196回 経済産業委員会

2018-04-19 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
まず、法案に、質問に入る前に、大臣に、今朝方記者会見がされておりました日米首脳会談につきまして、この受け止めと、貿易問題についての大臣の御所見をお伺いしたいなと、日米間の。
記者会見、最後質問のところでトランプ大統領に対して、特に日米間の貿易の在り方について質問があったことに対してのお答えで、二度ほどやはりTPPのようなものは個人的には意にそぐわないということをおっしゃった上で、トランプ大統領としては二国間ということを強調されて回答をされていらっしゃった記憶です。それに対して安倍総理が、自由で公正なルールが必要だということを強調されていらっしゃったわけであります。
大統領は、特に二国間のところでおっしゃるのは、日本に対してはやはり貿易赤字というのが非常に問題だということもおっしゃり、また貿易障壁というものもおっしゃった上で、このようなことをおっしゃっていたわけでありますが、やはりこのそれぞれの貿易赤字どうかというところ、相手から勝ちか負けるかというような判断だけの思考で貿易を語ると、やはり保護主義と言わざるを得ないところでもあり、そういう姿勢で例えば二国間でFTAというような動きになってくれば、これはしっかりと拒否すべきであるし、それを通じて自由貿易というものの重要性、公正で自由なルールを作るということについて日米共同すべきだということをしっかりとまた訴えていく必要性が改めてあるなと感じたところでありますが、この点について大臣の御所見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 まず、今回の首脳会談では、安全保障面だけではなくて経済面でも日米の協力関係をより強固にしていくため、率直で有意義な議論が行われたというふうに承知をしております。
日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大をさせていく。その基盤の上に公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現させるため、今回、安倍総理とトランプ大統領との間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールというんですかね、を開始することで合意をしたというふうに承知をしています。
この協議、FFRTDは、双方の利益になるように日米間の貿易投資を更に拡大をさせて、公正なルールで基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するため、米国に対して日本としてはTPP復帰を働きかけることも含めて、具体的方策を議論していくことになるんだろうと思います。
今御指摘のように、アメリカ側が、トランプ大統領が二国間のディールに強い関心を持っているということは我々も十分認識していますけれども、いずれにしても、日本としては、TPPが日米両国にとって最善であるというふうに考えておりまして、この辺は今日の記者会見でも少しお二人の考え方に開きはあるわけですけれども、こういった立場を踏まえた上で議論にしっかり臨んでいきたいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 二国間の協定は当然必要でもある部分もあり、他方で、それが相手から何かを奪うための材料として二国間協定を進めるというような姿勢で仮に進められるのであれば、やはりそこは違うなと。
今おっしゃっていただいたとおり、多国間協定、その根底には、双方で利益が生まれる、そういう秩序をつくることが貿易秩序にとっても非常に重要だというような考えがあるかというふうに思います。それをまた日米信頼関係ある中でしっかりとお訴えをして、当然向こうも理解はされているわけでありますが、更にその理解を加速するように御努力をいただければというふうに思っております。
それでは、法案の方に入らせていただきたいなというふうに思います。
まず、生産性向上特別措置法案につきましてでありますが、規制のサンドボックスについて、こちらの狙いについて、まず総括的なところでやはり大臣にちょっとお伺いをしたいなと。
二点ほど確認したいというふうに思うんですが、この狙いなんですけど、当然ですけど、一点目は、私の感覚としたら、この規制の在り方を変えていく実証実験というところもあり、その上で、これはやはり役所の規制に対する行動原理というものがどうしても硬直的で、なかなか変わらない場面もあり得る。それを打ち破っていく、イノベーションを起こしていくようなときに妨げになるような行動原理があれば、それを変えていかなければいけないなというところが一つあるかなと思っています。
ちょっと私個人の経験で大変恐縮なんですけど、弁護士をさせていただいたとき、企業法務とかで様々動いていたこともあるんですが、特に金融商品など、様々な提案がクライアントからあってそれを検討する、金融商品に限らずいろんな事業についてもそうなんですけど、そういうときに役所の方に持っていくと、法令、法律だけじゃなくて政令であったり省令であったり、時には、かつてこういう局長の通知がありますと、それだけで全てが止まってしまうと。いや、この背景には、こういう通知の背景にはこういう事情があるんだけど今はこういうところは変わってきていますよと、こういうふうに言っても止まっちゃう、あるから駄目なんですと、そういうような形にやっぱりなってしまうと。
法律とか政令それぞれは、当然ですけど、そのときに作られた立法事実があるわけですけど、時代が変わればその立法事実も変わっていって、その上で柔軟に立法事実に合うような法律の解釈であったりが必要なんですが、やはり役所のサイクル、人事の異動のサイクルも含めてですけど、どうしても、まず新しいことをやると、後で何が責任が起きるかというところで分からない。それであるから駄目なんですというような回答にやはりどうしてもならざるを得ないなと。
そこをしっかりと変える、風穴を空けるという意味合いも込めて、規制の在り方と、また、日本の役所が真面目であればあるほどそれに対して硬直にならざるを得ないような部分に対しても、ある意味、役所としても動きやすいような環境をつくる、そういう意味合いで一つ今回の狙いがあるという私の理解であるんですが、その点についてまず大臣の御所見をいただきたいなというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 まず、基本的に、本当に簡単に基本的な考え方を述べますと、やはり事業ということになってしまうと、役所は規制の立場からいろいろ身構えてしまうという点があるわけであります。
ただ、今、どんどんともう今の規制が追い付いていかない新しいアイデアが、どんどんビジネスのアイデアが出てきているものですから、今回のこのサンドボックス制度の一番のポイントは、事業ではなくて実証と位置付けることによっていろんな規制の網が掛からないというか、もちろん安全とか人体に関すること、人身に関することというのは当然きちっと見ていくわけでありますけれども、そういうことを前提にしてチャレンジをするというのが基本的な考え方だと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
その実証というところの部分で、例えばグレーゾーン解消制度や新事業特例事業との違いというものがあるわけであります。従来であれば、例えばグレーゾーンであれば、こういう事業者はこういうことをやりたいけど、これはグレーですけどどうなのですかと問いをするわけですけど、それに対しては、いや、駄目ですよ、これは結局グレーのまんま白とは言えませんということで終わってしまうと。そういう部分をしっかりと空けるために実証という概念を今おっしゃっていただいたんですけど、更にもう一歩動けるような仕組みとして今回取り入れられているという理解でいるんですが、ちょっと改めて大臣からまた。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今までも、いろいろとこういう新しいビジネスに使ってもらえる制度というのを導入してきているんです、今御指摘のとおり。
ところが、やっぱりそれぞれ短所がありまして、まず、グレーゾーン解消制度は、これは事業をもうそのまま継続的に実施することを前提になるものですから、規制法令の適用関係を確認する制度ということになってしまいまして、規制所管部局は、個別案件の回答に関して非常に慎重になるという傾向があったわけであります。
もう一つ、事業者が企業単位で規制の特例にチャレンジする新事業特例制度というのもありました。ただ、この制度においては、逆に事業者が規制の特例措置の整備を求める場合、規制を緩和しても安全性などの規制の目的を達成することが可能となる規制の代替措置というのが必要になってきまして、ところがその代替措置がこれでいいのかどうかというのを検証するための実証ができないということで、なかなか検証が進まないというようなケースがありました。
こうした課題を解決するために、今回のサンドボックス制度では、グレーゾーン解消制度によって規制の適用対象となると判断をされたり、あるいは新事業特例制度において規制の代替措置を整備することが困難な案件であったとしても、期間や参加者などを限定をして実証という整理をすることで、規制が適用されない環境下でスピーディーに実証プロジェクトを実施することを可能としました。この実証で得られた情報を活用することで、エビデンスに基づく規制の特例措置の検討を加速することができると考えています。
このため、特に新事業特例制度と一体的に運用することで規制の特例措置の求めも今後増加してくるんではないかと相乗効果を期待しているところでございます。

