2016-09-22
矢倉かつおです。
台風による被害が、農業を含め甚大です。
アフリカから帰国後すぐ、台風7号、10号、9号の直撃被害をうけた北海道の旭川市江丹別、深川市、南富良野町、中富良野町、美瑛町を、稲津ひさし衆議院議員らとともに訪れました。
ブログに掲載しておりますのでよろしければご覧ください。
予想以上の深刻さでした。
浸水被害をうけた田や畑に入りましたが、土砂に足をとられました。深くて1メートル強、堆積しているとのことでした。
泥をかぶった稲や蕎麦など大半は収穫できず、出来ても飼料米等として安く売るしかありません。収益悪化は避けられない状態です。
タマネギなど、土砂をかぶっていなくても、周囲からにじみ出る水の影響等で、一部ですが中から腐りだしていました。
表土が完全に流されてしまっている畑をみたとき、営農再開への課題は山積みであることを痛感せざるを得ませんでした。
さっそく、いただいたご要望の実現にむけ動いております。
まず早期の「激甚災害指定」についてです。
指定により、復旧のための公共事業等に際し、国からの補助が上積みされます。
指定は被害額の積み上げなどで決定されるため、帰京後、さっそく大臣に被害の状況を克明にお伝えしました。
同じく被害の甚大な東北地方を含め、本日の閣議決定で正式に指定されました。
補償について、農業共済制度は、例えば、にんじんなど多くの野菜を対象としません。
また、収入減を直接補填するものではありません。
現場で期待が大きかったのは、公明党が主導して訴えてきた「収入保険制度」です。
被災者の声にそった制度設計となるよう省内にあらためて徹底しました。
現地では、多くのご要望とともに、営農再開に向けた強い決意を多くおうかがいすることができました。
南富良野で農業を営む方は、就農して10年目、私とほぼ同じ40代前半です。
「まるで、畑に川ができたようだった。これからどうすれば。」と肩を落としていましたが、語り合い、最後は「ありがとう、心は折れていません。費用はかかりますが、必ず再開します。」と、私の目をみて力強く握手をしてくれました。
「こんな状況なのになんと強いのだろう!」と深い感動を禁じ得ませんでした。
なんとか、この思いに応えたい!強く思います。
現在は低利の融資制度くらいしかありませんが、例えば、被災した農家の方々の営農再開のため資金をつのり、無事、再開したときは、収穫した作物が届く、などといった支援出資の仕組みができないか、思案中です。
出資といっても、資金を出す人の気持ちは寄付であると思います。
しかし、「被災者を支えたい」という善意が営農再開に結実したことを実感できれば、より連帯の思いが生まれます。
制度をつくることで多くの善意を形にできるよう、他省の所管にもかかわる話で一筋縄ではいきませんが、農水省として何ができるか検討したいと思います。
課題は多いですが、寄り添うとは、同苦し、そして悩み抜くことであり、答えは現場にあると考えます。
引き続き、寄り添う姿勢をもち営農再開を支援してまいります。