麻薬覚せい剤乱用防止センター見学

2014-09-20 ブログ

5年ほど前、近所の友人達とともに、覚せい剤の危険性をテーマとしたシンポジウムを地元(当時は世田谷におりました)で開催したことがあります。

そこに講師としてきてくださったのが、夜回り先生として有名な水谷修さんでした。
「少しぐらいなら」という考えが、人生をいかに破滅させるか。様々な現場を見てきた水谷さんならではの、非常に説得力ある講演でした。
シンポジウムにあわせ、薬物問題に関するアンケートを近所の方に配り意識の啓発に努めるなど、様々なボランティア活動に従事し、大きな反響をいただきました。

それから月日は流れましたが、昨今は「危険ドラッグ」の拡散など、薬物問題は更に深刻度を増しているように思います。
昨日は、麻薬覚せい剤乱用防止センターのご紹介を得て、千葉県にお邪魔し、ある小学校で行われた薬物問題を扱う授業を参観しました。
講師の方による、子どもの注意を引くために必要な工夫を凝らした説明のあと、児童たちともに、薬物撲滅のためのキャラバンカー内に。

クイズ形式など、子ども達が興味を失わないよう、そして同級生との話題となるよう、工夫を凝らしながら様々な展示などがなされていました。
講義を耳から入れ、キャラバンカーで様々な展示や画面での説明を手にふれ、友人達と話すうちに、薬物の危険のイメージが出来ると感じました。

細かい知識を伝えるのではなく、薬物の危険へのイメージとクラス内での共有感をうまく持たせるよう工夫がされていたと思います。
子ども達の言葉というのは、様々なところに広がります。彼ら彼女らの言葉で、お父さんやお母さん、兄弟に感じたものをつたえ、家族で話し合いをする、そのきっかけになりうる取り組みとして支援をしていかなければいけないと感じました。




埼玉県内の様々な団体様と意見交換

2014-09-18 ブログ

ここ数日、県内の様々な団体の皆様と意見交換をさせていただきました。
西山団長はじめ公明党の埼玉県議団の皆様とともに。
以下が、私がお会いさせていただいた団体名です。
本来であればこちらから出向くべきところ、わざわざお越しくださり、ありがとうございました。
他にも多くの団体が来られましたが、私の方が外出などしたため、お話をお伺いできませんでした。申し訳ありません。
直接お会い出来なかった方々のご要望も含め、一つ一つを着実に、国政・県政・市町村の連携で実現していきます。
埼玉県浄化槽協会・埼玉県一般廃棄物連合会
埼玉県薬剤師会
埼玉県行政書士政治連盟
埼玉県木材協会
埼玉県建設業協会・埼玉県建設産業団体連合会
埼玉県電業協会
埼玉県商工会連合会
埼玉県造園業協会
埼玉県土地家屋調査士政治連盟
埼玉県体育協会
全日本不動産政治連盟埼玉県本部
埼玉県マンション管理士会
埼玉県警備業協会
埼玉県司法書士政治連盟
埼玉建築設計監理協会

 

結党50年ビジョン第1弾「外交・安全保障論」を発表

2014-09-18 ニュース

公明新聞:2014年9月18日(木)付

第1弾は「外交・安全保障論」

11月17日に結党50年を迎える公明党は、「結党50年ビジョン委員会」(委員長=石井啓一政務調査会長)を設置し、次の時代に向けた政策進路や党の存在意義を示すビジョンを検討してきたが、その第1弾となる「外交・安全保障論」がまとまった。<詳細>

外交・安全保障論では、安全保障環境が激変する中で日本の存立を全うし国民の生命を守るためには、隙間のない安保法制の整備による「抑止力」の向上と、脅威の出現を未然に防ぐ「外交力」の強化に取り組む必要性を強調。今後の安保法制整備に当たっては、閣議決定で確認した平和主義の原則を反映させるべきだとした。

外交では、日中、日韓の間に横たわる政治・外交面の課題が経済を含む関係全般の縮小をもたらす悪循環を回避し、東アジアの「和解」へとつなげる粘り強い外交を提唱。アジア太平洋地域の対話と協力の枠組みを発展させることや、経済連携などの拡大を通して「共存共栄」の関係をめざすとしている。

また、国際社会の平和と安定に向け、(1)国連の平和活動への積極参加(2)「人間の安全保障」のためのリーダーシップ発揮(3)核廃絶と通常兵器軍縮に向けた努力―の3分野で日本が独自の貢献を進めるよう求めている。

宇宙の神秘

2014-09-16 メルマガ

矢倉かつおです。

秋の風を感じます。虫の音が涼やか、そして夜空に浮かぶ月がひときわ美しい季節です。

お月さまといえば、幼いころの私にとって不思議な存在でした。私が歩くと一緒に歩き、止まると一緒に止まります。常に見守られている気分になりました。

月に限らず、宇宙は不思議な存在です。夜空に輝く星々の光も、あるものは100年前のもの、またあるものは1800年前のものなど、様々です。人間が確認できる最も遠い星は地球から150億光年離れていると言われます。そこから届く星の光は150億年前のもの、なんと地球誕生前の光です。地球誕生前の光を地球にいる我々が確認する、そう考えると、星のまたたき一つ一つが時空を超えた不思議な存在に思えます。

そんな宇宙へのロマンを更に広げることがありました。若田光一さんにお会いする機会に恵まれたのです。

公明党の宇宙の開発・利用委員会と文部科学部会が合同で開催した会合に、若田さんが講師としてお見えになりました。短時間でしたが、貴重なお話を伺いました。

特に感動的だったのは、宇宙から見た地球、とりわけ日本の姿を画面に映し出しながら、若田さんが、「東北の光が増えています。それがうれしい。」と満面の笑顔で語られていたことです。後日、福島を訪れた際、この若田さんの言葉を伝えました。「復興を祈る日本全体の思いの象徴ですね。」皆様、喜んでくださいました。

その若田さんが、冒頭、我々に質問されました。「今回の宇宙滞在にあたり、私(若田さん)は、地球上のどこから飛び立ち、どこに戻ったでしょうか?」

答えは、「アメリカではなく、ロシアの宇宙船に乗ってカザフスタン」というものでした。冒頭、このことに触れながら、ウクライナでの紛争を念頭に、宇宙ではどの国に関わらず、皆が協力していることに触れられておりました。示唆に富んだお話でした。宇宙を実際に見た若田さんの言葉だからこそ、深く胸に刺さりました。

宇宙をいかに使うか、これは宇宙が人類に突きつけている課題であると思います。戦争利用に宇宙を使うことも出来ます。しかし、戦争のない世界をつくるためにこそ、宇宙は利用されるべきです。

若田さんの言葉を聞きながら、強く思ったことは、この宇宙の広がりを通じ、地球人としての自覚を子ども達に教えていけるような教育環境をつくりたい、という点でした。その思いを若田さんにお伝えしたところ、強く共感してくださいました。

宇宙開発分野はロマンの世界から、科学的知見を得る世界に、そして、産業面からも重要な成果を得る分野に成長を遂げています。宇宙での実験を通じ、筋ジストロフィーの進行を遅らせるタンパク質の発見などがなされています。また、最近の異常気象への対応のため、宇宙からの情報が重要です。

宇宙を人類全体、そして持続可能な地球環境の改善に役立てることこそ重要である。そんな思いを、秋の夜空を見上げながら強くしました。

憲法9条と「紛争なき世界」への思い

2014-08-20 メルマガ

矢倉かつおです。

暦の上では夏も終盤、しかし暑さが続きます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
窓を開けると蝉の鳴き声が。時期、時間により変わるその鳴き声に、聞き入っております。

終戦記念日の8月15日、昨年に引き続き今年も、埼玉県内を街頭演説し、平和を訴えました。私の記憶のなかの8月15日はいつも暑い日です。今年の8月15日も、関東は暑かったです。69年前もそうだったのでしょうか。

平和を訴えながら改めて、日本の使命を考えました。

当然ですが日本の責務は、日本人を守ることです。そのために与党は、去る7月1日になされた閣議決定を了承し、「日本は自国民を守る体制を隙間なくしっかり整えている。」ということを広く示すこととしました。

ただ、私はそれに加え、国というものは、この地球上に住む人たち、自国民のみならず他国の人々にもなんらかのプラスの影響を与える使命があるから存在すると考えています。

日本が世界に発すべき価値、それは何か。様々なものが浮かびましたが、究極は、「平和国家」としての日本の姿であり、憲法9条の掲げる「専守防衛」の理念であると確信します。戦争の世紀といわれた20世紀から得られた貴重な財産のひとつこそ、憲法9条であり、紛争なき世界に向けた取り組みに対し名誉ある地位・役割を担うことが出来るのは、この9条を保持する日本だけだからです。

8月15日の街頭演説では、そんな思いを込めながら、閣議決定に込められた自国防衛のための意義をご説明するとともに「憲法9条を守り抜く」決意をお伝えしました。

国会議員となりまだ1年ですが、安全保障に関し、様々な国会論戦を間近で見、また自ら行う経験をしています。改めて感じることは、外交や国防という課題は、ちょっとしたきっかけで大崩れをしかねない微妙な課題であるという点です。その前線に立つ国会議員の役割は本当に重大であり、言動は重いものであると、自らを律しています。

「政治家に求められるべきは防衛感覚と外交感覚の『バランス』だ。」と言った方がいますが、その通りだと思います。対話外交の重要性を否定する方はいないはずなのに、防衛の必要性を語るとき、言動がつい苛烈になることがあります。

