かつおニュース VOL17(災害対策特集)

2019-12-03 かつおニュース

【矢倉かつお】法務委員会(会社法改正案)_20191203

2019-12-03 矢倉かつおチャンネル

200回 法務委員会

2019-12-03 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
今日は会社法の法案審査でありますので、私は会社法についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
まず、大臣にお伺いをいたします。
今回の重要な争点の一つである社外取締役の義務化についてです。趣旨は、御案内のとおり、これ日本企業に対する国内外の投資家や利害関係者、こちらに信頼される環境整備に必要だという点であります。いろいろ否定的な御意見もあるわけでありますが、お伺いする限り、総じて、社外取締役が現状ちゃんと機能しているかという、そういう点についての御懸念でありまして、社外取締役の存在自体が何か弊害をもたらしているということではないようであります。ですので、結果、私の意見でもありますけど、義務付け自体による効果、今申し上げた対外的な評価の向上ということについてまで私は否定されていないというふうに思っております。
その上で、他方、大臣にお伺いしたいんですけど、懸念というか、やはり考えなければいけないのは、今回の義務化の裏返しで、企業の感覚として、義務化されたことの義務を果たしたイコールガバナンスが良いというお墨付きを与えられたというような意識に企業はならないようにすることは、やはり重要であるというふうに思っております。
今回はそういうメッセージを当然発したものではありませんし、企業としては、社外取締役が更に有効に機能するような環境整備をより良くこれはつくっていかなければいけない。参考人質疑の中でもありましたけど、ハードローの世界とはまた別に、ソフトローの世界も組み合わせてそういうことをつくっていかなければいけない責務は企業はより強く持っているというふうに思います。
法務省といたしましても、このような仕組みや制度づくりを考える必要があるというふうに思いますが、大臣の御所見をいただければと思います。

○国務大臣(森まさこ君)
矢倉委員にお答えをいたします。
上場会社等に社外取締役を置くことを義務付ける今回の改正法案でございますが、コーポレートガバナンスを実質的に向上させるのに必要な基盤を整備をするのに意義があると考えております。
海外の評価を向上させるための義務化、しかし、委員が御指摘のように、それだけでもよいのだと、そういう誤解がないように、委員御指摘のとおり、その実効性を高めるために必要な知見と経験を備えた者を選任をすること、また、それらの社外取締役の機能が発揮しやすい環境を整備することなどの運用面の取組が重要でございます。
そのような運用面の取組、特に候補者の確保等については、関係団体において取組等が進められることを期待しておりますが、コーポレートガバナンスの向上に向けた議論はこれで終わりということではなく、今後も続いていくものと、そして継続する必要があるものと考えております。
ソフトローに関する議論等も含め、コーポレートガバナンスの強化のための取組を行っている関係省庁と連携して、今後の議論の状況を注視してまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
是非、他省との連携の中にあっても、会社法を所管する省庁として、引き続きリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
続きまして、関連してではありますけど、少し実務的な話を当局の方にお伺いしたいと思います。
今回、法制審の議論などを見ておりますと、仮に事故等によって社外取締役が欠けるようになったとしても、その状態で行った取締役会決議が無効になるというものではないというふうに考えておりますが、この理解でよろしいか、まず確認をしたいと思います。

○政府参考人(小出邦夫君)
お答えいたします。
上場会社等において、事故等によって社外取締役が欠けることとなった場合であっても、社外取締役を選任するための候補者の擁立等の手続を遅滞なく進めた結果、合理的な期間内に社外取締役が選任されたときは、その間にされた取締役会の決議を含めて取締役会決議は無効にならないものと考えられます。
これに対しまして、上場会社等が社外取締役を選任するための候補者の擁立等の手続を適切に行わず、遅滞なく社外取締役を選任すべき義務を怠ったと評価される場合には、その後に行われた取締役会決議は無効となると考えられるところでございます。

