2014-08-04
矢倉かつおです。
今日8月4日は、父の命日です。亡くなって、もう19年となります。どういう日の巡り合わせか、命日の日、私は文部科学部会の視察で、父の育った場所、北海道稚内に降り立ちました。父の喜ぶ顔が浮かびます。
教育熱心な父でした。家が経済的に大変だったときも、中学受験を目指していた私のため、夜勤バイトなどで稼いだお金を全部、予備校代に出してくれたりしました。「子どもの教育こそ、自らの責務だ。」という気迫にあふれていました。
実は私の父は、一時期、学校の先生をしていたことがあります。私の生まれるずっと前ですが。
先日7月31日、そんな父を思いながら私は、下村文部科学大臣に、公明党の文部科学部会の一員として「新しい教育を実現するための義務教育条件整備に向けての提言」と題する文書を提出いたしました。私が特に思いを込めた点は、教員定数の確保と「チーム学校」の推進です。
実は、日本の教職員の皆様は世界的にみても非常に忙しいのです。OECD加盟国の教職員の忙しさを調べたデータがありますが、日本の教職員の一週間あたり勤務時間は、加盟国平均よりさらに15時間も多いのです。週5日勤務として、一日あたり3時間、世界平均より働いています。
なぜ忙しいのか、その理由の一つは、指導(授業)に使う時間以外の勤務時間が長いということです。たとえば、日本の教職員が一般的事務業務に使う時間は、加盟国平均の2倍です。また、課外活動(特に部活動)の指導に使う時間は3倍です。これは、初等中等教育学校の教職員総数に占める専門家の割合は18%と低い水準にとどまっている(米英はほぼ50%です)ことが要因でもあります。教員以外にも多様な専門性をもった職員を配置し、「チーム学校」を実現する時期がきております。
忙しい理由のもう一つは、絶対的な数が少ないという点です。「少子化で子どもが少なくなっているのだから、教員も減らしていいのではないか」というご意見もありますが、とんでもないです。
以前、秋田県のとある小学校で行われた生徒主導による討論授業を視察したことがあります。生徒一人ひとりの「問う力」を大事にする素晴らしい授業でしたが、特に、担任の先生の誘導や指導も素晴らしかったです。陰で相当の準備をされたなと感じました。グローバル社会への適応は、このような「課題解決型・双方向」の授業を含め「授業の高度化」を促しますが、そのためには教員体制の拡充も重要です。
また、私には特別支援学校に勤務する友人がおりますが、話を聞くたびに「生徒一人ひとりに寄り添い、その子にあった対応をする教育」の必要性を感じます。特別支援学校に限らず、最近は、発達障害に悩むお子さんも増え、きめ細かな対応の必要性が叫ばれています。少子化は、教員数削減の理由にはなりません。
提言を受け取った下村大臣は、特に教育関係について熱意をもっておられる方です。財源確保を含め「ともに頑張りましょう」と力強くおっしゃいました。
頑張って参ります。