・早稲田大学共同世論調査では「今後も政権交代を望む」65%、「二大政党制が望ましい」56%となっている=2014年1―2月調査)。つねに、有権者は現状に満足せず、新たな政治勢力の登場を待ち望んでいるように見える。
《有権者の側からの視点》
◎「個人化」する社会
政党の衰退や有権者の政党への不満は、政党それ自身によってのみ引き起こされたのではない。グローバル化の進展や経済発展に伴う豊かさの拡大、福祉制度の充実などによって、個人は、共同体や中間団体から切り離される。いわゆる「個人化」が進む中で、政党は、これまでの共同体や所属する集団の一員としての有権者ではなく、これら集団から距離を置いた個人としての有権者に向き合うのである。(3)
科学技術の発達や経済成長によって豊かさの恩恵を得た個人を、その影の部分である環境問題や経済、雇用、貧困などさまざまなリスクが直撃し、個々人が自らの人生に責任を持つように迫られている。
IT(通信技術)の進化などにより、一人の人間の力や可能性が大きく拡大する「個人の勝利」がうたわれる一方で、リスクと不安を背負わされた個人、有権者が現代の民主主義の主役なのである。
個人と国家を媒介し、民主主義を支えてきた労働組合や業界団体などの中間団体の衰退は、政党と有権者の関係にも大きな影響を与えている。個人を組織し、指示を与えてきた中間団体の多くは、自己主張を強め自己決定を重視する強力な個人の前に、政治面での影響力を弱めている。このため、中間団体に支えられてきた政党も大きな影響を受けざるを得ないのである。(4)
◎「そのつど支持」が一般的に
当然、投票行動は変化する。元々、わが国では米国のような政党帰属意識はほとんど見られず、政党支持は、政党それ自体だけでなく政治家や候補者への支持を含んだものであった。政党へのこだわりもなく、中間団体との関係も薄い有権者にとって、投票行動は、モノやサービスを購入する消費者のように、選挙のたびに投票先を変える「そのつど支持」が一般的になっている。(5)
その時々の「争点」によって投票先の政党や候補者を変更する。どんな選挙でも同一政党を支持する固い支持は今や少なくなっていると見るべきである。
もはや、政党支持を持たない無党派への認識を改めるべきだろう。特定の政党を支持するのではなく、選挙のたびに支持政党を変える有権者は、果たして無党派と呼べるのであろうか。
これは、1990年代の政党再編によって明確になった。ある調査によれば、1993年7月から96年10月までの政党支持の変動は、589サンプルのうち25.8%が同一政党支持、24.1%が支持政党変更者、一時無党派は47.7%(完全無党派は2.4%のみ)だった。「これらの数字は、日本の有権者の7割以上が調査期間中不安定な政党支持者だったことを意味している」と考えて間違いない。(6)
新党が次々に誕生し政党政治が流動化する中で、政党支持も揺れ動いたのである。
1990年代の一連の政治改革は、政治の主導権を「政治家から政党へ」と転換することが期待された。だが、政党の求心力を強めて政党支持を強めようとする試みは、政権交代可能な政治システムの実現という点では成功したかにみえたが、多様化する有権者に政党が応えようとして自身のアイデンティティーが不明確になり、バラバラになる中で、成功しなかった。もともと、特定の政党支持を持たない有権者は、選挙のつど、投票先を変えていく。
政党は不確かな支持に悩みながら、自らの主張を常に確認し、固めながら、支持を集めていく以外にないのである。
この有権者のダイナミズムを忘れ、教科書的な二大政党を日本に移植しようとしたのだから、挫折は当然の結果であろう。この失敗を繰り返してはならない。
民主政治における政党の役割
世論追随では責任果たせず 一対一の対話軽視が弱体化招く
政党に対する有権者の不満は大きいが、絶望しているのではない。政党に「期待することはない」は15%にとどまる調査もある。そこでは「長期的な視野に立った政策がある」「自分たちの意見を代弁してくれる」「弱い者の立場に立ってくれる」などの回答が上位に並んでいる。(7)
