事業承継の加速化を

2018-05-16 ニュース

矢倉氏 中小企業のM&A推進

矢倉氏=15日 参院経産委

15日の参院経済産業委員会で公明党の矢倉克夫氏は、中小企業経営者の高齢化が進み、後継者難が深刻化している問題を踏まえ、事業承継の加速化について政府の見解をただした。

矢倉氏は、産業競争力強化法等改正案で事業承継の有効な解決策の一つである合併・買収(M&A)に対する税制優遇措置などが盛り込まれていることを念頭に、「中小企業向けのM&Aマーケットをしっかり育成、整備していく必要がある」と指摘。企業経営者と後継者のマッチングに力を入れるよう主張した。

世耕弘成経産相は、各地に設置している「事業引継ぎ支援センター」が成果を上げていることに言及。「マッチングの精度をさらに高めていく」と答弁した。

196回 経済産業委員会

2018-05-15 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
法案の審議、いよいよ佳境に入ってきたなという思いでおります。とりわけ、よく議論もされているサンドボックス制度、こちらの範囲というか、有用性を議論する上で、私、前提として、まず今日は、中小企業金融、少し問題提起をしたいなというふうに思っております。
先日、私の国会の部屋に東京情報大学の教授の堂下先生という方がお越しくださったんですが、その方、昨年の我が党の財政・金融部会でも、フィンテック時代に適合した新しい金利の体系の在り方という講演をしてくださった方であります。
まず、その堂下先生とお話ししていく中で、やはり議論になったというか、意見が一致したのは、特に事業性の短期金融であります。主に、もう無担保で無保証で短期に決裁をしてすぐに融資ができるような、そういうローンの在り方というのも非常に重要であるかという議論もありました。
確かに、私も地元入っていろいろと、いろんな業者と話をしているんですが、通常の運転の場合であっても、例えば支払サイトが長いような旅客であったりとかは、売り掛けが立った後も実際それが回収されるまで時間が長くなる、その間のつなぎ融資をどうしても運転継続していくためには必要だというのはよくある話でもありますし、農業関係とかでいえば、問屋さんなんかは、取引が多いところはやはりそういうような融通というのも非常に重要になってくる。
突発的に来る顧客からの要望に対しても対応するためにどうしてもつなぎの融資が必要になってくるということは、現実の中小取引でもこれ間々あることだと思うんですが、まずは経済産業省に対して、そういう中小企業の事業用の短期資金の重要性やこういうつなぎ融資を含めた短期資金の供給に対してどのような対応をされているのかをまずお伺いしたいというふうに思います。

○政府参考人(安藤久佳君)
 お答え申し上げます。
中小企業の皆さん方に限らないと思いますけれども、事業全体としては成り立っているんだけれども、その時々のキャッシュフローとの関係でショートしてしまうと、こういうようなお話がよくあるわけであります。したがって、そういった段階のときに弾力的かつ柔軟に短期資金を速やかに供給させていただく、こういった機能は大変大事だというふうに認識をさせていただいております。
一例を申し上げますと、昨年の中小企業の信用保険法などの改正の際に、信用補完制度につきまして新たに金融機関と信用保証協会の連携規定というものを置かせていただきました。この連携に基づきまして、現実に、私どもと金融庁がアレンジをさせていただきまして、金融機関と信用保証協会の適切なリスク分担によって、金融機関によるいわゆる事業性の評価、こういったものを行った融資や適切な期中管理、そして経営支援を促進をするということをさせていただいております。また、中小企業の多様な資金需要に一層対応するため、逆に、信用リスクの高い創業あるいは小規模事業者の皆様方について利用可能な一〇〇%保証の上限額を拡充する、こういったような制度の見直しを行ったところでございます。
いわゆる事業性評価の融資も様々な種類がございますけれども、例えば一例申し上げますと、一つ一つの担保を設定するのではなくて、仕入れや在庫といったような商流全体を把握をさせていただいて融資を行ういわゆるABLといったような手法とか、あるいは、あらかじめ設定した一定の貸出額の範囲内におきまして金融機関が企業の短期資金をスピーディーに融通をするいわゆる当座貸越し、こういったような融資制度がございます。
まだまだ金融機関の皆様方、リスクをなかなかお取りになれないということで、十分まだこういった融資が行われているというところまでは行っていないわけでございますけれども、少しずつでもこういった融資制度が普及をするように全力を挙げてまいりたいと、このように思っております。

○矢倉克夫君
 今、事業性評価のお話と、またありました。事業性評価をする、要は、こういう小口のものであっても即座に融資をするための評価の在り方という部分での事業性評価であろうと思います。これはまた後ほどフィンテックの関係で、そういった財務データにかかわらず評価し得る技術が生まれたというところのまた文脈でも話関わるところだと思いますが。
その上で、堂下先生とも、今中小企業庁からいろいろと対応いただいていることをお伺いしたんですが、そういういろんな工夫をされている中ででもやはり広がらない仮に理由があるとしたら、これは金利の上限規制というものもやはりあるのではないかというようなところが意見があったところであります。
御案内のとおり、貸金業法改正等も経た上で、今は、かつてのグレーゾーン金利をなくす趣旨の下で、利息制限法の利息にあって百万以上の融資であっても上限一五%、こういう金利の下でのみ貸し出すことができるというような体制になっております。
例えば小規模の事業者の短期金融というのはどれぐらいの額かといえば、何百万とかそういう額というのは頻繁に融通は行われるときはあると思うんです。例えば百万の融通をお願いして、その分で今の一五%、仮に二〇%だとしても、じゃ金利はどうなるかといえば、一日大体六百円ぐらいであります。それが二か月間、三か月間ぐらいの貸出しでもどれくらいの金利収入になるかといえば、大した金利にはならない。結局、そうなると、貸し出す人がなかなか貸し出さないというような事態になるというようなことはよく言われていることであります。
金融庁さんに今日来ていただいているのでちょっとお伺いもしたいんですが、金融庁さんの方でも、平成二十二年の六月のいろいろ内部での検討におきましても、ヒアリングで、零細事業者から、短期のつなぎ資金なので金利が高くても負担を感じることはないといった御意見や、また他方で、平成二十年の内閣府の規制改革会議の生活基盤タスクフォースとかの議論の中でも、上限金利の引下げを受けまして貸金業者の急激な貸し渋りが発生をして、中小零細事業者の中でも倒産や廃業が目立つようになったというような政府内部の議論もあったというふうにお伺いもしておりますが、金融庁として、この貸金業法の改正によって、金利の上限規制などにより、小口の短期資金の供給についてはどのように理解をされているのか、まずお伺いしたいと思います。

○政府参考人(水口純君)
 お答え申し上げます。
平成十八年に成立しましたいわゆる貸金業の規制等に関する法律の一部改正法、貸金業法でございますが、によりまして、出資法の上限金利の引下げ、それと、利息制限法の水準の上限金利といたしますことで資金需要者の金利負担の軽減というのをなされたところでございます。
こうした中、中小企業の資金繰りの状況について見ますと、例えば平成三十年三月の日銀の全国企業短期経済観測調査、短観によりますと、資金繰りが楽であるとされている中小企業は、苦しいとする中小企業に比べまして一二ポイント高うございます。そして、金融機関の貸出態度が緩いとする中小企業は、厳しいとする中小企業に対しまして二二ポイント高いという結果になってございまして、実際、足下では、銀行、信用金庫、それから信用組合、各業態の中小企業向け貸出残高というのは増加を続けているという状況でございます。
また、平成二十六年八月に全国財務局が各都道府県の商工会議所を対象に実施したアンケート調査によりますと、中小企業の資金繰りが悪化した要因としてこの改正貸金業法の影響というのを挙げた中小企業の割合はゼロであったところでございまして、貸金業法の改正による中小企業の資金繰りに与える影響というのは限定的であるというふうに考えてございます。
ただ、いずれにしましても、金融庁としましては、引き続き、中小企業を含む資金需要者の状況というのをよくフォローしてまいりたいというふうに考えてございます。

○矢倉克夫君
 今、現状の認識をいただきました。
他方で、今後の景気状況によっては、また金利の状況いかんによっては、今おっしゃっていただいたような事実が仮にそうだとしても、しっかりした小口の事業性の融資というのをやはりこれ考えていかなければいけない事態が来るかというふうに思います。そのための制度の実証というのもやはり重要な意味もあるかなというふうに思っているところです。
私、大臣に、改めてこの中小企業の金融とサンドボックス制度についてちょっとお伺いもしたいと思っているんですけど、今の上限金利の話なども、これは制度としてはまさに今そうなっているので今の金融庁さんのおっしゃっていただくような形に当然なると思うんですが、やはりサンドボックス制度の中でどういうふうにより良く変えていける動きがつくれるかというところも一つ例があるかなというふうに思っています。
今の金利の在り方というのは、例えばその議論も見ても、やはり消費者金融というところを中心に想定をされている。私、当然その部分では今の金利の制限というのはあるべき姿であると思うし、ここは一切動かしてはいけないというふうに思っているんですが、他方で、金融も、消費者金融もあれば事業者金融もあり、今はそういうのはもう一律で、金融の動きにも限らないで一律な金利規制になっているところであります。
今言った事業者金融の側面から見れば、小口、消費者金融にしたら百万円以上は当然大口なんですけど、事業性の金融としたら、百万ちょっとを超えるぐらいでもよくある金利の話だと思います。そういうものであっても、全て年利換算されて上限が掛かる。本来であれば、事業者としてももう少し利息を払ってでももらいたいというようなニーズがあっても、上限金利のせいで駄目だというような事態が今後も起こり得る可能性もあるかというふうに思っています。
そういうときこそ、規制の中でのグレーの部分をある解釈という部分でも新しく何か試みをしなければいけないんじゃないかというような例としてこの金利の問題というのも考えられると思いますし、その上で、ちょっと前置きが長くなって恐縮ですけど、例えばトランザクションレンディングという形で、今のITの技術を使って、即決でもういろいろ融資もできるような体制も今後生まれてくると思います。
そういう技術進展を踏まえて、今後は、このサンドボックスの制度を使った上で、新しい上限、事業性金融についての取組というものも実証し得る範囲内としても考えられるのではないかというふうに思っておりますが、大臣のその辺りの御所見と、もし、また加えて、そういった取組が社会に与えるインパクトを大臣の中で御所見があればまたおっしゃっていただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今、トランザクションレンディングというお話がありました。これは、大手のネット通販のプラットフォーマーなどが、そこに出店している人たちの、例えば彼らは取引データですとかそういったことが全部分かるわけですから、それをベースにして即断即決でつなぎ資金を融資していくという、そういう仕組みなわけであります。ただ、現状では、御指摘のとおり、上限金利の範囲内で行われている、あるいは金融機関が行っている、あるいはそういったプラットフォーマーが上限金利の範囲内で行っているという状況ですけれども、新しいファイナンスの形態として注目すべき点はあるというふうに思っています。
また、委員御指摘のように、これを、じゃ、サンドボックスの中でその一五%の上限金利を外したようなサービスがあり得るのかどうかということですが、このサンドボックス制度というのは、私も何度も答弁していますように、事前に何か形態を決めているわけではありませんので、トランザクションレンディングで上限金利が今の貸金業法の規制を上回るようなものを申請していただくことは可能であります。
ただし、じゃ、これ今度審査する段階で、この上限金利規制というのがなぜ入ったのか、やはりいろんな事件とか社会問題が起こった結果として上限規制金利が入っているわけですから、そういった規制が保護しようとしているような権利利益が損なわれないことがきちっと担保できるのかどうか、これは少し議論をしてみないと分からないということになるんだろうというふうに思います。
そういったことをチェックの上、それが可能である、しかも、適宜ここでも議論になっているモニタリングも含めて、実行中の監督もしっかりできているということであれば認定されるということになっていくんではないかと思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
大臣のお考えに全く同意でありまして、新しい分野として実証し得るものも当然ある、この部分は非常に私、有用だと思います。他方で、大臣もこの前御答弁いただいたとおり、この制度の目的は、既存の法律の目的が更に適切に実現され得るような実証をしっかり努めていくということであるかなというふうに思います。
そういう趣旨の下で、安易な実証が、弊害が起こらないようにちゃんと制度の中でチェックをしていくという在り方、これも制度の中では私はしっかりとできているところもあるかなという理解もさせていただいて、是非こういう形ででの実証も進めれるような運用もまた広げていっていただきたいというふうに思っております。
こちらのこの件に関しましては、ちょっと一点だけ、例えば金利の問題にしても、既存の法令に全く没却するような実証というのはやはりあるべきではないと思うんですが、いろんな工夫の仕方、金利ではなく、また手数料であったりとか、そういういろんな名目の下でという動きもあるかもしれませんが、そういうのも含めて、社会のいろんなアイデアが出ていく、その中でシャッフルしていって、既存の法令の趣旨に反しないようなものをしっかり採用していって、実証していって、それが制度に変わっていくというような大きなダイナミズムが生まれるようにこの制度については改めて御期待をしたいという点だけは申し上げておきたいというふうに思います。サンドボックスについては以上で終わりたいというふうに思います。
続きましては、もう一つの法案の産業競争力の強化法、こちらについて幾つか質問をしたいというふうに思います。
午前中の参考人の質問でも、松田参考人などは、とにかく今の状況については、ITというものの進展によって産業構造が大きく変わったということを強調されていました。また、第四次産業革命による新たな産業構造の転換、これは業態別、業務別のものではやはり遅れてしまう、そのために横串を刺すような産業構造というのがやはり起きているというようなことをおっしゃっていただいて、非常に今の時代のダイナミズムを的確におっしゃっていただいたというふうに私も理解したところであります。
この産業競争力の強化法の改正というのは、まさに今起きている産業構造の転換、これにしっかりと、企業の動きも含めて、経済全体の動きも含めて適用するための法案だというふうに理解もしておりますが、まず経済産業省の方に、経済産業省としては、この産業競争力の強化、これに向けて産業構造をどのようにこれから今後動いていくというふうに捉えていらっしゃるのか、その点まずお伺いしたいのと、その上で、特に法案ではMアンドAという手法を強調した形で産業構造の転換ということを一つ重視をされているわけであります。その今の流れの中でMアンドAという手法が果たす役回りをどのように捉えているのかを御答弁いただきたいというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、第四次産業革命の中、IoTや人工知能という新しい技術が既存の産業と組み合わせて新しい製品、サービスが生まれてきたということでございます。この中で、産業構造を、これまで、例えば自動車産業とかあるいは電子製品産業、製造業とか、あるいはサービス業といった縦割りの区分でありましたけれども、今後は、業種の垣根を越えて、経営資源を組み合わせて、例えばモビリティーですとかスマートライフですとか、そういう新しいものが生まれてくるというふうに考えております。
そして、この産業構造の変化は極めて速い流れになっておりまして、国際的にもそのトレンドがくるくる変わるぐらいに大変激しくなっております。この中で、日本企業も、迅速に経営資源を戦略的に組み替えて、そして外部の経営資源をどんどん取り込んでいくことが不可欠になっています。
この事業再編を迅速に行う手段として、我々は、今回、MアンドAは極めて有効な手段というふうに認識しております。事業再編の円滑化については、これまでも税制上の支援措置や会社法の特例措置等を講じてきましたけれども、今回の産業競争力強化法等の一部を改正する法律案では、大胆な事業再編を機動的に行えるよう、今回新しく、自社株を対価としたMアンドAを円滑化する措置を講じるなど、事業再編を促す各種支援措置を整備することと考えております。
こうしたような支援措置を活用して、今後とも産業競争力の強化に取り組んでいきたいというふうに思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
法案の審査ですので、ちょっと法案の重要な定義とかの内容についてちょっと確認の上でまたお伺いしたいというふうに思います。
今審議官の方から、自社株を対価にしたMアンドAというようなお話、答弁をいただきました。このまさに株対価のMアンドAの対象としては、特別事業再編という法文がありまして、これを一定程度の要件の下、認定をするという手続になっているかというふうに思います。
この内容そのものが今おっしゃったものの対象になるというふうに思っているんですが、この内容について、認定対象としてどのようなものを想定をされているのか、そして、その要件については省令や告示に委ねられている部分も多いかと思いますが、今の現状で、お答えできる範囲で具体的にどのようなものを想定されているのかを答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えします。
自社株式を対価とするMアンドAにつきましては、平成三十年度税制改正におきまして、産業競争力強化法に基づき特別事業再編計画の認定を受けた場合に、買収に際し譲渡した買収対象会社の株式の譲渡損益に対する課税の繰延べをすることが認められました。
これを受けまして、今回、この株価MアンドAの対象となる認定要件を今検討しているところでございますけれども、現在のところ三類型ほど考えておりまして、一つ目には、今後成長が見込まれる事業分野において革新的な技術などを用いて行うもの、二つ目には、幅広い事業者に利用されるプラットフォームを提供するもの、三番目には、事業ポートフォリオを転換を進めるものというのを考えています。そして、生産性の著しい向上が見込まれ、また、買収対価の額が買収会社、買う方の会社の余剰資金の額を超えているというものも一つの要件に考えています。
さらに、その詳細につきましては、委員御指摘のとおり、今後、省令及び実施指針で定める予定ではありますけれども、省令では、さらに余剰資金の額の具体的な算定方法など、あるいは、実施指針では、一つ目の対象類型で先ほど申し上げました事業分野として、例えばフィンテックなど、様々な戦略分野というのを未来投資戦略などを活用しながら定めていこうというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっと、じゃ、更問いで大変恐縮ですけど、最後、今、省令の方で未来投資戦略に基づいた五分野というのを想定されたんですが、それ以外のものも入り得るようなものまで想定されていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 やはり重点分野ということを考えておりまして、その際に、やはり、未来投資戦略というのを今回また改定いたしますけれども、それが主にメーンと考えています。
ただし、この重点戦略分野というのは非常に幅の広いものを今回ターゲットとしておりますので、そういう意味では、有望な分野についてのカバレッジは相当広く考えてございます。

○矢倉克夫君
 その五分野の部分を割と幅広にというような御趣旨だと今捉えましたが、それではもう一つ、MアンドAというところで今回幅を広げたところでは、再編を通じた事業承継の加速化に係る部分で、経営力向上計画について措置をされているというふうに思っております。
経営力向上計画をそのような趣旨で、MアンドAも含めた形で措置をされたというふうに理解もしておりますが、これについても、認定の対象としてどのようなものを想定されていて、また、要件としては、省令や告示に委ねられている部分もあると思いますが、これ、具体的にどのようなものを考えていらっしゃるのかを答弁いただければと思います。