自国を守る責務を強く感じる一方、他国と協調するための対話への信念を常に忘れてはいけない、と度々感じました。この防衛感覚と外交感覚のバランスを支えるものこそ、「平和国家」として歩んできた日本に対する誇りであり、憲法9条の「専守防衛」の理念であって、この理念を世界共有のものとし、戦争のない世界を必ずつくる、という強い信念であると考えます。

街頭演説の最終地は、埼玉県の小川町でした。山に囲まれた場所で、目の前の小川では川辺でバーベキューをする家族連れの方々の姿が。平和な光景を眺めながら、戦没者の方々をはじめ多くの戦争犠牲者の方々の犠牲のもと、今の平和な日本があることに心から感謝いたしました。憲法9条とともに日本、世界が平和となるよう全力を尽くします。

教員定数の確保と「チーム学校」の推進を

2014-08-04 メルマガ

矢倉かつおです。

今日8月4日は、父の命日です。亡くなって、もう19年となります。どういう日の巡り合わせか、命日の日、私は文部科学部会の視察で、父の育った場所、北海道稚内に降り立ちました。父の喜ぶ顔が浮かびます。

教育熱心な父でした。家が経済的に大変だったときも、中学受験を目指していた私のため、夜勤バイトなどで稼いだお金を全部、予備校代に出してくれたりしました。「子どもの教育こそ、自らの責務だ。」という気迫にあふれていました。

実は私の父は、一時期、学校の先生をしていたことがあります。私の生まれるずっと前ですが。

先日7月31日、そんな父を思いながら私は、下村文部科学大臣に、公明党の文部科学部会の一員として「新しい教育を実現するための義務教育条件整備に向けての提言」と題する文書を提出いたしました。私が特に思いを込めた点は、教員定数の確保と「チーム学校」の推進です。

実は、日本の教職員の皆様は世界的にみても非常に忙しいのです。OECD加盟国の教職員の忙しさを調べたデータがありますが、日本の教職員の一週間あたり勤務時間は、加盟国平均よりさらに15時間も多いのです。週5日勤務として、一日あたり3時間、世界平均より働いています。

なぜ忙しいのか、その理由の一つは、指導(授業)に使う時間以外の勤務時間が長いということです。たとえば、日本の教職員が一般的事務業務に使う時間は、加盟国平均の2倍です。また、課外活動(特に部活動)の指導に使う時間は3倍です。これは、初等中等教育学校の教職員総数に占める専門家の割合は18%と低い水準にとどまっている(米英はほぼ50%です)ことが要因でもあります。教員以外にも多様な専門性をもった職員を配置し、「チーム学校」を実現する時期がきております。

忙しい理由のもう一つは、絶対的な数が少ないという点です。「少子化で子どもが少なくなっているのだから、教員も減らしていいのではないか」というご意見もありますが、とんでもないです。

以前、秋田県のとある小学校で行われた生徒主導による討論授業を視察したことがあります。生徒一人ひとりの「問う力」を大事にする素晴らしい授業でしたが、特に、担任の先生の誘導や指導も素晴らしかったです。陰で相当の準備をされたなと感じました。グローバル社会への適応は、このような「課題解決型・双方向」の授業を含め「授業の高度化」を促しますが、そのためには教員体制の拡充も重要です。

また、私には特別支援学校に勤務する友人がおりますが、話を聞くたびに「生徒一人ひとりに寄り添い、その子にあった対応をする教育」の必要性を感じます。特別支援学校に限らず、最近は、発達障害に悩むお子さんも増え、きめ細かな対応の必要性が叫ばれています。少子化は、教員数削減の理由にはなりません。

提言を受け取った下村大臣は、特に教育関係について熱意をもっておられる方です。財源確保を含め「ともに頑張りましょう」と力強くおっしゃいました。

頑張って参ります。

夏の日の誓いのままに

2014-07-22 メルマガ

矢倉かつおです。

関東のながかった梅雨も明け、夏の空となりました。先ほどまで、さいたま市、川越市、狭山市とまわっておりました。茶畑の横で咲くヒマワリの力強い姿に、元気をもらいました。

皆様の温かいご支援をいただき初当選させていただいたのが、1年前の7月21日。昨日でちょうど1年です。

暑い夏の日差しを浴びるたび、選挙戦、皆様からいただいた応援の数々を思い返します。

先日もある方が笑顔で語りかけてくださいました。「最終日、浦和駅での感動の情景が忘れられません。」と。投票日前日である7月20日、最後の最後、23時59分までマイク無しで最後の訴えをするため浦和駅東口に立っておりましたところ、聞きつけた方々が県内外から入れ替わり立ち替わり、私への激励のため集まってくださったのです。最後まで人の列が途切れませんでした。正確に数えておりませんが、200人はくだらなかったと思います。あるいは300人ぐらいだったかもしれません。「自分は世界一幸せだ」、感動で涙がでました。まるで昨日のようです。

あっと言う間の1年間でした。その間、約60日間の臨時国会と、150日間の通常国会を経験しました。

「文教科学委員会」の理事(オブザーバー)として、教育・文化・スポーツ・科学技術に関し、10回以上の国会質問をし、様々な提言を行うとともに、「国家安全保障に関する特別委員会」や「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」、「行政監視委員会」などでは、主に外交・安全保障関係について国会質問をしました。「予算委員会」では初のテレビ入りで約40分間、総理に直接質問、さらに、「決算委員会」では、法務・国土交通・農林水産の分野について、太田国土交通大臣を含む三大臣に対し質問いたしました。また、全議員の集まる本会議の場で与党を代表し2回質問いたしました。

振り返り、強く感じることは、議員となっても我々は皆様に支えていただけている、という思いです。

特に予算委員会でそれを強く実感しました。1年生議員がテレビの前で直接総理に質問するなど、通常であれば緊張で声も出ない状況です。しかし、全く、緊張しませんでした。質問最中に浮かんできたのが、選挙戦中、応援してくださった方々の顔でした。
「自分は、こういう方々に支えていただいている。誇りと自信をもって力強く行動しよう!」こう思うと、緊張などしていられませんでした。

これからも、様々な局面で、皆様の顔が脳裏に浮かぶことと思います。私の原点はここにあります。

今後も引き続き、このメルマガを通じ、国政についてご報告して参ります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

2014-07-04 メルマガ

前回メルマガにて、『他国に向けられた攻撃』であっても、それを放置した場合、『「国民(この場合の「国民」は「国民全体」です)の生命等が侵害される』場合があり、備えが必要であることを記載しました。もちろん、これは極限的な場合です。ただ、事が起きてからでは遅いのも事実です。

しかし、日本には憲法9条があります。この9条を抱く日本国憲法は、防衛の理念として「専守防衛」を掲げます。これは「自国を守るためにしか武力行使しない」ということです。必要だ、必要だ、といって他国が攻撃されたことをもって幅広く自衛隊の出動を認めてしまっては、日本がそれこそ「戦争・攻撃をする国」になってしまいます。平和国家の理念は世界から消えてしまいます。

私の亡くなった父は大正15年生まれ(私自身は、現在39歳ですが)、戦地に行く寸前でした。伯父はビルマで戦死をしています。私も小学生時代、父に言われ「きけ わだつみのこえ」を読み、若者が国のためという美名のもと命を落とした現実に涙をしました。こんなことをさせた権力者に怒りを感じました。平和のために政治家になった、といっても過言ではないです。

与党協議における公明党の使命は、防衛の必要性は認めつつ、いかに憲法9条の理念を守るか、そこに尽きました。

公明党が与党協議でなしえた役割は何だったか。少なくとも三点あると思います。

まず第一に、憲法解釈による集団的自衛権の「全面行使」(私はこれを「100%集団的自衛権」と言っております。)の道を、政府にはっきり否定させた点です。

山口代表が「反対」と強調し、今も公明党議員全員が「反対」であるのが、この「集団的自衛権の全面行使容認」です。前々回のメルマガで記載したとおり、安倍総理が5月15日の段階で、解釈によりこれが許されるとは考えないと明言し、「自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。」と言及したことは、従来の主張からの大転換であり、公明党の粘り強い主張によるものです。

その場限りの発言だ、という人もいます。しかし、総理の発言というものはそんな軽いものではないはずです。今後は、総理のこの発言を国会審議で担保することが大事です。

第二に、日本が他国の戦争に巻き込まれることのないよう二重・三重の歯止めをかけ、「自国を守るため」の基準は何か、明確にした点です

今回の与党合意によると、他国への攻撃の場合、以下の新3要件全てを満たした場合のみ、自衛権を行使できることとなります。

1)「自国(日本)と密接な関係のある他国」が攻撃され、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される」「明白な危険がある」とき、
2)武力の行使以外の適当な手段がなく(それが「唯一の手段」であること、を意味します。まず外交努力が大事であり、それを尽くしてもなお解決に至らない場合に限ります。)、
3)武力行使の程度が必要最小限度であること

次回のメルマガで詳しく記述したいと思いますが、相当厳しい基準です。国民全体の生存が根底から覆される危険が明白に「ある」場合に初めて満たされるのであり、ほぼ日本が攻められている場合も同然です。「個別的自衛権の範囲内」といってもよいものです。評論家の佐藤優さんは、東京新聞の記事において、「この程度の内容であれば(中略)個別的自衛権で理屈をつけることもできた。」と仰ってます。まさに「自国を守るため」の基準であり、「専守防衛」の理念の具体化です。