『直接民主政の挑戦』を著したイアン・バッジは「民主主義に欠陥があるとはいえ、それ以外に代替制度がないように、多くの民主主義国で、既存の政党は信頼できないと感じつつも、民主政治において政党に代わる装置はない。そんな実感を各国の国民は持っているのであろう。政党こそはここ二世紀のなかでの偉大な政治的発明であり、政党なくしては代表民主政はそもそも現代世界では機能しないであろう。政党だけが、社会全体の発展と展望を合理的かつ体系的に検討できる唯一の団体であり、またこれらを扱う中期的な計画を提案できる唯一の団体なのである」と指摘している。(8)
このように、政党の制度疲労や劣化は否定できないが、民主主義は議会なくしてはありえず、議会は政党なくして機能しない。政党(party)は、議会の重要な部分(part)である。議会政治の活性化と政党の活性化は表裏一体であり、政党の将来を考えるには、議会の在り方、有権者との関係を考えていく必要がある。
議会制民主主義において、政党は不可欠の装置である。日本においても、政党の誕生、発展が民主主義の定着をもたらした。わが国政党政治の発展に寄与した伊藤博文が指摘したように、「政党は政治的意見の異同から生ずる団体である」「人民が政見を異にする以上は、その仲間が合同しておらぬと甚だ不便である」。政治的な見解を同じくするものが集い、それに共感する国民の声を代表するのが政党である。
◎世論をまとめる機能
有権者はそれぞれの政党の主張を比較し、自分の主張と最も近いと思われるところを支持する。有権者が抱く政策への違和感も、政党内の議論を通して解消されることが期待される。政党内の議論こそ、政党の存在証明であり、政党を活性化させ、ひいては一国の政治に活力をもたらすものである。
党内議論もなく、党首の一言で政治路線が変わったり、他党との連携が行われたりすることが少なくないが、これでは、有権者の政党不信は増大するばかりである。政党内の議論が国民の多様な意見と響き合い、党内の合意形成が支持者、有権者の間での合意形成を促進するような構図が望ましい。
問題は政党の政党たるゆえん、すなわち議論をまとめ上げる機能が弱体化していることである。政党のガバナンス(自己統治)能力が欠如し、党内で議論がまとまらないような場面も見られる。
政党が党内の異論をまとめ上げることができなければ、存在意義はない。ところが、現実には重要政策をめぐって、党内が鋭く対立し、一向に重要政策がまとまらない政党もある。ただ、統一性に欠けることが、多様な考えを持つ人々に支持され選挙に有利に働くこともある。(9)
与党の任には堪えられないことは言うまでもないが、政党にとって、有権者の多様な声を反映して支持を調達するには、政策をあいまいにしておくという選択肢もあると思えるほどである。
一方で、個人化が進む有権者の声は多様なだけではない。一人の有権者の意見が短期間で急変し、民意が大きく変化することも珍しくない。こうした多様で変化に富む有権者の声をつかみ取るには、柔軟で変化に対応できる体制が政党には必要になる。そうした組織の構築を諦めると、もはや時々のマスコミによって表出される世論に追随していくしか道はなくなる。近年、多くの新党が誕生し消失していったのは、そうした柔構造の組織づくりに失敗したからでもある。
政党が本来の役割を取り戻し、復権を果たすには、逆説的だが、世論に追随するのではなく、政党本来の在り方に立ち戻るべきであろう。米国ではしばしば、政党は三つの部分からなると指摘される。(10)
「政府(議会)の中の政党」「組織の中の政党」「有権者の中の政党」という、三脚台のようなものである。わが国では、政府や議会での政党の存在感はそれなりにあっても、組織が全く整備されず、選挙民の中にも定着していない政党が目立つ。テレビやネットの中で、党首がパフォーマンスを演じても、その効果は一時的にとどまり、確たる存在感がないのである。政党として成熟していく努力があまりにも不足していると言わざるを得ない。
◎大統領型志向する政党も
