2014-06-25
矢倉かつおです。
150日間に及ぶ第186回通常国会が閉会しました。
予算委員会や決算委員会、文教科学委員会や拉致特別委員会など様々な場で質問をし、政府の見解を質してまいりました。私がする質問の大半は、現場からアイデアをいただいたものです。お声を寄せてくださった方に改めて感謝申し上げます。このメルマガでご紹介しきれなかった質問については、今後、順にご報告します。
これまで何度か強調してきましたが、この通常国会期間を含め約1年間、「公明党だけが頼りだ。」という声を幾度かいただきました。特筆すべきは、野党の支持者の方からも多くいただくという点です。与野党のなかで政府へのブレーキ役を果たしているのが公明党であることを、世間が認めている証左といえます。
ただ、政府・与党のブレーキ役という役割は甘くないです。大変なリスクを伴うものだ、と、この約1年間の議員活動で実感しました。
比較少数の政党が与党内協議で議論を交わし、10の要求を投げつけられたとします。それを押し返し、2にしたとして、それでも、この2の部分で合意したことにつき、「飲み込まれた。」「妥協だ。」と厳しいご意見をいただくのが大半です。「10だったものを2までにした。」と言われることは、あまりありません。ただ、与党のなかで押し返す勢力がいなければ、10のまま通ってしまうのも事実です。これをさせないことが、与党のなかの比較少数政党の責任とも考えます。
今、与党内の安全保障議論が熾烈を極めております。5月15日の安倍総理の会見で、総理は、「平和主義を絶対に守る。」と強調するとともに、『国際法上合法であれば憲法上も認められる』といった趣旨の考え方は「採用しない。」と明言、集団安全保障措置への参加は許されない、自衛隊が湾岸戦争等で武力行使をすることはこれからもないと断言しました。これは、従来の総理の見解からは大転換です。その後も政府は、公明党との協議を経て、少しずつ態度を軟化させてきました。公明党が与党にいなければ、与党内でこの問題は議論らしい議論もなく、もっと前に終わっていたでしょう。そして今、議論は、集団的自衛権を認めるベきか否か、について最大のヤマ場を迎えております。様々、報道がなされているようですが、党内ではまだ議論は決着しておりません。
この安全保障の問題をめぐり、これまで何度か党内で議論しましたが、今週に入りはじめて、党内の全国会議員だけが集まる会合が複数回開催されています。先週末と今週月曜日の党内の議論において私からは、集団的自衛権を認めるべきか否かの議論の前に、個別的自衛権で対応できるところがあるかを議論すべきであること。そのためには、「国民の幸福追求権」を守るためどこまで必要かという実質的な観点から、(個別的)自衛権の概念を整理する必要があるかもしれないこと。しかし、それが集団的自衛権であるべきかどうかは、憲法9条の規範性を維持する観点から慎重に考えるべき問題であること。などを主張しました。
与党として、いつかは決めなければいけないのは確かです。北側副代表はじめ党の代表の方が、必死に与党内協議に臨んでいます。国民が納得できる経緯を経たうえで、一定の結論がでることを望みます。