○政府参考人(吾郷進平君)
 御指摘のとおり、中小企業が抱える事業承継あるいは後継者問題の解決策としても、MアンドAは重要な選択肢であると考えております。このため、今回の法改正では、高齢化や後継者不在等の事情により将来的に事業の継続が困難となることが見込まれる中小企業の経営者からMアンドAを通じて事業を承継した上で生産性の向上をする計画、これを経営力向上計画の対象に追加することとしております。
そして、認定要件というお尋ねでございましたが、この計画の認定要件といたしましては、従来の経営力向上計画と同様、事業所管大臣の定めた事業分野別指針あるいは基本方針に沿ったものでありまして、MアンドA等によって獲得する経営資源を十分に活用して、原則として、買手企業の労働生産性を三年間で一%以上向上させること、そして単なる人員削減を目的とした再編ではないこと等を確認することとしております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございました。
今、それぞれの要件的なものもお伺いもしたところなんですが、今のそのMアンドAのいろいろ企業再編等、今度は、次はちょっと中小企業の関わりを少しお伺いしたいなというふうに思ったんですが、質問前にいろいろとレクを受けて、今、二つ、MアンドAの関係では認定を受けた制度の設計があるわけなんですけど、中小企業の関わりというところですと、どうしてもやはり後者の方の事業承継、承継がこのままだとできないからという文脈でやはり中小企業って出るのが非常に多いかなという印象が正直ありまして、最初の方の、まさにこれからの新しい経済構造に向けた主要なプレーヤーとして、最初の方のMアンドAにも中小企業というような思いというかイメージがなかなか伝わってこなかったところがあったんですが、経済産業省としては、今後の株対価のMアンドAに係る会社の特例措置、今回設けているわけでありますが、こういったものに対して、こういったものを使って、今まさに産業競争力を強化するためにいろいろ手配をして産業構造を変えるという大きな動きの中、対応しようとされているわけですけど、その中で中小企業がこういった措置をどのように活用していくということをこれ想定されているのか、答弁をいただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えいたします。
自社株式を対価とするMアンドAは、買収会社にとって、多額の金銭の流出を伴わずに、また、買収対価が会社の余剰資金を超えたとしても規模の大きな買収を実施することができると、そういう意義があると思っています。
それは、例えば急速な成長を目指すベンチャー企業ですとか、同じく急成長を上げています中小企業、こういった企業ではなかなか資金の制約が大きいわけですけれども、この自社株式を対価として使えば、自社株式の対価というのは、成長するときは特にまた対価が高く評価していただけるわけですけれども、積極的なMアンドAを仕掛けることができて、他社の革新的な技術や事業の獲得を進めることが可能となると考えています。
例えば、海外でのケースで私ども一つ念頭に置いていますのは、例えばグーグルなどは、急成長する過程でユーチューブを買収したりということは全てこの株価対価を使っておりまして、やはり急成長、ユニコーンを生むためにも一つの大きな道具であるというふうに考えております。
そして、これまで、産業競争力強化法では、会社法の特例措置、すなわちこの株価対価につきましては、株式公開買い付け、いわゆるTOBを行う場合のみを対象としておりましたけれども、したがって、買収対象は上場企業に実質限られておりました。しかし、今回の改正では、その特例措置の対象に相対取引を追加いたしまして、言わば非上場でも可能にするということを考えました。これによって、非上場会社同士の買収も支援することができ、そういった意味では、中小企業、ベンチャーにも使いやすい制度になったのではないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 まず、中小か大企業かという区分けですとなかなかあれかもしれないですけれども、どんなベンチャーもやはりスタートのときは中小だったりするわけであります。そういう創業精神にあふれる中小に対しての期待というのも今お伺いできたかなと。
TOBだけではないというところで、非上場のものも含めたというような趣旨も踏まえたということも今お伺いもした。そういった中小企業も含めた、今回の制度のしっかり活性化を図って、とりわけ、今、中小企業の文脈で言っていますので、中小企業がこの制度を使いしっかりとMアンドAも通じた形でこの産業構造の変化に対応できていくためにやはり必要なのは、そういう中小企業がしっかりとMアンドAのマーケットにもちゃんと入れるような体制をつくることもやはり必要かなと。大企業同士のMアンドAとかですと、中に投資銀行が入ってとか、いろいろそういう仲裁する仕組みというのが既にあるわけでありますが、特に中小の場合ですと、そういう仲裁するサービスというのもなかなか民間ではないかもしれない、マッチングというのもなかなか難しい、そういった課題もあるかなというふうに思っております。
それ以外にも、当然ですけど、株価の評価の問題であったりとかそういった問題も含めて、私としては、やはり中小企業がMアンドAを行う上での課題というのを認識した上で、中小企業向けのMアンドAマーケットというのもしっかり育成、整備していく必要があるかなというふうに思っております。
その辺り、大臣から、どのようなお考えであるかをお伺いしたいと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 事業承継といっても、親族だけの承継ではなくて親族外の承継も増えてきておりまして、中小企業のMアンドAを推進するということは非常に重要でありますので、今回の法案でも、税制の支援ですとかあるいは金融支援、こういったものを講ずることにしております。
ただ、やはり中小企業のMアンドAについては、なかなかこれ民間での担い手というのが存在しない。今おっしゃったように、大規模なMアンドAであれば、投資銀行が間に入って、当然、手数料ビジネスも成立をしているわけでありますけれども、この小規模なMアンドAについてはなかなか担い手が少ないというのが実情だというふうに思っています。
そこを埋めるという意味で、我々は、事業引継ぎ支援センターというのを全国に設置をしておりまして、ここには年々、相談件数、マッチング成約件数が増加をしているところであります。まだまだ少ないですけれども、相談件数でいけば、二十六年度二千八百件だったものが、二十九年度二月末の時点で七千七百件まで増えております。成約件数も、二十六年度は百件程度でしたけれども、二十九年度、これも二月末ですが、千三百件という形でマッチングの成約も増えているというところであります。
さらに、事業引継ぎ支援センターが一定程度データベースを持っていますので、このデータベースと民間の金融機関ですとか民間の支援機関が持っているデータベースをしっかり連携をさせて、このマッチングの精度を更に高めていくということもやってまいりたいというふうに思っております。
これからも、いろいろ案件の掘り起こしですとかこのマッチングのやり方を更に磨き上げるなど、引き続き努力を続けてまいりたいというふうに思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
冒頭の話で、産業構造の変化に適応するための再編というのは、やはり業態を超えた再編だということであると思います。その業態を超えてお互いがシナジーを生むような連携というのは中小企業の世界でもやはりしっかりしていかなければいけないなと思いますし、今、引継ぎの文脈でおっしゃっていただきましたが、引継ぎということは、より良くそれが、ほかのところの事業がほかのところに移ればより良くなるという、そういう意味も当然含んだものであり、是非、その事業引継ぎセンターのマッチングの在り方というのも、それぞれの承継するところと譲り受けるものの本来持っている価値がくっつくことで更により価値が生むというようなマッチングの在り方も更に追求をしていただいて、中小企業連合による更なる日本の元気、構造改革というところも視野に入れてまた制度をつくっていただきたいというふうに改めて思っております。
残りのお時間を使って、あともう一つ、もう二点ほどだけちょっとお伺いしたいなというふうに思うんですが、午前中の参考人の質疑でもちょっと出ました産業革新投資機構、こちらについてであります。
産業革新投資機構についてでありますが、この投資について、私も松田参考人にも同じような問いを実はお願いしたんですが、松田参考人のお言葉からは、事業の評価についても包括的長期視点でというようなお話がありました。
その上で、私、政府の方にもお伺いしたいんですが、やはり産業革新投資機構による支援の成果というのを事後検証するためにも、それぞれの個別案件についての検証というのもやはりしっかりしなければいけないというふうに思います。その検証をした上でそれを後に生かしていくというこのサイクルをつくる、そういう前提を込みで午前中の松田参考人は総括長期的視点というようなこともおっしゃったんだなという理解もしているんですが、政府として、この産業革新投資機構の支援成果を事後検証するための情報開示の在り方というのはどのようにお考えかをまず答弁いただきたいというふうに思います。

○政府参考人(糟谷敏秀君)
 産業革新機構は、国からの資金が投入されているわけでございますから、情報開示が適切に行われることは非常に大事であるというふうに考えております。
これまでの情報公開については、毎年度の事業報告書でありますとか、個別案件の支援決定ごとの記者会見やプレスリリース、また、半年ごとに機構全体の投資活動や収支の状況、一部個別投資案件の損益等に記者会見を行っているということをやってまいりました。個別案件の損益等については、個別企業の投資対象企業への影響ですとか、譲渡先の検討に際して一定の制約が生じる可能性があることなども踏まえて、なかなか一律に開示、全て開示というわけにはいかず、慎重に判断されるべき面もあるというふうに考えております。
ただ、その中でも最大限の積極的な情報開示を行うべく、本年から株式売却案件の開示項目を見直しをいたしまして、過去の株式売却案件の全てについて新たな項目での開示を行うとともに、IPO銘柄とか譲渡先企業が開示を行っている場合は、これは個別案件ごとの損益についても公開されておりますので、こういうものについてはしっかりと公開をすることにしておるところでございます。
経済産業省としては、積極的な情報開示を行うべく不断の見直しが行われるよう適切に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 引き続きよろしくお願いします。
午前中の参考人の御意見は、そういう部分でも非常に参考になるような御意見だったと思います。参考人の御意見に応じた形での開示というものも是非引き続きお願いしたいなというふうに思います。
最後、ちょっと大臣にお伺いしたいというふうに思います。この産業革新投資機構による投資に対して政府の関与をどういうふうにすべきかという御視点をちょっと最後お伺いをしたいなというふうに思います。
午前中、松田参考人からは、この革新投資機構、投資機構となりますけど、投資機構による投資について、まず、やはり長期資金というものは不可欠だと、長期資金をしっかり出し手を確保するということは非常に重要である、そしてその長期資金の担い手としての機構の在り方については、やはり民業圧迫ではなく民業強化の誘い水になるようにというような御視点がまず一つございました。そして、先ほども申し上げた急激な資金の変動に対しての資金の出し手として期待をされているということであります。
こういった参考人の御意見に対してもし御所見があればお伺いしたいのと、今回の法の立て付けでは、投資基準というものが、まず産業革新投資機構が準拠するものである、これがどのようなものを想定されているのか。
そして、問題意識としては、私は、これ、時代の変化の速度は非常に速いわけであり、政府が投資の基準というのを非常に決めることもいいんですが、それが余りに硬直過ぎるとかえってこういう大きなダイナミズムを妨げてしまうことにもなり得るのではないかと。そこ辺りのバランスをどのように取られるのかという文脈から、政府の関与をどの程度にすべきかということを、最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 この産革機構というのは、幾つかある官民ファンドの中の一つであります。日本ではなかなか投資ファンドがしっかり育たないという中で、この官民ファンドという形態で、まさに民間の投資の呼び水になるという思いで幾つか官民ファンドが設立をされてきたんだろうというふうに思います。
ただ、官民ファンドというのは、非常に性格が分かりにくいんですね。国のお金を扱っているものですから一つたりとも失敗は許されないんじゃないかという考え方もあれば、あくまでも投資運用機関なんだから、多少の失敗があってもうゼロになっちゃうようなものがあっても、全体としてポートフォリオがちゃんと組まれていて一定程度の利回りが確保されていればいいんじゃないかという考え方もある。一方で、やっぱり官がやっているんだから民業を圧迫しちゃいけないし、そして、実は、目的はもうけではなくてやはり政策目的の方であって、多少損が出ていても掲げた政策目的がしっかり達成されていればいいんじゃないかとか、いろんな少し見方があって、この官民ファンドの考え方というのは、非常に私、これ官房副長官時代からずっと悩んできて、どういうふうにやればまともなものになるかというのをずっと取り組んできているんですけれども、そういう中で、産革機構をできる限りきちっとした民間の投資機関と同じような立場のものにしていきたいというのが今回のガバナンス改革です。
しかし、一方で、官民ファンドとしての性格はしっかりと踏まえて、政策目的を外されては困るというふうに考えておりまして、このまさに政策目的の達成というのがこれが投資基準であります。これ、民間のファンドであればいわゆる運用方針ということになるんだろうと思いますけれども、政府の政策目的を踏まえたこの投資基準というのをしっかり決めていくということにさせていただいたわけであります。
しかし、それが過度に投資判断を縛るというようなことになってはまたファンドとしての活力を奪うことになりますので、この投資基準が定める事業分野については、余りがちがちの事業分野を絞るのではなくて、重点的に政策対応が必要な分野をある程度幅広く領域を示すという形にしていきたいというふうに思います。
また、投資基準も一回決めたら終わりではなくて、動きの速いビジネスの世界ですから、これ適宜見直しを行っていくということも極めて重要だと思っておりまして、毎年度機構が行う実績評価の報告を踏まえて、必要に応じて投資基準を変更するというのも定めさせていただいているところであります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
この前ちょっと中国へ行ってきて思ったんですけど、ちょっと前までは自転車のシェアリングとかも日本でも話題になっていたんですけど、今中国に行ったら、もうその辺りはもう完璧に市場が固まって、もう次に新しいビジネスの方に話が向いている。どんどん、ちょっと前まで話題になっていたものがもう既成のものになって、今度はまた更に革新的なものをという形でいろいろ動いている、本当に時代の速さを感じました。これにしっかり合わせていくためにどうすればいいかという官民一体の動きはやはり重要であるかなと、その上で、今大臣がおっしゃった視点が本当に大事かなと思っております。
そういうバランスの観点も踏まえて、民業強化の誘い水としてのファンドというところはいい言葉であるかなというふうに思っておりますので、是非そういう形での運用をお願いしたいことを申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】経済産業委員会(生産性向上特別措置法、産業競争力強化法案審査)_20180515

2018-05-15 矢倉かつおチャンネル

196回 経済産業委員会

2018-05-10 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 おはようございます。公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
法案に入る前に、先ほど吉川先生が質問されたソーシャル・インパクト・ボンド、私も前回質問させていただいたんですが、大変重要な取組であるかというふうに思っております。是非、経済産業省が有力な動力の一つとなって、政府全体の取組として更に進めていただくことをまず大臣に御要望を申し上げたいというふうに思っております。
その上で、本日、法案の審議でございます。生産性向上特別措置法と産業競争力強化法でありますが、私からは、特に生産性向上特別措置法上のまた規制のサンドボックスについて、また議論をさせていただきたいというふうに思います。
まず、大臣の規制一般についての御認識をお伺いしたいなと。といいますのも、主に経済発展という文脈で規制を語るときには、いろんな規制の捉え方、様々あるわけですけど、極端な見方をすれば、規制というのは存在そのものが悪だと、これがなくなればなくなるほどいいんだというような御意見も一部はやはりあるかなというふうに思っております。ただ、私は、やはり時代の変化に応じて更に規制が必要になる部分もあり、残さなきゃいけない規制も当然ある、そのバランスの上でどういうふうに規制を変えていくのかというバランス感覚も必要かというふうに思っております。
先ほどのような規制は悪だという感覚は私は間違えていると思っているんですが、その辺りについて、大臣の規制一般についての御認識、お伺いしたいというふうにまず思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 私も、規制がもうそのものがすなわち悪だという立場には立たないわけであります。これは、経済の発展の歴史の中で、やはり市場原理に任せていただけでは世の中大変なことになるということが起こってきたわけですね。古くは独禁法なんかもそういう考え方から出てきている。あるいは、資本家と労働者の関係においても、これ市場原理に任せていると労働者はどんどんどんどん搾取をされていく、資本を持っていない労働者は搾取をされていくということでいろんな労働の規制というのが掛かってきた、そういう歴史があるわけでありまして、規制というものについては、基本的には国民の安全ですとか健康の確保ですとか、あるいは現代的なテーマでいけば環境の保全、こういった目的のために整備をされるものであって、こういったものを達成するためには、規制というものは一定程度必要だというふうに思っています。
ただ一方で、この規制というものも時とともに移り変わっていく、場合によってはやはり古くなってしまうということもあるんだろうというふうに思っています。特に、もう長い間余り見直されることなくずっと続いてきた規制の中には、もしかすると、従来の手法ではなくて、規制が成立した時点で想定されなかったような革新的な技術を利用することで、その規制が本来目的としていた国民の安全とか健康の確保といったことを別の方法でより一層適切に達成することができるものもあるというふうに思っています。
特に今、今ある規制の中にはインターネットを前提にしていないものなんというのはたくさんあるわけでありますし、この第四次産業革命という中で、国内外の技術ですとか情勢変化のスピードが物すごい勢いで増している中で、この日本が豊かで活力ある国であり続けるためには、規制の見直しとか規制の改革というのはやはり不断に続けていかなければいけない、時代に適合した規制の在り方というものを常に模索をしていかなければならないというふうに考えております。
特に、この新しい技術と規制の関係が今の時代に適合しているかどうかを検証していくためには実社会において実証することが有効だというふうに考えておりまして、この第四次産業革命に対応して、実証データを活用して、規制の緩和だけではなくて、きちっとした、時代に合った制度整備につなげる仕組みであります今回のサンドボックス制度というのも役割があるんではないかというふうに思っています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
大臣に規制一般についてお伺いした後、では、今回の制度の理由はいかんということをちょっと次にお問いをしようと思っておりましたが、大臣が今多く答弁をいただいたので、事務方の方に、今の、私、大臣の御認識を前提にした上で、ちょっと更問い的にまたお伺いしたいというふうに思うんですが。
大臣が今おっしゃっていただいた中で、規制は、古くなった中で、新しい手法によって更にその規制の目的をより一層適切に実現し得る場合があるというお言葉がありました。すごい重要な視点だというふうに私思います。規制が当初できていた、やはり文言ですから、その文言からいろんな解釈が生まれるわけですけど、いろんな時代の変化で当然限定解釈し得るような場合も出てくる。
しかし、それが役所の中で解釈ではグレーとして結局は認められないものだというような運用がある中、一切、そのグレーのところでもちょっと実証をしてみて研究してみようというような余地も今後は出てくるわけであります。そのための制度としての実証であるという、それを繰り広げることで本来目的達成し得るような規制に新たに変わっていくことになるんじゃないかというような趣旨だというふうに私、大臣のお言葉、今お伺いしたところでありますが。
お伺いしたいのは、実証である、それは規制の目的を達成するための実証であって、規制を即撤廃するであるとか、そういうようなことに直につながるようなものではないということ。そういう趣旨で、例えば法律の方も、この十一条の四項なんですけど、主務大臣が最後認定するに当たってですが、その認定要件では、あくまで十一条の四項の三号で「新技術等関係規定に違反するものでないこと。」という、既存の法規定に違反するかどうかということが認定するに当たっての基準になっているわけであります。
この規定を設けている趣旨というのは、あくまで実証イコール即規制の撤廃になるということを想定していない。むしろ、規制の目的を、別途適切に達成できるものであればそういう余地もあるかもしれないけど、そうでなければこれは本来の制度の趣旨には合わないものなんだということを私は前提にしているという理解でおりますが、更問いで恐縮ですが、事務方から答弁いただければと。

○政府参考人(中石斉孝君)
 お答えいたします。
今大臣の御答弁でもありましたように、私どもの基本的な認識としましては、新しい技術が出てきたと、その技術について、これが規制との関係がどうなんであるかということにつきましては、まず実社会で実証を行って、新しい技術と規制の関係を検証することがやっぱり大事じゃないかと。それが、規制といったものがアプリオリにこれが駄目というわけではありませんが、新しい時代に即応した規制や制度の整備につながっていくんではないかというふうに思っています。
今回のこの制度をつくりました背景としましては、今委員からも御指摘がありましたように、新しい技術でありますので、なかなか既存の規制との関係が明確でないということがございました。
例えば、事業者からの声を聞いておりますと、事業者が提案いたしましても、規制所管官庁は新しい技術が必ずしも詳しくない、理解が十分ではない。そして、そのこともあって、担当レベルでは新しい技術と規制の関係がはっきりしないままになってしまっているということでありました。そのために、事業者は、実社会で実証を行おうとしても、なかなか規制官庁の方からこれはオーケーだと、可能だということも言っていただけずに、結果として、これは法令違反になってしまうのではないかということを懸念してしまいまして、国内での事業活動、実証を諦めてしまうと、こういうことが多々あったわけでございます。そして、この実証データというのが国内で得られないということが更に悪循環としまして、規制官庁の方でも、国内で実績がない、実証データがないということで、規制が新しい時代に即応したものなのかということも検証、検討ができなかったということで考えております。
そうした中で、委員御指摘のとおり、今回の十一条の四項三号で規制の法令に違反するものでないことという規定もありますけれども、今回、新しい新技術の実証制度においては、私どもの考えとしましては、期間や参加者等を限定することなどによって規制対象、本来は永続的といいますか通常の事業であるものを対象としているものを、今回、実証というもので一つのくくりをつくって、既存の規制との適用関係では少し考え方を変えて、まずは実証ができる余地がないものかということを探っていきたいというふうに考えているところであります。
そういった中で、今回のさらに制度の趣旨としましては、規制はあらかじめこれはなくすものだとか廃止するものだということでありませんので、やはり適切な措置をきちっと講じた上で、まずは実証を取って、エビデンスを取ってみて、そして議論を始めていこうということでありまして、私どもとしては御理解いただけると思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
エビデンスを取って、そのことに進む目的、ただ、先ほど大臣がおっしゃったように、目的を更に適切に実行できるようなものであるかというところの検証だというふうに私は思っております、改めて。
その上で申し上げたいのは、世間では、やっぱりこの制度が濫用されて、とにかく規制を何でもかんでも撤廃する道具になるんじゃないかというような御懸念があるわけであります。私は、そうではないということを明らかにする上で、改めて安全に対する規制に対するこの関係性というのをちょっと確認したいなというふうに思っております。なぜならば、安全を守るという目的そのものはいつの時代であっても変わらないわけであります。
その上でのことでお伺いしたいのが、やはり先ほども吉川先生がお話があったライドシェアの話、私からも質問をしたいなというふうに思います。
国交省さん、今日来ていただいているわけでありますが、いわゆる白タクの行為というもの、それについて規制をする上で、例えば許可制にしたり、また、タクシー事業者、運行管理や車両整備管理や保険加入を義務付けたりとか、ドライバーを、そのようなことについての規制があるわけでありますが、こういった規制を取っていらっしゃる背景とともに、その中でこのライドシェアというものがどういうふうに評価され得るのか、それについての国土交通省の見解をお伺いをしたいというふうに思います。