○矢倉克夫君
遅滞なく社外取締役を選任することをこれを仮に怠った場合は無効となり得るということでありました。
社外取締役を欠くことによって、社内取締役に対する適切な監督、牽制が利かなくなったという可能性は否定できないといたしましても、ある意味それは当不当の問題でありまして、定足数を欠いた場合などとはレベルが違うという御意見もあります。取締役会が適切であったかということと適法であったか、これについては差があるわけでありますが、それでも決議を無効とされる趣旨を改めて法務省からお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(小出邦夫君)
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、社外取締役は取締役会の一構成員でございまして、社外取締役を欠いた場合につきましては、取締役会決議に関する定足数を欠いた場合のように、直ちに取締役会決議が無効となるものではないと考えられます。
他方で、上場会社等につきましては、株主による経営の監督が期待し難く、経営が独善に陥り、又は経営陣が保身に走るおそれがあることから、経営陣から独立した立場で経営を監督することにより、このような弊害が生ずることを予防するメカニズムとして社外取締役の設置を義務付ける必要があると考えております。
また、上場会社等につきましては、社外取締役の設置を法律で義務付けることによって、上場会社等については社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信し、資本市場の信頼性を高めるという意義があるものと考えております。
以上のような理由で、改正法案では、上場会社等に社外取締役を置くことを義務付けることとしているところでございます。
このように、社外取締役にはそれ以外の取締役とは異なる役割が期待されていることからすれば、改正法案において社外取締役の選任を義務付けた趣旨に反して、社外取締役が遅滞なく選任されず、長期間にわたって社外取締役による監督がない状況の下で行われた取締役会決議は無効になり得るというふうに考えているところでございます。

○矢倉克夫君
行為規範を置いた以上は、いつまでたってもいなくていいということではない、趣旨を没却するようなこともないという趣旨とも今お伺いもしました。
であるからこそ、会社が有能な社外取締役を選任する環境整備というのも私も必要であるというふうに思いますし、元榮委員からも先ほど兼任の関係などのお話もありましたが、そういうことを趣旨を踏まえた上でやはり考えるべきだというふうに思います。
一つ飛ばして、もう一つ、電子提供制度について、そのまま民事局長にちょっとお伺いしようと思います。その後に大臣にお伺いをいたしますが。
電子提供制度、これ、いわゆる電子提供措置期間におきましては電子提供が求められるということにつきましてですけど、電子提供すべき事項として、電子提供した事項を修正したときにはその旨及び修正前の事項の電子提供が要求されているわけであります。
実務的なことでちょっと確認いたしますけど、この修正は電子提供措置期間を通じて適用されるのか、つまり、期間内であれば株主総会の後であっても修正点が見付かったら修正事項の電子提供が可能なのかどうか、その点についてお伺いをいたします。

○政府参考人(小出邦夫君)
お答えいたします。
改正法案では、電子提供措置事項の修正につきましては株主総会の前後によって規律に差を設けておらず、電子提供措置事項の修正は株主総会の後であっても可能でございます。
ただ、この電子提供措置事項の修正は、軽微な誤記の修正や、電子提供措置の開始後に生じた事象に基づくやむを得ない修正でございまして、内容の実質的な変更とならないものに限られるものと解しております。

○矢倉克夫君
内容の実質的な変更にわたらないものであるという確認でありました。そこまで、内容の実質的な変更に係るようなものまで仮に含まれるようであれば、株主総会の後の事後的な変更でも内容の実質的な変更があるようになると、後に株主総会の決議の効力などをいろいろと争うときに問題もあり得るかと思いましたが、その点は問題ないということで確認取れたので、了解いたしました。
株主総会の関係で大臣にお伺いもしたいというふうに思いますが、これ、今回の会社法のもう一つの大きな論点であります議案要領の通知請求権に基づく提案議案の数の制限であります。
こちらにつきましても、私は、参考人質疑の中でもいろいろ議論もあったわけでありますけど、コーポレートガバナンスにとって必要なことは、会社を良くしようという株主と経営陣との円滑な意思疎通と対話であるというふうに思います。今回、そういう趣旨から、この数の制限というのは、株主権の制約ではなくて、今申し上げた取締役と株主との円滑な対話、それを進めるためのルールであるというふうに思っておりますし、これはほかの株主との関係だけじゃなくて、当該株主との関係でもそういうふうに思っております。そういうふうに私は捉えております。
こういう観点からお伺いもしたいんですけど、今回、その上で議案の数の上限が定められたわけであります。今回定められたことで、数そのものに法的効果が生まれることになりました。その効果がしっかりと発揮されるように、議案の数え方などをめぐって混乱が生まれないように、経営陣が特に濫用的に数えたりとかするようなことがないようにチェックをする必要があるというふうに思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君)
矢倉委員御指摘のとおりでありまして、取締役と株主、また株主間の円滑な対話のためのルールということでございます。議案の数は原則としてその内容ごとに数えることになりますが、委員御指摘のとおり、数の数え方について混乱や不都合が生じないように、また経営陣が濫用的に数えたりすることがないようにしなければなりません。
そこで、改正法案では、議案の数の制限に関する規定を形式的に適用すると不都合が生じる得る役員等の選任又は解任等に関する議案や定款の変更に関する議案については一定の範囲で二以上の議案を一の議案とみなすこととし、議案の数の数え方を明確化しております。また、取締役がどの議案が十を超える部分の議案となるかを決定する際は合理的な方法で決定する必要があり、提案株主ごとに合理的な理由なく異なる取扱いをすることは株主平等原則に反し、許されないと考えられます。
他方で、株主は、株式会社による議案の数の数え方に不服がある場合には、議案の要領を株主総会の招集の通知に記載することなどを求める仮処分の申立てや損害賠償請求をすることが考えられます。
このように、改正法案では、議案の数の数え方を明確化するとともに、最終的には裁判所が議案の数の数え方が適切であったかを判断する機会を保障するということで、経営陣による濫用を防止しております。