地道に組織づくりや有権者への支持拡大に取り組むのではなく、派手なパフォーマンスによって各種メディアに取り上げられ、存在感を大きく見せようとする政党も少なくない。
有権者にとって政党選択が難しくなり、期待された政党重視が進まない中で、個人化や大統領型への志向が高まる兆しもある。これまでも、国政選挙などを一種のイベントと受け止めて、その時々で沸騰する政治リーダーへの人気などに影響される有権者も少なくなかった。
海外では、イタリアのベルルスコーニ氏はその典型であろう。パーソナル・パーティーと言われるように、指導者個人がメディアを通じたポピュリズム(大衆迎合)的方法で民衆の支持を集めることに成功し、政党もそれにけん引されて“急成長”したのである。
ここでも、政党の充実や進化は実現を阻まれている。政治指導者もマスコミも、政党を組織と見ることができなかった上に、テレビや新聞の政治報道や選挙報道では、政党よりも党首や党幹部が前面に出ることが少なくないため、有力政治家の前では、政党は後景に退くことになる。政党間の競争は党首間の競争になり、リーダーの存在感が政党の浮沈に直結するような事態になっている。(11)
世界各国で一人の政治家が前面に出てくる政治や、大統領制型といわれる政治においては、強力なリーダーシップが国民の支持を集めることが少なくない。多くの政治家や候補者も自分自身の選挙での勝利のため、人気のあるリーダーを待望するものである。しかし、こうした人気が永続することは少ない。政治指導者への熱狂的な支持が、怒りの不支持へと転換する事例は枚挙にいとまがない。
中間団体という支えを失い、組織づくりも進まない政党は、戦略なき企業が、つかみどころのない顧客の大海に投げ込まれたようなものである。有権者を消費者と見なして、宣伝に努める試みもあるが、提供しようとする政策に明晰さや一貫性がなければ、相手にされない。
政党はやはり、組織を強化し、対面活動を重視して一人一人の有権者をつなぐ努力を重ねなければならない。だが、大半の政党はその方向に進まず、テレビやインターネットなどメディアの風に乗って人気を得ようとしているように見える。
あれほど注目された「新しい第三極」が、以前のような支持を失っているのは、政党の原点である一人一人の有権者との対話を軽視したからではないだろうか。
公明党の取り組み
地域で最も身近な政党 日本政治の“座標軸”に
◎確固たる大衆の基盤
中間団体の影響力が減退し、個人化が進む中で、多くの政党、政治家は漂流を続けている。定見を示し、政策を掲げ、民意形成を促すはずの政党が、民意をつかめず、マスコミが提供する世論調査結果に飛びつき、それに従う姿さえ目立っている。世論調査での「民意」や「世論」は必ずしも、国民の声ではないにもかかわらず、確かな大衆基盤を持たない政党にとって、道しるべは見えず、メディアに表れた民意や世論に依存するしかないのであろう。
長年、多数の中間団体に支えられて拡大を遂げてきた自民党でさえ例外ではない。高度成長時代には可能だった十分な利益配分は困難になり、グローバル化の中で官僚の裁量の範囲も狭まるばかりだ。もはや業界全体を守ってくれるような政策は打ち出されることはない。安定的な経済発展に支えられた政官業の三角構造は、過去の成功物語にすぎないのである。
長年、さまざまな交流を通じて、国内の中間団体と重層的なネットワークを形成してきた自民党でさえ、それらを軸に拡大が難しくなっている中で、同じような試みをしようとした多くの新党が成功するはずはない。足場もなく漂流を余儀なくされるのは当然であろう。
一対一の対話を軸に、確固たる大衆の基盤に支えられた公明党にはこのような漂流はない。
自民、社会両党による55年体制のころから、公明党は大企業や利益団体、労働組合に支えられる政党ではなく、一人一人の大衆を基盤にして発展してきた。個人化が進み、多くの政党が一人の有権者と対面で納得や合意ができない中で、その基盤は強固である。