○政府参考人(早川治君)
 お答えをいたします。
我が国の道路運送法におきましては、輸送の安全を確保し、道路運送の利用者の利益の保護及びその利便の増進を図るということを目的といたしておりまして、自家用自動車を用いた有償運送については、道路運送法の目的である輸送の安全の確保、利用者の保護等の点で問題があることから、原則として禁止をいたしております。
自動車を使用して有償で旅客運送を行うということに当たりましては、委員御指摘もありましたけれども、運行管理や車両整備管理等について責任を有する者を選任し、運行管理及び車両の整備管理についての措置を的確に実施するといったようなことが義務付けられております。また、運送事業者は、自動車損害賠償保障法の下で、運行供用者として自らの管理下にあるドライバーの起こした事故に関して厳格な民事上の責任を負うということとされているところでございます。
その意味で、自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、今申し上げましたような運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。
したがいまして、国土交通省といたしましては、このような形態の旅客運送を有償で行うということは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えているところでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
特に安全の部分というもの、特に車両の運行というものについては非常に影響が甚大であり、生命、安全についての影響、仮に一旦発生した場合は非常に大きな影響が起き得る場合であるかなというふうに思っております。
仮にこの法案の前提で関係する人の同意を得た上で実証しても、外に出て運転をすればその同意外の人にも損害が及ぶ場合もあり得る。その中で、一般の比率に基づいた損害だけで済むかというような話もある。例えば、生命保険とか損害保険等では金銭的な保障は得られても、それはあくまでも損害の一部にとどまっているものであって、事故によってはもう精神的な打撃とか生命的な損失についての保障はしようがないというような、そういうリスクは幾ら実証であったとしても仮に起きた場合は起こり得るものではあるというふうに思います。
そういう中で、仮に実証であったとしても、規制を緩和するという形であったとしても、このような生命、安全の分野について安易に規制を緩和するというような方向でこの実証が運用されてしまうのは非常によくないなというふうに私も思っておりますし、その部分をしっかりと担保する形での制度の運用をこれから考えていかなければいけないし、そうあるべきだという今理解で改めて思っております。
その上で、先ほどの話の質問にも戻りますが、私の意見としましては、このような、元々本制度は、規制の目的が更に適切に運用されるためには新たなチャレンジが必要だと、そのための実証としてはいいかもしれませんが、安易な実証によって規制の目的そのものが没却されるような運用であってはいけない。とりわけ、安全性やそういうものを配慮をするための規制というものは、しっかりと守られるべきことを慎重に守った上で運用しなきゃいけないという前提に立った上で考えなければいけないなというふうに思っております。
そういう観点から、特にこういう安全の部分に関しては、主務大臣が事業者の申請内容が規制法令に違反していると例えば判断した場合は革新的な事業活動評価委員会の意見を聴く前提にはなっておりますが、その意見を聴く形は取った上で、さらにはやはり認定しないと決めた場合はこれが最終判断になるという理解でおりますが、この辺りについての経産省の御意見をいただきたいというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 実証に当たりまして生命や身体の安全が重要というのは確かにおっしゃるとおりでございます。また、その実証に当たりましては、委員御指摘のとおり、事業者に対し、参加者の同意を得ること、実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を求めております。
それで、主務大臣が新事業等実証計画の認定を判断する際、法律では革新的事業活動評価委員会の意見を聴くとなっておりまして、委員会は経済全般に及ぼす効果に関する評価を行って、主務大臣はこの評価委員会の意見を聴いて判断するとなっております。
主務大臣は、この評価委員会の意見を聴き、そしてそれを尊重する義務はありますけれども、申請内容が規制法令に違反しているかという判断する場合においては、第十一条四項の認定要件を満たしていないものとして当該計画を認定しない旨最終決定を行う権限を持っておりまして、最終的には主務大臣の御判断ということになります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今お話がありましたとおり、最終的にはこの十一条四項、先ほど、冒頭申し上げました十一条四項、「新技術等関係規定に違反するものでないこと。」という認定要件に基づいて主務大臣が決定をし、そしてそれが最終判断となるということであります。そういう部分での主務大臣の権限というのは侵されない制度であるということを今確認をさせていただきました。ライドシェアの問題についても、その制度の前提で適切に是非運用をいただきたいことを改めて御要望を申し上げたいというふうに思います。
質問はこれで終わりにしたいというふうに思いますが、残りの時間を使って一つだけ。
他方で、やはりこの制度の有用性というのは非常に重要でありまして、私、この前まで中国に少し行かせていただきましたが、改めて向こうのモバイル決済の進展の早さというのは実感もいたしました。いろいろお話を聞いている限りでは、一年間であのような形で進展をしたという話も聞きました。
大使館の職員の方にもいろいろ聞いたんですが、二〇一六年段階ではこういうモバイル決済に対応するような形を取っていたのが百人中三人ぐらいだったのが、その後の一年間でもうこれ対応するような形での動きをしない限り社会で生きていけないような形になり、結局、大使館の方の百人中百人がみんなモバイル決済で対応するような仕組みを自分としてもつくらなければいけないというようなことになった、それぐらい社会が動いていくと。
こういう社会のすごいスピードの中で、中国とは法体系がやはり違う我が国としては、社会への実装をどうやって安全にやっていってこの経済競争を勝っていくかという悩みはやはりあるかなというふうに思います。そういった悩みの中でこの制度が是非しっかりと運用されて、経済発展にもしっかりつながることをまずは御期待を申し上げたいというふうに思います。
最後、あともう一点だけなんですが、固定資産税ゼロの特例についてでありますが、御案内のとおり、これ市町村が議会で条例を作らなければいけないものであります。私が把握した限りですと、議会が、地方自治体のうち大体半数以上はもう六月一日から六月八日までが開会日となっている。すぐに開会をしてその六月議会の間に条例を作らなければいけないというようなスケジュール感で、それが運用されて初めてこの法律がしっかり津々浦々に、日本全国に広がっていくものになっていき、中小企業の事業者の利便性にもつながっていくということであります。
こういうスケジュール感もにらみながら、是非しっかりと、その後の運用の在り方等も経済産業省にしっかり御検討いただくことをお願いを申し上げまして、この点についてはまた次回、必要であれば御質問することも改めて申し上げまして、私からの質問にしたいというふうに思います。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】経済産業委員会(生産性向上特別措置法、産業競争力強化法等法案審査)_20180510

2018-05-10 矢倉かつおチャンネル

委員会質問より(実証試験に挑戦しやすい仕組みに)

2018-04-20 ニュース

公明新聞:2018年4月20日(金)付

19日の参院経済産業委員会で公明党の矢倉克夫氏は、企業が現行法の規制を受けずに新事業の実証試験を行える「サンドボックス」制度について政府の見解をただした。

矢倉氏は、企業がイノベーション(技術革新)を起こしていく過程には、試行錯誤が欠かせないと指摘。「失敗した場合でも、再度、挑戦できるプロセスが必要だ」と訴えた。

経産省の中石斉孝大臣官房審議官は「(制度の利用を)何度でも申請することを妨げない」と述べた。

196回 経済産業委員会

2018-04-19 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
まず、法案に、質問に入る前に、大臣に、今朝方記者会見がされておりました日米首脳会談につきまして、この受け止めと、貿易問題についての大臣の御所見をお伺いしたいなと、日米間の。
記者会見、最後質問のところでトランプ大統領に対して、特に日米間の貿易の在り方について質問があったことに対してのお答えで、二度ほどやはりTPPのようなものは個人的には意にそぐわないということをおっしゃった上で、トランプ大統領としては二国間ということを強調されて回答をされていらっしゃった記憶です。それに対して安倍総理が、自由で公正なルールが必要だということを強調されていらっしゃったわけであります。
大統領は、特に二国間のところでおっしゃるのは、日本に対してはやはり貿易赤字というのが非常に問題だということもおっしゃり、また貿易障壁というものもおっしゃった上で、このようなことをおっしゃっていたわけでありますが、やはりこのそれぞれの貿易赤字どうかというところ、相手から勝ちか負けるかというような判断だけの思考で貿易を語ると、やはり保護主義と言わざるを得ないところでもあり、そういう姿勢で例えば二国間でFTAというような動きになってくれば、これはしっかりと拒否すべきであるし、それを通じて自由貿易というものの重要性、公正で自由なルールを作るということについて日米共同すべきだということをしっかりとまた訴えていく必要性が改めてあるなと感じたところでありますが、この点について大臣の御所見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 まず、今回の首脳会談では、安全保障面だけではなくて経済面でも日米の協力関係をより強固にしていくため、率直で有意義な議論が行われたというふうに承知をしております。
日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大をさせていく。その基盤の上に公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現させるため、今回、安倍総理とトランプ大統領との間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールというんですかね、を開始することで合意をしたというふうに承知をしています。
この協議、FFRTDは、双方の利益になるように日米間の貿易投資を更に拡大をさせて、公正なルールで基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するため、米国に対して日本としてはTPP復帰を働きかけることも含めて、具体的方策を議論していくことになるんだろうと思います。
今御指摘のように、アメリカ側が、トランプ大統領が二国間のディールに強い関心を持っているということは我々も十分認識していますけれども、いずれにしても、日本としては、TPPが日米両国にとって最善であるというふうに考えておりまして、この辺は今日の記者会見でも少しお二人の考え方に開きはあるわけですけれども、こういった立場を踏まえた上で議論にしっかり臨んでいきたいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 二国間の協定は当然必要でもある部分もあり、他方で、それが相手から何かを奪うための材料として二国間協定を進めるというような姿勢で仮に進められるのであれば、やはりそこは違うなと。
今おっしゃっていただいたとおり、多国間協定、その根底には、双方で利益が生まれる、そういう秩序をつくることが貿易秩序にとっても非常に重要だというような考えがあるかというふうに思います。それをまた日米信頼関係ある中でしっかりとお訴えをして、当然向こうも理解はされているわけでありますが、更にその理解を加速するように御努力をいただければというふうに思っております。
それでは、法案の方に入らせていただきたいなというふうに思います。
まず、生産性向上特別措置法案につきましてでありますが、規制のサンドボックスについて、こちらの狙いについて、まず総括的なところでやはり大臣にちょっとお伺いをしたいなと。
二点ほど確認したいというふうに思うんですが、この狙いなんですけど、当然ですけど、一点目は、私の感覚としたら、この規制の在り方を変えていく実証実験というところもあり、その上で、これはやはり役所の規制に対する行動原理というものがどうしても硬直的で、なかなか変わらない場面もあり得る。それを打ち破っていく、イノベーションを起こしていくようなときに妨げになるような行動原理があれば、それを変えていかなければいけないなというところが一つあるかなと思っています。
ちょっと私個人の経験で大変恐縮なんですけど、弁護士をさせていただいたとき、企業法務とかで様々動いていたこともあるんですが、特に金融商品など、様々な提案がクライアントからあってそれを検討する、金融商品に限らずいろんな事業についてもそうなんですけど、そういうときに役所の方に持っていくと、法令、法律だけじゃなくて政令であったり省令であったり、時には、かつてこういう局長の通知がありますと、それだけで全てが止まってしまうと。いや、この背景には、こういう通知の背景にはこういう事情があるんだけど今はこういうところは変わってきていますよと、こういうふうに言っても止まっちゃう、あるから駄目なんですと、そういうような形にやっぱりなってしまうと。
法律とか政令それぞれは、当然ですけど、そのときに作られた立法事実があるわけですけど、時代が変わればその立法事実も変わっていって、その上で柔軟に立法事実に合うような法律の解釈であったりが必要なんですが、やはり役所のサイクル、人事の異動のサイクルも含めてですけど、どうしても、まず新しいことをやると、後で何が責任が起きるかというところで分からない。それであるから駄目なんですというような回答にやはりどうしてもならざるを得ないなと。
そこをしっかりと変える、風穴を空けるという意味合いも込めて、規制の在り方と、また、日本の役所が真面目であればあるほどそれに対して硬直にならざるを得ないような部分に対しても、ある意味、役所としても動きやすいような環境をつくる、そういう意味合いで一つ今回の狙いがあるという私の理解であるんですが、その点についてまず大臣の御所見をいただきたいなというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 まず、基本的に、本当に簡単に基本的な考え方を述べますと、やはり事業ということになってしまうと、役所は規制の立場からいろいろ身構えてしまうという点があるわけであります。
ただ、今、どんどんともう今の規制が追い付いていかない新しいアイデアが、どんどんビジネスのアイデアが出てきているものですから、今回のこのサンドボックス制度の一番のポイントは、事業ではなくて実証と位置付けることによっていろんな規制の網が掛からないというか、もちろん安全とか人体に関すること、人身に関することというのは当然きちっと見ていくわけでありますけれども、そういうことを前提にしてチャレンジをするというのが基本的な考え方だと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
その実証というところの部分で、例えばグレーゾーン解消制度や新事業特例事業との違いというものがあるわけであります。従来であれば、例えばグレーゾーンであれば、こういう事業者はこういうことをやりたいけど、これはグレーですけどどうなのですかと問いをするわけですけど、それに対しては、いや、駄目ですよ、これは結局グレーのまんま白とは言えませんということで終わってしまうと。そういう部分をしっかりと空けるために実証という概念を今おっしゃっていただいたんですけど、更にもう一歩動けるような仕組みとして今回取り入れられているという理解でいるんですが、ちょっと改めて大臣からまた。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今までも、いろいろとこういう新しいビジネスに使ってもらえる制度というのを導入してきているんです、今御指摘のとおり。
ところが、やっぱりそれぞれ短所がありまして、まず、グレーゾーン解消制度は、これは事業をもうそのまま継続的に実施することを前提になるものですから、規制法令の適用関係を確認する制度ということになってしまいまして、規制所管部局は、個別案件の回答に関して非常に慎重になるという傾向があったわけであります。
もう一つ、事業者が企業単位で規制の特例にチャレンジする新事業特例制度というのもありました。ただ、この制度においては、逆に事業者が規制の特例措置の整備を求める場合、規制を緩和しても安全性などの規制の目的を達成することが可能となる規制の代替措置というのが必要になってきまして、ところがその代替措置がこれでいいのかどうかというのを検証するための実証ができないということで、なかなか検証が進まないというようなケースがありました。
こうした課題を解決するために、今回のサンドボックス制度では、グレーゾーン解消制度によって規制の適用対象となると判断をされたり、あるいは新事業特例制度において規制の代替措置を整備することが困難な案件であったとしても、期間や参加者などを限定をして実証という整理をすることで、規制が適用されない環境下でスピーディーに実証プロジェクトを実施することを可能としました。この実証で得られた情報を活用することで、エビデンスに基づく規制の特例措置の検討を加速することができると考えています。
このため、特に新事業特例制度と一体的に運用することで規制の特例措置の求めも今後増加してくるんではないかと相乗効果を期待しているところでございます。

○矢倉克夫君
 今、規制、期間であったりそういうのを限定した上で実証をする、それをすること、そういう枠組みをつくることで、従来の制度であれば規制官庁とかがどうしても慎重にならざるを得なかったところを一歩進める動きにも後押しもするという、それをまたやってみて、とにかくデータを集めて、それが広がるというようなことが立証されれば更に新たな一歩に進むなと。まずはやってみるという枠組みをつくることで関係者の合意も、これは規制官庁も含めた合意を得やすいような環境をつくって先に進めるというような仕組みであるというふうに理解もさせていただいたところであります。その趣旨にのっとって制度もありようまた考えなければいけないなと思いますが。
もう一点だけ、大臣、済みません、お伺いしたい趣旨の狙いのもう一つなんですが、他方でいろんな規制というものがあるわけでありますが、安全や安心などに対する規制というものも含めて、やはりあり得べき規制というものは当然あるわけであります。この制度の狙いが、規制緩和というところが一つ旗頭になるかもしれない。ただ、規制というものは、まず緩和する、規制イコール悪であって緩和するというようなベースに立っているものではなくて、イノベーションというものを起こす上でどうしても妨げになっているような規制、またその運用がある、それに対して一歩踏み出して新たな展開をできるような、関係者の合意に基づく行動が生まれるきっかけとなるようなものとして行われているという理解であります。
要は、規制を緩和するということが主目的といいますか、規制緩和イコール善、規制緩和が必ずやらなければいけないという前提の下でやっているというものではないという確認だけは取りたいというふうに思いますが、大臣からお願いします。

○国務大臣(世耕弘成君)
 当然、これは実証計画の認定という部分があります。そこにおいて主務大臣からきちっと規制法令に違反するものでないかどうかというチェックは行われるということになろうかと思います。特に、生命とか身体の安全に関わるような部分についてはそういったチェックが行われることになるんだろうと思います。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
それでは、具体的な制度の在り方について一つ一つちょっとお伺いをしたいなというふうに思っておりますが、今回の規制のサンドボックスの枠組み、こちらは事業者が計画申請して主務大臣が認定をするわけですけど、その主務大臣の認定に当たっては、内閣総理大臣が任命する委員によって構成される評価委員会、こちらの意見を聴くというようなことになっております。
この評価委員会の人選であります。また、人数はどの程度のものを考えているのか。とりわけ、どういう人がこの任に当たり得るのかというふうに制度上なっているのか、御答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今御質問ありました革新的事業活動評価委員会は、主務大臣が実証計画の認定に際して専門的かつ客観的な観点から実証計画の経済全般への効果に関する評価を行い、主務大臣に対して意見を述べるために内閣府に設置するものでございます。
評価委員会では、個別の実証機関において実証しようとする新しい技術やビジネスモデル、これについてその革新性や実用化の可能性を踏まえ、その実証が経済、産業、イノベーションといった日本経済様々な側面に及ぼす影響を評価することを想定しております。
そうした中で、委員会の委員は、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することとしており、委員会の主管である内閣府の長として内閣総理大臣が任命いたします。
人選につきましては、委員により代表される意見、学識経験等が公正かつ均衡の取れた構成となるよう留意することとしておりまして、また人数につきましても、審議会等の整理合理化計画に基づきまして、おおむねこういう合議体は二十名以下となっておりますけれども、それに従っての人数を考えたいと思います。
こうした手続を通じまして、規制所管大臣を含む主務大臣のより適切な判断に資するとの評価委員会の設置の趣旨を反映する委員構成としまして、内閣を中心に政府一体として新事業等実証を促進し、規制をより合理的かつ限定的なものへと見直していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっと関連して、私としては、先ほど申し上げたように、この役所のやはりどうしても先例であったり、また人事サイクルも短い期間で、どうしても一つ一つについて専門性を確実に確認した上で元ある規制について運用するというようなことがし切れない場合、そういうときに現場とのいろいろ交渉で役所の中では規制があるというその事実だけで全てがはねられてしまうというようなことはあってはいけない、それがイノベーションを壊してはいけないと。
そういうのを打破するための制度として考えると、委員というのは、この規制それぞれの立法趣旨であるとかそういうこともしっかり専門的に理解をして、役所に対してもある意味権威を持って柔軟な対応ができるということを説得力を持って言えるような人でなければいけないかというふうに思っておりますが、その辺りをどのようにお考えでしょうか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 先日の衆議院での参考人質疑でもそうでありましたが、確かに公務員の人事を考えますと、二、三年で替わってしまいまして、やはり専門的な知見を民間レベルで持っている方はなかなか難しいということでありまして、その観点から、この評価委員会におきましては、やはりその技術なりその分野において非常にお詳しい方をお呼びして、その方がこれまでの動向あるいは海外の動向、様々なことを御覧いただいた上で御意見をいただこうというふうに思っていまして、行政庁の判断と、それからその専門的な知見というのをぶつけて調整していきたいというふうに考えています。

