○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。法務委員会では初質問となります。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、松島大臣、葉梨副大臣、大塚大臣政務官、御就任おめでとうございます。改めて、着実かつ的確な法務・司法行政、邁進されることを御期待いたしたいと思います。私も微力を尽くさせていただきたいと思います。
それで、一昨日の大臣所信、大臣、冒頭、世界一安全な日本を掲げ、真っ先に再犯防止について触れられました。私も今、実は超党派で形成されている超党派で再犯防止を進める議員連盟の事務局次長、仰せ付かっております。今日はまず、再犯防止に向けた取組から先にお伺いをしたいと思っております。
事前に法務省からいただいた資料によりますと、例えば平成二十五年に新たに刑事施設に収容された受刑者の数は二万二千七百五十五名になります。そのうち再入所してきた人、要は再び罪を犯してきた人というのは数にして一万三千四百七人、割合的には五八・九%になります。まさに犯罪の六割が再犯者によって行われているというような状況があると思います。
大臣の言う安心な日本の実現のためには実効性のある再犯防止策、必要であると思いますが、そこで、再犯防止に向けて現状どのような取組がなされているのか、特に地域で支える仕組み等も含めまして、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
刑務所出所者等のうち住居のない者についてでございますが、その行き先として更生保護施設、福祉施設、医療施設等がありますが、さらにそのほかに最近ではNPO法人等が運営する施設をいわゆる自立準備ホームとして登録していただいております。その登録事業者数は二百八十九事業者となっております。
また、再犯防止の関係でございますが、刑務所出所者等に対する就労支援につきまして、その事情を理解していただいた上で雇用してくださる協力雇用主に登録をいただいております。その登録事業主の数は全国で一万二千六百三となっております。
なお、委員御指摘の満期出所者につきましては、保護観察の対象にはならないことから、更生保護法におきまして更生緊急保護として応急的な保護措置を保護観察所の長が行うことができるということで、原則として六か月以内で関係施設、特に自立準備ホームを中心とした施設に宿泊等の委託をするという運用が行われてございます。
以上であります。
○矢倉克夫君
今、一通り御説明をいただきました。私も弁護士時代、企業法務を中心に扱ってはいたんですが、国選弁護も度々受任もさせていただきまして、特に印象に残っているのは常習累犯窃盗の事案で、前科何犯だったかちょっと覚えていないんですが、初めて被疑者の方にお会いするときにどういう方かなと思って想像しておりましたら、会ってみたら本当にもう人生に疲れたような顔をされて、自分はもう生きている価値がないんだというようなことを私にもう涙ながらに拘置所で訴えているのが非常に印象に残りまして、何としても肉親の方を捜したいという思いで、彼自身が肉親の方がどこにいるのか、ある程度の町しか分からないというような状況があって、ただ、この人に肉親をちょっと見付けないとまた再犯を犯してしまうなという実感もいたしました。
それで、少ない手掛かりを基にしていろんなところに聞き込みもしたりして、何とかお姉さんを捜し出したというようなことがありました。それを伝えたときに、本当に被疑者の人が感動して喜んでくださった顔が今でも忘れられないところであります。
私、これをもって改めて思ったんですけど、罪を犯す人というのは人であって人ではないんだと、やはり環境というのが大事なんだなということを改めて実感もした次第であります。やはり、生きるために罪を犯してしまうという、そういう人がなくなっていくような社会、これをどうやってつくっていくかということについて、参考になる取組がありましたので御紹介をしたいと思います。
配付資料を御覧いただきたいと思うんですが、これ「月刊福祉」という本の二〇一〇年、ちょっと若干前になるんですけど、三月号に書かれていたある論文で引用されていた図になります。非常に細かな説明があるので、ここでちょっと一つ一つ御説明する時間はないので、簡単にポイントだけ申し上げたいと思うんですが。
まず一つは、刑務所から、これ一、二、三、四、五という形になります。四のところに書いてある、緊急一時シェルターという言葉が書いてありますが、要は、刑務所から出所したり又は判決が出て執行猶予付きということで社会に戻った場合に緊急避難的に住む家、これをしっかり確保していると。これによって、家が見付かるまで路上生活をするようなことがないような取組もしております。
これまず一点目、こういうような設備を整えているというところと、第二点目のポイントとしては、この図からは分かりにくいんですが、事前に弁護士と社会福祉士がやはりちゃんと連携をしていると。法律の専門家である弁護士が被疑者段階からしっかり情報を把握して、それを福祉の専門家である社会福祉士としっかりつながっていると。