○矢倉克夫君
 今、規制、期間であったりそういうのを限定した上で実証をする、それをすること、そういう枠組みをつくることで、従来の制度であれば規制官庁とかがどうしても慎重にならざるを得なかったところを一歩進める動きにも後押しもするという、それをまたやってみて、とにかくデータを集めて、それが広がるというようなことが立証されれば更に新たな一歩に進むなと。まずはやってみるという枠組みをつくることで関係者の合意も、これは規制官庁も含めた合意を得やすいような環境をつくって先に進めるというような仕組みであるというふうに理解もさせていただいたところであります。その趣旨にのっとって制度もありようまた考えなければいけないなと思いますが。
もう一点だけ、大臣、済みません、お伺いしたい趣旨の狙いのもう一つなんですが、他方でいろんな規制というものがあるわけでありますが、安全や安心などに対する規制というものも含めて、やはりあり得べき規制というものは当然あるわけであります。この制度の狙いが、規制緩和というところが一つ旗頭になるかもしれない。ただ、規制というものは、まず緩和する、規制イコール悪であって緩和するというようなベースに立っているものではなくて、イノベーションというものを起こす上でどうしても妨げになっているような規制、またその運用がある、それに対して一歩踏み出して新たな展開をできるような、関係者の合意に基づく行動が生まれるきっかけとなるようなものとして行われているという理解であります。
要は、規制を緩和するということが主目的といいますか、規制緩和イコール善、規制緩和が必ずやらなければいけないという前提の下でやっているというものではないという確認だけは取りたいというふうに思いますが、大臣からお願いします。