○矢倉克夫君
 そういう行政の判断とのいい緊張関係みたいなのが生まれるような人選はやはり重要かなというふうに思います。
その上で、制度の在り方として、次に、その委員会としては勧告、これできるわけであります。内閣総理大臣を通じた勧告ということでありますが、この勧告はどういった場合に行われることを想定されているのか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 評価委員会は、法案第三十二条第二項において、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果、評価というのは先ほど申し上げたとおりでございます。その権限に属された事項に関して、内閣総理大臣を通じて主務大臣に対し必要な勧告をすることができるということの御質問です。
その勧告につきまして、行われる場合としましては、個別の計画申請されたものによって様々な場面が想定されますが、例えば、主務大臣が新技術等実証に関する規制の特例措置や新技術等実証計画の認定の判断に際して、評価委員会の意見を踏まえて判断を全く行っていない場合、あるいは必要以上に検討に時間が掛かってしまって、スピーディーな事業展開をする事業者の方のなかなかニーズに応えていないような場合が考えられます。
勧告が行われた場合には、主務大臣は勧告に対してこうした措置について評価委員会に通知することとしておりまして、制度運用における透明性を確保しながら主務大臣が説明責任を果たすことを促すことができるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっとまた関連で恐縮なんですけど、もう全く委員会の意見に対して、何でしょうかね、この委員会の意見に対して全く納得をしていない、行っていないとおっしゃった。そういうもの、その辺りが、例えば、当然ですけど、主務大臣などもその規制の中では残すべき立法事実がやはりある、規制というものがある。そういった主務大臣としての判断の下での意見に従わないという判断もあったわけでありますが、その中で勧告、全てに、意見に従わなければ勧告というようなことでないと思うんですけど、もうちょっと具体的に、どういう事象があればということをおっしゃっていただければ。

○政府参考人(中石斉孝君)
 評価委員会の意見を踏まえて主務大臣の方で計画の申請についての審査をしていただくわけですけれども、その際に、委員会の意見を全く無視するといったような極端なケースもありますが、今御指摘のように立法事実がどう変わってきたかという議論、これについての合理的な議論がなされればいいんですけど、全くなされない場合にはさすがに勧告ということがあるんじゃないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 分かりました。ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたとおり、規制の立法事実その他というところから深掘りした議論、意見があって、その上での所管大臣の判断、まれにそうでなければ勧告というような形かなと。やはりそういう規制の趣旨に遡ったそれぞれの合理的な判断の下での緊張感の上での意見であり、また勧告であるという理解であるかというふうに思いますが、そうであれば、これもまた関連で恐縮なんですけど、そういう規制のあるべき姿とかに遡って冷静、客観的に意見を言える陣容でなければやはりいけないかなと。
そういう意味でも、専門的見地から第三者的に公平、中立に客観的に意見を言えるような人をやはり選ばなければいけない。政治的な部分からの独立性というものも含めていろいろ検討しなければいけないというふうに思いますが、委員の独立性というところも何か設計の上で御検討されているところがあればおっしゃっていただければ。

○政府参考人(中石斉孝君)
 審議会その他いわゆる行政組織法第八条の機関といいますのは、行政プロセスの適正化のために置かれる合議体でありまして、そもそも組織の前提として自立的な活動を行うというふうになっております。
今回の評価委員会におきましても委員長を中心としての運営を考えておりまして、委員会としての御判断、それから運営というのをやっていただくというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 委員長中心の合議体の御判断ということで、その合議体そのものも、また一人一人のバックグラウンドその他もしっかりと独立的なものである必要があるかなと。その辺りはまたこれからの制度設計において是非御留意いただければなというふうに思います。
その上で、また更にですが、こういう形で評価委員会の意見も受けて主務大臣がまた認定をされるわけでありますが、この認定について、主務大臣も事業所管とまた規制の所管大臣というふうにいらっしゃるわけでありますけど、このお二人の判断が異なった場合についてはどのようにされるのか、制度としてどのように想定されているのか、現状を御答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 事業者から実証計画の申請を受けました主務大臣は、革新的事業活動評価委員会の意見を踏まえてその計画を審査するということでございますが、その主務大臣のうち新技術等実証などの革新的事業活動に係る事業を所管する行政機関の長、いわゆる事業所管大臣、その事業所管大臣は実証の必要性といった観点から審査を行い、他方、新事業等の実用化に関する規制を所管する行政機関の長、いわゆる規制所管大臣は、法的許容性の観点からそれぞれ判断して当該実証計画を認定することとしております。
仮に主務大臣の間で判断が異なる場合には、まずもって両大臣の間で計画認定に関する調整を行います。こうしたことを含めまして、新事業等実証計画の認定が円滑に進まない場合には、必要に応じて評価委員会が主務大臣に勧告を行うことになるかと思っています。この場合、主務大臣は、先ほど申し上げましたように、勧告に基づきこうした措置について評価委員会に対して通知義務があります。これらの過程を経た上で、更になお主務大臣の意見調整を行う必要がある場合に関しましては、内閣府特命担当大臣あるいは内閣府、内閣官房を交えまして、政府内での総合調整を行っていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 この内閣府特命担当大臣が行うということは法律的にもまだ明記はされていないかと思うんですが、その辺りについては、改めてどういう調整なのかというところもしっかりまた議論がはっきり分かるような形の制度の在り方というのを考えるべきだなというふうに思います。その辺りについて教えてください。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今回の主務大臣という場合の、計画申請、認定する主務大臣は、今申し上げました規制所管大臣、事業所管大臣です。ただ、この評価委員会の設置する場所、内閣府でございますし、この規制のサンドボックス制度の所管大臣は内閣府、内閣府特命担当大臣になりますので、そのプロセスの過程において出てこられるということであります。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。よく分かりました。
それでは、次になるんですけれども、それで実際認定をされて事業が実証されると、その実証の結果について成功した、失敗したというような判断があるわけですけれども、その辺りのこの判断基準というのはどういうものになるのか。
さらに、本来の趣旨からいえば、やはりイノベーションを起こしていかなければ今の日本のビジネス、経済というものは成り立たないというところ、そのイノベーションというのは最初から成功するものでも当然ないですし、その基盤としての実証の結果もあるかもしれないけれども、すぐに成功というような結果が出るものだけが、その後の規制改革がイノベーションを起こし得るものだというふうに断定もできるものでもやはりないと思います。
トライ・アンド・エラーということで、しかも更にトライをするという、その何度も何度もやり取りが必要だと思うんですけれども、失敗した場合でも再度挑戦していくプロセスというのも必要だと思うんですが、その辺り、制度をどのように考えていらっしゃるのか。

○政府参考人(中石斉孝君)
 この制度につきましては、イノベーションを世界に先駆けて進めていくというのがまさに制度趣旨であります。そして、御指摘のとおり、革新的なアイデアについてまずやってみることを許容するということでありまして、当然事業者による試行錯誤を前提としております。事業者が認定を受けた実証計画に記載した目標、実証内容、実証方法に沿って計画どおりに実証を終了したときに新事業の実用化に向けての一定の実績と規制制度に関するデータ、手法を取得することができれば、まずはその当該実証は当初の目的を達成したという意味において成功したというふうに考えております。
他方、実証で得られたデータが当初想定されたものと違っていた、あるいは不完全であった、仮にそういった場合であっても、新事業実用化のための新しい方法論がそこから見付かったり、あるいは規制の在り方というものの新しいアイデアなり論点が出てきたり、そういうことも含めまして重要な情報リソースにもなり得るというふうに考えています。
法制上も運用上も、委員御質問ありましたように、新事業の実証には何度でも申請することを妨げておりませんので、不完全であったとしても、事業者の方には是非ともまさにトライ・アンド・エラーを行っていただいて、そして新事業の実証に挑戦していただきたいということで、今回の制度趣旨は、とにかく失敗にめげずに進めていくということが制度趣旨でございますので、その点、運用で努めてまいります。

○矢倉克夫君
 是非、事業者の立場からしても、一回失敗したら駄目だというようなことがないということがより積極的なメッセージとなるように、それは、要は、ひいては一回失敗しただけですぐに役所からこれは駄目ですというふうに拒絶されないということ、そういう精神的な、また制度的な安心感というものがより広がるような制度運用でないといけないということだと思いますので、そこは是非よろしくお願いします。
その上で、実証が終了した後には規制の見直しというものも含めて考えるという前提になっておりますが、これはどのような検討体制で行うことを想定されているのか、答弁いただければと思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 今回、この実証制度は、先ほども申し上げましたように、スピーディーに社会実証を行うことで必要なデータを取得するということでございますが、実証終了後は、法案第二十条に基づき、当該制度を所管する規制所管省庁が、新事業等実証での成果を踏まえて規制の見直しを検討し、必要な規制の撤廃又は緩和のための法制上の措置を講ずるということとしております。
また、革新的事業活動評価委員会が中心にフォローアップを行うことも考えられます。評価委員会は、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果について評価することが役割でありまして、実証後、当初の評価どおりにその実証活動がインパクトあるいはそういう波及効果があったのかを確認するということは当然想定しておりますし、そして、そのたびに必要に応じて主務大臣に対して報告徴収を求めることができるというふうに考えております。
このように、この制度において規制の見直しを迅速に行う仕組みを盛り込んでおりまして、経済産業省という立場も含めまして、規制所管大臣、事業所管大臣、様々な所管大臣の間で連携をして、規制の撤廃、緩和、あるいは制度の整備ということで、新しい技術がとにかく実証されて、そして社会に実装されるということを進めていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
所管大臣以外の大臣とのまた連携、調整というのもやはり重要な局面があると思います。そこがまた実効性が持つような形で是非お願いをしたいなというふうに思います。
その上で、最後、もう一つ制度的なことを確認ですけど、計画申請を出すこの一元的窓口、こういう一元化を捨てるということが従来のある意味欠点でもあった、何か新しい事業を起こそうとするとき、規制に直面するといろんな窓口で対応しなければいけない、それだけで時間が掛かるというようなところを克服する一つの手段であるかなというふうに評価もしているところでありますが、この一元的な窓口、この具体的内容について、法案の明記というものがまだ必ずしも明らかでないと思うんですけど、この辺り、どこに置くのか、そして、その機能や体制というのはどういうものなのかをまた御答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(中石斉孝君)
 委員御指摘のとおり、革新的な技術が生まれまして、大変その技術というのが様々な業種、産業、分野横断的でありますし、また複雑であると。そういうことで、新しい技術、新しいビジネスを見た場合に主務大臣の特定が大変困難、あるいは主務大臣とおぼしきところにつきましても複数にわたりまして、その間の手続が大変複雑であるということが今まで事業者からも言われていました。
こういった状況を踏まえまして、この実証をスピーディーに進めるために、事業者の提案を広く一元的に受け付ける窓口を内閣官房に設けることを予定しております。これは、法案成立いたしましたら、私ども、早急に実施のための様々な方針、運用の規則を定めていきたいと思いますけれども、その中で決めてまいりたいと思います。
そして、その一元的窓口におきましては、まず、民間事業者に対して事前相談をきめ細かく行っていきたいと思います。特に、事業者が提案する実証に関係する規制、どういったものがあるのか。特に、事業者からすると気が付かない規制もあるかもしれませんし、あるいは、ある面勘違いをしている場合もあるかもしれません。そういったものについて、私どもの、内閣官房、行政府の職員、それから、今後考えておりますのは、弁護士その他の専門的な方にも御協力いただいて、法的な論点を整理して適切に助言をする仕組みをつくっていって、ある面ネットワークをつくっていって、そういった支援をスピーディーに進めていきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 引き続きまた確認でありますが、この規制の見直しにつなげるスキームとしては三年間というのは短いと思うんですけど、この辺り、短いという御意見もあると思うんですが、この辺りについてまた参考人の方で。

○政府参考人(中石斉孝君)
 まさに集中期間に合わせての三年間というのが今回のこの法律の期限でありまして、対象であります。
この規制のサンドボックスにつきましても、その三年間の中でということでありまして、先ほども申し上げましたように、まずやってみるということ。それから、この対象としている技術分野が大変スピーディーで、半年単位で市場の状況が変わってくるようなものでありますので、恐らく三年でも長いという意見も事業者からあるかもしれません。
私どもとしましては、この三年のうちに次々と新しいアイデアをいただきまして、それを実証し、その結果を、実績あるいはデータというのを集めて新しい政策形成に進めていきたいというふうに考えております。
そういう意味では、私どもの念頭には、実証期間というのは一事業当たり大体半年単位で進めていくのかなというふうに考えておりまして、その半年が終わったところで、先ほども申し上げました法案二十条に基づいて、三年の後ではなくて、三年の期限を待つことなく、随時、規制所管官庁との間で規制の見直しを検討していくということを考えていきたいというふうに思っております。
また、三年たった辺りでどうするかということにつきましては、成功実績の評価やその時点の経済情勢などを踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ちょっといろいろ確認させていただきましたが、またちょっと大臣にお伺いしたいんですけど、これまでの各国の法令ですと、やはりこのような実証実験の制度というのは金融分野のみであったんですけど、日本の特色としては、それ以外のところにも広く適用されるような制度の設計になっているなと。これは政府としても何か狙いがあるかというふうに思うんですけど、大臣としては金融分野以外でどういう事例というのを想定されているのか、もし御意見ありましたらおっしゃっていただければ。

○国務大臣(世耕弘成君)
 御指摘のように、このサンドボックス制度は特に業種を決めておりません。ですから、そういう意味ではこれからいろいろ新しいビジネスのアイデアが出てきてほしいというふうに思うわけです。そういうアイデアが私がぽんぽん出てくるようでしたら、今頃私は政治家なんかやらないで立派な起業家として活躍していると思うんですが、今のところ、幾つか事業者の人に聞いてみて、こういうのができるといいなというのが返ってきています。
例えば、今フリーランスで働く人たちは、仕事のマッチングサイト、個人事業主として働いていて仕事のマッチングサイトからいろんな仕事を受注する、ウエブデザインとかプログラミングとかいろいろあると思うんですが、そういう仕事を受注しているわけですが、例えば受注が増えてくると、もっと高速のコンピューターに買い換えるとかスキャナーを入れるとか、いろいろ投資する資金需要が出てくるわけなんです。このマッチングサイトをやっている人たちはそういう資金供給もやりたいんですが、現行の貸金業法とかあるいは割賦販売法では、与信が前の年の年収をベースにしなければいけないとかいろんな縛りが付いているわけなんです。例えば、前の年、育児で完全にお休みをしていて、だけど、ウエブデザインのスキルがあるのでやりたいと言ってきた人が、なかなか新しいビジネスの拡張のためのお金の融資を得ることができないというような問題点を、このサンドボックス制度でクリアできないかというようなニーズがあります。
あるいは、今、宅配便が非常にネット通販の普及でもう恒常的に配送がいっぱいいっぱいという状況になっています。これを、今の道路運送法では、唯一、年末年始及び夏季等繁忙期だけは自家用車で運んでいいということになっているわけなんですが、これを通常の時期も、例えばラストワンマイル、要するに、宅配会社の集配所からそれぞれの自宅までラストワンマイルを一般人に配送を委託するような、これクラウドデリバリーと言われているそうですが、こういうことがやれないだろうかというようなニーズが上がってきております。
ほかにも、こういう中で面白いアイデアが出てくることを期待したいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 今大臣のお話を聞いていると、ああ、どんどん世界が広がっていくんだなというのを、そのためのいい制度の運用になれば改めてよいなと今実感もしたところであります。人と人、サービスを通じていろんなつながっていく、それが、ただ、規制があって、なかなかそういうイノベーションが妨げられているというようなことを風穴空けるようないい制度として、是非いい形で動いていけばいいかなというふうに期待を持って今聞かせていただきました。
改めて、最後また大臣にお伺いしたいんですけど、この件について最後大臣にお伺いしたいんですが、そういう今おっしゃっていただいたような事例も、一つ一つ、社会の具体的なニーズを細かくしっかり拾い上げて、現場から拾い上げて、何とかアイデアを生かしていこうという発想が生まれるのは、やはり小さな企業であったり中小企業であったり、そういう企業の方が小回りが利いてそういう発想をビジネス化しようという動きになり得る要素は強いかなと。
私は、やはりイノベーションというのは、大きな企業が当然起こすイノベーションもありますが、大きな組織体ではやはり限界がある中で、ニッチな部分も含めてちゃんと拾い上げる力があるのはやっぱり中小企業であり、その中小企業をしっかりイノベーションに結び付けるような動きができるかどうかというのが今後の日本経済にとっては非常に重要であるかなと。であれば、この制度はやはり中小企業がしっかり使えるようなものでなければいけないし、そうでなければこの制度は成功とは言えないのではないかなと。
この事業の展開にしても、そういう点では、中小企業こそこの制度がしっかり使えるような運用をしていくという方向性は、また大臣から改めてお伺いしたいというふうに思うんですが、大臣、お願いします。

○国務大臣(世耕弘成君)
 このサンドボックス制度は、新たにビジネスに取り組もうとしている中小企業ですとか、あるいは独創的なアイデアを持つ個人ですとか、あるいは革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したいベンチャー企業、こういった方々にも幅広く使っていただくことを想定をしているわけであります。
できるだけ多くの事業者や起業家の方に活用してもらえるように、イメージしやすい、まあ今、先ほど私がお話ししたような事例もお示しをしながら、新経済連盟ですとかフィンテック協会といったITベンチャー関連の方々が集まっている団体とも連携をしながら、広く普及啓発を行うこととしています。例えばハッカソン、これ、ハッカーのハックとマラソンの造語ですけれども、ハッカソンのようなイベントを企画して、積極的に案件の掘り起こしを図ることも考えられるというふうに思っています。
また、特に中小ベンチャー企業にとっては、どの規制が自分の今考えているアイデアに当てはめられるのかとか、そういうのがなかなか把握するのが難しいということもありますので、この一元的な窓口、先ほど設置するということを申し上げましたが、こういう内閣官房の一元的な窓口で中小企業、ベンチャー企業の相談にしっかり乗って、チャレンジしようとしているビジネスモデルに合わせた、きめ細かい、寄り添ったハンズオン支援を行っていきたいと思っております。