そして第三に、「さらに憲法解釈を広げるには憲法を改正するしかない(高村与党協議座長、自民党副総裁)」と、第一党である自民党に宣言させたことです。これは大事な点です。

これまでの憲法9条の歴史は、解釈変更の歴史でした。終戦直後、「自衛権」の存在すら認めなかったとされる政府の憲法解釈は、その後、変化をし、「自衛権」範囲を徐々に拡大して今日にいたっております。解釈による憲法9条の歴史は、今回の合意により、その限界を確定されたのです。

仮に公明党が与党にいなければ、早々に「連立を離脱してしまっていたら」どうなっていたか。

公明党自ら与党から離れてしまえば、もう公明党に遠慮する必要はありません。そうなれば、解釈変更による「100%集団的自衛権」です。国会の議席の数の上だけでは、いかようにしても「100%集団的自衛権」行使容認派で過半数をとることができます。そうなったとき、「公明党は連立離脱をしてでも反対を貫くべきだった」と公明党を批判する野党勢力は、どう抵抗するつもりだったのでしょうか。

本当の意味で、憲法9条を守ったのは公明党です。

与党協議の意味(自衛権について その1)

2014-07-02 メルマガ

昨日7月1日、自衛権につき閣議決定(表題は「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」)がなされました。
今日も多くの方から声をいただきました。現場を歩き一番いただくお声が、賛成でも反対でもなく、「何を議論しているのかよく分からない。」でした。政府のみならず、私含め国会議員の説明不足であると思います。この点、率直にお詫びいたします。

そのうえで、「集団的自衛権」という言葉が一人歩きをし、今にも日本が戦争をするかのような混乱や不安を膨らませている現状に危惧を感じます。私には事実をきちんと伝える義務があると思い、取り急ぎの文にはなりますがメールいたします。

今回はまず、与党協議の出発点が「国民の権利・安全を守ることである」点を、協議の意味として書きたいと思います。すでにご存じの事項も多いかと思いますがご容赦ください。メルマガは、今回を含め、3、4回ほどになる予定です。

まず前提として「個別的自衛権」「集団的自衛権」とは何でしょう。

「個別的自衛権」とは、自国(日本)が攻められたときに「武力の行使(自衛隊による防衛)」が出来る権利です。「集団的自衛権」とは、他国が攻められたとき、これを自国(日本)が攻められたと同視し、「武力の行使」が出来る権利です。

二つの決定的な違いは、「自国(日本)が攻められたか、他国が攻められたか」つまり、「相手の攻撃が日本に向けられたか否か。」です。従来唱えられてきた「個別的自衛権は認められるが、集団的自衛権は認められない。」という結論は、言い換えれば、「自衛隊が防衛出動できるのは、相手の攻撃が自国(日本)に向けられているときだけである。」という基準を意味します。

ただ、ここで少し問題があります。分かりやすい例でいえば、先日も北朝鮮からミサイルが発射されました。1998年、2009年には、北朝鮮が発射したミサイルが、日本の上空を越え太平洋に落ちるということもありました。実は、ミサイルが日本を越えアメリカ領であるグアムなどに向けられた場合、先ほどの基準では、これは「他国」への攻撃であり、日本上空を飛んだ(間違えて日本に落ちることもあります)としても自衛隊は何も出来ないということになり得ます。

このような想定の議論だけでなく、現場の自衛官の立場に立ったとき、問題はもっと切実です。今まさに、ミサイルがうちこまれたとき、先ほどの基準では自衛隊は「このミサイルは、日本に向けられているのだろうか、他の国に向けられているのだろうか。」を考えなければいけません。考えている間に、ミサイルは日本に着弾するかもしれません。

日本の防衛のためには、自衛隊防衛出動の基準を、攻撃が「日本に向けられているか他国に向けられているか。」ではなく、「現に日本が危険にさらされているか。」という、より客観的な基準に変えなければいけないのではないか、その場合、「(振り返ってみれば)攻撃の対象が他国であった場合」も想定しないといけないのではないか(この場合、「集団的自衛権」という言葉の範囲に引っかからざるをえないというのが政府見解です。)という問題意識が、ここで出てきます。

与党協議の最終局面で議論していたことは、まさに、この日本を守るために必要な「個別的自衛権」に匹敵するほどの「集団的自衛権」とは何か、その基準を具体化することであり、あくまで「自国を守り、国民の権利・安全を守る」ための措置は何かということです。日本が「戦争・攻撃する国」になるかのような報道が目立ちますが、違います。与党協議の出発点は、「自国の防衛のため」何が必要か、であり、その限度に押さえ込んだのは実は公明党です。(政府も、公明党の意思をうけ、憲法解釈変更だけで自衛隊を他国防衛のために出動させることを認める議論を、早々に否定しました。)

次回のメルマガでは、合意の内容の詳細とともに、公明党が与党のなかにいなければどのような結論になっていたか、という観点も含め、公明党の役割をもう少し具体的に書きたいと思います。報道などでは、公明党が「陥落した」と書くものもありますが、陥落などしておりません。これは強調したいと思います。

かつおニュース VOL4

2014-06-29 かつおニュース

通常国会を終えて

2014-06-25 メルマガ

矢倉かつおです。

150日間に及ぶ第186回通常国会が閉会しました。
予算委員会や決算委員会、文教科学委員会や拉致特別委員会など様々な場で質問をし、政府の見解を質してまいりました。私がする質問の大半は、現場からアイデアをいただいたものです。お声を寄せてくださった方に改めて感謝申し上げます。このメルマガでご紹介しきれなかった質問については、今後、順にご報告します。

これまで何度か強調してきましたが、この通常国会期間を含め約1年間、「公明党だけが頼りだ。」という声を幾度かいただきました。特筆すべきは、野党の支持者の方からも多くいただくという点です。与野党のなかで政府へのブレーキ役を果たしているのが公明党であることを、世間が認めている証左といえます。

ただ、政府・与党のブレーキ役という役割は甘くないです。大変なリスクを伴うものだ、と、この約1年間の議員活動で実感しました。

比較少数の政党が与党内協議で議論を交わし、10の要求を投げつけられたとします。それを押し返し、2にしたとして、それでも、この2の部分で合意したことにつき、「飲み込まれた。」「妥協だ。」と厳しいご意見をいただくのが大半です。「10だったものを2までにした。」と言われることは、あまりありません。ただ、与党のなかで押し返す勢力がいなければ、10のまま通ってしまうのも事実です。これをさせないことが、与党のなかの比較少数政党の責任とも考えます。

今、与党内の安全保障議論が熾烈を極めております。5月15日の安倍総理の会見で、総理は、「平和主義を絶対に守る。」と強調するとともに、『国際法上合法であれば憲法上も認められる』といった趣旨の考え方は「採用しない。」と明言、集団安全保障措置への参加は許されない、自衛隊が湾岸戦争等で武力行使をすることはこれからもないと断言しました。これは、従来の総理の見解からは大転換です。その後も政府は、公明党との協議を経て、少しずつ態度を軟化させてきました。公明党が与党にいなければ、与党内でこの問題は議論らしい議論もなく、もっと前に終わっていたでしょう。そして今、議論は、集団的自衛権を認めるベきか否か、について最大のヤマ場を迎えております。様々、報道がなされているようですが、党内ではまだ議論は決着しておりません。

この安全保障の問題をめぐり、これまで何度か党内で議論しましたが、今週に入りはじめて、党内の全国会議員だけが集まる会合が複数回開催されています。先週末と今週月曜日の党内の議論において私からは、集団的自衛権を認めるべきか否かの議論の前に、個別的自衛権で対応できるところがあるかを議論すべきであること。そのためには、「国民の幸福追求権」を守るためどこまで必要かという実質的な観点から、(個別的)自衛権の概念を整理する必要があるかもしれないこと。しかし、それが集団的自衛権であるべきかどうかは、憲法9条の規範性を維持する観点から慎重に考えるべき問題であること。などを主張しました。

与党として、いつかは決めなければいけないのは確かです。北側副代表はじめ党の代表の方が、必死に与党内協議に臨んでいます。国民が納得できる経緯を経たうえで、一定の結論がでることを望みます。

186回 本会議(賛成討論)

2014-06-20 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となっております国会法等の一部を改正する法律案並びに参議院規則の一部を改正する規則案及び参議院情報監視審査会規程案の各案に対し、賛成の立場から討論を行います。
以下、賛成する主な理由を申し述べます。
本各案は、各議院に情報監視審査会を設け、特定秘密保護法十条及び同法附則十条により、国会の行う審査又は調査に必要な特定秘密がきちんと提出されるよう、国会自らの手で、その手続と特定秘密の保護措置を整備するものであります。
各案に賛成する理由の第一は、情報監視審査会に、政府の特定秘密の運用状況を常時監視する機能と、国会の委員会等による国政調査への政府の対応が適切かどうか審査をする機能を持たせた点であります。特定秘密保護法については、国民の皆様から、恣意的な運用がなされるのではないかとの懸念を頂戴しているところであります。こうした懸念を払拭するべく、各議院に置かれた情報監視審査会がこの二つの機能を存分に生かしていくことが期待できます。
第二に、国会から特定秘密が万に一つも漏えいすることがないよう、きめ細かな措置がとられている点です。特に、情報監視審査会の委員が議院の過半数の議決という厳格な手続を経て選任されること、その委員は選任後遅滞なく秘密を漏らさないことへの宣誓を行うこと、厳格な保護措置を講じた情報管理室を設置し、物理的に保護された施設を利用して審査を行うこと、情報監視審査会の事務局職員に適性評価を受けさせることなどは高く評価することができます。
第三に、情報監視審査会から政府に対してなされる運用改善勧告、特定秘密の提出・提示勧告について、従来からの三権分立の原則にのっとった理解に基づき、その実効性を担保する工夫がなされている点です。情報監視審査会が改善勧告をした場合には、その勧告の結果とられた措置について行政機関の長から報告を求めることができるとの規定を設け、政府が勧告を軽視しないような工夫がされております。
最後に、情報監視審査会がその権限行使について公正な判断をするために、常任委員会などから審査要請があった場合には、正副議長や審査の要請をした委員長又は調査会長及び与野党の理事が出席、発言することができ、議会の幅広い視点で審査する体制が取られている点も評価すべきでございます。
以上、主な賛成理由を申し上げました。
同僚議員の幅広い御支持を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会質問_20140619