これをつなげているのが、一のところに弁護士とNPO法人との申込みと受付連絡というような流れになっておりますが、実はここは個別の案件での対処ではなくて、具体的にはこれ埼玉弁護士会なんですが、埼玉弁護士会が採用している社会復帰支援委託援助制度というものが制度として存在をしております。弁護士会があらかじめ指定をした団体に委託料を払った上で、何か被疑者から要望があったときにはそれをすぐにその指定団体につなげるということを制度として取り広げているというようなところがあるかと思います。
まず、今申し上げた、ちょっと通告と順序を変えまして、社会復帰支援委託援助制度について取り上げたいと思うんですが、弁護士との連携でありますね。被疑者が逮捕、勾留された段階、言わば刑事司法の入口からコーディネート支援ができているということ、これは非常に重要であると思います。
先ほども法務省の方から話もありましたが、再犯を犯す人は、特に住居がない人が再犯を犯す率というのが非常に多いと。その中で、判決が出た、若しくは執行猶予になってすぐに社会に復帰するというときに、そこから住居のないホームレスの方をしっかり支援をするという体制を組んでももうまさに遅いという状況。そうであれば、被疑者の段階からそういうような対応をしっかりと取っていくようなつながりというのをつくっていくのは非常に重要であるかと思っております。ポイントは、これを個々の事案ごとに対処するということではなくて、制度としてしっかり持っているということ、これは非常に重要なことであるかと思っております。
そこでお伺いしたいんですが、全国の弁護士会でこのような仕組みが行われているかどうかは定かではないんですが、再犯防止のため、それを推進する法務省としては、このような司法の入口でしっかりと社会福祉士とかにつなげていくような仕組みというのをやはり積極的に支援していくべきと考えておりますが、この点いかがでございましょうか。
○政府参考人(林眞琴君)
今、再犯防止で司法の入口というふうに言われましたが、再犯防止の場合のいろんな社会復帰支援の取組というのは、通常、刑務所からの出所者に対して行うと、こういうことが最初に想定されておりますけれども、一方で、捜査、公判段階、いわゆるまだ刑務所に至る前の、入口の段階での再犯防止支援というのは非常に重要であると考えております。
捜査、公判段階におきましても、いわゆるまだこれは検察の段階と申し上げてもいいと思いますが、その段階においても、起訴猶予で釈放される、あるいは裁判で執行猶予が付いて釈放される、こういった釈放される者の中には福祉的な支援を必要とする者がおり、またそういった福祉的支援を施せば再犯防止にもつながると考えられる者がおりまして、これに対して検察といたしましても、外部の機関と連携して、確実にその社会福祉サービスの受給でありますとか帰住先の確保につなげられるような取組を現在しているものと承知しております。
その場合の外部機関の中には、保護観察所はもとよりですけれども、地方の自治体の福祉部門あるいは地域生活定着支援センター、あるいは御指摘のありました弁護士会における取組、こういったものとの連携というものも非常に重要であると考えております。
○矢倉克夫君
大事な点は、制度としてしっかりと整えていくと。弁護士会もこういう形で仕組みをつくっているところもあるので、そういうところと更に連携をして全国展開するように、また積極的に推進をしていただきたいと思います。
もう一点、先ほど申し上げた緊急一時シェルターについて、やはり民間の力を再犯防止のためには使っていく必要があるなという典型であるかと思います。環境整備という点では、特にこういう公的な施設としては更生保護施設があるわけですが、私、地元である埼玉、私が認識している限りでは更生保護施設も一か所しか恐らくないかと思っております。やはり民間の力を活用することをこういう点では改めて大事なんだなということを実例として私は挙げさせていただきたいと思います。
そこでお伺いしたいんですが、再犯防止に向けた取組をこういうふうに進めているNPO法人に対してどのような今支援の在り方をされているのか、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
先ほどお答え申し上げましたように、保護観察所の長が自立準備ホームに宿泊等を委託する場合がございます。その場合に、件数ごとに更生保護委託費を支給することができるということになってございまして、その予算額として本年度は三億七千五百万円の予算措置を講じているところでございます。
なお、その自立準備ホームの登録事業者数、今、登録事業者数を獲得する、増やすということに力を注いでおるわけでございます。NPO法人のほかに、会社あるいは宗教法人、社会福祉法人、医療法人等、様々な形態の施設に登録をいただいているところであります。その運用の実態も様々であることから、今後ともその特性を見定めながら予算の適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○矢倉克夫君
先ほど自立準備ホームという形で御説明あったと思いますが、もし今データがありましたら、平成二十三年にその制度を発足されたと思いますが、その当初の登録数から今はどれくらい数が伸びているのか、数値を挙げていただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