○矢倉克夫君
 まさに今大臣おっしゃっていただいたとおり、小さなところは、自分たちが考えている発想を自分で実現するために何が障害になっているのかというところがまず分からないというのも非常に重要な視点であると思いますし、その御視点で一元的窓口の方も体制も組まれているというふうに聞いて、改めて心強く思いました。是非、この方向性がうまく中小企業の更なる経済の活性化につながるように、御期待を申し上げたいというふうに思います。
残りの時間を使ってもう一つ、法案の中でのデータの共有の関係をお伺いしたいなというふうに思います。
改めてでありますが、大臣にも以前お伺いしたんですが、このデータの共有、連携のためのIoT投資の減税等の制度の根底にあるのはコネクテッドインダストリーズという概念であるかというふうに思います。いろんな類似概念がある。インダストリー四・〇であったり、ソサエティー四・〇でしたっけ、そういうのもいろいろある中で、そういうものとの違いというものをまた改めて大臣から御説明いただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 特に、これから第四次産業革命、対応していくに当たって、日本の強み、弱みというのを、我々、一生懸命分析をいたしました。
まず、アメリカはやっぱり巨額の資金を持った巨大企業があって、それがばんばん研究開発とか新ビジネスに投資をしている。一方で、中国はやはり一党体制の下で非常にビッグデータが集めやすい。はっきり言うと、個人情報保護とか余り意識しないでがんがんやれるというような強みがある。あるいは、ドイツはこれインダストリー四・〇といって、ドイツは非常にIT産業がシンプルになっていまして、製造業のIT化となると、いわゆる設計のCADレベルから製造工程管理するやつから在庫管理まで、これ一つのIT企業が全部横で押さえている。あるいは企業間の連携になると、これまた別の大きなIT企業が全部押さえている。非常に縦横がシンプルにITの仕組みができていまして、その中にみんな入ってくださいよ、中小企業も入ってくださいよというのがドイツのインダストリー四・〇なんです。
日本は、資金もないし、ビッグデータもなかなか集めにくいし、ドイツのようにシンプルなITシステムになっていないという中で、何が強みなんだろうかと一生懸命考えた結果出てきたのが、やはり現場のリアルデータに質の高いものがある。特に、製造業は中小企業でも最近人手不足の影響もあって製造ロボットのようなものが入っていて、いろんな製造データが生まれてきている。ただ、それがほったらかしになっている。工場にも置いてある、企業の中に閉じているということで、これを全部ビッグデータとして、協調領域のものはできる限りみんなで共有をして、ビッグデータとしてAIで解析していくことによって日本の製品とかサービスの質を上げることができないだろうかということで、このコネクテッドインダストリーズという概念を考えました。
ソサエティー五・〇は、これ経済界中心に、もちろん政府も一緒になって言っているんですが、ソサエティー五・〇を目指す上での産業界の取組が、まさにコネクテッドインダストリーズという整理になるかと思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。非常によく分かりました。
今各国との比較の上で答えてくださったんですけど、私も今までの大臣の御答弁も踏まえて改めて考えると、やはりリアルデータ、これが日本の強みであるなと一つ。今おっしゃっていただいた、バーチャルな世界のデータとはまた違うリアルなデータ、それは現場のいろんな方々の汗水垂らして生まれたところから生まれてくるデータですね、これはやはり日本がほかの国に比べても蓄積があるという事実認定の下でのお話でもあったかなというふうに思いますし、今大臣のお話を聞いて改めて思ったんですけど、ドイツとのつながり、関係で、ドイツの場合は、ある意味数社が一体となってサプライチェーンも全部抱えた上で、その数社がこのデータの管理も含めて全部やっている。その数社が丸抱えの、それが一応強みでもあるかもしれないけど、それは日本的なものではないし、日本はそれ以外の在り方でしっかりデータの連携をして経済成長していくというような思いが背景にあったかなと。
その肝はやはりそれぞれの現場の中小企業。日本の在り方は、中小企業が現場でリアルに取っていったこのデータ、これが中小企業単体として持っているこの姿がすばらしい。それを更に連携していくことがドイツをもしのぐようなデータの連携を生んでいくんじゃないかというような発想に今あるんだなということを、改めて確認をさせていただいたところであります。
そんな中で、今大臣から協調領域というお言葉がありました。協調領域というものの具体的なイメージ、どのようなものなのかということについて、現状で今お答えできるようなものがあれば、もしお答えいただければなというふうに思います。

○政府参考人(寺澤達也君)
 お答えします。
協調領域については、政府があらかじめ一律に指定するものではないということではございますけれども、同時に、委員が御指摘されたように、いろんな企業がお互いに協調領域を特定して、重複投資を避けて必要な競争領域に経営資源を思い切って投入すると、それで国際競争に打ち勝つというのが極めて重要だろうと思っています。
そうした観点から、コネクテッドインダストリーズの重点五分野につきましては、既に主要企業の参加を得て分科会を開催しています。その分科会の中で、どういう分野が協調領域であって、どういう取組が重要かという議論をしているわけですけれども、その中で、これまでの議論の中で、例えば自動走行を行うための地図データ、そうしたものが協調領域になり得るのではないか、あるいは石油化学プラントとか製油所の保安力を向上するためのいろんな保守点検のデータ、そうしたものも同じく協調領域の候補になるのではないかと、こういう議論がなされているところでございます。
今後、まずはこうした取組を、この法案にあります認定計画を通じてしっかり応援していきたいと考えているわけでございます。
ちょっと法律の手続について更に申し上げますと、今後、実際にどういう手続になってくるかと申し上げますと、法律が制定されますと、革新的データ産業活用指針というのを別途策定するわけですけれども、その指針に基づいて様々な事業計画の認定を行っていきます。その認定に当たっては、例えば、対象となる分野において相当数の企業が参画、関与していること、また、新たなサービスの開発等に足る十分なデータが集まると見込まれること、そして、データの集約、活用が社会課題の解決や競争力強化に資することといった視点によって評価を行っていくということになるかと思います。
この認定制度を通じて、委員御指摘にあった協調領域におけるデータ利活用の取組を公的にバックアップするとともに、更なる協調領域の特定、課題を鋭意図ってまいりたいと考えている次第でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
確認ですけど、今最後おっしゃっていただいた手続の流れの中で認定されるもの、それは、今は重点五分野という形で一つ重点はされていますが、当然それ以外の分野でもこの手続にのっとって認められるものはあり得るということは、一応確認だけさせていただければと思います。

○政府参考人(寺澤達也君)
 御指摘のとおりでございます。
まず、重点分野というのは、政府も企業も含めて、まずこの五分野は少なくとも協調領域を特定して取組をまとめましょうということでございまして、この五分野以外でございましても、是非データ連携をしたい、データ共有をしたいという、こういうふうな御提案があれば、この制度はそういうことについても要件を満たせば認定をしていくということでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
じゃ、最後に大臣、ちょっとまた確認したいなと思うんですが、先ほどもおっしゃっていただいたコネクテッドインダストリーズという背景には、ドイツ的なものではなく、やっぱり現場の中小企業それぞれの連携というものが非常に重要。何か主体が限定された、独占した主体がこの概念のプレーヤーとして動くというよりは、多くの中小企業が主体者として入っていって、それが連携していくという枠組みをつくる、それそのものが日本の強みの発揮だという背景理念があるなというふうに思っております。
であれば、やはりこういうITの分野においても、しっかり中小企業が入っていける姿勢、支援というものは更に必要。これが成功するかどうかというのは、この人材の問題にしても、自前で人材が確保できないんであれば、IT人材が、中小企業が、それはほかのところから、ほかの専門家との連携もするとか、そういういろいろやり方があるかと思いますが、中小企業自身がこのデータ社会としっかり対応できるような基礎体力というのを付けることが、支援することがこの理念の成功のためには必須条件だと思いますが、この辺りについて、大臣、中小企業に対する支援がIT活用に向けて必要だと思いますが、大臣の御所見を最後いただければと思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 全くおっしゃるとおりでありまして、中小企業も含めてこのコネクテッドインダストリーズ、協調領域にしっかり入ってきてもらうということが大変重要で、そのためには、やはり中小企業のIT化というのをもっともっと進めていかなければいけないと思っています。
まず、平成二十九年度補正予算でIT補助金を五百億円付けまして、中小企業十三万者のIT化を支援していきたいと思います。ただ、これも全体の中小企業の数から比べると十三万者では小さいですから、そういった中から生まれてくる成功事例をしっかり水平展開していこうということで、中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのをつくりました。これはもう経産省の所管じゃない業界も入っている。例えば理美容とかそういうところも入ってもらって、ここで百万者規模で、こんなIT化をするとうまくいくよということを広げていきたいというふうに思っています。
また、これも同じく平成二十九年度補正予算で、ものづくり補助金、一千億円拡充していますが、その支援対象の中に、複数の中小企業がデータ、情報を共有して生産性向上を目指す取組を支援する企業間データ活用型というものも補助の対象に入れるということをやらせていただきました。
こういった取組で中小企業のIT化をしっかりと進めて、コネクテッドインダストリー、中小企業でも進むようにやっていきたいと思います。

○委員長(斎藤嘉隆君)
 矢倉君、時間が来ておりますので。

○矢倉克夫君
 是非、日本の強みであるリアルデータをしっかり蓄積されてきた、これ今までの中小企業の営み、それが更に強くなる取組として成功されることを御期待申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

【矢倉かつお】経済産業委員会(生産性向上特別措置法案審査)_20180419

2018-04-19 矢倉かつおチャンネル

AI兵器の規制欠かせず

2018-04-13 ニュース

公明新聞:2018年4月13日(金)付

ロス代表(左)と懇談する山口代表(右)ら=12日 衆院第1議員会館

山口代表 国際人権団体代表と懇談
ヒューマン・ライツ・ウォッチのロス氏

公明党の山口那津男代表は12日、衆院第1議員会館で国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のケネス・ロス代表の表敬を受け、懇談した。岡本三成国際局次長(衆院議員)、矢倉克夫参院議員が同席した。

席上、山口代表は、人権や人道上の観点などから、これまで党を挙げて対人地雷の除去やクラスター(集束)弾の禁止・廃絶を推進してきたことを力説。今後も、平和と安全のために一層尽くしていく考えを強調した。

ロス代表は、公明党の活動に敬意を表明。また、人工知能(AI)を搭載することで、自ら攻撃目標を発見、殺傷する「キラーロボット」の問題に言及し、「開発される前に規制、禁止をしなければならない」との見解を示した。

これに対し山口代表は、「キラーロボットの製造や輸出などをできないよう規範を作る必要がある。人道的な立場に立って臨んでいきたい」と答えた。

さらにロス代表は、世界各地で紛争地域の学校施設が、軍事的に利用されている問題にも触れ、その改善に寄与するよう日本の協力を求めた。

町議会だより 日本一

2018-04-06 ニュース

公明新聞:2018年4月6日(金)付

議会だよりについて語り合う佐藤(右)、鈴木の両町議

広報コンクール 17年度最優秀賞
埼玉・寄居町

わが町の議会だよりが日本一に――。埼玉県寄居町議会発行の『お元気ですか 寄居議会です』が、このほど開かれた2017年度の町村議会広報全国コンクール(全国町村議会議長会主催)で、最優秀賞を受賞した。同議会だよりの編集・発行に携わった公明党の佐藤理美(議長)、鈴木詠子の両町議は、「編集に取り組んだ努力が評価してもらえて、うれしい」と喜んでいる。

議員ら地域歩き取材 住民の意見を積極的に掲載

コンクールは、全国の町村議会から議会広報紙を募り、グラフィックデザイナーや国立国語研究所の専門職員らが審査する。評価の基準は、企画の内容が住民の立場で考えられているのかをポイントに、文章・構成やデザインなど、全部で44項目にわたる。

寄居町議会は2008年度に初参加し、14年度に7位、16年度は6位と順位を上げてきた。17年度は279の町村議会から応募があった中、念願の最優秀賞を獲得した。

同町議会は年4回、議会だよりを発行。特徴は、全議員が手分けして地域を取材して歩き、町政に対する町民の声を聴取し、誌面に反映していること。最優秀賞に選ばれたのは、A4判24ページ建ての「17年3月定例会号」(昨年5月1日発行)だ。内容は当初予算の報告を主としながら、町の子育て支援事業に対する「ひとこと」を語ってくれた町民の声を名前と写真付きで載せている。

編集は、議会広報広聴特別委員会に所属する町議が担当。中心メンバーとして取り組む鈴木町議は「家族や友人の顔写真が載っていれば読んでもらえるし、最近はSNSなどで拡散もしてくれる」と手応えを語る。

表紙は、鈴木町議が自ら撮影した幼児の顔写真のアップ。ページをめくると、15人の議員それぞれが予算のどこに注目しているかを写真付きで大きく紹介しているほか、紙面の随所にQRコードがあり、読み取ると町のホームページなどでより詳しく知ることができる。見開いたときの左ページの端には、天地いっぱいに「次のページは○○」という1行案内も記載している。

審査員からは「住民が議会を身近に感じる編集。情報を発信するための表現とチャレンジを、誌面を通して感じる意欲作」「住民に意見を求め精力的に動く“攻めの広聴広報”になっている点が見事」といった講評が寄せられた。

寄居町議会は、昨年6月に議会基本条例を制定。その後、町の各事業を議員それぞれが評価し、10月には次年度予算に向けてまとめた提言書を執行部に提出するなど、議会改革にも積極的に力を入れている。

佐藤町議は「ただ奇麗に作るだけでなく、議会本来の活動をしっかりやっていることが前提であり、それを伝えることが一番のポイント。今後も読んでもらえる議会だよりを作っていきたい」と話していた。

196回 経済産業委員会

2018-04-05 国会質問議事録

○矢倉克夫君
 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
私からは、まず、所信で大臣、経済産業省の最重要課題とおっしゃっていただいた福島の復興につきまして御質問したいというふうに思います。
特に、大臣も所信でおっしゃっていただいた、なりわいの再建というのが非常に重要である、いろいろ産業としての農林水産業の再建というのも非常に重要であるかなというふうに思っております。私も、農水の大臣政務官させていただいた折、もう月に何度も福島の方には入らせていただいて、葛尾や飯舘であったり、また川俣であったり、また南相馬などを回って、少人数の農業者の方といろいろ話もいたしました。
本当に感じたのは、福島の農産品、水産物も含めて、本当に世界一これは安全であるなと。全量全袋検査などをして全く異常もない、そこまでしっかり検査をして安全性がアピールできているのはほかにはないというふうに思います。また、GAPの振興なども、ある意味何とか乗り越えようという思いで、どこよりも早く生産工程の見える化なども進められている。しかし、なかなか売れない、売れるにしても安いというのは、これは安全性に対する理解不足というこの風評の問題だけではなく、やはり流通の問題もあるのかもしれないなという思いにあったところであります。
そんな中、農水省が今回、今日来ていただいておりますが、福島県産の農産物等流通実態調査、これを発表されました。改めてこの内容についてお伺いをしたいというふうに思います。

○政府参考人(小野稔君)
 お答え申し上げます。
福島県産農産物等の風評被害の実態調査につきましては、昨年五月に施行されました改正福島特措法に基づきまして、昨年度初めて実施いたしました。去る三月二十八日に公表いたしたところでございます。
この調査では、福島県内のほか、首都圏、関西圏を中心にいたしまして、米、畜産物、青果物、キノコ、水産物から計二十品目につきまして調査を行いました。調査方法でございますけれども、生産者、卸売業者、小売業者、それから外食・中食業者等に対しましてヒアリング調査を行ったと。それから、消費者に対しましてアンケート調査を行っております。
調査結果でございますけれども、価格水準につきましては、全体として震災前の水準にまでは回復していないということ、それから、消費者からは福島県産という理由でのクレームは現在ほとんどないということ、小売業者からは、一度他の産地に切り替えた米や牛肉等につきまして、福島県産に戻す理由やきっかけが見出しづらいという意見があるといった実態が明らかになっております。
こうした実態に即しまして、福島県産の米や牛肉では品質面で値頃感が強くなっております。外食や中食等の業務用の需要が強まっているということですけれども、仕入価格が固定化するため取引価格の上昇が見込みにくいといった課題も挙げられております。
調査の概要につきましては以上でございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
結論だけで結構なんですが、例えば、消費者の方からも、むしろ福島を応援するために福島県産を積極的に購入するという声もあるという調査結果が出たというのも聞いております。他方で、小売の方は、福島産を置くことについて具体的なクレームがあるわけではないんだが、対応がなかなか難しいということを配慮してなかなか置かないというような結果もあるというふうにお伺いしたところでありますが、それは結論として、報告としてなされていたんでしょうか、そこだけ教えていただければ。

○政府参考人(小野稔君)
 おっしゃったとおりでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今確認させていただいたとおり、この報告から見えてきているところは、いろいろ事情もある中で流通の問題として一つ言えるところは、福島県産であるということ。これは、消費者の方はむしろ福島県産であるということをまた理由にして買いたいというようなニーズは確かに声としてあるんだが、小売業者の方は産地照会を受けた際の説明に苦慮するであったり、仲卸なども、やはり販売先が福島県産以外を希望していると想定しているという、この想定の下でなかなか置かないというような、その辺りもある。
これ、他方で需要はあるわけであります。その需要にしっかり取り組むような流通の動きがやはりない。そこには情報のミスマッチというのがやはりあるのかなと。潜在的需要としてしっかりこういうものがあるんだということを発信して、それを小売等に置いてもらうことで福島県産品の流通というのが非常にまた更に良くなっていくんじゃないかというようなところもあるかと思いますが、その辺りの流通の問題は経済産業省もまた関わるべきところだと思います。
経産省としてどのようにこの辺りのミスマッチを解消されるのか、お取組をおっしゃっていただければというふうに思います。

○政府参考人(松永明君)
 経済産業省といたしましては、これまでも、流通業十団体に対しまして福島県産品の販売促進の要請を実施したところでございます。また、産業界に対しまして福島県産品を取り扱う小売店等の情報提供を行うことで誘客を促進してきたところでございます。
さらに、今回の調査結果を踏まえまして、これらに加えまして、小売、流通業の方々に、消費者の中に是非福島県産品を応援したいという声があるということ、それから、福島県産品を適切に扱っていただくように流通業界の方にも言っていただくということ、こういったことを農林水産省を始めとする関係省庁や福島県と連携しつつ、しっかり説明や要請を行ってまいりたいと思っております。
具体的には、現在、関係省庁や福島県、JA等と福島県農林水産物の風評払拭対策協議会、こういったものも開催をしているところでございまして、まず、こういった場で調査結果を踏まえた対応について議論、検討を進めてまいりたいと、かように考えております。

○矢倉克夫君
 是非引き続きよろしくお願いいたします。私のところにも、福島県産のものを買いたいんだけどどこで買っていいか分からないとか、そういう声も実はあるところであります。そういった声にしっかり対応できるような流通の在り方というのを是非引き続きよろしくお願いいたします。
大臣にお願いしたいところなんですが、この福島県産のアピール、安全であるということも含めてそれを内外に発信していただきたいなと。また、正確な情報の提供というのを大臣のその発信力から更にしていただきたいなというふうに思っております。
私も政務官をやらせていただいたとき、ダボスで行われたWTOの非公式の閣僚会合へ行って香港の高官と立ち話をしたところ、例えば福島の中で今回は帰還困難区域がこれぐらいの割合でとかそういう話をすると、びっくりするような顔するんですよね。福島のエリアの中でどれくらいのパーセンテージかという基礎的なところも知らず、その上さらに、さらに広域な輸入規制をしているという、そういうところからして認識がまず違うのかということを理解をして、びっくりした記憶もあります。
輸入規制の問題もあるわけなんですけど、これは外務、農水がやられているというふうにありますが、この公的な規制のルートを解除するというところとはまた別に、より正確な情報提供というのをオールジャパンでやっていく必要はやはりあるかなというふうに思っております。
是非、いろんなところで海外の方々、特に貿易関係の方とお会いする際は福島のことをまたいろいろと発信していっていただきたいなというふうに思いますが、大臣から意気込みをいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 私も海外の閣僚と会談する機会は非常に多いので、そういった機会を使って福島産を含む日本産食品の輸入規制の緩和、解除を申し入れさせてもらっております。また、総理も必ず首脳会談で、相手が規制をまだ掛けている国であれば必ず申入れも行いますし、目の前で福島県産のミネラルウオーターを飲んだり、あるいは毎日自分は福島産のお米を昼御飯に食べているというようなことをアピールして、風評の払拭に努めているところであります。
おっしゃるように、根源はやはり福島の現状を正確に理解をしていただくということだというふうに思います。もちろん、農産品に関しての誤解を解くということも重要なんですが、福島の現状をやはり正確に理解をしてもらうということが非常に重要だと思っていまして、今、これ高木副大臣時代に作っていただいたんですが、福島の今を伝える動画、DVDを作っています。ネットでももちろん見ていただけるようになっていますが、海外の要人にはそういったものも手渡しながら、是非福島の今の現状を見てくださいということをやらせてもいただいております。