2014-06-19 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(学校教育法案 大学教育の質的転換等)

2014-06-19 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
質問に入る前に、冒頭、一言。私、隣の新妻議員と、先々週、福島の富岡へ行ってまいりました。先週も、双葉から埼玉に来られている方のお話もお伺いもして、今週も予定が合えば月曜日、楢葉に行く予定ではあったんですが。特に、富岡など、住宅地の中で帰還困難区域と居住制限区域が分かれている、コミュニティーが分断されているという状況を見てまいりました。
そういう意味でも、本当に、寄り添っていく一人の政治家として、私、しっかりとこれからも復興に向けて寄り添う思いで頑張っていきたい、これを改めて決意として、まず冒頭述べさせていただきたいと思います。
質問、入らせていただきます。
五つ通告していたんですが、ちょっと冒頭の一つは、既にもう審議もされている部分もあるので飛ばさせていただきます。
次に、質問なんですが、先ほど、大臣、教授会への権限について、移譲は駄目である、委任は良いと。私、理解としては、この移譲というのは、要は譲り渡すこと、これは当然ですけど、権利は持っていても譲り渡すことができないということは、強行法規的に定めている例は、法律、ほかにもあると思います。
委任はできると。その上で、大臣、先ほどの御答弁では、この委任ができるための要件としては、最終的な決定は学長にある、その上で、その委任をする行為そのもののことだと思うんですが、委任することが学長の主体性であってということ、この二つがまず要件として挙げられているというふうに私は認識をいたしました。
それで、例えば、現行の学内規程、これが今どうなるのかということが現場の中でもいろいろ御関心があるところだと思います。今の大臣がおっしゃった二つの要件がしっかり満たされているかどうかというところが大事だと思いますが、これが有識者会議で、またガイドライン等でこれから検討されるという理解でおります。その上で、どのような点がポイントになるのか、文部科学省の見解をいただければと思います。

○政府参考人(吉田大輔君)
今回の改正案は、権限と責任の一致の観点から、大学の決定権者である学長がリーダーシップを発揮し、教授会を始めとした学内の組織との適切な役割分担の下で責任ある大学運営を行っていくことを目指すものでございまして、改正案が成立した際には、各大学におきまして改正の趣旨を踏まえた内部規則の点検が行われることが必要であると考えております。
先ほど来申し上げておりますように、文科省としては、法律成立後速やかに有識者会議を開催をし、各大学における内部規則の解釈や運用等も含めて見直しの在り方について検討を開始したいと思っておりますが、御指摘の論点についてもその中で取り上げて検討してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
様々、大学の自治という形で、いろんな事情もあって決断されている大学の事情もあるかと思います。その大学の現場がしっかりと混乱しないように、この辺りを、現場に混乱を与えないための明確なガイドラインというのを示していただけるように、今後もしっかり指導をいただければと思います。
二点目になります。国立大学法人法の改正に関しまして、国立大学法人における学長の権限濫用を抑える措置、具体的には学長選考会議やまた監事制度などが私はあると認識をしております。
特にこの監事について、これまでそれはどのように機能していたのか、機能をそもそもしていたのか、今後、機能を強化するためにはどういう措置が必要であると思っているのか、これも文部科学省から意見をいただければと思います。

○政府参考人(吉田大輔君)
国立大学の学長がその権限を適切に行使をしていく必要があるわけでございますけれども、その際、監事による監査や、それから学長選考会議による業務執行状況の評価などを適切に行っていくことは重要な課題であるというふうに考えております。
監事につきましては、これまでも国立大学法人法に基づきまして、財務諸表、決算報告書に関する意見を作成するほか、監査の結果に基づき学長に意見を提出するなど、国立大学法人の業務の適正化に役割を果たしてきたものと考えておりますけれども、先日、可決、成立いたしました独立行政法人通則法の改正に伴いまして国立大学法人法の改正も行われ、その中で監査報告の作成義務ですとか、あるいは役員による法令違反、不正についての学長及び文部科学大臣への報告義務の新設など、監事機能の強化を図るための措置も講じられたところでございます。こういった法改正を踏まえて、更に監事が役割を果たすことを期待しているところでございます。
また、今回の法改正によりまして、学長選考会議が主体性を持った選考を行うことを促進するということとしておりますけれども、中央教育審議会の取りまとめにおきましても、学長選考会議が学長の業務執行状況について恒常的な確認を行うことが求められておりまして、この点については施行通知等において周知を図り、各国立大学における取組を促してまいりたいと、こう考えております。

○矢倉克夫君
ガバナンスという点で、やはりガバナンスという言葉の中の肝は権限濫用へのチェックであると思います。その趣旨からも、その方面での対策もしっかりまた今後御検討をいただければと思います。
続きまして、今度はまた、やはり日本の大学の質の向上ということが今言われている、私も常々日本の大学生の学ぶ意欲をどうやって高めていけばいいのかなということは考えております。私も大学へ入ったときに非常に驚いたのが、大学でクラスで集まってまずやったことは、試験対策委員会というのを立ち上げて、それについての対応を協議をするという、大学ってそういうところなのかなというのを非常に衝撃を受けた記憶はあります。
他方で、その後、アメリカで学ぶ機会も与えていただいたんですが、皆さん、非常に学生勉強もされている。大変な勉強ぶりで、夜も寝ないでこんな分厚い本を百ページも読んできて、それで授業をするというような人々ばかりでした。
これは私ではなく私の友人の話なんですけど、私の友人があるアメリカの大学生にノートを見せてくれというふうに言ったら、非常な勢いで怒られて、君は僕がこのノートに、作るまでにどれくらいお金を掛けていると思っているんだと、もうふざけるなというふうに怒られたと、私ではなく私の友人が言われたわけですけど、そういうような経験もありました。
やはり大学生の学ぶ意欲をしっかり高めていく。なぜ日本の大学でこういうようなことになっているかといえば、私個人の意見ではありますけど、先ほど二之湯委員の問題意識もひょっとしたらかぶるのかもしれないんですが、やはり大学に入ってさえいれば大丈夫だという安心感がまだどうしても風潮として残ってしまっているのかなと思っております。これをどうやっていくか。裏を返せば、大学卒業した方とそうでない方のやはりある意味格差がまだある部分もあるのかなという部分も感じているところです。
私も社会の友人、出ている友人、いろいろいるんですけど、当然大学卒だけではなく大学出ていないで仕事をしている方もいっぱいいる。専門学校に行っている方が多いんですけど、料理学校を卒業して料理人になった方であるとか、IT卒業して非常にIT関係で頑張っていらっしゃる方、またアニメの専門学校へ行ってアニメ業界で非常に頑張っている方、皆さんいらっしゃって、本当に人格的にもすばらしい人たちばかり。ただ、いかんせん、実際の技能とかその掛けている時間に比べて給与面というのがやはり少ないなというふうな友人がいっぱいいる。何とかそういう人をしっかり押し上げていくことが、私、ある意味、日本の大学生が少し安住しちゃっているところに対してちょっと刺激を与えることにもなるんじゃないかなと、これがひいては大学の質を高めることにもなるのではないかなというふうに、一面ではありますけど、思っております。
それで、先ほど大臣、既にお答えくださったところと若干かぶるところはあるんですが、私も報道で確認しましたけど、政府の教育再生実行会議が、高校卒業後に進学できる職業教育学校の創設、今提言されていると。これは、そういうような大学ではないけど、しっかり技能を付けた方の社会的地位も高めるとともに、待遇もしっかり高めていくというような位置付けもあるかと思います。やはり、こういうような方々の技能が正確に職業や給与に反映される社会をつくっていくことが、ひいては大学の質を私は高めていくことになるとも思っておりますが、この点、大臣の御見解をいただければと思いますが。

