参議院憲法審査会で災害時における選挙実施と繰延べ投票の課題を質問

2025.05.07 22:10(2か月前) ブログ国会質問 |矢倉かつお

議事録

第217回国会 参議院 憲法審査会 第3号 令和7年5月7日

矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。ありがとうございます。
笠置選挙部長、また大泉参考人、小島参考人、大変貴重な御意見ありがとうございます。
何点か御質問をさせていただきたいと思いますが、まず、笠置選挙部長に、総務省の参考人にお伺いしたいと思いますが、まあ基本的なことなんですけど、五ページ目の、いただいたレジュメ、繰延べ投票について、選挙期日は変わらないということで、趣旨としてはそのように、選挙期日そのものは変わらないけど投票日程だけが変わるという、こういうことであるということを改めて確認したいと思いますが。

会長(中曽根弘文君) この際、参考人の方々にお願いいたします。
質疑の時間が限られておりますので、恐縮ですが、答弁は簡潔に行われますよう御協力お願いいたします。

政府参考人(笠置隆範君) 繰延べ投票につきましては、選挙期日を延期するものではないということでございます。

矢倉克夫君 では、小島参考人にお伺いしたいと思います。
もう本当にあの震災のときの御奮闘、今も参考資料も拝見して、またお伺いしたところで、改めて敬意を表したいというふうに思います。本当に、一人一人の選挙権をしっかりと確保するという使命感に似た思いというのはすばらしいなと思います。
それで、いかに災害時に選挙を行うことの大変さというのをちょっとイメージするためにお伺いしたいと思うんですけど、震災のとき、先ほどは、九月二十二日までということで一回延期をされ、で、一部については、また更に二次改正ということで十二月三十一日までという、これ災害時に、やはりこれだけ三・一一から延期をする必要がある、延期というか任期を延長して選挙期日を変える必要がある、それが、災害というのが選挙に与える影響というものを、これだけ延ばす必要があった影響というものを、改めて、現地に行かれた経験からちょっと教えていただきたいと思います。

参考人(小島勇人君) 現地に行ってやはり感じたことは、一刻も早く自分たちの代表を選んで復興復旧に尽力していただきたい、また自分たちもそれに協力するんだと、そういうことだと思います。

矢倉克夫君 ただ、その上で、なかなかやはり災害事情ではそれはすぐにできない状況にあるという、その実感みたいなところをちょっとまた教えていただきたいと思ったところだったんですが。

参考人(小島勇人君) 実感ですけれども、やはり陸前高田でいえば、やはり延期、二回目の延期ではなく一回目の延期で終わったわけですけれども、とにかく、地元の人たちも期日前投票、不在者投票に来て投票する、それからまた被災地から避難している方たち、そういった方たちも自分たちの選挙をやるんだという声が多く寄せられてきたことは間違いありません。
その上で、選挙情報の基本である選挙公報等をどうやって送るんだというようなことになりまして、ホームページ等で少なくとも公表するような、そういう体制を組んだということでございます。

矢倉克夫君 ありがとうございます。
大泉参考人にお伺いしたいと思うんですが、レジュメの方の過去の国政選挙の繰延べ投票の例、一九七四年以降、繰延べ投票という形はないということでありますが、先ほどその理由として、まさに自分たちの代表を、繰延べという形ではなくやはり決められた期日で早く決めたいという、この責任感であるとか、また、ほかのところの選挙区の当落、ほかのところに、決まらないような状態にならないようにするという責任感という、この有権者の方の意識というところもあったんですが、それ以外に、年月がたったことによる環境整備ということで、すぐにでき得るような要因があったということがあれば、もし、ちょっと教えていただければと思うんですが。

参考人(大泉淳一君) ちょっと難しいんでございますけれども、ただ、今先生がおっしゃったようなことは、時代が変わって、今でもどうかというとなかなか難しくなりつつあるのかもしれませんけれども、当時はやはり選挙に対する思い入れというのがこの繰延べ投票のときにはよくあったということでございます。
時間がたって、やはり安全あるいはプライバシーなどのいろんな状況の中で今後の選挙をどうやってつくっていくかということも新たな課題として出てくるんだと思いますけれども、やはりそこは、啓発などを通じまして、代表者を選んでいくというようなことについては引き続き重要だということを啓発していくしかないのかなと思っております。
ちょっと余り答えになっていないかもしれませんが、失礼します。