○矢倉克夫君
繰り返しますが、今回の数の制限は、取締役と、経営陣との円滑な対話を促進するルールとして意味はあっているものであって、決して取締役、経営陣が濫用的に株主の提案権を制限するような運用は絶対あってはいけないと思います。その観点からも、引き続き、制度設計、運用、また会社等に対する働きかけ、他省庁との連携、よろしくお願いを申し上げます。
もう一つだけ、また実務的なことをちょっとお伺いもいたします。
補償契約とDアンドO保険の関係であります。これ、実際に補償や保険金の支払があった場合、対象の取締役氏名や補償、保険金の支払の対象となった損害等の内容及びその額はどの程度開示されるのか、こちら、また法務省にお伺いをいたします。

○政府参考人(小出邦夫君)
お答えいたします。
まず補償契約についてでございますけれども、法務省令におきまして、補償契約に関する事項として、契約の当事者となる役員の氏名及び補償契約の内容の概要を事業報告の内容に含まなければならないこととすることを予定しております。
また、補償契約に基づく補償に関する事項といたしまして、いわゆる防御費用を補償した株式会社が、当該事業年度において、当該役員の職務の執行に関し当該役員に責任があることなどが認められたことを知ったときはその旨、当該事業年度において、会社が当該役員に対していわゆる賠償金や和解金を補償したときにはその旨及び補償した金額を事業報告の内容に含めなければならないこととすることを予定しております。
したがいまして、実際に賠償金や和解金を補償した場合には、補償した旨及び補償した金額は開示されるわけですけれども、補償を受けた取締役の氏名や補償の対象となった損害等の内容及びその額については開示されないということになります。
次に、役員等賠償責任保険契約につきましては、法務省令におきまして、当該保険契約の被保険者や保険契約の内容の概要を事業報告の内容に含めなければならないものとすることを予定しております。
したがいまして、保険契約の被保険者や保険契約の内容の概要は開示されますが、実際に保険金の支払があった場合に、保険金が支払われた取締役の氏名や保険金の支払の対象となった損害等の内容及びその額については開示されないということになります。

○矢倉克夫君
経営陣の果断な意思決定ということもあり、必要な部分もあり、その部分から開示の配慮もあったかというふうに思いますが、いろんな投資家の目や、また経営者の質やガバナンスなどを投資家が評価する上ではいろいろな事項を開示するということも必要であります。そういう両者のバランスをしっかり配慮しながらの今後の開示の運用等をしっかりまたお願いをしたいというふうに思います。
最後、いろいろまたお伺いもしたいと思うんですが、最後に、やはり今回の法改正で、また今後、会社法の議論の中でもやはり考えなければいけないこと、また参考人質疑の中でもいろいろ議論があった話を大きな項目として議論をさせていただきたいというふうに思います。
会社は何のために存在するのかという議論であります。私、アメリカに留学をしていた時期があったんですけど、そのとき会社法を研究しておりました。当時、敵対的買収が日本国内でもかなり多く行っていて、それぞれの買収結果によって、最終的には従業員も含めたステークホルダーの生活が危うくなる、そういう現状も見たりとかしておりました。そういう中にあって、短期的な、投機的な株主価値の追求だけで全ての人がハッピーになるのか、個人の感覚としては疑問に思って、そこから会社は何のために存在するのかということもやはり考えてきたところであります。
今回の法務委員会の議論でも、松下幸之助さんのお言葉も通じながら、社会的な公器、使命を発揮するという会社の存在を提示されたことは大きな意義があるというふうに思いますし、会社法の大きな視点としてもそこは重要であるというふうに思います。
それで、まずは、今日、外務省に来ていただいているんですけど、外務省にちょっとお伺いもしたいんですが、今、会社は何のために存在するのか、私の感覚で、そのうち大きな一つの参考になるのが、SDGsの理念でも持っております、国連が提唱している持続可能な開発目標、十七のゴール、それに向かって国際社会がどのように議論をしていくのか、そのSDGsの方針、指針の改定、今政府で検討されているというふうにお伺いもしております。
その中で、会社組織を含めたビジネスの分野、このビジネスの分野がステークホルダーとしてSDGs達成に向けてどういう役回りを持っているのか、こういう視点を今後組み込むべきであるというふうに思いますし、政府としてもその方向で考えていらっしゃるというふうに思います。
これらを前提にした上で、今、国際社会でSDGsが求める会社像というものはどういうものという共通認識があるのか、これについて外務省から答弁をいただきたいと思います。