平成二十三年度は百六十六事業者でございました。それで、平成二十五年度の数字ですが、二百八十九事業者ということになってございます。特に、NPO法人がそのうち百四事業者を占めているという状況にございます。
○矢倉克夫君
今NPO法人と、私、先ほど緊急一時シェルター、例に挙げましたけど、これ実際行ってみましたら本当に普通の一軒家でありまして、外から見たら全く分からないようなところでありました。そこの中に入って、それぞれ出所をされた方に個室が与えられていたんですが、その方々ともお話もしましたが、やはり非常に安定した、しっかり前向きに希望を持った形で次に向かって頑張っていくというような姿勢が見られて、やはり住環境というのは大事なんだなと、心の平静にとって与える部分というのは非常に大きいんだなということを実感もいたしました。
一部でこういう部分を利用して貧困ビジネスなどもやったりとかしているところもある、大きなところに二段ベッドを何十個も並べて、そこに人を押し込めてお金を取るだけのビジネスをやっているようなところがあると思います。そういうしっかりやっているところとそうでないところ、これもやはり区分けをしていかなければいけない、その前提で先ほど予算も計上されているというようなことありました。
さらにですが、百六十六あったNPO全体の登録数が二百八十九まで今伸びている。着実に伸びているかと思います。ただ、NPOの方からいろいろ聞くと、やはりなかなかそれ以降頭打ちになって伸びないのではないかというような観測もある。さらに、どうしても業務として成り立たない、ペイしない部分もどうしても出てきてしまうかもしれないと。その辺りはますます、これ財政的な部分もあると思うんですけれども、しっかりと支援の部分も拡充して、より良いNPOの方々が支援に入りやすいような制度をつくっていただきたいと改めて思うんですが、この辺り、いただければと思います。
○政府参考人(片岡弘君)
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、更生保護施設、これはなかなか収容能力に限りがございます。この二年後には刑の一部執行猶予で出所者が保護観察付きで多数出所してくることが予想されます。その場合には自立準備ホームの収容能力あるいは各種の対応能力に頼らざるを得ないということになろうかと思いますので、更生保護の観点から保護局としてその支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君
大臣にお尋ねしたいんですが、再犯防止のための課題は多岐にわたっているわけですが、今日は住環境整備について特にここまでお訴えするためにお話もさせていただきました。
先ほども一部もう既に御説明あったんですけれども、事前に法務省からいただいた資料によると、平成二十五年に、刑事施設を出所して、そのうち適当な住居、居住先がない満期出所となった者の割合、要するに、出所はしたはいいけれども定まった住所がない人の割合というのは大体二四%いるというふうにお伺いもしております。その上で、平成二十一年から平成二十五年までの間に、適当な帰住先がないまま満期出所となった受刑者のうち、出所後一年未満、もう一年未満で再犯に及んでしまった人、出所したはいいけど帰るところがなくて、じゃそういう人がその後どうなったかというと、一年未満に再犯に及んでしまったのは五四・五%、半分以上が新たに罪を犯してしまうというようなデータもあるかと思います。
再犯防止のためには、やはり住むところをしっかり確保するような社会政策を取っていく必要も大事なんだというふうに私思っているところではあるんですが、生活保護とかも考えましても、やはり住居がないと生活保護も受けられない、そういういろんなところで波及がしてくる。再犯防止を進める上ではやはり住居の確保という部分も大事であると思っております。
大臣、所信の中で、保護司の方や協力雇用主の方々への支援充実を訴えられておりました。就労支援であるとかそういう部分、非常に大事な部分はおっしゃるとおりであると思うし、その重要性はまさにそのとおりであるんですが、やはり加えて出所者の住環境の整備についてもより積極的に動いていただきたいと思いますが、その辺りを御決意をいただければと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
今委員が非常に熱心に、出所者の人たちが生きていくためにはまず住むところが、居場所が重要であること、そして、いろいろな取組の例をお話になられました。まさにおっしゃるとおりでありまして、今委員が言われたように、居住先がない満期者が二四%、そのうちの五割を超す人が一年未満にまた再犯に及んでいるという事実を考えますと、就労支援以前の、落ち着いて住んでいるところがないと仕事を獲得することもできない。
そういう意味で、今、更生保護施設はありますが、それだけでは足りない部分などもどうしていくのか、これは本当に今の更生保護施設の充実で済むのか、もっと予算を取ることか、予算だけでなくて、うちが借りられるような手元資金の用意をどういうふうにするのか、そういったことも含めて委員の皆様とも御相談しながら、そして省内を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君