現代社会が新自由主義や市場重視の潮流の中で、個人化が進めば進むほど、一人一人への配慮や支援が求められることも事実である。利益団体の要望に配慮した政策は国民の理解を得られない。公明党の組織原理は、マスコミの空気や世論の風ではなく「一対一の対話」「対面」での運動を軸にしている。公明党は、与党としての国益追求とともに、マイノリティー(少数派)や個人への支援を重視していく必要がある。
また、社会で個人化が進展するとともに、「個人化が逆に親密圏を生み、家族や夫婦などの間で選挙の支持や政治観の同一傾向をもたらす」のも事実である。(12)
大規模な宣伝やマスコミのその時々の風によらずとも、身近なところで、有権者の声を聞き取り、それを政策に反映していくことは、われわれには可能である。かつて丸山眞男が論じたように「本来政治を目的としない人間の政治活動によってこそデモクラシーは常に生き生きとした生命を与えられる」(「現代における態度決定」)のである。議員や党員が身近な人々との論議の中で参加を促していく中で、政治は活性化するはずである。
「そのつど支持」の有権者が増大し政党政治が流動化していると言われる中で、実は地域に根ざし強靱な組織を持つ政党こそが日本に求められているというのは意外かもしれないが、間違いない事実である。「日本には国民に根ざした政党がなくて、もしあるとすれば、おそらく自民党であり、公明党なのでしょう」(政治評論家の後藤謙次氏)との指摘もある。(13)
◎ネットワークを深く広く
丁寧に一人の有権者の声を聞くことと、組織政党であることは矛盾しない。むしろ、党員・地方議員・国会議員のネットワーク組織があるからこそ、有権者の声は政策や政治判断に生かされる。地域住民の党員、地方議員、国会議員との接点の多さにおいて、公明党は他の党を圧倒しているが、さらにわが国で最も地域密着型の政党として運動を展開しなければならない。ネットワークの太い動脈は党員、地方議員と国会議員だけではない。隣接する市町村や都道府県の地方議員同士のそれもある。その結節点になっているのは、地方議員である。一人は万人のためとの姿勢での地域課題の取り組みは、他の地域にも波動する。こうして、先述した「政府の中の政党」「組織の中の政党」「有権者の中の政党」という政党を支える三脚台は、公明党の場合、安定度と強靱さをより増すはずである。
政党のもう一つの大きな役割は合意形成である。結党から50年、公明党は現在、政権与党として保守・中道連立政権の一翼を担っているが、三十数年の野党時代も含め、一貫して「合意形成の政治」を追求してきた。例えば、日中国交正常化への貢献や、「福祉社会トータルプラン」の提言など福祉政策の充実、わが国の安全保障政策での国民的な合意づくりなど、不毛な対立を避け、国民的合意の形成に貢献した事例は数多い。そして今、新たな時代の進展の中で、「合意形成の政治」をリードする公明党の役割はますます重要である。
東西冷戦が終わり、左右の対立は国外でも国内でも見えにくくなっている。一方で、グローバリゼーションの進行により「分裂」と「格差」は深刻化している。価値観多様化の現代にあっては、多数決原理を民主主義の基本としつつも、アカウンタビリティー(説明責任)を重視し、十分な情報公開、情報提供と対話を進める中で、国民的合意を形成していくことが何よりも求められている。
公明党が「合意形成の政治」を推進できるのは、党としてのガバナンス(自己統治)がしっかりしており、また一方で、中道主義という理念を持つ党だからである。
本来、政党は、理念や価値観を共有し、それに基づく政策を掲げて選挙を戦い国民の支持を得る、そして、その政策を実現していくという役割を持っている。理念や価値観を共有しないまま、ただ選挙に勝つためだけの選挙互助会的な政党や、選挙のたびごとに「この指とまれ」の、にわかづくり政党には、党としてのガバナンスがなく、「合意形成の政治」を推進する知恵も力も期待できない。