○国務大臣(世耕弘成君)
 当然、これは実証計画の認定という部分があります。そこにおいて主務大臣からきちっと規制法令に違反するものでないかどうかというチェックは行われるということになろうかと思います。特に、生命とか身体の安全に関わるような部分についてはそういったチェックが行われることになるんだろうと思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
それでは、具体的な制度の在り方について一つ一つちょっとお伺いをしたいなというふうに思っておりますが、今回の規制のサンドボックスの枠組み、こちらは事業者が計画申請して主務大臣が認定をするわけですけど、その主務大臣の認定に当たっては、内閣総理大臣が任命する委員によって構成される評価委員会、こちらの意見を聴くというようなことになっております。
この評価委員会の人選であります。また、人数はどの程度のものを考えているのか。とりわけ、どういう人がこの任に当たり得るのかというふうに制度上なっているのか、御答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今御質問ありました革新的事業活動評価委員会は、主務大臣が実証計画の認定に際して専門的かつ客観的な観点から実証計画の経済全般への効果に関する評価を行い、主務大臣に対して意見を述べるために内閣府に設置するものでございます。
評価委員会では、個別の実証機関において実証しようとする新しい技術やビジネスモデル、これについてその革新性や実用化の可能性を踏まえ、その実証が経済、産業、イノベーションといった日本経済様々な側面に及ぼす影響を評価することを想定しております。
そうした中で、委員会の委員は、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することとしており、委員会の主管である内閣府の長として内閣総理大臣が任命いたします。
人選につきましては、委員により代表される意見、学識経験等が公正かつ均衡の取れた構成となるよう留意することとしておりまして、また人数につきましても、審議会等の整理合理化計画に基づきまして、おおむねこういう合議体は二十名以下となっておりますけれども、それに従っての人数を考えたいと思います。
こうした手続を通じまして、規制所管大臣を含む主務大臣のより適切な判断に資するとの評価委員会の設置の趣旨を反映する委員構成としまして、内閣を中心に政府一体として新事業等実証を促進し、規制をより合理的かつ限定的なものへと見直していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっと関連して、私としては、先ほど申し上げたように、この役所のやはりどうしても先例であったり、また人事サイクルも短い期間で、どうしても一つ一つについて専門性を確実に確認した上で元ある規制について運用するというようなことがし切れない場合、そういうときに現場とのいろいろ交渉で役所の中では規制があるというその事実だけで全てがはねられてしまうというようなことはあってはいけない、それがイノベーションを壊してはいけないと。
そういうのを打破するための制度として考えると、委員というのは、この規制それぞれの立法趣旨であるとかそういうこともしっかり専門的に理解をして、役所に対してもある意味権威を持って柔軟な対応ができるということを説得力を持って言えるような人でなければいけないかというふうに思っておりますが、その辺りをどのようにお考えでしょうか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 先日の衆議院での参考人質疑でもそうでありましたが、確かに公務員の人事を考えますと、二、三年で替わってしまいまして、やはり専門的な知見を民間レベルで持っている方はなかなか難しいということでありまして、その観点から、この評価委員会におきましては、やはりその技術なりその分野において非常にお詳しい方をお呼びして、その方がこれまでの動向あるいは海外の動向、様々なことを御覧いただいた上で御意見をいただこうというふうに思っていまして、行政庁の判断と、それからその専門的な知見というのをぶつけて調整していきたいというふうに考えています。

○矢倉克夫君
 そういう行政の判断とのいい緊張関係みたいなのが生まれるような人選はやはり重要かなというふうに思います。
その上で、制度の在り方として、次に、その委員会としては勧告、これできるわけであります。内閣総理大臣を通じた勧告ということでありますが、この勧告はどういった場合に行われることを想定されているのか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 評価委員会は、法案第三十二条第二項において、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果、評価というのは先ほど申し上げたとおりでございます。その権限に属された事項に関して、内閣総理大臣を通じて主務大臣に対し必要な勧告をすることができるということの御質問です。
その勧告につきまして、行われる場合としましては、個別の計画申請されたものによって様々な場面が想定されますが、例えば、主務大臣が新技術等実証に関する規制の特例措置や新技術等実証計画の認定の判断に際して、評価委員会の意見を踏まえて判断を全く行っていない場合、あるいは必要以上に検討に時間が掛かってしまって、スピーディーな事業展開をする事業者の方のなかなかニーズに応えていないような場合が考えられます。
勧告が行われた場合には、主務大臣は勧告に対してこうした措置について評価委員会に通知することとしておりまして、制度運用における透明性を確保しながら主務大臣が説明責任を果たすことを促すことができるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっとまた関連で恐縮なんですけど、もう全く委員会の意見に対して、何でしょうかね、この委員会の意見に対して全く納得をしていない、行っていないとおっしゃった。そういうもの、その辺りが、例えば、当然ですけど、主務大臣などもその規制の中では残すべき立法事実がやはりある、規制というものがある。そういった主務大臣としての判断の下での意見に従わないという判断もあったわけでありますが、その中で勧告、全てに、意見に従わなければ勧告というようなことでないと思うんですけど、もうちょっと具体的に、どういう事象があればということをおっしゃっていただければ。

