2017-09-03
少人数の農業者懇談会を福島市、郡山市、南相馬市、二本松市、川俣町、葛尾村で開催し、声をもとに、約47億円におよぶ「福島県農林水産業再生総合事業(風評被害対策)」(平成29年度予算)を農林水産省としてはじめて計上しました。これは、福島産の安全性をさらにアピールするとともに、震災以後、不当に市場評価を下げられている福島産の農林水産物を適正評価するため、流通や小売段階にまで切り込んで課題を解決するものです。また、福島で営農再開される方々のため、設備投資など国が4分の3の負担で補助する制度の成立も後押ししました。
農業の競争力強化、そして、生産者の所得向上のために必要な法律8本を整備しました。とくに、天災や価格低下の際における農家のセーフティネットとして、また、新しい品目を挑戦することの後押しする制度として、公明党が長年訴えて来た「収入保険」制度について、農林水産省での条文づくり作業などを指導し、制度設計に尽力しました。
農家の所得向上のためには縮小する国内市場だけでなく、成長著しい海外の需要取り込みが必要です。農協、卸・仲卸含め流通、物流、金融、小売り、外食あらゆる関係者の連携をはかり、食産業全体で日本の農作物を支える仕組みづくりをリードしました。また、安全や安心を世界に客観的に示すために必要な、GAP制度やHACCP認証などを推進しました。
まだ食べられるのに捨てられている食べ物、いわゆる「食品ロス」は日本で年間600万トン以上にのぼります。この「食品ロス」の課題について、食産業を所管する農林水産省の立場から、とくに流通面での改善を検討するよう省内に指示。竹谷とし子参議院議員などと連携し、規格外のため流通から外れ、廃棄せざるをえなくなっている(しかし、食物としてまったく問題のない)食品を、「こども食堂」などに提供する運動を協力に後押ししました。
公明党の主張を受け、2017年4月、都市部における農地の重要性を確認した「都市農業振興基本法」が成立しましたが、その法律の趣旨をうけ、生産緑地を保育施設や介護施設等第三者に貸借した場合においても、税制優遇措置(相続税納税猶予)を受けることができるよう、特別な貸借制度創設に尽力しました。都市農業(農地)は、消費者に新鮮な食物を提供するだけでなく、教育、福祉、さらには、災害時の避難場所としても重要な、まさに都市に「あるべきもの」です。
農林水産省を代表して国際会議にたびたび出席しました。WTO(世界貿易機関)閣僚会合という加盟各国の首脳などが出席する場所において、EUやブラジルの、「農家への補助の割合を国内農業生産額と比例させるべき」という主張(これが通れば、国内農業生産が少ない日本などは、農業のために使える予算を制限されてしまいます)を拒否。潜在能力ある日本の農業を守るため、同じ利害を有するスイスなどと連携して否決に追い込み、国益を守りました。
アフリカで開催されたアフリカ開発会議に農林水産省を代表し参加。以後、開発途上国、とくにアフリカ支援担当として精力的にアフリカ諸国大臣などと会談し、農業面での日本の国際貢献をリードしました。
常に天候リスクにさらされるのが農業の世界です。災害の際は、すぐに現地に駆けつけ、支援策を農林水産省に指示しました。平成28(2016)年8月に北海道を襲った台風被害の際にお会いした農家の方からは、1年後に、復旧への力強い足取りが記録された感謝のビデオメッセージとしていただきました。また、度重なる鳥インフルエンザの脅威に対し、被害発生した各県をまわり、県知事と対応を協議を進め、国と自治体と一致した連携のもと、被害蔓延を食い止めました。
林業振興日本の国土の約7割は森林であり、この眠っている資源の有効活用こそ国益に資すると農林水産省内で訴え、例えば、学校など公共施設の木質化(特に内装部分)を進めることで木材需要を喚起することや、木質バイオマスを振興することで、地域内でのエネルギー循環とともに地方創生、雇用創出をすることを訴えました。