○国務大臣(下村博文君)
おっしゃるとおりだと思います。特に、これから社会経済の高度化、複雑化、グローバル化が進む中で、様々な分野で高度な人材が求められるようになっております。ここで言う高度な人材とは、当然ながら学歴ではなく高い実力を備えた人材のことであります。だからこそ、高度人材の育成を担う大学の役割はますます重要であり、各国が競うように高等教育の充実に努めているのもそのためであるというふうに考えます。
我が国の大学は、先ほどもちょっと答弁をさせていただきましたが、アメリカに留学されていますからよく御存じでありますけれども、やっぱり日本の学生の方がそもそも勉強していないと。これは、大学側の問題である、学生の問題というよりはそういう大学のシステムの問題だと。つまり、学生の知力を最大限に伸ばすような教育が十分に対応としてできていない。それから、成績評価についても甘さ、それはもう指摘されております。
ある世論調査では、多くの国民が日本の大学は企業や社会が求める人材を育てることができていないという厳しい見方をしている、それが実態としてあると思います。その背景には、大学が社会の変化やニーズに的確に対応できておらず、学生から見ても大学での学習が実社会で役立つ必要なものと感じられていないと、そういう考えがあるのではないかと思います。各大学においては、このような社会からの厳しい評価を謙虚に受け止め、改革に努める必要があると思います。
具体的には、学生の能力を最大限に伸ばすため、大学での学習や実社会とのつながりを意識させる教育の充実や、能動的な活動を取り入れた授業や学習方法、それから双方向の授業展開、教育方法の工夫、改善、厳格な成績評価により学習を促す環境を充実する、そういうところも大学はもう努力をしなければならない。既にしている大学も相当ありますが、更に努力する必要がある。
文科省としても、大学教育の質的転換に取り組む大学への重点支援を更に高めていきたいと。また、厳格な成績評価の結果、留年者が増えた場合でも、文部科学省として定員管理を柔軟化して、予算を削減するというようなことはもうしないと。それから、大学入学者選抜の在り方を含む高大接続の抜本的見直し、大学入学試験そのものの見直し。それから、大学と地域、産業界との連携強化などを進め、学生の学習意欲を高める大学教育の実現を目指す。そういうことをまさにオールジャパンで取り組むときに来ているというふうに認識しております。

○矢倉克夫君
大臣、意気込みのある御答弁、大変にありがとうございます。
大学をしっかりサポートしていく中で、やはりどんな人でも頑張れば頑張るほど報われていくという社会をつくっていくこと、これ教育面から支えていくという意味合いでもやはり大事であると思います。
最後に、また大臣にお伺いしたいんですが、やはりいろいろ、様々これまで議論もあったとおり、例えばグローバルなランキングの中で日本の大学のランクはなかなか低いところもある、ランキングの様々な問題点もひょっとしたらあるのかもしれないですが、そういうような事実もあり、今回もこういう議論はやはりグローバル化の中で日本の大学の質そのものも高めていかなければいけないという問題意識が当然ある一方、大臣も今少しおっしゃってくださいましたが、各大学で非常にいい取組もしているところも当然あるかとは思います。
今後は、やはり海外の留学生に対して、しっかり日本の大学、こういうところも非常にいいところがあるんだということをアピールもして、来てもらう、その意味でも、内なるグローバル化を進めていくという意味合いでも日本の大学のいいところをしっかりまた海外発信していくということを、これもやはり国としてやるべきではないかと思っておりますが、大臣の御見解をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
既にボーダーレス化しているわけですから、国内外から優秀な学生をいかに集めるかということに対して日本の大学は更に努力をすべきだというふうに思います。そのために積極的に海外に発信する大学についても支援をしていきたいと思います。
今日でも多くの大学が海外に向けての情報発信を行っております。文部科学省が平成二十四年度に実施した調査では、インターネット上で英語などの外国語により教育研究活動等の情報を公表する大学数は全大学の半数近い三百六十五校に上がっております。また、昨年度までの事業である大学の国際化のためのネットワーク形成推進事業に採択された十三大学が合同で開設した英語によるウエブサイトには、世界から年間約三十五万件のアクセスがあります。さらに、近年では、海外に拠点を設けて情報発信や学生のリクルートを行う大学も増えつつあります。
このほか、日本学生支援機構においても、日本留学希望者向けに海外で留学フェア等を実施しているほか、英語などによる日本への留学をナビゲートするゲートウエー・ツー・スタディー・イン・ジャパンを開設しておりまして、アクセス数は年間約六十万件に達するなど、日本留学の情報発信に努めております。
文科省としても、今年度から開始するスーパーグローバル大学創成支援事業などによりまして、海外に向けての情報発信や海外展開を含め、我が国の大学の国際通用性、国際競争力を高める取組を強力に支援していくほか、留学コーディネーターの配置等による日本留学に関する情報発信の強化にも取り組んでまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
終わります。

【矢倉かつお】北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会質問_20140613

2014-06-13 矢倉かつおチャンネル

186回 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会(日朝合意等)

2014-06-13 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
先ほど横田御夫妻の切なる思いをお伺いして、改めて解決に向けて頑張らねばならないと決意をいたしております。
さて、先日の日朝合意、私も大変驚きました。まさに電撃的であったなと思います。合意に向けて、関係者の方の御尽力、敬意を表したいと思います。
その上で、まず、政府参考人、今日来ていただいておりますが、合意文書作成の経緯、御説明をいただければと思います。
特にお聞きしたい点は、この合意文書、五月二十六日から二十八日のストックホルム会議で一気にまとめ上げられたのか、それとも、三月末に北京で局長級で会議されていたんですが、そこからストックホルムの会議まで二か月間あったわけです、その二か月の間で下準備をした上で草稿としてまとまっていたものが最終的に合意をされたのか、その点も含めて、御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今回の合意につきましては、五月二十六日から二十八日の政府間協議において、この前の三月の北京における協議も踏まえまして、双方が関心を有する幅広い問題について集中的、真剣かつ真摯に議論を行い、その結果を代表団としては本国に持ち帰って報告をした上で、四大臣会合を受けて、日朝両政府間の合意として確認し、発表に至ったと、そういう経緯でございます。
三月の協議という土台はございましたけれども、基本的には、ストックホルムで二日半にわたって、相当長時間、集中的に真剣に議論した結果が今回の合意であるということであると思います。

○矢倉克夫君
二日の期間で集中的にこのような形で文案をまとめていただいた。その後、政治主導というリーダーシップを発揮された上でこういう合意になったという報道は今確認されたと思います。他方で、まだ事務方レベルでは具体的な詰めはこれからまた更なる課題であるなどというのは改めて伺いました。まさにここからが勝負であるかとは思っております。
ただ、他方、とはいいましても、これまで北朝鮮は、この問題に関しては解決済みだということをずっと言っていた、それを今回、合意という形でまさにこの場に引っ張り出してきたというのは、私は大きな成果であるかと思っております。
それも踏まえまして、外務大臣より、まず、現時点において、日本がこの合意において何を勝ち得たのか、その辺りの御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、今回の合意におきましては、拉致問題につきまして、拉致被害者及び拉致の疑いが排除されない方々、こういった方々はもちろんでありますが、あわせて、先ほどの質疑にもありました墓参の問題、あるいはいわゆる日本人配偶者の問題等、こうした全ての日本人に関する問題につきまして包括的、全面的な調査を実施する、こういった目標を対象とするということとなりました。そして、それに際しまして、日朝双方がとるべき行動措置について文書の形において明確にお互いの意思を確認することができた。また、先ほども質疑の中に出ておりましたが、この文書の中で、日本人の生存者が発見される場合には帰国させる方向で必要な措置を講じる、こういった一文も明記することができました。
まずはこういった点を確認し、そして調査を行うことになったわけですが、ただ、この調査につきましては、実効性をしっかりと担保しなければなりません。今回の合意は大きな一歩ではあると認識しておりますが、この調査の実効性をしっかり担保し、そして具体的な結果につながるべく、これからしっかり努力をしていかなければいけない、このように認識をしております。