○政府参考人(中石斉孝君)
 評価委員会の意見を踏まえて主務大臣の方で計画の申請についての審査をしていただくわけですけれども、その際に、委員会の意見を全く無視するといったような極端なケースもありますが、今御指摘のように立法事実がどう変わってきたかという議論、これについての合理的な議論がなされればいいんですけど、全くなされない場合にはさすがに勧告ということがあるんじゃないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 分かりました。ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたとおり、規制の立法事実その他というところから深掘りした議論、意見があって、その上での所管大臣の判断、まれにそうでなければ勧告というような形かなと。やはりそういう規制の趣旨に遡ったそれぞれの合理的な判断の下での緊張感の上での意見であり、また勧告であるという理解であるかというふうに思いますが、そうであれば、これもまた関連で恐縮なんですけど、そういう規制のあるべき姿とかに遡って冷静、客観的に意見を言える陣容でなければやはりいけないかなと。
そういう意味でも、専門的見地から第三者的に公平、中立に客観的に意見を言えるような人をやはり選ばなければいけない。政治的な部分からの独立性というものも含めていろいろ検討しなければいけないというふうに思いますが、委員の独立性というところも何か設計の上で御検討されているところがあればおっしゃっていただければ。

○政府参考人(中石斉孝君)
 審議会その他いわゆる行政組織法第八条の機関といいますのは、行政プロセスの適正化のために置かれる合議体でありまして、そもそも組織の前提として自立的な活動を行うというふうになっております。
今回の評価委員会におきましても委員長を中心としての運営を考えておりまして、委員会としての御判断、それから運営というのをやっていただくというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 委員長中心の合議体の御判断ということで、その合議体そのものも、また一人一人のバックグラウンドその他もしっかりと独立的なものである必要があるかなと。その辺りはまたこれからの制度設計において是非御留意いただければなというふうに思います。
その上で、また更にですが、こういう形で評価委員会の意見も受けて主務大臣がまた認定をされるわけでありますが、この認定について、主務大臣も事業所管とまた規制の所管大臣というふうにいらっしゃるわけでありますけど、このお二人の判断が異なった場合についてはどのようにされるのか、制度としてどのように想定されているのか、現状を御答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 事業者から実証計画の申請を受けました主務大臣は、革新的事業活動評価委員会の意見を踏まえてその計画を審査するということでございますが、その主務大臣のうち新技術等実証などの革新的事業活動に係る事業を所管する行政機関の長、いわゆる事業所管大臣、その事業所管大臣は実証の必要性といった観点から審査を行い、他方、新事業等の実用化に関する規制を所管する行政機関の長、いわゆる規制所管大臣は、法的許容性の観点からそれぞれ判断して当該実証計画を認定することとしております。
仮に主務大臣の間で判断が異なる場合には、まずもって両大臣の間で計画認定に関する調整を行います。こうしたことを含めまして、新事業等実証計画の認定が円滑に進まない場合には、必要に応じて評価委員会が主務大臣に勧告を行うことになるかと思っています。この場合、主務大臣は、先ほど申し上げましたように、勧告に基づきこうした措置について評価委員会に対して通知義務があります。これらの過程を経た上で、更になお主務大臣の意見調整を行う必要がある場合に関しましては、内閣府特命担当大臣あるいは内閣府、内閣官房を交えまして、政府内での総合調整を行っていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 この内閣府特命担当大臣が行うということは法律的にもまだ明記はされていないかと思うんですが、その辺りについては、改めてどういう調整なのかというところもしっかりまた議論がはっきり分かるような形の制度の在り方というのを考えるべきだなというふうに思います。その辺りについて教えてください。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今回の主務大臣という場合の、計画申請、認定する主務大臣は、今申し上げました規制所管大臣、事業所管大臣です。ただ、この評価委員会の設置する場所、内閣府でございますし、この規制のサンドボックス制度の所管大臣は内閣府、内閣府特命担当大臣になりますので、そのプロセスの過程において出てこられるということであります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。よく分かりました。
それでは、次になるんですけれども、それで実際認定をされて事業が実証されると、その実証の結果について成功した、失敗したというような判断があるわけですけれども、その辺りのこの判断基準というのはどういうものになるのか。
さらに、本来の趣旨からいえば、やはりイノベーションを起こしていかなければ今の日本のビジネス、経済というものは成り立たないというところ、そのイノベーションというのは最初から成功するものでも当然ないですし、その基盤としての実証の結果もあるかもしれないけれども、すぐに成功というような結果が出るものだけが、その後の規制改革がイノベーションを起こし得るものだというふうに断定もできるものでもやはりないと思います。
トライ・アンド・エラーということで、しかも更にトライをするという、その何度も何度もやり取りが必要だと思うんですけれども、失敗した場合でも再度挑戦していくプロセスというのも必要だと思うんですが、その辺り、制度をどのように考えていらっしゃるのか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 この制度につきましては、イノベーションを世界に先駆けて進めていくというのがまさに制度趣旨であります。そして、御指摘のとおり、革新的なアイデアについてまずやってみることを許容するということでありまして、当然事業者による試行錯誤を前提としております。事業者が認定を受けた実証計画に記載した目標、実証内容、実証方法に沿って計画どおりに実証を終了したときに新事業の実用化に向けての一定の実績と規制制度に関するデータ、手法を取得することができれば、まずはその当該実証は当初の目的を達成したという意味において成功したというふうに考えております。
他方、実証で得られたデータが当初想定されたものと違っていた、あるいは不完全であった、仮にそういった場合であっても、新事業実用化のための新しい方法論がそこから見付かったり、あるいは規制の在り方というものの新しいアイデアなり論点が出てきたり、そういうことも含めまして重要な情報リソースにもなり得るというふうに考えています。
法制上も運用上も、委員御質問ありましたように、新事業の実証には何度でも申請することを妨げておりませんので、不完全であったとしても、事業者の方には是非ともまさにトライ・アンド・エラーを行っていただいて、そして新事業の実証に挑戦していただきたいということで、今回の制度趣旨は、とにかく失敗にめげずに進めていくということが制度趣旨でございますので、その点、運用で努めてまいります。