公明党は、党綱領に中道主義を明記した唯一の政党である。中道とは、政治理念としては「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」であり、政治路線としては、日本の政治における“座標軸”の役割を果たすことをめざしている。座標軸の役割とは、具体的には(1)政治的な左右への揺れや偏ぱを正し、政治の安定に寄与する(2)不毛の対立を避け、国民的な合意形成に貢献する(3)諸課題に対し、時代の変化に応じた解決のための新しい政策提言を行う―の三つである。
中道の公明党として、ポピュリズム(大衆迎合)を排しつつ、いかにして幅広い国民合意を形成し、政治の新しい進路を切り開いていくか。「時代は限りなく中道志向で推移しており、言うならば全部が公明党に近づいている」(劇作家の山崎正和氏)、「日本の政党政治が右側へブレすぎないよう、中道の基盤をもっと分厚くする必要がある。右へ、右へとなびく競争ではなく、中道政治をめざして競争する。中道政治こそが、日本の政党政治が目指すべき道」(ジャーナリストの船橋洋一氏)と指摘される中で、「合意形成の政治」を推し進め、中道政治のさらなる深化をめざす公明党の使命は限りなく重い。
合意形成の政治 さらに推進
◎党を政治人材の宝庫に
さらに、忘れてはならないのは、「政治人材」の問題である。経済や教育、アカデミズムなどさまざまな分野で人材の必要性が叫ばれているが、政治分野も例外ではない。古くは「マドンナ旋風」、最近では「〇〇チルドレン」や、「△△ガールズ」など時々の政治の「風」によって、多くの新人議員が生まれたが、十分な活躍もなく終わった人も少なくない。これは、政党が人材を発掘し育成することを怠り、人気に依存したためである。政党には政治人材の発掘、育成が求められていることはいうまでもない。経済を活性化し雇用を増やし中間層に活力を取り戻し、少子化や高齢化に備えて社会保障を手厚くし……など、とても両立、鼎立しがたいような日本の課題に政党は立ち向かわなければならない。
グローバル化の中で国家そのものが大きく揺らぎ、民主主義の在り方が問われる時代にあって、政党も進化を遂げなければならない。「大衆とともに」進み続け、日本政治の安定をもたらしてきた公明党の責任は政治人材育成の面でもますます重い。
◎地方議会活性化の先頭に
最近、地方議員をめぐる問題が噴出しているが、民主主義における地方議員の重要性は言うまでもない。憲法では、自治体の長も、その議会の議員も、住民が直接選挙で選出することが定められている。いわゆる「二元代表制」である。
二元代表制の下では、首長と地方議員とが互いに抑制、競争し、自治体運営に従事することが期待された。地方議会は政策立案と行政の監視という重要な役割がある。だが、実際には、議会を支えるスタッフは首長に比べて圧倒的に不足している。条例案の大半は首長によって提出されている。
地方議会は首長の監視役にとどまらず、地域住民の意見を集約し政策形成の機能を果たすべきである。公明党は、地方議会の活性化のために「議会基本条例」の制定を進めてきたが、地方議会の「見える化」とともに、この動きを加速させたい。
地方議員には、「有権者が抱える課題と、それを解決するための糸口へとつなげるグーグルのようなポータルサイトの役割が求められている」(河村和徳東北大学大学院准教授)との指摘もあるが、これはネットワークを持つ公明党でこそ可能である。
首長と議会で、前者が脚光を浴びることが少なくないのは、個人政党や大統領型の政治と無縁ではない。一人の政治家と大勢の議員とは最初から、マスコミの扱いが違い、前者の言動がクローズアップされがちだ。首長の中には、地方議会無用論とは言わないまでも、議会の役割を無視し直接、マスコミや住民に呼び掛け、議会不信をあおるような動きも見られる。
こうした動きを許さないためにも、地方議員は住民奉仕に徹し、地方自治の前進へ取り組みを重ねなければならない。
地方議会の復権のためには、議員一人一人のパワーを強化するとともに、党派を超えた議会改革のリード役を公明党が果たさなければならない。地方分権の潮流の中で、地方議会で活性化の動きが目立っているのは時代の趨勢であろう。さらに、議会事務局や議会図書館の強化など、地方議会をバックアップする仕組みを整備していく必要がある。