力強いお言葉をありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
では、次に行かせていただきます。今の話とまた一部実はかぶる部分もあるのかもしれないんですが、いわゆる司法と福祉の接点についてであります。
私、先日、埼玉の方で弁護士会の登録もしているんですが、士業間の交流があって行ってきたんですけど、そこで司法書士の先生から言われたのは、やはり今、高齢化社会で成年後見の非常にニーズがどんどん高まってきていると。ただ、受任をする人がやはりどんどん足りなくなってきている、潜在的に人が足りなくて、もうどうしようもなくなっているという。親族後見人はやはりなり手がなかなかいなくて、第三者後見人ということで市民後見人の方もいらっしゃるわけですが、なかなかニーズに合うような方もいらっしゃらなかったりとか、そうすると、やはり専門家後見人ということで、弁護士であったり司法書士であったり、そういうような人々が役割を担っていかなきゃいけないところはあるんですが、数が全然、その部分で受任をしてうまくいくような人がなかなかいないというような話がありました。
それで、この辺りの事情を調べ上げたデータがあるわけですが、新潟の法テラスと、あと社会福祉協議会が調べ上げたデータがあるんですが、二〇一三年の九月時点で調べたんですけど、例えばこれ新潟の話なんですけど、新潟県内では、成年後見制度に対する需要者数はその時点では五千六百五十三人いると。そのうち、身寄りがないなどの理由で市町村長による成年後見申立てが必要であり、それゆえに第三者後見人が必要なのが千二百二十九人。ただ、それに対しての対応ができる人として登録しているのが三百七十人しかいないと。ニーズよりもやはり四分の一の対応しかできていないというようなことがありました。
先ほど私も直接聞いた司法書士の方からの話をデータでしっかり裏付けているところではあると思うんですが、この後見過疎の問題、これは、要するに担い手不足の問題ですけど、法務省としてどのように対応されるか、その辺りを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
まさに後見人が足りない、これだけ決定的に需給の数のギャップということでございますので、今やっている取組といたしましては、法テラスが司法ソーシャルワークの一環として、法テラスの常勤弁護士等が、法的支援が必要な高齢者、障害者の方たちの代理人として成年後見の申立てを行うほか、必要に応じてその成年後見人に就任しております。
今後、超高齢化社会を迎え、成年後見制度の活用を含めた司法ソーシャルワークの取組は非常に重要であると考えておりまして、さらに、その人数が足りないということと同時に、どこにどういう方が、やってもらえる人がいるかということも分かりづらい問題があると思いますので、法テラスがいろんな相談窓口、そしてまたそのスタッフが応じることができるように、そういった面でも法テラスの取組及び広報活動にも努めてまいりたいと思っております。
○矢倉克夫君
今大臣、法テラスの可能性を御答弁くださいました。私、法テラス、非常に可能性は無限に広がっている、可能性が高いところであると思います。やはり給与制の弁護士さんが常勤でいらっしゃると。やはり個別に受任をするとなかなか業務としてという部分が入ってしまって判断を控えるような方もいらっしゃるんですが、給与制の方がいるということ。あと、やはり全国的に組織がどんどん展開してきているということ。その他も含めて、法テラスが、この後見過疎も含めて、やはり福祉の分野でのニーズをしっかり吸い上げていく、その役割を担うべき大きな可能性はあるのではないかと思っております。
今、司法ソーシャルワークというお言葉も大臣からありました。先ほどのいろんな午前中からの議論についても司法アクセスというような言葉があったんですが、私、この問題を通じて感じましたことは、人員を増やすこととともに、やはり福祉に関わる方々にとっても司法をより顔の見える存在にしていく必要はあるかと思っております。
いろんな福祉関係者の方と話もしても、まず法テラスというのがまだそんなに認識もされていないと。あそこに持っていけばいいんじゃないかというようなことを認識されていない方もやっぱりいらっしゃると。その上で、やはり弁護士とかそういう方々に相談しようとかいうような思いにもなかなかならないと。早い段階に弁護士に相談するであるとか、そういうようなやはり気付きというのがこれも大事であるかなと思っております。
そのためにも法テラス、より積極的に福祉ネットワークに入っていく必要もあるかと思っております。例えば、話が来たときに、受け身の姿勢だけではなくて、ネットワークのある意味つなぎ役として、福祉ネットワークの中の一部にしっかり法テラスというのが入り込むという位置付けをやはり取るためにも、それぞれの連携役であったり調整であったり、そういうような役回りもどんどん担っていくというようなことも必要かとは思っております。