○矢倉克夫君
 是非よろしくお願いします。苦しんでいる福島が一番やはり幸せになっていくという必要あると思いますので、引き続き御尽力を御期待申し上げたいというふうに思います。
じゃ、続きまして、同じく所信でも大臣取り上げられていた、先ほども同僚議員が御質問されていた商工中金の件、お伺いをしたいというふうに思います。
この件、公的資金が投入されている部分でこのような不正があったということは大変残念なことでもあります。大臣も所信でおっしゃっていただいているとおりでありますが、これについてはしっかりと対応をお願いをしたいというふうに思っております。猛省もしていただいた上でお願いもしたいというふうに思っております。
背景には、やはり融資姿勢として量的拡大というところだけに行き過ぎている、それを厳しいノルマや、ある意味パワハラ的な動きで更に後押しをしてしまった結果がこういう形になったのかなというふうに思います。
やはり企業の文化、このビジネスモデルそのものも大きく変えて新しく生まれ変わった組織にならない限り、これは出直しはできないと。猛省をしていただいている部分であり、かなりその上ではこういった組織に生まれ変わるように、大臣のリーダーシップを是非取っていただきたいなというふうに思います。
大臣、所信で、新たなビジネスモデルということで、中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新たなビジネスモデルというふうにおっしゃってくださっております。このビジネスモデルというのは何であるのか、また、それは中小企業が現下直面している課題にどう役に立つとお考えであるのか、大臣からまず御意見いただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 この問題に当たっては、有識者による商工中金の在り方検討会で御提言をいただきました。その提言の中では、例えば経営改善、事業再生、事業承継などに関して支援を必要としている中小企業ですとか、あるいはリスクの高い新事業に乗り出そうとしているけれどもうまく進められない中小企業、こういった中小企業にやはり手を差し伸べるべきだという御提言であったというふうに理解をしています。
その上で、商工中金は、新たなビジネスモデルとして、現状では地域の金融機関が担い切れていない銀行本来の機能である担保ですとか、あるいは個人保証などに頼らない事業性評価による融資ですとか、あるいは事業承継などを含めた課題解決提案型のビジネスですとか、きめ細かい経営支援、こういったことについてしっかりと強化をするということ。更に一歩進んだ先進的な取組として、例えば地域にとって存在していないと困るかけがえのない存在である中小企業の抜本的な事業再生、あるいは資本性ローンなどメザニンファイナンス、そして事業者のニーズを踏まえたMアンドAの仲介、こういったことにも積極的に対応してはどうかという御提言をいただいております。
こうした新たなビジネスモデルが構築できれば、中小企業にとっては、経営上の困難な課題に直面したときに単なる融資ではない手厚い支援を商工中金からこれまで以上に受けることが期待できるんではないかというふうに思っています。
むしろ、今、地域金融は飽和状態なわけです。今回の事案もその中で起こって、結局、危機対応融資を武器として使って、その薄利多売の中で更に薄利で売っていくというようなことをやったのが今回の事案の根本的なポイントだというふうに思っていまして、こんなものは持続可能ではないわけでありますから、商工中金にとっても、やっぱり真に中小企業に必要な支援を実施することが自らの経営を持続可能にできる唯一の道だというふうに考えています。
そして、中小企業がこうやって中小企業にとって付加価値の高い分野に業務を重点化して全面注力することによって、中小企業の生産性向上、成長に寄与してほしいというふうに思っておりますし、また逆に、地域金融改革の先兵となって他の地域金融機関の活性化、刺激にもなってほしいというふうに思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今大臣おっしゃったように、地域の中小企業にとってみたら、もっと金融機関に関わってもらいたいというニーズはあるのに、他方でそれに応えられていない、その上、また地域の金融機関は飽和状態であると。ここをどう突破していくのかという大きな問題の中での問題だったというふうに思います。
今おっしゃっていただいた、様々な業務をおっしゃっていただいた、これ全部今の地域の中小企業にとっては大事な金融機関の在り方なんですが、これは一つ一つ大変高度な技術も必要であるし、専門性が非常に強いものであります。これをやれといってもすぐになかなかできるかどうかというところが大きな問題、それがやれるような組織に変わっていかなければいけないという大きな命題が与えられたというふうに思います。特に、ここ最近は危機対応業務が多くなっていた商工中金でありますが、多くの方は、果たして本当に、こういうふうに言われたけど、商工中金が急にこういうことできるようになるのか、そのための人材の面も含めた体制の組みであるとか、こういうところができるのかというような疑問もあるかというふうに思います。
その辺りについては中小企業庁としてはどのように考えているのか、おっしゃっていただければ。

○政府参考人(安藤久佳君)
 お答え申し上げます。
今大臣が御答弁申し上げました機能はいずれも大切な機能でございますが、おっしゃるとおり、容易な道ではないと、このように思わせていただいております。
他方、先ほどお触れになられました在り方検討会、こちらの検討の中におきましては、多くの委員の皆様方から様々な御意見をいただきました。
例えば、かつての商工中金はこうした分野に地域金融機関と協調しながら取り組んで地域を支えてきたと、そうした姿をもう一度取り戻すべきではないかと、こういった御意見。また、中小企業に寄り添いたいという熱意を持って就職した優秀な人材というものがまだ残っていると、こういう御意見。また、DDSと言っておりますけれども、事業再生の一つの手法でございますが、こういったような事業再生の分野で商工中金というのは先駆者として新しい手法を開発してきた、あるいは事業性評価にも積極的に取り組んできたということで、まだまだノウハウ、実績というものがあるのではないかと、このような御意見もいただきました。したがいまして、大変厳しい道ではございますけれども、先ほどのビジネスモデルを実現するための土台はまだ十分にあるのではないかと、このような期待の声が多くあったわけでございます。
おっしゃるような、こういったノウハウを現実に開花をさせていくためには、外部の人材の最大限の活用、登用というものが必要だということであります。まず、今般、代表取締役として関根新社長が御就任をされました。御案内のとおり、金融実務に精通した地域密着型企業の立て直しのプロフェッショナルということでございます。まさに解体的出直しを託すにふさわしい人物だということで大臣からもコメントをいただいております。また、社外取締役、これは今後、新社長の下で体制をつくっていきますけれども、こちらにつきましても、過半以上を占めるという在り方検討会の御提言に沿った形で抜本的な外部人材の登用を図っていくということだと思っております。また、関根新社長も、幹部クラスだけではなくて一般の行員の皆さんに対しても組織としてしっかりと教育をして、顧客である中小企業の皆様とのコミュニケーションを通じた力をこれからしっかりと付けさせていくと、このようなことも御就任の会見のときに言っております。
したがいまして、大変厳しい道ではありますけれども、今後四年間、ビジネスモデルの確立に全面注力させる、そういった価値と期待は十分にあると、このように思っております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今手元に、私、商工中金が平成十七年に発出したニュースリリースあるんですけど、これ、流動資産一体担保型融資、いわゆるABLですね、これの第一号案件を実行したという動きであります。通常の担保に依存しないで、やはり普通に事業のライフサイクルというのがあるわけですけど、在庫が販売されたら売り掛けになって、売り掛けが回収されたら流動預金となる、それぞれの事業のライフサイクルをしっかり合わせて、そういう事業性に着目した形で融資をするというような取組の一環であるというふうに思います。
商工中金、昔は、こういうことを昔も今もやられていたかもしれないですけど、やはりやるDNAはあるんだなということを私もこれ見て改めて思ったわけであります。こういうところをしっかりとまた生かしていって、事業性に着目した融資、先ほど大臣が先兵というふうにおっしゃっていただきましたが、こういう金融の在り方というのをしっかりと切り開くような大きな組織変革、DNAの変更というものを是非やっていただきたいなと。
今日、金融庁に来ていただいております。中小企業にとっては、地域金融というのが非常に重要であります。それを地域の金融機関が含めた、果たして満たしているのかという問題意識はやはり一般的なものとしてある。それについて、地域の金融機関が果たすべき役割と、それとまた敷衍する形で商工中金が今後果たすべき、どういうところに期待をされているのか、答弁をいただければというふうに思います。

○政府参考人(伊野彰洋君)
 お答えいたします。
地域には、人口減少等といった厳しい経営環境に直面し、経営改善や事業再生、生産性向上が必要な企業が多数存在しております。地域金融機関は、こうした企業の事業内容や経営課題をよく理解し、経営改善や生産性向上といった価値向上につながる有益なアドバイスやファイナンスを提供することが重要であると考えております。こうした取組は、地域金融機関自身にとっても安定的な顧客基盤と収益の確保が可能となり、地域経済の活性化にも貢献することができるものと考えております。
金融庁といたしましては、商工中金が地域金融機関と信頼関係を築きながら連携、協業し、中小企業に対する支援に重点的に取り組むことにより、企業の生産性向上や地方創生に貢献していくことを期待しております。

○矢倉克夫君
 特に格付の低いところの企業にやはり融資は滞っているなと。一般的な数値の部分だけで捉えて門前払いをしているというような金融機関がやはり多いかというふうに思います。そうではなくて、それぞれにしっかりとつながりを持って、どれだけ事業性、成長力があるのかという目利き力をしっかり発揮した金融の在り方というのは、これ地域経済にとっては非常に重要でありますし、是非、金融庁さんといたしましても、地域の金融機関と商工中金がしっかり連携をして、それぞれ競い合うような形で相互にいい相乗効果をもって、地域の金融にしっかりといい影響を与えるような体制を組んでいただければなというふうに思っております。大臣がおっしゃった、先兵としてという商工中金にしっかりまた期待を申し上げ、他方、しっかり監督官庁として是非監督を引き続きしていただければというふうに御期待を申し上げたいというふうに思います。
では、続きまして、ちょっと私、前回の予算の委嘱のときに質問し切れなかったものが一つあるので、それの関連でちょっともう一個質問をしたいというふうに思います。それは、経産省の健康寿命延伸産業創出推進事業というものに関連してでございます。
これ、六億円ぐらいの規模の予算であるわけですが、私、これに注目をしているのが、この中の一事業がいわゆるソーシャル・インパクト・ボンド、社会的課題に向けて民間の投資を呼び込む、それに応じて社会的課題が解決されることで行政コストがカットされる部分があれば、そのカットした分をリターンとして投資家の方にお戻しをするという、そういう民間資金を使った社会的な課題の解決という、こういう取組が含まれております。日本ではまだ例は少ないところでありますが、私としても是非これは成功をいただきたいというふうに思って注目をしております。
特に今、経産省さんが関わられている分野では、神戸市と八王子市の二つの事案があるというふうに理解をしておりますが、まず、その事案の概要について御説明いただければというふうに思います。

○政府参考人(藤木俊光君)
 お答え申し上げます。
現在、平成二十九年度から、神戸市と八王子市において、我が国初となりますヘルスケア分野におけるソーシャル・インパクト・ボンドを活用した案件がスタートしております。
具体的な内容を申し上げます。
神戸市におきましては、糖尿病性腎症者に対しまして、食事療法等の保健指導を行い、生活習慣の改善を通じて人工透析への移行等の重症化予防を目指すと、こういう事業内容になってございます。
また、八王子市におきましては、大腸がん検診の未受検者に対して、過去の検診、検査情報と人工知能を活用しまして個人に応じたオーダーメードの受診勧奨を行いまして大腸がんの早期発見者数増加を目指す事業、こういうものが実施されていると、こういった状況にございます。

○矢倉克夫君
 今、事案、概要をいただいたわけでありますが、じゃ、そこから見える課題というのはどういうものか。今検証されている中でもしあれば、おっしゃっていただければ。

○政府参考人(藤木俊光君)
 課題、両事案とも始まったばかりでありますけれども、一つは、このソーシャル・インパクト・ボンドという仕組みそのものに対する理解がまだまだ十分足りていない、まさにそういった仕組みの普及を図っていくということ、それから、当然これは、例えば糖尿病の重症化予防あるいは大腸がん検診の早期発見ということの成果をチェックしなければいけないんですが、その成果指標の設定ということについて、どうやって関係者間の合意を形成していくかといったようなことが共通の課題として言えるのではないかと思っております。

○矢倉克夫君
 これ、改めてちょっと概要で確認なんですけど、これは普通は、今までの事案というのは、行政からの委託というのは、仕様を決めて、仕様、それを受託者に発注をするという形でありますが、ソーシャル・インパクト・ボンドの特徴というのは、行政が決めた仕様ではなくて、行政が決めた成果、成果を発注の基にして、どういうサービス内容をつくるのかというところは民間が自由に決めるというところでありますが、今回の事案はそちらについて成果発注という形になっているんでしょうか、そこだけ。

○政府参考人(藤木俊光君)
 お答え申し上げます。
今回、神戸市におきましては、糖尿病性の腎症、重症化しますと人工透析が必要になりますので、当然それに係る医療費が高騰するという問題がございます。したがいまして、さっき申し上げましたような糖尿病性腎症の方について保健指導あるいは食事指導ということを行うことでこの重症化を予防する、で、その発症が抑えられた割合に応じてお支払をする、市の方から予算が支給される。あるいは、八王子市においても、大腸がんの検診、進んでいないわけでございますが、この受診率が向上して、そして早期発見がなされる、この早期発見率の向上というところで指標を設けて、その指標に対してお支払をするというような形を取られているというふうに承知してございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。少なくとも、成果に対する報酬という形にはなっているというところでは、ソーシャル・インパクト・ボンドの理念を、一部をやはり使っているところにあるかなというふうに思っております。
私、これは行政コストがカットされる、できるというところが一つ利益としては出ているところもあるかというふうに思うんですが、もう一つ、これがむしろ今後進めるべきなのは、やはり行政が今まで仕様を決めて、その内容に応じて民間に委託をするという、そういう形だけだとやはりサービス内容も一定化してしまうというところもあります。それを、成果を決めて、その成果に応じて民間がやってくれという形で発注をする、それに応じて独創性ある成果を上げる。民間の創意工夫を生かしながら、それが発生すれば投資もどんどんと引き受けられるし、投資家にとってもリターンができるというような、創意工夫の余地をどんどんどんどん生じさせる発注の在り方でもあるし、そういう点では社会的課題に向けたイノベーションをどんどんどんどん開発される仕組みにもなり得るのかなと、そういう理解は非常にございます。ですから、是非ともこれは、まだまだ芽が一つであるんですけど、進めていただきたいなというふうに思います。
他方で、今おっしゃっていただいたとおり、やはり課題は多くて、このソーシャル・インパクト・ボンドというものの内容そのものがなかなかイメージが付きにくい、そういうところはあるかなというふうに思います。
特に、ただ経産省、こちら、今私手元にあるんですけど、この実証実験を利用しながらノウハウ集を作っていらっしゃって、これ、内容を見たんですけど、非常によくできているなというふうに思っております。
それぞれ、例えば地方公共団体が関与するにしても、地方公共団体の担当者がどうやってやっていいか分からない、それを時系列に応じて、それぞれごとの段階に応じてフロー化して、どういうふうにやっていけばいいか、その段階ではどういうチェックポイントがあって、それをチェックしていけばこれは対処できるというような、全て見える化するような形に、対処になっている。少なくともひな形としては、いろんな関係者の人がこれを見ながら一つ一つ進めていけば、何が問題になっているのか、テーマはどういうものを選べばいいのか、また、リターンをしっかり発生させるときの成果指標というのはどういうふうに決めていけばいいのか、そういうのが一つ一つ指標になっているかなというふうに思います。
これを通じて、是非経産省にはいろんな地方公共団体にも更に働きかけをしていただきたいというふうに思っているんですが、その辺りのお取組とまた今後の動き方について答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(藤木俊光君)
 お答え申し上げます。
今御紹介いただきましたように、平成二十九年度、神戸市と八王子市でスタートしたわけでございますが、そういった経験も生かしながら、自治体や事業者の方々向けのノウハウ集ということで作成をしたところでございます。今後、各種セミナー、あるいは各地においてこういったノウハウ集も使いながら、普及啓発に努めてまいりたいというふうに思っております。
また、このような普及啓発に加えまして、やはり、先ほど糖尿病とがん検診と申し上げましたが、例えば介護予防とか認知症予防といったような分野でのニーズも高まっているということでございますので、新たな分野での案件形成への支援ということも取り組んでまいりたいと思います。
また、そのほか、厚生労働省さんの方でまさに成果指標の整備みたいな取組もなされておりますし、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中でもこういったソーシャル・インパクト・ボンドへの支援といったようなことがうたわれておりますので、こういった関係省庁とも連携しながら、また金融機関、自治体としっかり連携してソーシャル・インパクト・ボンドの普及にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
 よろしくお願いします。
骨太でもソーシャル・インパクト・ボンドはこれは書いてあるんですが、政府全体の横串刺した一体の司令塔がどこなのかはっきりよく分からない、内閣府に聞いても、自分たちの中のどこの部局が担当なのかよく分からないと、もうそういうような対応の状態であります。骨太にしっかり書いてある内容でもあるので、是非、経産省がしっかり中心となるというか、ちゃんと要となって、いろいろこの事案もしっかり成功させていって広げていただければなというふうに思っております。私の方からもほかの省庁にもしっかりとまた働きかけをしていきたいというふうに思います。
また金融庁さんにもお伺いしたいと思うんですが、ちょっと短めで端的にお答えいただければと思うんですが、今のこのソーシャル・インパクト・ボンドにかかわらず、広く社会的課題に向けた投資の在り方というのも、地域の金融機関の在り方としては今後また考えていかなければいけないというふうに思います、NPOであったりとか。
そういうものに対しての今後の姿勢について金融庁としてどういうふうに捉えていらっしゃるか、答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(伊野彰洋君)
 地域金融機関の中には、社会的課題解決に取り組むソーシャルビジネスに対しまして融資等を行っている金融機関があると承知しております。例えば、多くの地域金融機関においてソーシャルビジネスを対象にしたローン商品を取り扱っているほか、地域経済活性化支援機構と連携し地域活性化ファンドを組成し、地域の町づくりや観光活性化に取り組んでおります。
金融庁としましては、地域金融機関が適切なリスク管理の下、健全な経営を行う社会的課題解決に取り組むNPO等に対し、資金需要への対応を含めその育成、成長を後押しする取組を行うことは、地域の活性化、地方創生に資するものと考えております。こうした観点から、地域金融機関が取り組んでいくことを期待しておるところでございます。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。是非、地域に優しい金融機関をどんどん育成していただければというふうに思います。
残り時間がちょっと少なくなってきてしまったんですが、最後お伺いしたいのが、やはりエネルギーについてであります。
大臣、所信で、再生可能エネルギー、最大限の導入というふうにおっしゃってくださいました。もうこれは、そうすべき理由とか背景、また議論をするとともに、他方で既存系統を最大限に活用する、これはコストですね、やはり国民負担の抑制をするためにもそのような運用の見直しをおっしゃっていただいたところであります。
後者についてちょっとお伺いする予定だったんですけど、ちょっと時間がないので、コネクト・アンド・マネージという部分についてはしっかりとまた広げていただければというふうに思います。大事な視点でありますので、やはり新しく設備を造るそのコストを要らなくなる、運用によって要らなくなるというところは再生可能エネルギーの弱点の一つをまたしっかり対処することでもあり、経産省、エネ庁がそういう形で進まれたということはすごく評価をしたいというふうに思っております。是非進めていただければというふうに思います。
その上で、再生可能エネルギーを考える上でやはり重要なキーワードというのは地方、地域であるかなというふうに思っております。この地域性、そういうのは非常に重要であるなと。
私、党でSDGsの事務局長もさせていただいているんですが、このSDGsという誰一人取り残されない持続可能な開発目標というところで賞を取られたのが北海道の下川町であります。その下川町の取組について、まず簡単にちょっとエネ庁から、これ、エネルギー政策からどういうふうに評価されているかというところで御説明をいただければというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
持続可能な開発目標、いわゆるSDGs達成に極めて顕著な功績があったと認められる団体等としまして、御指摘のように北海道下川町が第一回ジャパンSDGsアワードのSDGs推進本部長、これは内閣総理大臣でございますけれども、本部長表彰を受賞したことは承知してございます。
この案件ですけれども、持続可能な森林経営を中心にいたしまして、木材製品を利用した製品の生産と供給、未利用森林資源の再エネ活用、再エネ熱供給システムを核としたコンパクトタウン等を統合的に推進するものでございます。
再エネ、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組みます経済産業省といたしましても、下川町の未利用森林資源の再エネ活用や再エネ熱供給システムが評価されたことは喜ばしく思っており、このような事例を通じまして、地域活性化につながるようなエネルギーの地産地消が進んでいくことを期待しております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
今まさにエネルギーの地産地消、それまで下川町はエネルギー、いろんな外部からエネルギーを取り入れることで十三億円ぐらい掛かっていたのが、これが赤字化していたのがゼロになった、地産地消しているわけですから。当然、それに加えて雇用も生まれている。この地域にあるエネルギーをしっかり循環させることで更なる経済効果を生んでいると。
私も群馬の上野村に行かせていただいたんですけど、同じような取組で、未利用材をペレット化して、それをまた発電また熱電利用という形で使うことで、千三百人ぐらいの人口の村が百人分ぐらいの雇用を生んでいるんですね、一割分ぐらいの。様々な雇用も生み、そこで生まれた熱を一般家庭へも広げて、ホテルであったりとかまた様々な施設等にも提供をしているという、こういうまさに持続可能なエネルギー、こういうようなモデルケースであるかなというふうに思っております。
大臣にお伺いしたいんですけど、このエネルギー政策をやはり考える上で今後重要なのは、この地域エネルギーによるエネルギー自立の観点、これは本当に重要であるかなというふうに思います。地方の雇用も生んで、そして地域の富がエネルギーに流出することも防いで、地方創生にもしっかりとつながっていく。これは、一部に独占されていたエネルギーというのが多様なプレーヤーによって共に支え合って、共にしっかり共有し合うというような社会に今後構築していくということがエネルギー政策の視点にとっても重要であるし、キーワードはやはり地域。それをしっかりとつくっていく鍵となるのが、私、再生可能エネルギーであるかなというふうに思っております。
この観点についての、再生可能エネルギーというものが有する可能性について大臣から御所見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 エネルギーの地産地消というのは、御指摘のように、地域の資源を活用して、そしてそれを地域の中で循環をさせて、大手電力会社にお金で流れていくというようなことにならないで地域の中で循環をする、そしてその過程で雇用も生むという点で非常に重要なものだと思っております。
特に、このエネルギーの地産地消につながるのが再生可能エネルギーだというふうに思っています。火力発電などと比較して比較的小型で分散化が可能だということになるわけであります。この導入はまさに分散型エネルギーシステムの構築にもつながりますし、また産業や雇用の活性化の観点からも、例えば太陽光発電の設置工事ですとか保守点検作業を地元中小工務店が請け負ったり、あるいは地熱発電で出てきた熱水が農業ハウスですとか旅館に供給されるなど、地域産業への波及や連携の事例が数多く出てくるわけでありまして、雇用、産業活性化に資するものだというふうに考えています。
経産省としても、引き続き、地域社会と共生をして、地域の活性化にもつながる形で再生可能エネルギーの導入を図って、分散型エネルギーシステムの構築を推進してまいりたいと考えています。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
こういう分散型をつくる上でやはり重要なのは、地域住民の御理解が重要であります。当然ですけど、地域の資源を使ってエネルギーをつくったけどそれが外に行ってしまう、そういうようなことだらけになってしまうと、地域全体で支えてエネルギー社会をつくろうという機運もやはり生まれないわけであります。だから、この地域で生まれたエネルギーによる利益を地域に落としていくというこの循環の仕組みというのもやはり重要であります。
こういった地域内で循環するという仕組みをつくる上でエネ庁としてはどういったことが必要と考えているか、答弁いただければというふうに思います。