○矢倉克夫君
 是非、事業者の立場からしても、一回失敗したら駄目だというようなことがないということがより積極的なメッセージとなるように、それは、要は、ひいては一回失敗しただけですぐに役所からこれは駄目ですというふうに拒絶されないということ、そういう精神的な、また制度的な安心感というものがより広がるような制度運用でないといけないということだと思いますので、そこは是非よろしくお願いします。
その上で、実証が終了した後には規制の見直しというものも含めて考えるという前提になっておりますが、これはどのような検討体制で行うことを想定されているのか、答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今回、この実証制度は、先ほども申し上げましたように、スピーディーに社会実証を行うことで必要なデータを取得するということでございますが、実証終了後は、法案第二十条に基づき、当該制度を所管する規制所管省庁が、新事業等実証での成果を踏まえて規制の見直しを検討し、必要な規制の撤廃又は緩和のための法制上の措置を講ずるということとしております。
また、革新的事業活動評価委員会が中心にフォローアップを行うことも考えられます。評価委員会は、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果について評価することが役割でありまして、実証後、当初の評価どおりにその実証活動がインパクトあるいはそういう波及効果があったのかを確認するということは当然想定しておりますし、そして、そのたびに必要に応じて主務大臣に対して報告徴収を求めることができるというふうに考えております。
このように、この制度において規制の見直しを迅速に行う仕組みを盛り込んでおりまして、経済産業省という立場も含めまして、規制所管大臣、事業所管大臣、様々な所管大臣の間で連携をして、規制の撤廃、緩和、あるいは制度の整備ということで、新しい技術がとにかく実証されて、そして社会に実装されるということを進めていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
所管大臣以外の大臣とのまた連携、調整というのもやはり重要な局面があると思います。そこがまた実効性が持つような形で是非お願いをしたいなというふうに思います。
その上で、最後、もう一つ制度的なことを確認ですけど、計画申請を出すこの一元的窓口、こういう一元化を捨てるということが従来のある意味欠点でもあった、何か新しい事業を起こそうとするとき、規制に直面するといろんな窓口で対応しなければいけない、それだけで時間が掛かるというようなところを克服する一つの手段であるかなというふうに評価もしているところでありますが、この一元的な窓口、この具体的内容について、法案の明記というものがまだ必ずしも明らかでないと思うんですけど、この辺り、どこに置くのか、そして、その機能や体制というのはどういうものなのかをまた御答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 委員御指摘のとおり、革新的な技術が生まれまして、大変その技術というのが様々な業種、産業、分野横断的でありますし、また複雑であると。そういうことで、新しい技術、新しいビジネスを見た場合に主務大臣の特定が大変困難、あるいは主務大臣とおぼしきところにつきましても複数にわたりまして、その間の手続が大変複雑であるということが今まで事業者からも言われていました。
こういった状況を踏まえまして、この実証をスピーディーに進めるために、事業者の提案を広く一元的に受け付ける窓口を内閣官房に設けることを予定しております。これは、法案成立いたしましたら、私ども、早急に実施のための様々な方針、運用の規則を定めていきたいと思いますけれども、その中で決めてまいりたいと思います。
そして、その一元的窓口におきましては、まず、民間事業者に対して事前相談をきめ細かく行っていきたいと思います。特に、事業者が提案する実証に関係する規制、どういったものがあるのか。特に、事業者からすると気が付かない規制もあるかもしれませんし、あるいは、ある面勘違いをしている場合もあるかもしれません。そういったものについて、私どもの、内閣官房、行政府の職員、それから、今後考えておりますのは、弁護士その他の専門的な方にも御協力いただいて、法的な論点を整理して適切に助言をする仕組みをつくっていって、ある面ネットワークをつくっていって、そういった支援をスピーディーに進めていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 引き続きまた確認でありますが、この規制の見直しにつなげるスキームとしては三年間というのは短いと思うんですけど、この辺り、短いという御意見もあると思うんですが、この辺りについてまた参考人の方で。