○政府参考人(齋田伸一君)
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国際的にも企業はSDGs達成のキープレーヤーとして位置付けられております。二〇一五年のSDGs本体、これにおきましても、民間企業の活動、投資、イノベーションを、生産性、それから経済成長、雇用創出、これを生み出していく上での重要な鍵となると位置付けております。また、民間の役割といたしまして、持続可能な開発における課題の解決、これのための創造性とイノベーションを発揮するということを求めております。
本年九月にニューヨークで開催されましたSDGサミット、これにおきましても、安倍総理、グテーレス国連事務総長を始めとした出席者の間におきまして、ビジネスや民間企業が果たす役割の重要性について認識が共有されたところでございます。
また、御指摘のSDGs実施指針でございます。これはSDGs実施のための中長期的な国家戦略でございますけれども、今月末に向けたその改定におきましても、御指摘を踏まえながら、ビジネスを主たるステークホルダーとして位置付けてまいりたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
会社がSDGs達成のための大きなプレーヤーである、これはもう国際の合意になっているわけであります。
先ほど私申し上げた海外留学した頃は、投資家の目というのも、株価をどうやって上げていくか、自分たちの中にリターンをどれだけ持たせるかというところが多く視点であったわけでありますが、こういうSDGsの傾向を通じて、最近、投資活動にしても、それぞれの会社を評価するときに、今の株価という部分、それに反映、組み込まれる部分もあるわけでありますけど、その会社がSDGsが規定している社会課題にどれだけ貢献をしている会社であるかということも多く評価をされるような時代にどんどんなってきておりますし、日本もその潮流に乗り遅れてはいけない、その潮流に合った会社像というのをこれから考えなければいけないというふうに思っております。
最近、いろいろ投資家の方ともお話もする機会があったんですが、その方々の議論の中でもSDGs、例えば、地球的な環境問題とかそういう課題だけではなくて、貧困だとかジェンダーとか格差是正とか、もうこれは途上国と先進国という大きな関係だけじゃなくて、国内問題の中でも、日本国内の中でもそういうのにしっかり重視しているような、従業員との関係も含めて、そういうような企業をしっかり評価する機運というのが本当に残ってどんどん大きくなってきているなというふうに思っております。
こういったSDGs達成、これが、誰一人取り残さない理念実現を会社の使命としていくというのは国際公約であるというふうに思います。
大臣に最後お伺いしたいと思うんですが、今申し上げたとおり、SDGs達成により企業を評価する時代になったわけであります。こういう視点を踏まえた上で今後のコーポレートガバナンス、規律というのも考えなければいけないと思いますが、最後に、会社法を所管する大臣としての御所見をいただければと思います。

○国務大臣(森まさこ君)
委員が海外に留学され、そのときに会社法を選択しておられたと。平成十年に私もアメリカに留学をし、消費者法、消費者保護法を選択しており、もう同じような問題意識を持っておりました。
SDGsにどのように取り組むかは各企業が判断をしていただきたいんですが、一般論として、株式会社には社会に新しい富、利益をもたらすという社会的な存在意義があり、株主、従業員、顧客、取引先等多様なステークホルダーのために存在すると言えます。
そして、持続可能な社会の実現は企業が持続的に成長するための素地となるものであり、企業の持続的な成長により株式会社がもたらす富、利益が最大化されることは多様なステークホルダーの利益につながると考えられますので、企業がSDGsの達成に向けた取組を行うことについては積極的に評価をしてまいりたいと思います。
コーポレートガバナンスの向上に向けた取組については、SDGsの達成のための取組を含め今後の議論の状況を注視し、関係団体や関係省庁とも連携して、委員御指摘の点もしっかり認識をしながら取り組んでまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
大臣、力強いお言葉、ありがとうございました。
会社が社会に貢献をする、全体を押し上げる、そういう能力を持っている存在であるということをまた国民全体も理解もした上で、SDGs達成に向けた共同の意識というのを醸成できるような社会をつくりたいというふうに思います。
質問を終わります。ありがとうございました。