2015-10-16
公明新聞:2015年10月16日(金)付
習近平国家主席(右)と握手を交わす山口代表=15日 北京・人民大会堂
来春の訪日を招請
安倍首相の親書手渡す
【北京15日】公明党の山口那津男代表は15日午後、北京市内の人民大会堂で中国の習近平国家主席と会談し、安倍晋三首相から託された習主席への親書を手渡した。山口代表と習主席の会談は、2013年1月以来、5回目。
会談は、北京市で開催中のアジア政党国際会議に参加している34カ国、64政党の代表者と共に行われ、山口代表は参加者の中で最も長い時間の会談となった。
山口代表は習主席に親書を手渡す際、日中首脳会談の早期実現を望む安倍首相の伝言を伝えるとともに、「ぜひ東京の桜を見に来てほしい」と習主席の訪日を招請。これに対し習主席は、ほほ笑みながらうなずいた。
会談後、北京市内の日本大使館で行われた記者会見で、山口代表は「日中関係改善の流れを確かなものにするとの認識は、共有できたと思う」と強調した。
山口代表 「連携強め潜在力を引出す」
中国を訪問している公明党の山口那津男代表は15日午前、北京市で開催中の第9回アジア政党国際会議のうち、「政治的リーダーシップ」をテーマとする分科会でスピーチし、「アジア地域には経済面で大きな潜在力があり、これを顕在化させていくためには適切なインフラの整備を通じて、域内外の連結性を高めることが極めて重要だ」と訴えた。=スピーチ要旨
この中で山口代表は、インフラ整備を進める意義について、「各国が持続可能かつ強靱な、質の高い成長を実現するための経済的基盤を打ち立てていく手段だ」と指摘。さらに、アジア地域が持っている潜在力を最大限に引き出し、地域の人々が経済成長による恩恵を受けられるようにすることが最終目標であるべきだと強調した。
また、アジア地域の膨大なインフラ需要に応えるため、日本はこれまでもODA(政府開発援助)などを通じて各国の経済開発を支援するとともに、ADB(アジア開発銀行)と連携して、今後5年間で約1100億ドルの質の高いインフラ投資を表明していると紹介。一方で、中国も経済的な独自策を打ち出していることに言及し、「重要なのは、こうした支援が最終的にこれらの地域の持続的な発展に資するように進められることだ」と述べ、相互に整合的で一貫性のあるものであれば、効果はより高まるとの認識を示した。
その上で、増大するインフラ需要に対応するためには、あらゆる関係者が経験や教訓を共有することが有効だと強調。「そのカギを握るのが政治的リーダーシップであり、関係国間の対話や連携が不可欠だ」として、今回の会議を通じて認識を共有し、それぞれの立場で政治的リーダーシップを発揮していきたいと述べた。
同文科会には、党訪中団の赤羽一嘉国際委員長代理(衆院議員)、西田実仁広報委員長(参院議員)が出席した。