○政府参考人(高科淳君)
 お答えいたします。
まず、先ほど大臣からもありましたとおり、エネルギーを地産地消することができれば、地域の資源が活用され、これが地域の中で循環し、その過程で雇用も生まれると。エネルギーの地産地消を進めていく上ではその再エネの導入拡大は非常に重要であると考えております。
その際、その再エネの導入拡大に当たっての大きな課題は高コストであると認識しております。このため、固定価格買取り制度における入札制度の導入や中長期価格目標の設定、あるいはその太陽光発電のコスト低減の研究開発などによってコスト効率的な導入を図っているところでございます。
それから、そのエネルギーの地産地消が地域活性化により結び付いたものとなるためには、地域の主体の積極的な参加が重要であると考えております。このため、例えば、木質バイオマスにつきましては、行政、地域産業及び地域住民など、その地域の関係者が一体となった協力体制を構築し、森林資源をマテリアルやエネルギーとして地域内で持続的に活用する地域内エコシステム、そのモデルづくりの支援を農水省と連携して実施しているところでございます。
経済産業省としましても、引き続き、これらの取組を通じまして再生可能エネルギーの導入拡大を図り、分散型エネルギーシステムの構築を推進してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
是非また引き続き、地域にあるものだということのこの意識付けを、先ほどの下川町も地域の方々の共同体みたいなのがしっかり機能をして動いているという例もあります。そういう取組をしっかり推進するような形を是非お願いしたいなと。
参考ですけど、デンマークなどは、風力タービン五千四百基のうち八割近くを個人とかが共同で所有をして、風力エネルギーは地元住民固有の財産という考え方を居住規定を定めたりだとか、そこまでやっている、そういう例もあるということだけお伝えをしたいというふうに思っております。
最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですが、エネルギー情勢懇、今後また方針、最後、取りまとめをいただくという話をお伺いもしております。漏れ聞くところでは、その中で再生可能エネルギー、これを自立した主力電源また主力化というような言葉を使われるというようなこともお伺いもしております。
主力電源というこの言葉の意味合いは非常に大きいかなと思っております。これはエネルギーミックス目標が変わるかどうかというような話とはまた必ずしも同じでないのかもしれないですが、主力と打ち出すというのは、今まで再生可能エネルギーというのは、やはりまずはCO2フリーというところが、当然これもこれから引き続きやらなければいけない話であり、他方で、そのためには火力は減らさなければいけない、じゃ、原子力もある、原子力で賄い切れないところをどうやって再生可能エネルギーで埋めるかと、そういうような文脈で語られるところもあった、位置付けとしてもですね。やはりCO2フリーの文脈で語り、何かしらの、何かの代替策として再生可能エネルギーというような、そういう位置付けが意識するとしないとにかかわらずやはりあったかもしれないんですが、主力というのは再生可能エネルギーそのものが社会に与えるインパクト、非常に強いものがあるという、そういう積極的に更に評価をしているというような意識なのかなというふうに私は理解もいたしました。
それが先ほどの地方創生に与える影響であったり、地域循環エコシステムをつくっていく、そして、エネルギーという社会に多様なプレーヤーが入る、そういうエネルギーの在り方、人の暮らしを変えていく大きな動力の中心に再生可能エネルギーがあるんだという、そういう位置付けを私はした、その思いの表れが主力であったり主要というような言葉なのかなというふうに理解もさせていただいているところであります。
大臣として、この再生可能エネルギーが主力というような言葉の意味合いをどのように捉えられて、今後どのような思いで政策に反映されるというふうに思われているのか、最後、御所見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
 今御指摘のエネルギー情勢懇談会では、二〇五〇年に向けての議論ということで、その時々、世界第一線級の専門家に来ていただいて、最先端の状況について情報提供もいただくなどして議論を進めてまいりました。
その結果、再エネについては世界的に今価格低下がかなり進んでいる、ちょっと日本は遅れちゃっているんですけど、世界的には再エネの価格低下がしっかり進んでいるということ。そして、デジタル技術との融合が非常に重要だということ。そして、グローバルなエネルギー企業ですら、これ主力電源としても捉えて取り組んでいる。こういった情報が紹介をされまして、日本においても、特に蓄電、水素あるいはデジタルシステム、こういったものと統合することによって自立した主力電源として活用していける可能性が拡大しているんではないか、今そういったラインで議論が行われているところであります。
情勢懇の報告は四月十日に提言として取りまとめの議論が行われるというふうに聞いております。この提言を受けた後に政府としてどういうふうな政策にしていくかということは具体的に議論していきたいというふうに思いますが、これまでの議論の中では、水素や蓄電池といった、再生可能エネルギーには必ず調整力というのが必要になります。今のところ日本ではそれは火力発電が担っているわけですけれども、水素、蓄電池といった火力発電ではない調整力の技術開発、そして電力ネットワークもこれ分散型になってくると、今までのような日本の背骨のところをずどんと送電網が走っているというような構図が変わってくる。これ再構築していかなければいけないなど再エネを主力電源として活用する、主力化に向けた課題が幾つかこの懇談会でも挙げられていますので、こうした課題にどう対応していくか、それを具体的に政策化していく必要が出てくるというふうに考えております。

○矢倉克夫君
 ありがとうございます。
この再生可能エネルギーが人々や地域、社会の暮らしや行動に動きを与えていくというこの可能性を是非また引き続き重視していただいて、進めていただきたいなというふうに思います。
最後、大臣が今触れていただいた水素、これもちょっと時間があったら質問しようと思ったんですが、大臣も所信で世界の脱炭素化というふうにおっしゃっていただいております。低炭素ではなく脱炭素、その動きの中で水素というのが非常に重要であり、これは日本が強みを持っているところであります。是非、産業としてもこの技術、推進を、経産省、力を込めて進めていただきたいことを御期待申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございます。

【矢倉かつお】経済産業委員会(福島復興、商工中金、ソーシャルインパクトボンド等)_20180405

2018-04-05 矢倉かつおチャンネル

【矢倉かつお】経済産業委員会(固定資産税特例措置、ソーシャルインパクトボンド等)_20180323

2018-03-23 矢倉かつおチャンネル

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196回 経済産業委員会

2018-03-23 国会質問議事録

○矢倉克夫君
公明党の矢倉克夫です。
質問に入ります前に、報道によりますと、アメリカが日本を含めた形で鉄鋼等の関税措置を発動するということでございます。これが事実であれば大変遺憾なことであるというふうに考えております。取ったか取られるかというような取引感覚で通商を語るということ、また、場合によっては自国の利益を図るには他国から取らなければいけないというような考えが仮に根底にあったとしたら、やはりこれは保護主義と言わざるを得ない。それに対してはしっかりと政府としても対峙をしていただく必要があるかというふうに思います。
通告していなくて大変恐縮ですけど、後ほど、大臣、RCEPのことをお伺いした後で所見をまたいただければというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず質問に入らせていただきたいというふうに思います。私も、前回の委員会で質問をさせていただいた償却資産に係る固定資産税の特例であります。
地元の埼玉にも戻りましたが、お話をしたら、事業者の人にも当然大変好評でありましたが、自治体にとりましても、例えば、今回、新規の取得の設備であります。ですから、既存の設備に掛かっていた固定資産税が取られるわけではないわけでありますし、あと、それによって設備取得が促進されて、三年が経過した、特例は三年でありますので、それでまだ償却し切れていなければその後は税金も入ってくると。自治体にとっても非常にいいという話もあるし、しかも三年間の間は経済産業省、中小企業庁が総務省といろいろ折衝していただいて交付税措置もするという形にもなっている。
ある埼玉の首長さんともお話もしましたが、その市は、元々設備に対する固定資産税については、一回徴収した後、一般財源使って戻している、そういうような取組も今までされていたんですが、今回の措置によってそのようなこともなくなり非常によかったと、こういうような声もいっぱいいただいたところであります。
その上で、ただ、いろいろ声があったのが、中小企業庁の方で各自治体に配付していただいたこのアンケートの締切りが三月七日。このアンケートを答えたところの自治体が、ものづくり補助金等で優先というようなことが書いてあり、余りに期間が短過ぎたんじゃないかというような話もあったところですが、それもこの前、我が党の秋野議員が本会議で質問されたとき、大臣から、そのようなスケジュール感があるということで、間に合わなくても一定期間内に回答があった場合はものづくり補助金等の優先採択に係る事務の参考にすると御答弁をいただいた。その部分でも懸念は一つずつ解消はされているところでありますが。
まず、この一定期間内というところの目安、もし御回答いただければいただきたいというふうに思うとともに、他方で、このスケジュール感が非常にきつきつになっている。例えば、今後、このアンケートが延長をするとしても、その対象のものづくり補助金とかの一般公募とかは、これは締切りが私の記憶している限りだと四月二十七日、非常に近くなっております。いざ自分が住んでいるところの自治体が手を挙げたと分かったときには申請まで余りに時間がないとか、いろいろと混乱してしまうような事業者の方もやっぱりいらっしゃるかというふうに思います。この短いスケジュール感の中で、どのようにそういう混乱がないように配慮をされるスケジュール感を持っていらっしゃるのか、方策を持っていらっしゃるのか、まず経済産業省にお伺いしたいというふうに思います。

○政府参考人(吾郷進平君)
お答えいたします。
御指摘のアンケートでございますけれども、固定資産税の特例に対する自治体の意向を確認いたしまして、ものづくり補助金等の優先採択の参考にするものでございます。三月七日の締切りに間に合わなかった自治体についても、一定期間内に回答があった場合には同様に優先採択の参考とすることを検討しておるところでございます。
先生御指摘のとおり、事業者の方が戸惑うようなことのないように運用することが重要であると考えております。事業者の方が自治体の意向を踏まえて補助金申請を準備する期間を一定程度確保する、これ先生おっしゃったとおり四月の二十七日の締切りでございますから、それよりも一定程度前にというふうに考えております。そしてまた、自治体の意向が表明されるその時期を中小企業庁のホームページで明示をすると、こういったことを通じまして丁寧に運用してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
また、対象となる事業者の方の期待感というのが裏切られることのないように、しっかりした幅を持ったスケジュール感、余裕があるような形の、なかなかバランスも難しいと思いますが、是非工夫をいただければというふうに思います。
その上で、この施策、非常に良い施策である、これを反映していろんなところが今手を挙げていらっしゃるというふうにお伺いをしております。挙げていただくことは非常にいいわけですけど、予算がやはり限られている中で、どうしても手を挙げている自治体の事業者のところが優先になる部分では、手を挙げていない自治体、またいろんな事情で手が挙げられない、挙げることができない自治体に所在をされている事業者の方々に対してのやはり配慮というものも、それは、その存在している自治体が手を挙げたかどうかという、ある意味事業者とはちょっと離れたところの事情で補助金が受けられるか受けられないか、ゼロか一〇〇かというような形になってしまうのもやはり考えなければいけないところであるかなというふうに思います。
この辺りについても、中小企業庁としてどのように配慮をされるのか、お伺いをしたいというふうに思います。

○政府参考人(吾郷進平君)
お答え申し上げます。
平成二十九年度補正予算のものづくり補助金につきましては、予算規模を昨年度の七百六十三億円から一千億円に拡大するとともに、一件当たりの補助上限を最大三千万円から原則一千万円に見直すことで、なるべく多くの中小企業・小規模事業者の方々に御活用いただけるよう工夫をしているところでございます。
他方、先生おっしゃいましたとおり、固定資産税をゼロとする自治体に立地する中小企業・小規模事業者で設備導入計画の認定を受けると意思表示をした事業者につきましては、補助金申請書の審査の段階で加点を行うということで、これは事業者がより採択されやすい仕組みとすることとしているところでございます。固定資産税をゼロとしない自治体に立地をする中小企業でありましても、優れた計画であれば採択される可能性は一定程度あるというふうに考えております。
中小企業庁といたしましては、固定資産税の特例とものづくり補助金の施策を連携させることで、より幅広く中小企業・小規模事業者の設備投資を支援し、生産性革命の裾野を広げていきたいと考えているところでございます。

○矢倉克夫君
補助金に当たっての加点でありますその部分に当然優先されていないところが全くゼロになるということではなくて、加点がされないというところの制度設計かなというふうに思います。その上で、やはり加点がされるかされないか、されない部分でなかなか採択されにくいというようなこともないように、そこはきめ細やかにまた配慮をしていただきたいなというふうに思っております。
続きまして、この計画に当たっての市町村の負担の軽減ということについて、二点ほどお伺いをしたいというふうに思います。
一点目、今回のこの計画の構造ですけど、基本構造は、国が指針を出されて、その指針に合わせた形で市町村が基本計画を作られる、その基本計画に基づいて各事業者が計画を提出するという形であるかというふうに思います。国も今どういう形で指針を作られるか、また、法律が制定した後のものではあると、もう既に検討はされている部分はあるかというふうに思いますが、具体的に、その後、市町村が計画作るときに、市町村も今回手挙げているところ、いろんな規模の市町村があります。うちの埼玉にしましても、やはり人口一万人に満たないようなところであっても手を挙げてくださっている。そういう自治体も独自に計画を作らなければいけないとき、ある程度のノウハウというのはやはり提供、共有というのも必要なのではないかなと。
せっかく手を挙げたのにそういう部分ができなくて駄目になりましたなんということがないように、自治体がひとしくちゃんとした対応ができるような対応、支援というのも中小企業庁として考えなければいけないと思いますが、その辺りはどのようにされるのか、答弁いただければと思います。

○政府参考人(吾郷進平君)
御指摘のとおり、中小企業・小規模事業者が固定資産税の特例を受けるためには、まず市区町村の方で導入促進基本計画というのを策定していただく必要がございます。この計画には、設備投資促進の目標でありますとか計画期間でありますとか、対象となる業種あるいは設備などの内容を記載することを想定しておるところでございます。
市区町村がこの計画を策定するに当たりましては、経済産業省といたしましても、計画内容の記載例などを様式と併せて提示をしたり、あるいは不明点がある場合には個別の相談に応じるなど、丁寧な対応を検討してまいりたいと考えております。

○矢倉克夫君
是非よろしくお願いします。
あともう一点だけ、これは事業者が先端設備等導入計画というものを作る、これを市町村が認定するわけでありますけど、この認定はどういう要素を考えるかというと、その事業者が上げてきた計画の中で年率三%以上の労働生産性の向上が見込めるかどうか、こういう判断もしなければいけない。これを市町村がするために果たしてできるか、できるようにするためにはどうすればいいかということも考えなければいけないと思いますが、その辺り、中小企業庁はどのように対応されるのか、答弁いただければと思います。

○政府参考人(吾郷進平君)

市区町村の認定に当たりましては、税務及び財務等に関する専門的な知識を有する税理士等の士業でありますとか金融機関などを含んでおります認定経営革新等支援機関、これの活用などをいたしまして、市区町村における認定事務が円滑に進むようにしたいと考えておるところでございます。

○矢倉克夫君
今の税理士等を含めた関与というのがこれ必須であるというふうに思いますので、そのような形で制度設計をお願いできればというふうに思います。
この手続がしっかりと回るために、最後また条例とかも作らなければいけない、議会の方の了解なども必要になってくる、そういったいろんな関係者が関わる中で、そういう関係者の動きが全部マッチして初めて手を挙げた申請者の補助金が上がるという形になります。いろんな関係者の連携がしっかりできるようなことも配慮しながら、是非、いい制度でありますので進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは次に、RCEP等についてお伺いしたいなというふうに思います。
改めて、先日、TPP11、署名をされました。もうこれで世界のGDPの一三%、そして日EU・EPA、これも交渉妥結という形で署名に向けて今動いているわけであります。ほぼGDPの三割という形で、大きな大きな経済連携の枠組みが日本を軸にしてどんどんできてきている。さらに、日本を軸としたルール交渉、公平公正な経済圏づくりとともに、このアジアで公正なルール作りをするというために必要なのはやはりRCEPであるというふうに思っております。
今、経済産業省中心に精力的に交渉されて、妥結に向けて動かれているというふうに思いますが、改めて、このRCEP交渉の現状と評価について参考人から答弁をいただければというふうに思います。

○政府参考人(渡辺哲也君)
お答え申し上げます。
RCEP交渉におきましては、今委員御指摘のように、ASEAN、日中韓、インド、豪州、ニュージーランド、十六か国が参加いたしまして、日本は市場アクセス、それからルールのバランスが取れた質の高い協定の早期妥結を目指して交渉を進めてきているところでございます。
世耕大臣からのASEANへの働きかけもございまして、昨年十一月のRCEP首脳声明におきましては、市場アクセス、ルール、それから協力の三本柱における成果を出すことが明記されております。ルールの分野におきましても、知的財産、電子商取引、税関手続・貿易円滑化などを含め交渉を進めているところでございます。
他方、RCEPにおきましては、ASEANの一部の国を含め様々な発展段階の国が参加をしておられまして、TPPと必ずしも同じようなレベルに対応することが難しい国があることも事実でございます。このような中で、我が国としましては、できる限り高いレベルのルールを実現するよう最大限交渉に当たっております。