○政府参考人(中石斉孝君)
 まさに集中期間に合わせての三年間というのが今回のこの法律の期限でありまして、対象であります。
この規制のサンドボックスにつきましても、その三年間の中でということでありまして、先ほども申し上げましたように、まずやってみるということ。それから、この対象としている技術分野が大変スピーディーで、半年単位で市場の状況が変わってくるようなものでありますので、恐らく三年でも長いという意見も事業者からあるかもしれません。
私どもとしましては、この三年のうちに次々と新しいアイデアをいただきまして、それを実証し、その結果を、実績あるいはデータというのを集めて新しい政策形成に進めていきたいというふうに考えております。
そういう意味では、私どもの念頭には、実証期間というのは一事業当たり大体半年単位で進めていくのかなというふうに考えておりまして、その半年が終わったところで、先ほども申し上げました法案二十条に基づいて、三年の後ではなくて、三年の期限を待つことなく、随時、規制所管官庁との間で規制の見直しを検討していくということを考えていきたいというふうに思っております。
また、三年たった辺りでどうするかということにつきましては、成功実績の評価やその時点の経済情勢などを踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっといろいろ確認させていただきましたが、またちょっと大臣にお伺いしたいんですけど、これまでの各国の法令ですと、やはりこのような実証実験の制度というのは金融分野のみであったんですけど、日本の特色としては、それ以外のところにも広く適用されるような制度の設計になっているなと。これは政府としても何か狙いがあるかというふうに思うんですけど、大臣としては金融分野以外でどういう事例というのを想定されているのか、もし御意見ありましたらおっしゃっていただければ。

○国務大臣(世耕弘成君)
 御指摘のように、このサンドボックス制度は特に業種を決めておりません。ですから、そういう意味ではこれからいろいろ新しいビジネスのアイデアが出てきてほしいというふうに思うわけです。そういうアイデアが私がぽんぽん出てくるようでしたら、今頃私は政治家なんかやらないで立派な起業家として活躍していると思うんですが、今のところ、幾つか事業者の人に聞いてみて、こういうのができるといいなというのが返ってきています。
例えば、今フリーランスで働く人たちは、仕事のマッチングサイト、個人事業主として働いていて仕事のマッチングサイトからいろんな仕事を受注する、ウエブデザインとかプログラミングとかいろいろあると思うんですが、そういう仕事を受注しているわけですが、例えば受注が増えてくると、もっと高速のコンピューターに買い換えるとかスキャナーを入れるとか、いろいろ投資する資金需要が出てくるわけなんです。このマッチングサイトをやっている人たちはそういう資金供給もやりたいんですが、現行の貸金業法とかあるいは割賦販売法では、与信が前の年の年収をベースにしなければいけないとかいろんな縛りが付いているわけなんです。例えば、前の年、育児で完全にお休みをしていて、だけど、ウエブデザインのスキルがあるのでやりたいと言ってきた人が、なかなか新しいビジネスの拡張のためのお金の融資を得ることができないというような問題点を、このサンドボックス制度でクリアできないかというようなニーズがあります。
あるいは、今、宅配便が非常にネット通販の普及でもう恒常的に配送がいっぱいいっぱいという状況になっています。これを、今の道路運送法では、唯一、年末年始及び夏季等繁忙期だけは自家用車で運んでいいということになっているわけなんですが、これを通常の時期も、例えばラストワンマイル、要するに、宅配会社の集配所からそれぞれの自宅までラストワンマイルを一般人に配送を委託するような、これクラウドデリバリーと言われているそうですが、こういうことがやれないだろうかというようなニーズが上がってきております。
ほかにも、こういう中で面白いアイデアが出てくることを期待したいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 今大臣のお話を聞いていると、ああ、どんどん世界が広がっていくんだなというのを、そのためのいい制度の運用になれば改めてよいなと今実感もしたところであります。人と人、サービスを通じていろんなつながっていく、それが、ただ、規制があって、なかなかそういうイノベーションが妨げられているというようなことを風穴空けるようないい制度として、是非いい形で動いていけばいいかなというふうに期待を持って今聞かせていただきました。
改めて、最後また大臣にお伺いしたいんですけど、この件について最後大臣にお伺いしたいんですが、そういう今おっしゃっていただいたような事例も、一つ一つ、社会の具体的なニーズを細かくしっかり拾い上げて、現場から拾い上げて、何とかアイデアを生かしていこうという発想が生まれるのは、やはり小さな企業であったり中小企業であったり、そういう企業の方が小回りが利いてそういう発想をビジネス化しようという動きになり得る要素は強いかなと。
私は、やはりイノベーションというのは、大きな企業が当然起こすイノベーションもありますが、大きな組織体ではやはり限界がある中で、ニッチな部分も含めてちゃんと拾い上げる力があるのはやっぱり中小企業であり、その中小企業をしっかりイノベーションに結び付けるような動きができるかどうかというのが今後の日本経済にとっては非常に重要であるかなと。であれば、この制度はやはり中小企業がしっかり使えるようなものでなければいけないし、そうでなければこの制度は成功とは言えないのではないかなと。
この事業の展開にしても、そういう点では、中小企業こそこの制度がしっかり使えるような運用をしていくという方向性は、また大臣から改めてお伺いしたいというふうに思うんですが、大臣、お願いします。