大都市を中心に一時の新党ブームで当選した地方議員も少なくない。地元住民との強い信頼関係もなく、ネットワークもない状態では、人々に応えることなどできないはずである。
◎新党ブームの教訓
地方自治では、必ずしも政党の役割は想定されていない。「地方議会に政党の争いを持ち込むな」という声もある。だが、中央と地方の政治はまったく別世界のものではない。その時々の新党ブームによって、同じ地方議員が何回も所属政党を変えることは珍しくない。都市部では所属政党によって、有権者が候補者、議員を判断することは珍しくない。ここでは政党が一種の「ブランド」なのである。
新党ブームを経て、その看板で多くの新党の地方議員は誕生したが、どんな実績を挙げただろうか。党組織が全国に展開しており、実績があり、議員、党員のパワーがある。そんな実態がなければ、もはや住民から信用されない。地域に根を張り、50年の歴史を刻んできた公明党だからこそ、住民の信頼を勝ち取ってきたし、その信用を土台に新たな前進も可能なのである。
先に述べたように、公明党が、党員、地方議会から国会までネットワークを重層的に張り巡らせることで、住民の要望を国政に伝え、動かすことが可能になる。地方自治で「脱政党」を語るなら、住民の要望を実現するメカニズムをどう確保するつもりなのか明示するべきであろう。
(1)世界価値観調査第6波(2010―2014)から「政党の信頼度」への回答
(2)『2010年の『政権交代1年の評価―「政治と社会に関する意識・2010」調査から』(NHK)。このほか、朝日新聞世論調査2007年6月18日掲載によると、政党が「期待されている役割を果たしている」とみる人は10%にすぎず、「そう思わない」が86%に上ったと報道されている。
(3)宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』岩波書店 2010年 宇野は「人々を組織してきたさまざまな中間集団は、いまやその機能を低下させています。グローバル化が進む中、伝統的な企業、組合、結社などは、いい意味でも悪い意味でも、その構成員を、その内側に閉じ込めておくことができなくなりました。元々、『根の浅かった』日本の政党は、これらの中間集団の弱体化によって、ますます社会との接点が薄弱化し、断片化しています」と論じている。
(4)山口二郎『ポピュリズムへの反撃』角川書店 2010年。
「民主主義を再生させるためには、中間団体をいかにして再生させるかという問題が重要な手がかりとなります」
(5)松本正生「政党離れから『そのつど支持』の時代へ」『月刊公明』2006年6月号所収
(6)蒲島郁夫『政権交代と有権者の態度変容』木鐸社 1998年
(7)『自民大勝の背景と有権者の受け止め方~「参院選後の政治意識・2013」調査から~』(NHK)
(8)イアン・バッジ『直接民主政の挑戦』杉田敦ほか訳 新曜社 2000年 イアン・バッジは、さらに、「政党はそのときどきによって異なる条件のもとで存在してきた。(中略)既成政党が衰退しても、古いライバルや新しい政党が勝利しているのであって、それが政党間競争に新しい活力を注入することにもなっている」とも述べている。
(9)谷口尚子「2009年政権交代の長期的・短期的背景」『選挙研究』 26―2号、木鐸社 2010年。谷口は「(民主党は)内部の政策志向の分散は非常に大きく、時間的変化を経てなお、リーダー層内の政策的距離は埋まっていないことが明らかになった。しかし、これを『包括政党』に欠かせない『政策的多様性』として、積極的に評価すれば、多様な有権者を惹きつける成功因になっているかもしれない」と指摘している。
(10)飯尾潤「政党」福田有広・谷口将紀編『デモクラシーの政治学』所収 東京大学出版会 2002年
(11)コリン・クラウチ『ポスト・デモクラシー』山口二郎監修、近藤隆文訳 青灯社 2007年。「党の指導者のカリスマ性の喧伝、それらしいポーズの写真や映像が、争点や利害の対立をめぐる討論に取って代わりつつある」
(12)吉田徹『感情の政治学』講談社 2014年