当然、業務として拡大する必要もあるわけですし、体制を充実させるための予算組みなどもこれから必要になると思いますが、法テラスをまさに福祉事業者を含んだ司法ネットワークのつなぎ役として更に積極的推進をしていくために、法務省にはより積極的に関わっていただきたいと思っておるんですが、この辺りはいかがでしょうか。
○大臣政務官(大塚拓君)
まさに、法テラス、そうした社会の結節点としての役割も非常に重要だというふうに考えております。現状は、様々な地域包括センターですとか社協、警察、婦人相談員とか、そういった皆様といろいろ連携、情報交換をさせていただきながら、なかなか自ら法的支援を求めることができない高齢者でございますとか障害者の皆様に働きかけをすると、こういうことを司法ソーシャルワークというところで取り組んできているところでございます。
一方で、大臣所信的挨拶の中でも触れられておりましたように、法テラスそのものの広報活動、周知、どれだけされているかという問題もあろうかと思います。こういったところ、予算も関わってまいりますので、委員各位の御支援も賜りつつ、法務省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○矢倉克夫君
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
これから特に爆発的に成年後見の部分に関して、それ以外も含めてやはり福祉の中での法的ニーズを吸い上げる必要性というのは大きくなってくると思いますので、より一層の充実をよろしくお願いいたします。
時間もあれですので、最後、一言といいますか、今後のあるべき法曹の姿というものをもし御意見をいただければと思っております。
私、弁護士登録をしていたんですが、実際、実は十三年たって、そのうち弁護士事務所にしっかり在籍をしていたのが、在籍というのは机に座っていたのが三年間ぐらいで、その後留学したりとか、経産省の方に任期付公務員で仕事もさせていただきました。本当にいろんな経験をさせていただいたんですが、その中で得た実感というのは、やはり法曹の持っている能力というかそういうものは社会にとって本当に有益なんだなと。法曹三者という形で枠組みはあるわけですが、先ほど来から話にもあった法の支配、それを、海外の支援の中で法の支配をしっかりと世界的にも広げていく役割も、やはり法曹のリーガルマインドというのは必要になってくると思いますし、行政の中でも法曹の人たちの持っている能力というのを活用していくやはり部分は必要であると思います。
法曹三者というカテゴリーにとらわれず、やはり社会の中での法のスペシャリストとしての法曹をこれからまた更に養成していく必要あるかと思いますが、将来的な法曹の在り方について、最後、一言いただければと思います。
○国務大臣(松島みどり君)
矢倉委員から御指摘のように、そして委員自身が経済産業省に出向されたり、いろんな経験をお持ちだと今伺いました。実際に政府におきましても、経産省のみならず金融庁その他いろんな役所に弁護士資格を持った方が任期付きの採用という形で来られています。
法曹制度をこれからどうしていくかということを考える中で、旧来型のこの三つのパターン、裁判官、検事、弁護士というその概念だけでなくて、そういう国の機関やあるいは地方公共団体、あるいは企業、企業でも少しずつ法曹資格持った人を採用するようになっております。そういったところの活動や、あるいは私どもが各地で行っている国際的な法支援、あるいは国際的な法分野でいろんな国に出ていった企業をどういうふうに助けるとか、そういったことも含めて、広い範囲にその法の支配というものに関わる部分をあまねく実現するという観点からもいろいろな広いところでの活躍をしてもらう、それが重要だと思っております。
実際問題、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会というのを設置いたしまして、その下で、日弁連との共催で、国、自治体、福祉等、あるいは企業及び海外展開の各分野における法曹有資格者の活動領域の拡大に関する分科会を開催して、これらを進めるための取組をやっているところでございます。これからも進めてまいります。
○矢倉克夫君
終わります。
10月16日、法務委員会にて国会質問しました。再犯防止策や成年後見制度などを念頭に、司法と福祉の連携などを質問。日本の犯罪の6割は再犯です。罪を犯したひとが再び罪を犯す(再犯)ことを減らすことが、安心な社会につながります。
特に、刑務所から出所したあと住居のない人が、1年以内に犯罪を犯す確立は約50%です。
私からは、国選弁護人を務めたときの経験や閉会中の視察から得た経験をなどを踏まえながら、福祉関係者や司法関係者の支援の輪のもと、住むところの手当をいかに図るかなど様々質問いたしました。
大事なことは、逮捕勾留された被疑者の段階から福祉につなげるコーディネートをはかること、埼玉弁護士会などはよい取り組みをしています。
また、しっかりしたNPO団体と連携をはかること。つながりが鍵です。
他に、認知症の方などの財産管理をするための制度である成年後見制度の担い手不足に司法がどう関わるかなどを質問。法テラスの可能性にふれました。
質問の動画です。
法務委員会で扱う問題は、国土交通や厚生労働に比べイメージが持ちにくいのですが、社会の根底に関わるものです。
引き続き、現場力で質問していきます。