○国務大臣(世耕弘成君)
 このサンドボックス制度は、新たにビジネスに取り組もうとしている中小企業ですとか、あるいは独創的なアイデアを持つ個人ですとか、あるいは革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したいベンチャー企業、こういった方々にも幅広く使っていただくことを想定をしているわけであります。
できるだけ多くの事業者や起業家の方に活用してもらえるように、イメージしやすい、まあ今、先ほど私がお話ししたような事例もお示しをしながら、新経済連盟ですとかフィンテック協会といったITベンチャー関連の方々が集まっている団体とも連携をしながら、広く普及啓発を行うこととしています。例えばハッカソン、これ、ハッカーのハックとマラソンの造語ですけれども、ハッカソンのようなイベントを企画して、積極的に案件の掘り起こしを図ることも考えられるというふうに思っています。
また、特に中小ベンチャー企業にとっては、どの規制が自分の今考えているアイデアに当てはめられるのかとか、そういうのがなかなか把握するのが難しいということもありますので、この一元的な窓口、先ほど設置するということを申し上げましたが、こういう内閣官房の一元的な窓口で中小企業、ベンチャー企業の相談にしっかり乗って、チャレンジしようとしているビジネスモデルに合わせた、きめ細かい、寄り添ったハンズオン支援を行っていきたいと思っております。

○矢倉克夫君
 まさに今大臣おっしゃっていただいたとおり、小さなところは、自分たちが考えている発想を自分で実現するために何が障害になっているのかというところがまず分からないというのも非常に重要な視点であると思いますし、その御視点で一元的窓口の方も体制も組まれているというふうに聞いて、改めて心強く思いました。是非、この方向性がうまく中小企業の更なる経済の活性化につながるように、御期待を申し上げたいというふうに思います。
残りの時間を使ってもう一つ、法案の中でのデータの共有の関係をお伺いしたいなというふうに思います。
改めてでありますが、大臣にも以前お伺いしたんですが、このデータの共有、連携のためのIoT投資の減税等の制度の根底にあるのはコネクテッドインダストリーズという概念であるかというふうに思います。いろんな類似概念がある。インダストリー四・〇であったり、ソサエティー四・〇でしたっけ、そういうのもいろいろある中で、そういうものとの違いというものをまた改めて大臣から御説明いただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 特に、これから第四次産業革命、対応していくに当たって、日本の強み、弱みというのを、我々、一生懸命分析をいたしました。
まず、アメリカはやっぱり巨額の資金を持った巨大企業があって、それがばんばん研究開発とか新ビジネスに投資をしている。一方で、中国はやはり一党体制の下で非常にビッグデータが集めやすい。はっきり言うと、個人情報保護とか余り意識しないでがんがんやれるというような強みがある。あるいは、ドイツはこれインダストリー四・〇といって、ドイツは非常にIT産業がシンプルになっていまして、製造業のIT化となると、いわゆる設計のCADレベルから製造工程管理するやつから在庫管理まで、これ一つのIT企業が全部横で押さえている。あるいは企業間の連携になると、これまた別の大きなIT企業が全部押さえている。非常に縦横がシンプルにITの仕組みができていまして、その中にみんな入ってくださいよ、中小企業も入ってくださいよというのがドイツのインダストリー四・〇なんです。
日本は、資金もないし、ビッグデータもなかなか集めにくいし、ドイツのようにシンプルなITシステムになっていないという中で、何が強みなんだろうかと一生懸命考えた結果出てきたのが、やはり現場のリアルデータに質の高いものがある。特に、製造業は中小企業でも最近人手不足の影響もあって製造ロボットのようなものが入っていて、いろんな製造データが生まれてきている。ただ、それがほったらかしになっている。工場にも置いてある、企業の中に閉じているということで、これを全部ビッグデータとして、協調領域のものはできる限りみんなで共有をして、ビッグデータとしてAIで解析していくことによって日本の製品とかサービスの質を上げることができないだろうかということで、このコネクテッドインダストリーズという概念を考えました。
ソサエティー五・〇は、これ経済界中心に、もちろん政府も一緒になって言っているんですが、ソサエティー五・〇を目指す上での産業界の取組が、まさにコネクテッドインダストリーズという整理になるかと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。非常によく分かりました。
今各国との比較の上で答えてくださったんですけど、私も今までの大臣の御答弁も踏まえて改めて考えると、やはりリアルデータ、これが日本の強みであるなと一つ。今おっしゃっていただいた、バーチャルな世界のデータとはまた違うリアルなデータ、それは現場のいろんな方々の汗水垂らして生まれたところから生まれてくるデータですね、これはやはり日本がほかの国に比べても蓄積があるという事実認定の下でのお話でもあったかなというふうに思いますし、今大臣のお話を聞いて改めて思ったんですけど、ドイツとのつながり、関係で、ドイツの場合は、ある意味数社が一体となってサプライチェーンも全部抱えた上で、その数社がこのデータの管理も含めて全部やっている。その数社が丸抱えの、それが一応強みでもあるかもしれないけど、それは日本的なものではないし、日本はそれ以外の在り方でしっかりデータの連携をして経済成長していくというような思いが背景にあったかなと。
その肝はやはりそれぞれの現場の中小企業。日本の在り方は、中小企業が現場でリアルに取っていったこのデータ、これが中小企業単体として持っているこの姿がすばらしい。それを更に連携していくことがドイツをもしのぐようなデータの連携を生んでいくんじゃないかというような発想に今あるんだなということを、改めて確認をさせていただいたところであります。
そんな中で、今大臣から協調領域というお言葉がありました。協調領域というものの具体的なイメージ、どのようなものなのかということについて、現状で今お答えできるようなものがあれば、もしお答えいただければなというふうに思います。