矢倉克夫君 何か繰延べをする必要もないぐらいの制度の在り方とか、選挙に対する環境整備、ハード面も含めた、何かそういう改善があるとか、そういうことではなくということでよろしいわけですか。

参考人(大泉淳一君) ちょっとそこは思い浮かばないといいますか、あくまで繰延べ投票は何かがあったときにそれをどうやってカバーしていくかというような発想からできていると思いますので、余り予防的なことは、ある意味で、先ほど選挙部長からもありましたけれども、何か災害が来そうなときには先に投票を繰り上げたり、あるいは時間帯を、投票日の時間帯を区切ったりするような、ある意味便法で乗り切っていくというようなところもあるんだと思います。

矢倉克夫君 ありがとうございます。
また引き続いてちょっと大泉参考人に伺いたいんですが、例えば阪神・淡路大震災、また東日本大震災のとき、これは地方選挙で、法律によって選挙を延期して任期延長という形になった、これ、先ほど民主主義における災害時における選挙の重要性ということをおっしゃっていたわけですけど、任期延長することで、新しく選び直すわけではなく、過去の選挙結果をそのまま継続しているという一面もあるわけですけど、そういう部分がこの民主主義の正当性という点では何か意見があれば、もし、おっしゃっていただければなと思うんですが。

参考人(大泉淳一君) そこは、基本的には、選挙をするときには任期が決まった上で投票して、任期を決めた上で選挙するわけですから、それを超えて議員の身分が続くというふうにそのときはなったわけでございますけど、それはあくまでもやはり法律マターで、立法でこのような権限を与えたというようなことだと思います。それで正当性を得て、それは一つ制度として許されるんではないかというふうなことで当時は整理されていたと思います。
あと一方、逆に任期を短縮できるかできないかというようなこともかなりございました。したがって、兵庫県の場合ですけれども、もらった任期を短くしていいのかということにつきまして、また立法によって対応したと。短く、元に戻したというようなことになっていると思います。

矢倉克夫君 最後、総務省にちょっとお伺いしたいんですけど、いわゆる国政の場合ですと、繰延べ投票、同時性の原則との関係がよく議論されるんですけど、地方自治の場合で、地方選挙の場合でそういう議論があるのか、特段なければ、国政との関係で何か違いがあるのか、ちょっと端的に教えていただければと思います。

政府参考人(笠置隆範君) 私の把握している限り、繰延べ開票ですね、そういったものがこの前の三重県の方のどこかの自治体の選挙で行われております。
したがいまして、自治体においては、やはりそこで完結するものでありますと、そこでもう票は終わってしまいますよね、例えば市議選なり。しかし、国政選挙とか都道府県の場合は、都道府県の県議選挙とかの場合には、選挙区があったときに、繰延べ投票が行われた地域が仮にあったとした場合には、繰延べ地域を含む選挙区というのは当選人が決まらないという状況が続きます。したがいまして、できる限り繰延べ投票とならないように、その事前に見込まれるときには投票所を変更したりとか、そういったようなことによって最大限努力をしていくという姿勢にはなっているということでございます。(発言する者あり)

会長(中曽根弘文君) どうぞ。

矢倉克夫君 失礼しました。
三人の参考人の方々、大変ありがとうございました。
以上で終わります。

活動の記録(ブログ)

⚠️Instagramのなりすましアカウントにご注意ください⚠️
6月18日
国政報告会の様子を動画にまとめてくれました!
6月18日
首都高速埼玉新都心線の延伸を中野洋昌国交大臣に要望
6月18日
無償化と所得制限の廃止は私の一貫した政治信条
6月13日
戸田市菅原市長と戸田市の可能性などについて語り合いました
6月13日

国会質問

実績

メディア掲載情報