○矢倉克夫君
大臣御答弁のとおり、成果は上げられていると思っております。
ほかにも、例えば、北朝鮮に対して、全ての機関を対象とした調査を行うことができる権限を持った特別な調査機関の立ち上げ、全ての機関ですので、これまで北朝鮮、国内での秘密機関がやったことであるから分からないというような抗弁も言ってきた部分はあったと思うんですが、それに対してしっかりと封殺するような形での合意もできたことはあるかと思います。
ただ、今大臣おっしゃったとおり、これから実効性を上げることが非常に大事。我々の目的をまず考えるのは、あくまで全ての被害者の方が帰還されるということがこの目的である。そこから考えますと、今現時点ではまだやっとスタートラインに立ったということは、あくまで言うまでもないことであるかと思います。
他方、北朝鮮側が今回この合意によって何を得たのか。その部分に関しては、やはり成果の一部、彼らが望むものの一部はやはり手に入れたということは言えるのではないかと思います。例えば、北朝鮮のこれまでの様々な貢献に対して日本が一定程度の評価をしているということ。これは、今現状は北朝鮮は世界各国からもう人権侵害ということでいろいろ非難されている部分があったわけですが、その中で当事者の日本がある程度評価をしたということを北朝鮮はこれからどうやって使っていくのか、そこは気を付けないといけないと思います。
そして、何といっても、経済制裁一部解除という文言がしっかり入ったというのは彼らにとっては大きな部分はあるかと思います。言わば、日本は、まだ種をもらっている状態、この種を植えて本当に大きな木がなって実がなっていくのかというのはまだ分からない状態、ひょっとしたら芽すら吹かないというようなこともあり得る。他方、北朝鮮は、明らかに果実というのを持つ可能性は十分あるという点はあると思います。
ここで確認したいのは、調査開始のみをもって制裁解除に合意した意図はどういう点であるかという点です。調査の開始といいましても、北朝鮮が自ら犯したこの行為についての調査を自らするということ、そういう点では、自らの行為を自ら調べること、これの開始のみで制裁解除を認めたという部分はあるわけですが、ハードルが余りにも低いのではないかというようなお声も当然あるかとは思います。
また、よく引き合いに出されている二〇〇八年の合意において、それと文言を考えてみますと、二〇〇八年の合意においては、この調査というのは生存者を発見し帰国させるための調査、そのような前提でおりました。それに比べて今回の合意は、まだ開始すべき調査というものがどの程度のものなのか、ここからはまだ見えてこない。
もうこの段階で解除という、制裁解除というものを明記をしたその意図について、政府参考人より御意見をいただければと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
今委員御指摘のとおり、今回の合意におきましては、政府として、北朝鮮側が全ての日本人に関する包括的、全面的調査を実施するための特別調査委員会を立ち上げ、調査を開始する時点で部分的な制裁解除を行うこととしております。
ただ、この調査を開始する時点というのが、単なるその言葉ではなくて、実際の行動でなければならないというふうに思っております。したがいまして、北朝鮮側は、調査開始前にその特別委員会の具体的な組織、構成、責任者等を日本側に通報するということを今回約束しております。
政府としては、こういった情報を十分把握して、具体的な結果が得られるように取り組んでいきたいと思っておりますし、我が方が制裁解除をするに際して、そのようなきちんとした調査が開始されるということを見極めた上でこれを行っていきたいというふうに思っております。
それから、二〇〇八年の合意との比較について御指摘がございましたけれども、今回、二〇〇八年のときとは違って、合意の中に、拉致問題については、日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じるということが明記されておりまして、この点は、二〇〇八年の合意よりも、より具体的な今後の対応として北朝鮮にはっきりとこの点を確認したということは一つの成果であるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
何をもって開始する時点というか。先ほども確認したとおり、これからこの合意も、詰めもしていかなければいけない段階であると思います。しっかりと厳密に確認をいただければと思います。
肝腎なのは、やはり相手方に余り簡単に果実を与えないことである、特に、相手方が満足するような十分過ぎる果実をやはり与えてしまわないということではあるかと思います。向こうが十分に満足してしまえば、もうそこでそれ以上進めるモチベーションは当然なくなってしまうわけでありますので、その点で、制裁解除の具体的内容についてお伺いしたいんですが、例えば人的往来の制裁措置、このような形で解除の内容として今書かれていますが、これの内容についてはまだこれから詳細は詰める余地はあるのでしょうか。そうであれば、例えばその人的往来というのも、全ての人間という形で、その前提で議論するのではなく、やはり部分的に段階的に、往来ができる人の人的要素というのをこれから段階的に解除していくというやり方もあるかとは思っております。
また、ついでに申し上げると、同じく解除の中で、人道目的の船舶入港の禁止について述べられておりますが、人道目的の船舶の入港かどうかというものはなかなかこの判断が難しい。これをチェックがしっかりしないと、結局抜け穴になってしまうというようなこともあるかと思います。この辺り、どのようにチェックをされていくのか、今後の方針をまたお伺いしたいと思います。

○政府参考人(伊原純一君)
まず、人的往来につきましては、今回の規制解除によって二〇〇六年七月五日以前の方針に戻るということになりますけれども、その手続の具体的な詳細につきましては、今後関係省庁間で調整をしていきたいというふうに考えております。
それから、人道目的の北朝鮮船舶の入港禁止措置の解除の実施のための手続の詳細につきましては、これは基本的には、二〇〇八年の当時、相当限定的にしか認めないという話はしておりましたけれども、こういった点を改めて関係省庁で調整をしていくということになると思います。
いずれにしましても、ここでいう人道目的が指す内容については、食糧、衣料、医薬品を中心とする生活・衣料物資を想定しているというところでございます。

○矢倉克夫君
人的往来範囲、以前に戻るというところでありますが、安易に広げ過ぎないように、そこはしっかりとまた協議もいただければと思います。また、人道目的も、これから国土交通省等ともまた連携を組むんですが、手続的なところもしっかりときっちりと監視できるような体制を是非よろしくお願いいたします。
とはいえ、北朝鮮が今までの態度を変えてきた、本当に僅かな契機かもしれませんが、見えてきたという部分は何らかのシグナルではないかとは思っております。
外務大臣にお伺いしたいんですが、北朝鮮がこのように軟化をしてきた背景、様々言われております。中国との関係が悪くなってこの四か月間、原油も止められている、そういうような中国との関係が、今まで後ろ盾だった中国との関係が悪くなって、何とか局面を打開したいというところでより寄ってきたというような部分もある。また、経済制裁がやはり効いてきたというような部分もある。
そのような外部要因が彼らを追い込んだというような意見もある一方で、北朝鮮の中で何か動きがあるんじゃないかというような意見もあるかと思います。例えば、李秀勇外相が就任をされたわけですが、元々、金正恩第一書記の腹心だったからというような部分での意見もあれば、やはりスイス大使を務められたぐらい国際感覚豊かな方が、そのような方が入ったことで何らかの国内の中でもいろいろ状況があるんじゃないかというような御意見もある部分ではあります。
その辺り、外務大臣、今、北朝鮮の中での情勢をどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君)
まず、北朝鮮のこの内部の動向につきましては、政府としまして絶えず大きな関心を持ち、注視し、そして分析をしてきております。ただ、公の場でこの北朝鮮の内部の動向について、あるいはこの背景について申し上げるというのは控えなければならないと考えます。
ただ、御指摘の中国との関係につきましては、経済関係を含めまして、北朝鮮、中国と密接な関係を現在でも引き続き持っております。中国が国連の常任理事国の一国であるということ、あるいは六者会合の議長国であるということ等を考えましても、この朝鮮に対して中国が大きな影響力を持っているということは間違いないところであると考えております。
そして、李秀勇外務大臣の就任についてでありますが、李秀勇外相、本年、最高人民会議において就任したということ、もちろん承知しておりますが、この動向につきまして引き続きしっかり注視はしたいと存じますが、具体的に私の立場からコメントすることは控えさせていただきたいと存じます。

○矢倉克夫君
引き続きよろしくお願いいたします。
古屋大臣にお伺いしたいんですが、この拉致問題の解決、これは大臣も常々おっしゃってくださっているとおり、特定失踪者を含めた全ての被害者の帰還である、このように、私も全くそのとおりであるかと思います。
それで思い返されたのが、昨年七月の閉会中審査で藤田隆司さんが発言されていたこと、これは藤田進さんの弟さんのお言葉ですが、東京都内の大使館五十か国以上を回って驚いたと、どこの大使館も拉致問題について非常によく理解はしているんですが、特定失踪者のことは全く知らなかったと。進さんのことを話すと驚かれるし、こんなにいるのかと改めて事の重大さを再認識したと。
その後、大臣の御尽力等もありまして、先ほども話もありました横田めぐみさんの写真展、各国大使もどんどん来た、その場で特定失踪者というのがいるんだということも更に皆様理解もされたと。当時の状況に比べれば、拉致被害者というのはもっと大きくいっぱいいらっしゃるんだと、政府認定の方だけではなくて本当に多くの人がいるんだということが世界各国でも知れ渡るような状況になってきたと思います。やはり、こういう点での国際世論を味方に付けていく、情報戦というのは非常に重要であるかと思っております。
大臣より、今後引き続きどのように各国に対して、この拉致被害というのはこれだけ大きなものなんだということを発信されていくにはどのようになされるおつもりか、取組を、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(古屋圭司君)
今委員御指摘のように、一昨年ですか、藤田さんがジュネーブ訪問をして、実際に拉致の疑いを排除できない事案、いわゆる特定失踪者、国連関係者でさえもほとんど認識していなかったんですね。私は、その話を聞いて大きな危機感を持ちました。だからこそ、私どもは、国際社会、そして国連に対して北朝鮮の拉致問題という一つの象徴的なテーマでしっかりとした決議をしていただく必要があるだろうということで、国際社会に働きかけて、政府を挙げて、外交チャンネルも駆使して、結果的にCOIの決議ができたんですね。各政党にも大変御尽力をいただきました。私は感謝改めて申し上げたいというふうに思いますが。
これによって、やっぱり北朝鮮は何百人にもわたる拉致をしたということが知られることになったんですね。カービーさんの、あのカービー委員会のレポートにも百人単位の数字が出ています。こういった国際社会の圧力というのが、北朝鮮が結果として今回の合意をせざるを得なかったというところにつながっていると思います。北朝鮮からすれば、我々は拉致問題も含めてそういった対応をしますという姿勢を見せざるを得なかった。だから、今度は、そういう意味で、総理の決断によってドアをこじ開けたということは、本当に解決に向けての一歩を踏み出した。
何度も申し上げるように、しかし、これからが本当に胸突き八丁の交渉であります。それは、二国間の交渉だけではなくて、世界に対しても今後もしっかりアピールしていく必要があります。国際社会に、政府が主催をして昨年度からやっている取組を継続してやっていく、あるいはジュネーブとかワシントンとかニューヨークとか含めて取組をしていく、こういったことは当然必要でありますので、引き続きしっかりやっていきたいと思います。
一方では、やっぱり国内の啓発ですね。これも極めて重要でございますので、是非各党におかれましてもそういった国内の啓発活動に対して全面的なお力添えをいただきたいと。このことが北朝鮮に対する圧力につながります。
御承知のように、北朝鮮は、意外なことなんですが、本当に細かい情報を気にしていますよ、彼らは。ですから、今日、この委員会でどんな議論をしているかということも恐らく彼らは全部キャッチしているでしょう。そういう意味では、私たちが強い情報発信をしていくということが極めて大切だと思います。
引き続き、この安倍内閣の下で拉致問題を解決をするために、担当大臣として全力を尽くしてまいります。

