共生社会の実現へ
2016-05-31
矢倉かつおです。
先ほど、今国会では最後となる国会質問を終えました。戸籍のない「無戸籍」の人の苦悩など大臣に伝え、迅速な解決を訴えたところです。
第190回通常国会は、明日、閉会いたします。
いよいよ参議院選挙です。
国会会期中の150日間、それこそ分刻みで動きました。
特に、二つの議員立法について、条文作りから関与したことは貴重な経験でした。
二本のうちの一本が、提案者として成立させた「ヘイトスピーチ解消法」です。
ヘイトスピーチ(ヘイトデモ)とは、平穏な住宅街などに大勢で押しよせ、スピーカーなど大音量で「○○人を殺せ。」などと罵る、許せない言動です。
「恐怖で夜、一人で歩けない。」「殺されるのがこわくてエレベータにも乗れない。」との被害者の声、幾度も聞きました。
特に、被害に遭われた13歳の少年が「助けてください。」と涙ながらに訴えるのを聞き、胸が張り裂けそうな思いとなりました。
「個人の尊厳を踏みにじる、共生の地域社会を分断するような言動は絶対に許せない!!」、そう強く決意しました。
この「ヘイトスピーチ」問題、いち早く動いたのが実は、公明党です。一昨年の段階ですでにプロジェクトチームを立ち上げ、政府に様々な提言を行いました。
「この問題に対処する議員立法をつくろう!」そういった声が党内よりあがったのは昨年上旬でした。
それをうけ、昨年8月6日、参議院法務委員会において、「ヘイトスピーチのない社会」の理念を謳う法律をつくるべきであると強く訴えました。
しかし、議員立法をつくることは、想像以上に大変でした。
遠山清彦プロジェクトチーム座長を中心に、まず、連立を組む自民党を説得しました。
野党とは、粘り強く協議を重ねました。
野党はすでに法案を提出しておりましたが、「著しく不安を覚えさせる」程度の表現も禁止するものであり、権力が通常の表現にも不当に介入する危険を否定できませんでした。
この問題を利用し与党の意見割れ、分断をはかろうとした動きも野党のごく一部にあった、との見方もあります。真偽は不明ですが、問題をさらに複雑にしたと思います。
しかし、「ヘイトスピーチは許さない」、この一念が全てを動かし、最後は委員会における全会一致で法律は成立いたしました。
私自身は、提案者として答弁にもたちました。
審議は参議院で3日間、衆議院で1日間でした。自分の言葉で語りました。
この法律をめぐり怒号飛び交う集会にも参加をし、「成立させてほしい」渾身の訴えもさせていただきました。
議員立法をつくるとは、法律に魂を打ち込むことだ、と学ばせていただく日々でした。
早速、法律の効果はあらわれています。
実は、6月5日に川崎市でヘイトデモを行うとの予告がありました。
しかし、地元川崎の公明党の市議団の方を中心に、市長に「法律の趣旨を踏まえる」よう求めた結果、市長はデモ隊による公園許可申請を却下しました。
法律の理念が、魂が、明らかに多くの人の心を動かしています。
あくまでこれは第一歩です。差別その他人々の心にある壁を取り払い、共生社会の実現にむけ頑張ります。