(13)「安倍新内閣・日本政治の復権はあるか」御厨貴/野中尚人/後藤謙次『文藝春秋』2013年2月特大号所収
公明新聞:2014年11月6日(木)付
被災した住民と共に清掃活動に汗を流す遠藤市議(手前左)と参加者ら
埼玉・朝霞市から福島・南相馬市へ ボランティア乗せ出発
東日本大震災から約3年8カ月。埼玉県朝霞市は、市民が被災地でボランティア活動に携わることで現状を知ってもらおうと、10月24日に「ボランティアバス」を運行した。復興への思いを胸に秘め、バスには参加した20人が乗り込み、福島県南相馬市に向かった。これには、実現を推進してきた公明党の遠藤光博・朝霞市議も同乗し、活動に参加した。
今日は午前中、さいたま市内や浦和の公明党県本部で打ち合わせをしたあと、北本市などをまわらせていただきました。
関東は、朝、自宅を出るときすごい豪雨でしたが、午後にはおさまりました。しかし、特に東北の海岸沿いなどは引き続き警戒が必要です。
また、台風19号の行方も気になります。皆様、どうぞお気をつけください。私も引き続き、緊張感を持っていきたいと思います。
さて、先週土曜日10月4日、埼玉県本部大会が開催されました。場所は、公明党の党本部です。
結党50周年を迎える今年、埼玉県内の地方議員の皆様と国会議員が一同に会し、同じ目的感のもと、新たな50年へと向かう決意を固めることができました。
最後は全員で勝ちどき!!
ふと2年前の県本部大会の勝ちどきを思い出しました。あのときは、まだ衆議院選挙前、私も公認候補でした。
それから2年、埼玉県も国会議員が3名増えました。
西田まこと県代表のもと、私も引き続き、県副代表として、日本一の団結を誇る埼玉議員団の皆様とともに、日本を元気にするべく頑張ります。
明日からは、参議院にて予算委員会です(私も参加します)。しっかり論戦をしてまいります!
公明市議の提案で実現
午後11時に出発したボランティアバスは、翌日午前8時30分、南相馬市小高区にある「災害復旧復興ボランティアセンター」(鈴木敦子センター長)に到着した。バスを降り、さわやかな朝の空気を胸いっぱいに吸い込む参加者。その顔には、意欲がみなぎっていた。
今回、ボランティア活動を行う同市原町区は現在、避難指示解除準備区域に指定されている。住民の一時帰宅や立ち入りは認められているものの、宿泊は許されていない。秋になれば、たわわに実った稲穂が辺り一帯を黄金色に染めていたが、今では雑草のセイタカアワダチソウの黄色が大半を占めている。
「原発事故で、田んぼは全部駄目になった。米を作ったとしても、風評被害で売れない」と唇をかみしめる住民。放置されたままの家屋や、生い茂った雑草を目にするたびに、「自分たちでは、どうしようもないのではないか」との思いが募るという。
「故郷を失いたくない。皆さまの力を貸していただきたい」。活動の開始前、オリエンテーションであいさつした南相馬市社会福祉協議会の門馬秀夫会長は、“まちを震災前の状態に”との願いを込め、呼び掛けた。
参加者はこの日、原町区内の、ため池周辺約500平方メートルで、あらかじめ刈り取られた雑草の集積と運び出しを行った。「最初は『こんなに広い所を?』と思ったが、やってみれば意外にできるもの」と話す男性の額には、大粒の汗が光る。生まれが南相馬市という女性は、「被災地の応援に行きたくてもなかなか行けず、悔しい思いをしていた。少しでも力になれて良かった」と笑顔を見せていた。
活動終了後、鈴木センター長は、家屋を掃除しようとしても、一人ではできない高齢者などもいることから、「ボランティアの力はとても大事」とした上で、「力を貸してもらえて、本当にありがたい。まちがきれいになると、心がホッとします」と話していた。遠藤市議は「被災地支援を通し、自分の地域にも目を向けてもらうことが大切。これからもボランティアバスの継続的な運行を働き掛けていく」と決意を語っていた。
ボランティアバスの運行については、遠藤市議が、2012年3月定例会で提案したのを皮切りに、再三にわたり市に働き掛け、実現まで粘り強く推進していた。