○矢倉克夫君
全ての方の帰還のために、私も全力で頑張りたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会討論_20140612

2014-06-12 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(地方教育行政法案 賛成討論)

2014-06-12 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
私は、自由民主党及び公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に対して賛成の立場から、また、みんなの党提出の修正案には反対の立場から討論を行います。
以下、政府提出案について主な賛成理由を申し上げます。
一点目は、独立した合議制執行機関としての教育委員会制度を堅持し、現行の教育委員会と首長の職務権限の配分を変更しないこととした点です。
政治的中立性、継続性、安定性の確保や、レーマンコントロールによる多様な民意の反映といった観点から、教育委員会制度の存在意義はいまだ失われるものではありません。本改正案において教育委員会制度が維持されたことを高く評価いたします。
二点目は、現行の教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者たる新教育長の事務執行の適正化を図るための規定を設けた点です。
本改正案においては、教育委員による教育委員会会議の招集の請求権と委任事務の執行状況に関する教育長の報告義務について規定されております。また、教育委員会は、新教育長に委任した事務について、執行方針の策定、是正の指示、委任の解除を行うことが可能であることが確認されています。
今後、教育委員が、これらの権限の行使を通じて、教育委員会の事務執行の適正化のために積極的な役割を果たしていくべきである旨を周知徹底するとともに、新教育長及び教育委員の資質確保のための研修体制を整備することを政府に求めます。
三点目は、教育委員会と首長の連携強化のため、大綱の策定や総合教育会議における協議、調整という仕組みを新設したことについて、首長による教育委員会への権限の侵食を許すものではないことが制度的に担保されたことです。この点に関し、個別の教職員人事や教科書の採択は総合教育会議における協議の対象ではないことが確認されております。また、教育委員会と首長との間で合意に至らなかった協議調整事項については、それぞれが所管する事務について最終的な決定権を有することとなります。
今後、教育委員会と首長の相互理解の下に政策を進めていくためには、総合教育会議における運用上の工夫を積み重ねていくことが欠かせないということを付言したいと思います。
以上、本改正案に賛成する主な理由を申し上げました。
なお、みんなの党提出の修正案については、教育委員会制度は地方教育行政制度の根幹を成すものであり、設置するかどうかを自治体の決定に委ねるという制度設計には反対いたします。
今般の制度改革の発端は、いじめ自殺等の重大事案への対応において、現行の教育委員会制度における責任の所在の不明確さ、危機管理能力の不足、審議の形骸化等が指摘されたことにありました。
今回の改正案は、それらの指摘に対し適切な手当てを行った制度設計となっております。しかし、制度改正をして終わりではなく、今後の運用を通じて制度に魂を込めていかなければなりません。そのためには、教育委員会の活性化は欠かせません。また、教育委員会事務局体制の改革も必要です。
本改正案の成立が子供たちの幸福のための教育という視点に立った地方教育行政改革の契機となることを念願して、私の賛成討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。

【矢倉かつお】文教科学委員会質問_20140610

2014-06-10 矢倉かつおチャンネル

186回 文教科学委員会(地方教育行政法案 首長と教育委員会の連携等)

2014-06-10 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
今日は、総合教育会議についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、大臣にお伺いいたします。総合教育会議の趣旨は、これまで何度も確認されておりましたが、首長と教育委員会の連携を図るという点であります。それで、そもそもなぜ連携が必要であるのか。裏を返せば、これまで連携がなかったことでどういう不都合があったのかという問いにもなると思いますが、その点について御所見をいただければと思います。とともに、過去に比べてより連携が必要となった事情があれば、それも併せて御意見をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
首長は、現行制度におきましても、私学や大学等の事務を所管するとともに、予算の編成及び執行や条例案の提出を通じて教育行政に大きな役割を担っておりますが、首長と教育委員会の意思疎通が十分でないため、地域の教育の課題やあるべき姿を共有できていないという指摘があります。これは制度上はありませんが、実際は首長とそれから教育長、教育委員会メンバーが意思疎通をしている自治体もかなりあるというふうには聞いておりますが、制度上は担保されているわけではないということであります。
また、近年の教育行政におきましては、いじめや児童虐待防止、キャリア教育、地域における子育て支援、放課後子どもプラン、また、この四月からは、文部科学省、省令改正いたしまして、土曜学習、土曜授業の推進を教育委員会の判断でできるようになるということをいたしましたが、これは、首長がこれに対してどういう思いを持っているかどうかが、結果的にそこの教育委員会がどの程度実施をするかどうかにも相当影響しているところもございます。
こういうような分野において、首長の所管する行政分野と密接に連携する必要性が高まっております。こうしたことから、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつより一層民意を反映した教育行政を推進していくため、総合教育会議を設置することとしたものであります。

○矢倉克夫君
大臣、御答弁いただいたとおりかと思います。連携がなかったことでまず形骸化が起こったという点もそうでありますし、今大臣から、キャリア教育や土曜授業等のお話もされておりました。
先週静岡で行われた公聴会においても、公述人のお一人が、生涯教育の比重等が高まったこと、これによって、これまで首長と教育委員会の権限がそれぞれ別にあったものが重なる領域もどんどん増えてきたと、これが今総合教育会議というものも求められる背景の一つであるという御意見がありました。今大臣がおっしゃった御答弁もそのラインに沿う部分であるかと思います。
それで、この総合教育会議において、これまで度々議論となりましたのが、調整事項とは何かという点であります。今申し上げた総合教育会議設置の趣旨から考えますと、調整とは、首長と教育委員会それぞれが権限に属する事項、これ重なり合う部分について双方同じ立場で協議をし結論を出すものという理解であります。つまり、首長から教育委員会への働きかけという一方向のものでは必ずしもないという理解をしております。
調整事項は何かという問いに対して、政府はこれまで、教育委員会の権限に属する事項のうち予算や条例等の首長の権限に関わる事項に限定されるという御答弁、何度もいただいておりますが、この発言の御意思もこの双方向性というものを踏まえたものである、このように理解もいたしております。後ほど、もし御意見があればいただければと思うんですが、そのまま続けさせていただきますけれども、事実、総合教育会議の機能としましても、教育委員会から首長に働きかけを行うことも期待をされているという理解もしております。
先日の地方公聴会でも、例えば、教育委員会が予算編成の過程においてもこれまで以上に関与することができるようになったと、これが一つ総合教育会議における意義であるというような発言も、興公述人であったと思いますが、発言もされておりました。
それで、問題は、この総合教育会議において、教育委員会が今言ったような主導権といいますか働きかけをするために必要な制度的担保がどのようになされているかという点であるかと思います。今現状の改正案では招集権や議題設定権は教育委員会にないわけですが、この前提で、教育委員会がその会議の場においても首長に対して働きかけをする制度的担保がどこにあるのか、この辺りを文部科学省から御意見をいただければと思います。

○政府参考人(前川喜平君)
改正案におきましては、教育委員会は、その権限に属する事務に関して協議する必要があると考える場合には、首長に対し協議すべき事項を示して総合教育会議の招集を求めることができるとしているところでございます。
総合教育会議は、首長の側からだけではなく教育委員会の側からも、例えば教職員定数の確保、教材費や学校図書費の充実など政策の実現に予算等の権限を有する首長との調整が特に必要と考える場合には、積極的に会議の招集を求めることができるものでございます。

○矢倉克夫君
今挙げていただいた一条の四の四項は総合教育会議の招集を求めることができるという、これはできるという権限規定であり、これに対して、当然ですが、首長が応じる義務があるかどうかというところは明記はされておりません。これはいろんな配慮があってこのようにされていると思うんですが。九項において、前各項に定めるもののほか、総合教育会議の運営に関し必要な事項は総合教育会議が定めると規定もされております。
この点、その招集の在り方にしても、基本的には教育委員会の方から招集求めるような要請があれば基本は応じるというような形での運用も今後しっかりと文科省としても通知をしていただきたい。これは意見としてお伝えをしたいと思います。
今ありましたとおり、総合教育会議についてもう一点の不安は、首長による教育委員会への介入の場になるのではないかという点が一部あるわけですが、これを払拭し、会議が趣旨のとおり機能するためには、やはり必要なことは議事の公開であると思っております。
改正案は、議事録について、小規模自治体の負担を勘案し努力義務とすることとされております。通常、議事録という場合は、個々の発言を逐一記載するものである、このように理解をしております。そのような議事録であれば、この小規模自治体の負担軽減という趣旨、合理性はあるものと思っております。ただ他方で、詳細な議事録ではなく簡単な概要等を作ることは、これはできるのではないかと。あと、特に協議をした項目全て、こういう項目を協議したというようなことは、しっかりと記録に残して住民の方々全てに見ていただく。それを通じてしっかり透明性のある、また特に不当な介入等もない、しっかりした会議運営がなされていたということを住民の皆様を巻き込んで監視をするというような体制もつくる必要はあるかと思います。
この辺りの概要メモや協議の項目の作成について御意見をいただければと思います。

