1.名目賃金上昇を可能とする経済
(1)企業(特に中小企業)が給料を上げることができる環境整備
・賃金上昇や従業員のスキルアップに力を入れる企業に対する抜本的な税制優遇
・中小企業が大企業などからも適正な対価を得られる環境、特に、
①下請けを含む取引先に優しい経営をする大企業を評価する仕組み、特にパートナーシップ構築宣言を「実行」した企業に対する補助金や税制優遇のあり方研究。
②下請取引法の適用強化
③物流における標準運賃の設定促進、遵守
(2)高い賃金を支払うことができる生産性の高い企業の創出
・技術のある中小企業などが連携できる枠組みの支援・強化
・徹底したスタートアップ支援の強化、大学発ベンチャーの育成
・M&Aなどを通じた事業承継のさらなる円滑化
・イノベーションを起こす規制緩和
(3)稼げる分野で誰もが働くチャンスを得られる労働市場
・スウェーデン型の産学連携職業訓練を参考に、産業界のニーズに沿った職業教育を教育現場でも
・非正規雇用の方々もデジタル技術など働きながら学べる、民間主導の中間組織型インターン制度の推進
・企業ニーズと自身が持っているスキルを「見える化」しマッチングを可能とするシステムの構築
2.働くことで人生の選択をあきらめる必要がない雇用のあり方
・テレワークの推進で、働く場所にとらわれない働き方(転職なき地方への移住促進)
・時間あたり有給休暇制度の普及
・フリーランスなども含めた多様な働き方への雇用保険適用
・介護支援の充実と介護休暇制度を取得しやすい職場環境整備
3.エッセンシャルワーカー(その仕事がなければ私たちは生きていけない仕事に従事する方々)の労働こそ、評価される経済
とりわけ
医療や介護、福祉(障がい福祉含む)、保育や幼児含めた教育、消防、廃棄物処理、物流などに従事する方々の賃金上昇、そのために
①診療報酬や介護報酬、公定価格など、公的な制度・予算によって賃金が決定される分野について処遇改善のための予算増、
②民間に対しては、関係労使の申出に基づき審議会の調査審議を経て設定される特定最低賃金の設定を促し、その環境整備を行う