党青年委 活発に勉強会

2020-06-18

識者の講演要旨

公明党青年委員会(委員長=矢倉克夫参院議員)は今月、政策立案に向けて識者を参院議員会館に招き、勉強会を開きました。識者の講演要旨を紹介します。

コロナ後の日本経済
企業の「無形財産」守れ
消費構造の大きな変化に対応
明治大学准教授 飯田泰之氏

今回のコロナ禍で、大きな影響を受けているのが年収400万~500万円の中間所得層だ。家計の支出の中で住宅ローン、車のローン、子どもの教育費など固定費の割合が高い。今回の一律10万円給付で、4人家族なら40万円給付される。1カ月の固定費が20万円とすると、2カ月分を賄うことができる。ローンを未納にさせない決済対策として、一律給付は重要な政策だ。コロナ禍の一つの特徴は、自然災害と違い、建物や農地が破壊されていないことだ。そこで、コロナ禍の前の経済活動や企業をいかに保存するかが重要だ。企業が倒産することによって、その企業が培ってきた人材や取引先との信頼関係といった無形の財産が失われることを防ぐ必要がある。企業の廃業や倒産を防ぐため、返済順位が低い劣後ローンなどの資本支援が重要になる。

今後、消費構造が大きく変化する。飲食は都市部から地元へ、観光も遠くから近県へと、移動距離が短くなるだろう。海外旅行は当分の間、難しいので、近距離の国内旅行を意識した振興策が求められる。また、インバウンドの減少で、外需は落ち込む。しかし、それを過大評価してもいけない。外国人観光客は年間約5兆円を日本で消費するが、日本人は国内の旅行で約22兆円消費している。簡単ではないが、日本人の国内旅行で2割消費が増えれば、インバウンドの減少分はカバーできることになる。

需要不足を補うため、財政出動の拡大が必要になる。そのための公共事業については、短期的な拡大ではなく、老朽化したインフラの整備について長期計画を策定する必要がある。一方、家計に対しては、必要に応じた追加の給付や、社会保険料の免除が効果的だと考えている。

日本はこれまでも、さまざまな国難から復活を遂げてきた。企業が持つ目に見えない財産を守り、十分な景気対策を行うことにより、日本経済のV字回復は不可能ではない。

若者の政治参画
政策形成への関与薄い
主体的に活動できる場、時間を
国立青少年教育振興機構 青少年教育研究センター研究員 両角達平氏

若者の政治参画の意義を考える上で、「政治参画とは、社会参画の一つの領域である」という点からお話ししたい。若者の社会参画とは、単に声を上げるだけではなく、それによって若者の生活状況が変わっていくことである。政治以外の社会参画には、就労などの経済参加、スポーツなどの文化参加、ボランティアなどの市民参加がある。日本の場合、例えば進路を親が決めてしまうなど、自分で意思決定する機会が少ないのではないか。意思決定し、環境を変えるという社会参画の機会をつくってこなかったことが、政治への無関心にもつながっている。

また、学校や家庭以外で子ども・若者の空間となる、第3の領域が日本は弱い。塾や部活で忙しく、余暇の時間がないために、自分が主体的になれる活動がない。そうした活動への助成金も少ないという課題がある。

ある調査によれば、日本の若者は「政治に参加すればより良くできる」という政治的有効性感覚が少ないと言われている。若者の投票率が高いスウェーデンでは、法律をつくる際に専門家や市民団体が関わる仕組みがある。一方、日本では政策形成過程への若者の関わりが薄い。

しっかりとした若者政策をつくるためには、政策を決める行政や政治家、若者支援の伴走者、若者の研究者、若者団体および若者個人の四つをつなぐ必要がある。そして、若者政策の基準をつくることが重要だ。欧州若者フォーラムは、政策が権利やエビデンスに基づいている、参加型であるなど八つの基準を設けている。

スウェーデンでは、政党青年部の活動が盛んだ。青年部が党本部の単なる下部組織となっておらず、党本部と活発に議論している。政党青年部や若者団体が活性化し、声が届く仕組みが確立されれば、若者の政治参画はより進むだろう。そのために、若者がさまざまな活動に参加するための余暇の時間をつくることも重要だ。