○副大臣(西川京子君)
教育委員会の議事録の公開につきましては、平成二十四年度の文部科学省の調査におきまして約半数、四八・七%の市町村教育委員会が公開をしておりません。全ての教育委員会に対して議事録の作成、公表を義務付けることは、先ほど先生がおっしゃったように、事務局人数の少ない市町村教育委員会においてはかなり厳しい事務負担となるだろうということで努力義務にとどめたわけでございますが、文科省の調査は議事録の公開状況のみを一応調査しておりまして、作成状況までは調査していないんですね。
そういう中で、実は現行の地教行法が成立いたしました昭和三十一年当時、文部省が各地方公共団体に示した教育委員会規則案においては、会議録、議事概要ですね、を作成しなければならないという規定が明記されておりますので、先生がおっしゃった簡単な項目をメモした議事録とか、簡単な議事録は恐らくある程度の教育委員会で作成しているだろうということは推測できるわけです。そういう中で、簡単な議事録概要のみを公開している市町村教育委員会が二三・一%、今でもあります。
そういうことでございますので、住民への説明責任をやはり果たしていかなければいけませんし、この教育行政の透明化、そういういろんなことは大変重要でございますから、法案が成立した暁には、やはり施行通知や説明会などの機会を活用いたしまして、可能な限り議事録を作成し、公表するように指導してまいりたいと思います。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
今、施行通知というふうなお話もいただきました。やはり、この総合教育会議、しっかり運営なされるかどうかというのは、議事等も公開した上で、住民の方を巻き込んでその監視の下に置くという部分は非常に大きな要素であるかと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
次に、総合教育会議の機能について、具体例も挙げまして、空き教室を利用した放課後児童クラブの問題に関連をしてお尋ねしたいと思います。
安倍総理も先日、共働き家庭などの小学生を放課後に預かる放課後児童クラブの定員数をこの五年間で三十万人拡充するという方針を打ち出されました。その目的達成のためにも、先日も委員会で指摘させていただいたんですが、空き教室、これを利用して放課後児童クラブをこれ拡充していくということは非常に重要であるかと思っております。
ちなみに、平成二十五年五月時点で、放課後児童クラブとして空き教室が利用されている割合は二八・一%。これは、文部科学省所管の放課後子ども教室で空き教室が利用されている割合が七一・三%に比べると少ない数であるかと思っております。
この点、先日の委員会で大臣より、放課後児童クラブの空き教室利用が進まない理由は教育と福祉の意識の壁である、このように御答弁いただきました。ただ、大臣からまた、しかし総合教育会議を設けることによりこの壁を取り払う契機となるとの御趣旨の期待が述べられたと記憶をしております。
問題は、政府、これまで何度も空き教室利用ということを促進をいろいろ促してきた部分はあると思うんですが、なかなか先ほどの数字のような形の状態ではありました。これまでなかなか功を奏しなかったところが総合教育会議を設置することでなぜできるようになるのか、このような効果の部分を、総合教育会議の機能を明らかにする意味でも、大臣より御答弁をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
御指摘のように、学校の余裕教室等の活用状況につきまして、現在、放課後児童クラブ全体の約五〇%、放課後子ども教室全体の約七〇%という数字になっております。
小学校の近くに児童館などがある場合には余裕教室等の活用が必要ないこともありますが、活用が進まない主な理由として、一つは、放課後児童クラブの多くは福祉部局が担当しており学校を所管している教育委員会との連携が必ずしも十分でないこと、また、学校施設の放課後の活動への利用が管理上の理由から教育委員会や学校の理解が得られにくいことなど、教育と福祉の関係者間における意識の壁があるのではないかと考えております。
文科省としては、ただいま御審議いただいている地教行法改正案において設けることとしております総合教育会議を活用し、首長と教育委員会が十分協議することによりまして、このような意識の壁を越え、児童や保護者など関係者の立場に立って連携を深め、放課後の活動について学校の余裕教室等の積極的な活用が促進されるものと期待をしているところでございます。
また、放課後児童クラブ等への学校の余裕教室等の活用につきましては、厚労省と共同で一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室の整備等を推進していく方向でありまして、教育委員会がその当事者となり一体型の運営に責任を持つようになるということによって余裕教室等の活用促進が一層図られるよう促してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
大臣、御答弁いただいたとおりであると思います。
意識の壁があった部分を、今回大臣から関係者の立場に立ってというお話がありましたが、やはり総合教育会議を設けることで、そこに様々な地域のボランティアの方であったりPTAの方であったり、そういう住民の方々をそこに巻き込むことで、これまで壁があったものを取り払う効果がやはり私はあるかと思っております。法律でも、一条の四の五項のところで、関係者からも意見を聴くことができると。この関係者としてまさに地域住民の方にその総合教育会議の場に入っていただいて、いかにこれまでなかなか壁があってできなかった空き教室の利用が大事なのであるか、その意識を教育委員会等もしっかりと理解をしていくという過程は非常に重要であるかなと私は思います。
他方で、放課後児童クラブを学校の、保育用に空き教室を利用するということは現場教員の負担を増やすことになるという懸念も一部ございます。それに対しては今後どのように対処されるおつもりであるか、また御意見をいただければと思います。

○副大臣(西川京子君)
放課後対策を学校の余裕教室で活動する場合でありましても、これは当然その実施主体が、あるいは責任は学校ではなくて、放課後児童クラブが市町村の首長部局、そして放課後子ども教室は市町村の教育委員会が言わば責任者ということでございますので、放課後児童クラブのそして指導をする方も専任の指導員がいらっしゃいますから、直接教員の負担になるものとは考えておりません。ただ、放課後に児童が校内に残っているということで、安全面などで学校から、教員の負担につながるのではないかと、そういう懸念の声があることも承知しております。
文部科学省といたしましては、厚生労働省と連携いたしまして、今後、一体型を中心とした放課後児童クラブと放課後子ども教室について学校内への整備などを推進していくに当たって、責任の主体をより明確化していくことが必要であると考えております。そのために、地方公共団体に対して実施主体や責任の主体が首長部局や教育委員会であることをより明確に示していくことによりまして、先生方の負担が増えることのないように留意してまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
引き続き、よろしくお願いいたします。
引き続き、また総合教育会議の機能についてお尋ねいたします。
議論による首長との連携、これ教育委員会が通じることによって教育委員会が保有する情報が厚くなるとともに、教育委員会の視野が広がる、このような意見があります。先週の地方公聴会でも、こういう面がまた総合教育会議の機能であるというような意見が公述人からもございました。この件について大臣はどのようにお考えか、御意見をいただければと思います。

○国務大臣(下村博文君)
総合教育会議におきまして、大綱の策定を通じて、当該地方公共団体の教育の振興に関する総合的な施策の目標や施策の根本となる方針を首長と共有したり、重点的に講ずべき教育施策について、予算の編成・執行権限や条例の提案権を有する首長と教育委員会による調整や保育と幼稚園、青少年健全育成と生徒指導、放課後子どもプラン等の首長と教育委員会の事務の連携が必要な事項について首長や有識者等と議論をしたりすることによりまして、教育委員の視野の拡大や教育委員会の活性化そのものにも資するというふうに考えております。

○矢倉克夫君
教育委員と首長それぞれが総合教育会議という場で連携し合うことで、お互いのノウハウを共有し合って能力を高め合うという意義は非常に大きいと思います。
そのような上のレベルにまた限らず、更にその下にある、例えば首長の下といいますか、スタッフとして頑張っていらっしゃるのは知事部局である、また教育委員会はこれから教育委員会事務局という形、それぞれがそのレベルでもまたしっかりと人事交流などで交流し合ってノウハウも共有し合っていくという、この方向性もまた大事であるかと思っております。
これについて、知事部局と教育委員会事務局の人事交流の必要性、どのようにお考えか、文部科学省より御意見いただければと思います。

○政府参考人(前川喜平君)
教育長や教育委員を支える事務局職員の資質の向上に向けまして、教育委員会におきましては、教員出身者のみならず、教育行政の専門性を有する行政職員の計画的な育成が重要であり、一般行政部局との人事交流も含めまして、適切な人材育成が行われる工夫が必要であると考えます。
今回の改正案が成立いたしました場合には、各地方公共団体の首長部局と教育委員会事務局との人事交流がより充実したものとなるよう取組を促してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。
今、知事部局と教育委員会の事務局の人事交流について、一つ具体的なところからいくと、以前も私、委員会で質問させていただいた私学のいじめ問題について、現場の声の一つに、この私学のいじめの対処に当たってですが、教育委員会の管轄ではない、じゃ知事部局が管轄であるわけですけど、そこに相談を持っていくとどういう事態が生じるかというと、このいじめというものに対しての対処のノウハウがなかなか蓄積されていないというような現場のお声がありました。そういうような事案に対応する意味でも、やはり知事部局と教育委員会事務局の人事交流やノウハウの共有というのは非常に重要であるかとは思っております。
その意味で、大臣から、このいじめという観点からまた含めたこの人事交流の必要性についてどのようにお考えか、御意見をいただければと思いますが。

○国務大臣(下村博文君)
私立学校におけるいじめ問題に的確に対応するためには、知事部局の私立学校担当部署に教育に関する専門的知見を有する職員を配置することが望ましいと考えております。このため、知事部局と教育委員会事務局の人事交流も一つの有効な方策であるというふうに考えます。
なお、平成十九年の地教行法改正におきまして、都道府県知事が必要と認める場合には、都道府県教育委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言、援助を求めることができるとされたところでありまして、この規定を活用することも可能でございます。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。

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