○政府参考人(寺澤達也君)
 お答えします。
協調領域については、政府があらかじめ一律に指定するものではないということではございますけれども、同時に、委員が御指摘されたように、いろんな企業がお互いに協調領域を特定して、重複投資を避けて必要な競争領域に経営資源を思い切って投入すると、それで国際競争に打ち勝つというのが極めて重要だろうと思っています。
そうした観点から、コネクテッドインダストリーズの重点五分野につきましては、既に主要企業の参加を得て分科会を開催しています。その分科会の中で、どういう分野が協調領域であって、どういう取組が重要かという議論をしているわけですけれども、その中で、これまでの議論の中で、例えば自動走行を行うための地図データ、そうしたものが協調領域になり得るのではないか、あるいは石油化学プラントとか製油所の保安力を向上するためのいろんな保守点検のデータ、そうしたものも同じく協調領域の候補になるのではないかと、こういう議論がなされているところでございます。
今後、まずはこうした取組を、この法案にあります認定計画を通じてしっかり応援していきたいと考えているわけでございます。
ちょっと法律の手続について更に申し上げますと、今後、実際にどういう手続になってくるかと申し上げますと、法律が制定されますと、革新的データ産業活用指針というのを別途策定するわけですけれども、その指針に基づいて様々な事業計画の認定を行っていきます。その認定に当たっては、例えば、対象となる分野において相当数の企業が参画、関与していること、また、新たなサービスの開発等に足る十分なデータが集まると見込まれること、そして、データの集約、活用が社会課題の解決や競争力強化に資することといった視点によって評価を行っていくということになるかと思います。
この認定制度を通じて、委員御指摘にあった協調領域におけるデータ利活用の取組を公的にバックアップするとともに、更なる協調領域の特定、課題を鋭意図ってまいりたいと考えている次第でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
確認ですけど、今最後おっしゃっていただいた手続の流れの中で認定されるもの、それは、今は重点五分野という形で一つ重点はされていますが、当然それ以外の分野でもこの手続にのっとって認められるものはあり得るということは、一応確認だけさせていただければと思います。

○政府参考人(寺澤達也君)
 御指摘のとおりでございます。
まず、重点分野というのは、政府も企業も含めて、まずこの五分野は少なくとも協調領域を特定して取組をまとめましょうということでございまして、この五分野以外でございましても、是非データ連携をしたい、データ共有をしたいという、こういうふうな御提案があれば、この制度はそういうことについても要件を満たせば認定をしていくということでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
じゃ、最後に大臣、ちょっとまた確認したいなと思うんですが、先ほどもおっしゃっていただいたコネクテッドインダストリーズという背景には、ドイツ的なものではなく、やっぱり現場の中小企業それぞれの連携というものが非常に重要。何か主体が限定された、独占した主体がこの概念のプレーヤーとして動くというよりは、多くの中小企業が主体者として入っていって、それが連携していくという枠組みをつくる、それそのものが日本の強みの発揮だという背景理念があるなというふうに思っております。
であれば、やはりこういうITの分野においても、しっかり中小企業が入っていける姿勢、支援というものは更に必要。これが成功するかどうかというのは、この人材の問題にしても、自前で人材が確保できないんであれば、IT人材が、中小企業が、それはほかのところから、ほかの専門家との連携もするとか、そういういろいろやり方があるかと思いますが、中小企業自身がこのデータ社会としっかり対応できるような基礎体力というのを付けることが、支援することがこの理念の成功のためには必須条件だと思いますが、この辺りについて、大臣、中小企業に対する支援がIT活用に向けて必要だと思いますが、大臣の御所見を最後いただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 全くおっしゃるとおりでありまして、中小企業も含めてこのコネクテッドインダストリーズ、協調領域にしっかり入ってきてもらうということが大変重要で、そのためには、やはり中小企業のIT化というのをもっともっと進めていかなければいけないと思っています。
まず、平成二十九年度補正予算でIT補助金を五百億円付けまして、中小企業十三万者のIT化を支援していきたいと思います。ただ、これも全体の中小企業の数から比べると十三万者では小さいですから、そういった中から生まれてくる成功事例をしっかり水平展開していこうということで、中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのをつくりました。これはもう経産省の所管じゃない業界も入っている。例えば理美容とかそういうところも入ってもらって、ここで百万者規模で、こんなIT化をするとうまくいくよということを広げていきたいというふうに思っています。
また、これも同じく平成二十九年度補正予算で、ものづくり補助金、一千億円拡充していますが、その支援対象の中に、複数の中小企業がデータ、情報を共有して生産性向上を目指す取組を支援する企業間データ活用型というものも補助の対象に入れるということをやらせていただきました。
こういった取組で中小企業のIT化をしっかりと進めて、コネクテッドインダストリー、中小企業でも進むようにやっていきたいと思います。

○委員長(斎藤嘉隆君)
 矢倉君、時間が来ておりますので。

○矢倉克夫君
 是非、日本の強みであるリアルデータをしっかり蓄積されてきた、これ今までの中小企業の営み、それが更に強くなる取組として成功されることを御期待申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。