○矢倉克夫君
世耕大臣始め皆様の主導により、その特にルールという部分でしっかりと枠組みをつくって進まれている経緯がつくられたということはお伺いをしたところであります。
今お話がありました、確かにTPP11とかに比べればこのルールのレベルというところではまた違うレベルにあるものなのかもしれませんが、そういうものを更に進めていく意味合いというものを、特にアジアの中でこのRCEPをやはり広げていくというのは、日本にとって見たら、個別にEPAを結んでいないRCEP関係の国というのは中国と韓国とニュージーランドであります。ニュージーランドはTPP11という形で今回枠の中に入ってきた中であるので、この中国と韓国とつながりをつくっていくという意味合いも込めて非常に意味があるかというふうに思っておりますが、改めて、今御答弁もあったところではあるんですけど、このTPPとは違うレベルでのRCEPというものを進めていく意義というものをまた参考人からいただければと。

○政府参考人(渡辺哲也君)
お答え申し上げます。
RCEP、今委員御指摘のように、世界人口の五割、それから貿易額の三割をカバーする広域的な経済連携を図るものでございます。十六か国には、今御指摘ありましたように、これまで日本と既存のEPAございません中国、韓国も含まれております。こういう国を含めまして広域的な経済圏を創設すると。これによりまして、市場アクセスだけでなくて、域内に進出する中小企業も含め日本の企業の方々のサプライチェーンを強化する、それからビジネス活動の円滑化を図っていきたいと考えております。

○矢倉克夫君
大臣に改めてお伺いしたいというふうに思いますが、TPP11が署名になる、それで本当に一部の専門家の方は、こういう通商のリソースというのはTPP11のアウトリーチ、拡大に割けるべきで、RCEPではなくTPP11だというようなことをおっしゃっている方も一部いらっしゃるんですが、私はそうは当然思わない。特にアジアというものの中で自由貿易、経済連携の枠をつくるには、いろんな国が、いろんな背景を持った国がやはり非常に多いと思います。資本主義もそうですけど、社会主義の国もあり、資本主義の中であってもある意味国家資本主義というような、いろんな資本主義のばらつきの中の国々をどうやって連携してつなげていくかというような枠組みをつくるときには、やはりいろんなレベルの経済連携というのをつくっていく必要はあるかなと、そういうような考えは持っているところであります。
このアジアにおいて、やはり多様性のあるアジアにおいてこのRCEP交渉を進めていく戦略的な意味というものを大臣から改めてお伺いをしたいというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
やはりTPPに比べてこのRCEPというのは、中国、インドも入っている、そしてASEANが全体として入ってくるという意味で、日本にとって非常に価値の多い協定になってくるんだろうというふうに思っております。
ただ、先ほどから答弁しておりますように発展段階に差がありますので、その点にやはり配慮をした、少し移行期間とかあるいはキャパシティービルディングへの協力といったこともセットでやっていかなければいけないと思います。
去年はASEAN五十周年ということもありまして、かなり去年中にまとめようという機運はASEANを中心に非常に強かったんですが、残念ながら、市場アクセスが中心、関税をどれだけ撤廃するかということに議論が集中しておりましたので、去年、私の方からキーエレメンツという形で、やはりきちっと議論して合意を取るべき事項というのを全部洗い出しまして、ちゃんとやはりマーケットアクセスとそしてルールがバランスが取れていないといけないということを明確にさせていただきました。今年に入ってようやくルール分野の論点も大分絞られてきましたので、私としても、ASEANが求めている早期妥結については、ルールもバランスが取れているということを含めて支持をするということを表明したところであります。
今後とも、何とか年内に可能であればまとめられるように、RCEP交渉、精力的に進めてまいりたいと思っております。

○矢倉克夫君
大臣おっしゃったそのマーケットアクセスとルールのバランス、特にいろんなレベルのルールがある国が混在しているアジアの中で、しっかりした自由貿易のあるべきルールというものを日本が軸となって作って、作った枠の中で改めてそれをまたレベルアップしていくというアプローチがやはり非常に重要であると思いますし、今の大臣の思いのままに是非更に力強く進めていただければというふうに思っております。
その上で、改めて、冒頭申し上げましたとおり、こういうグローバル経済の中で、やはり企業がそれぞれどこでもしっかりと安全に動けるようなルールの在り方というのを今いろんな国が連携していく中で、やはり保護主義の動きというものが出てくるときに、それに対してはしっかり対峙をしなければいけないなと。日本がいろんな今経済連携協定を作って、自由貿易、そういう保護主義に対峙するんだということの旗頭として今動いている。そのときに、今、輸入に関しての関税措置という報道があるわけでありますが、それに対して大臣としてはどういう御所見を持っていらっしゃるか、それについてどのように対応されるのか、答弁いただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
今回、米国の通商拡大法二百三十二条に基づく鉄鋼、アルミの追加関税、これが日本も対象となる形で発動されたということは、これはもう極めて遺憾だと申し上げざるを得ないというふうに思います。
私からは、ライトハイザー通商代表あるいはロス商務長官に対して、これ、ガットの安全保障例外というルールを使っていますので、この日本の、同盟国である日本の鉄鋼やアルミがアメリカの安全保障に何か悪影響をもたらすことはあり得ないんだということで、日本を国ごと除外するよう繰り返し要請をしてきたところであります。ライトハイザー通商代表は、国別の除外については四月末までに議論を収束させたいと議会で発言されたと承知をしておりますので、二十三日の関税引上げの時点で対象から除外はされなかったわけでありますけれども、引き続き対象からの除外を米国に粘り強く働きかけていきたいというふうに思います。
また、これ、除外になった国となっていない日本で何か、なった、ならないという単純な問題じゃないんですね。除外になった国は、よく見ていきますと、例えば、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンというのはアメリカから見たら貿易黒字の国であります。あるいは、メキシコ、カナダあるいは韓国、これはそれぞれもう今、NAFTA、KORUSの見直しという実際の貿易交渉をやっている。EUも何か今度新しい米・EU間での交渉を始めるということでありますから、日本はその状況にはないわけであります。日米経済対話というこのハイレベルなルールを世界へしっかり日本とアメリカで広げていくという、そういう対話しか行っていないという日本の特徴もあるというふうに思います。
あるいは、日本のもう一つの特徴としては、これは国別除外以外にもう一つ品目別除外というのがありまして、日本がアメリカへ持っていっている鉄鋼製品というのはかなり品質が高くて、アメリカの製造業から見ると代替不能なものが非常に多いんです。これは品目別で除外される可能性もありますし、あるいは除外されなくても、関税が掛かった状態でももう買わざるを得ないという状況になるのかなというふうに思います。こういったところを複合的によく見ていきたいと思っています。
ただ、日本は、先ほどから御指摘いただいているように、TPP11でも日EU・EPAでも、またRCEPでも、今、自由貿易交渉の旗手的立場にあります。こういった中でこの対抗措置の応酬というのは、はっきり言って何も生まない。日本はしっかり冷静に対応して、あくまでもWTOの枠内で問題の解決をしっかりと目指してまいりたいというふうに思います。

○矢倉克夫君
まさに、WTOの枠内で、ルールで基づいてしっかりやるという対応が必要であるかなというふうに思います。
アメリカが、例えば今いろんな、日本とそれ以外の国のお話もされましたけど、これをある意味武器にして、これと交換条件でいろんな交渉を有利に進めようと、そういう意図を持ってやってくることもあるかもしれません。そういうのは、いろいろと情報を注視しながら是非御対応いただければなというふうに思います。
引き続いて、ルール関係のお話、残りの時間で少しちょっと御質問をしたいというふうに思うんですが、特に標準化、今回、法律についても提出予定されているというところであるかなというふうに思いますが、この話を通じまして、やはり日本の、これからまた更に必要なのは、ルールを作っていくという姿勢を持つことはやはり重要かなというところの思いからいろいろ質問をしたいなというふうに思います。
私も役所にいさせていただいたときに、特にこの標準化の動きを、特にヨーロッパの動きを見て感じたんですけど、やはり彼ら、ルールは従うものではなくて、ルールを作るものだという形で官民一体で動いている姿勢が非常に強かったなというふうに思います。特にISOなどの、製品とかサービスに対しての国際規格ですね、国際標準のつくり方については、自分たちのヨーロッパ規格というものをEN規格とかいう形でつくって、それをISOにそのまま行っていくと。もう自分たちのものを、ISO、国際標準規格をある意味通させて、そのまま国際標準にしていくというような、非常にしたたかなやり方をよくされていたなというふうに思います。
当時、日本はそういう標準とか規格とかというところの意識は官民一体まだ少なかったんじゃないかなと比較のレベルでは感じていたわけなんですが、それを大きく変えていくのが今の政府の方針の動きになるのかなというところを認識しているところであります。
改めて大臣から、このルール戦略というものの中での標準化強化というものの位置付けについて御意見をいただければというふうに思います。

○国務大臣(世耕弘成君)
今御指摘のように、やっぱりEUは非常にルール作り、標準化づくり、上手ですね。いざというときには、彼らはぱっと、国別で投票するとすごい票数も持っていますから、標準化をリードするだけの力も持っているというふうに思っています。
そういう中で、今、標準化の役割が、単なる技術的に標準を整えるというだけではなくてマーケットを獲得するためのツールへと拡大しているというふうに思っていますので、この標準化には戦略的に取り組んでいくことがますます重要だと思っています。
日本の官民も今いろいろチャレンジをしていまして、日本が得意な、特にアジア地域においては、例えば空調とか省エネ機器、こういった分野で日本主導の標準を引用された規制が採用されるよう働きかけるとか、あるいは相手国の行政官を日本に招待をして、日本で研修を受けてもらうというようなこともやらせていただいています。
また、標準化が得意なヨーロッパと組むことも重要だというふうに思っておりまして、日独で合意をしたハノーバー宣言というのがありますが、こういったところでもヨーロッパともよく連携をして国際標準化、国際的なルール作りに向けて連携をしていくことが重要だというふうに思っております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。非常に示唆に富むお話であったかなというふうに思います。
大臣おっしゃったヨーロッパと連携という部分も含めてかもしれませんが、また政府の方にお伺いしたいというふうに思うんですが、標準化の動きについて、ISOとか国際標準化機関の中での標準を取る動きについての強化の動きと、さらには、やはり民間が標準政策というものも重視する必要もあるかというふうに思います。その辺りの官民一体の評価の在り方、これをどのようにされるのか。あわせて、済みませんが、JIS規格をこういう動きの中で強化していく意味というものについて答弁をいただければというふうに思うんですが。

○政府参考人(末松広行君)
ISOとかIECなどの国際標準化においては、一国一票の投票による規格化が採択、決定されるという仕組みになっております。このような仕組みの中では、規格化のための取りまとめ役となる幹事になるということが極めて重要でありまして、まず、これまでは幹事の増加ということに積極的に取り組んでまいりました。その結果、ISO、IEC、両機関での我が国の幹事国数というのは、二〇〇六年と比較して三十八件増加して、現在は百一件となっております。
また、規格化を進める際の委員会の設置とかルールなどについては機関の上層委員会で決定されるため、日本でも国際標準機関の上層部での意思決定に積極的に関与すべきであり、会長ですとか理事等の重要ポストの獲得に努めてきているということがあります。こういうことを更に進めていくことが重要だというふうに思っております。
また、こういう国際標準化を進める上では、日本のJIS法の位置付けも今後重要になってくるというふうに思っております。
国際標準も国内標準もどちらも重要であることは言うまでもありませんが、世界市場の獲得という点でいうと、国内標準よりも国際標準をうまく使うということが重要でございまして、これに対して戦略的に進めていくということが大切でございます。
例えば、新しい技術分野での国際標準の検討をしようとする場合、各国で必要な試験データがなくて、利害関係者間の議論も行われていないというような場合、標準化に向けた委員会の設置の提案すら拒否されることがございます。こうした場合、国内標準を先に制定した上で国際標準を提案すると、制定の際の試験データや利害関係者の議論の蓄積が有効に作用し、国際標準化の検討が円滑に進められるということがございます。実際に、サービスロボットやLEDなどの例では、既にJISを制定したということから、国際標準化が円滑に行うことができました。
こうしたことから、今国会に提出させていただいている工業標準化法の改正でございますが、標準化の対象にデータ、サービス、マネジメントなどの分野を加えることによって国際標準と国内標準の対象分野の整合性を高める、また認定産業標準作成機関制度を導入することによってJISの制定を迅速化すること、こういうことによって日本が国際標準化に関する取組を強化していくことができるのではないかというふうに考えております。

○矢倉克夫君
ありがとうございます。また法案の審査のときにもいろいろ議論をさせていただければ。
時間になりまして、本来であれば、あと、健康寿命延伸産業創出推進事業を経産省が進められている中で、その予算を使ってソーシャル・インパクト・ボンド関係の取組を推進されていることをお伺いしようと思っておりました。こちらも大変重要な取組であるというふうに思います。またの機会を通じてまた質問させていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。

【矢倉かつお】政府開発援助等に関する特別委員会(SDGsの取組等)_20180322

2018-03-22 矢倉かつおチャンネル

27日に佐川氏を証人喚問

2018-03-22 ニュース

公明新聞:2018年3月22日(木)付

公明、真相解明を迫る
「森友」文書書き換え

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省決裁文書の書き換え問題で、衆参両院の予算委員会は27日、当時の同省理財局長だった佐川宣寿氏に対する証人喚問を行う。書き換え問題に対し、これまで公明党は国会審議の場などで、真相解明に総力を挙げるよう財務省を厳しく追及。27日の喚問でも、「関与が大きい」とされた佐川氏に、誰が、何のために書き換えたのかなど、その核心に迫る。

財務省の国会軽視 断じて許さず

財務省が決裁文書の書き換えを国会に報告したのは12日。麻生太郎財務相は、書き換えの「最終責任者」は当時理財局長だった佐川氏であり、書き換えは同氏の国会答弁に合わせる形で行われたと説明した。

これまで国会がこの問題に費やしてきた議論が、書き換え後の文書とその説明に基づいて行われたというのでは、民主主義の根幹を揺るがす事態である。この報告に対し、公明党の山口那津男代表は「行政の信頼を失うもので誠に遺憾だ。国権の最高機関である立法府(国会)を軽視するものであり、断じて許されない」と厳しく批判。まずは国会審議を通じて事実関係や実態の解明を進め、その上で佐川氏の国会招致を判断すべきだとの方向性を示した。

その後、参院予算委や同財政金融委を中心とする国会審議で、公明党議員は財務省に、誰の指示で、どのように書き換えが行われたのか、具体的な事実を細かく問いただした。その結果、矢倉克夫氏の質問で、太田充理財局長から「佐川氏の関与の度合いが大きかった」ことや、同氏が「記録は廃棄した」と過去の国会答弁で述べたことを契機として書き換えられたとする実態が明らかにされた。

また、里見隆治氏の指摘を受け、財務省本省内の更新履歴が分かる電子決裁システム内に書き換えの記録が残っていたことが判明。いつ、誰が書き換えたのかを知るために、重要な手掛かりが存在することも突き止められた。

焦点は誰が、何のために

一連の国会審議を受け、公明党の井上義久幹事長は、20日の与党幹事長・国会対策委員長会談で、与党として真相解明へ向け、佐川氏の喚問実施を決断するよう自民党に提案。国会答弁で太田理財局長が佐川氏の関与について「度合いが大きかった」「書き換えが理財局で行われていたことを知っている」と述べたことを踏まえ、同氏に「証人として証言してもらうことが必要だ」と主張した。

これに対し、自民党の二階俊博幹事長も「その通りだ」と応じた。また、両党幹事長らは、国民生活や経済に影響が強い来年度予算案と関連法案などの年度内成立に向け、国会審議の停滞を避けるため、佐川氏の喚問実施が必要との認識でも一致した。

与野党が佐川氏の喚問実施で合意した後、公明党の大口善徳国会対策委員長は、「誰が書き換え、どういう目的なのか。(佐川氏には)真相究明すべきという国民の声に応えるために証言してもらう」と力説した。

「森友」書き換え 実態解明へ調査急げ

2018-03-20 ニュース

公明新聞:2018年3月20日(火)付

質問する矢倉氏=19日 参院予算委

財務省局長「記録廃棄」答弁に合わせ
参院予算委で矢倉氏

参院予算委員会は19日、安倍晋三首相と麻生太郎財務相らが出席し、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書書き換え問題を巡り、集中審議を行った。安倍首相は、書き換え前の文書から削除された部分について、昨年2月の「私や妻が関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める」という「答弁をひっくり返すような記述では全くない」との認識を表明。書き換えに対し、「決裁文書の存在すら知らない。指示のしようがない」と述べた。公明党からは矢倉克夫、横山信一両氏が質問に立った。一方、公明党の井上義久幹事長は19日昼に国会内で行われた政府・与党協議会で政府に対し、国民の疑念を払拭するための丁寧な答弁を心掛けるよう求めた。

集中審議で矢倉氏は、「今回の件は民主主義の根幹を揺るがすものであり、行政の客観性、中立性をしっかり維持していくためのリーダーシップが必要だ」と指摘。安倍首相は、「私ごとについて忖度があってはならないことは徹底しなければならない。二度と起こらないよう組織を立て直し、信頼回復に向けて全力を傾けていく」と答えた。

また、矢倉氏は全容解明に向けた財務省の内部調査について、「いつまで調査を待たなくてはいけないのか。早く調査を終わらせてもらいたい。明確になったことは、すぐに開示し、中間報告でも出してもらいたい」と訴えた。

麻生財務相は、大阪地検が捜査している中でも「報告できる話もある。きちんとした対応に努力していく」と答えた。

なぜ書き換えが行われたかについて矢倉氏は、「佐川宣寿・前財務省理財局長の国会答弁に合わせる形で書き換えられた」とする財務省の説明に触れ、「具体的に、どの答弁か」と質問。太田充理財局長は、佐川氏が交渉の経緯について「書類がないので答えられない」と答弁していた例を挙げ、「書き換え前の文書にある経緯は、まさにそう(交渉)だということを気にして書き換えたと考えられる」と明らかにした。

誰が書き換えたかについて矢倉氏は、書き換えが「理財局の一部職員」により行われたことから、「組織の中で統一的にやっていたのか」とただしたのに対し、太田理財局長は「理財局の複数の職員で意思疎通が働いた」と説明した。

横山氏は、この問題を受け、佐川氏が国税庁長官を辞任した経緯に触れ、「全ての責任を佐川氏に取ってもらうように見えてしまうが、書き換えは佐川氏だけの判断か」と質問。

太田理財局長は、書き換えを指示したのは財務省理財局だが、「誰が指示したかは今、調べている」と述べた。

井上幹事長 疑念払拭する説明を

一方、政府・与党協議会で井上幹事長は、財務省が同日、新たに未報告の文書が見つかったと報告したことに対し、「国民が不信感を強めている。国会審議を通じて丁寧に説明してもらいたい」と要請。菅義偉官房長官は「しっかりと調査し、全容を明らかにした上で、再発を防止し、信頼回復に努める」と語った。

【矢倉かつお】予算委員会(財務省公文書)_20180319

2018-03-19 矢倉かつおチャンネル

全容解明に総力挙げよ

2018-03-15 ニュース

公明新聞:2018年3月15日(木)付

質問する横山(右)、矢倉氏=14日 参院予算委

佐川前理財局長 関与大きい 財務省
森友文書書き換え 公文書管理の意識直せ
参院予算委で横山、矢倉氏

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書書き換え問題を受け、参院予算委員会は14日、安倍晋三首相と麻生太郎財務相らが出席し、集中審議を行った。決裁文書の書き換えについて、安倍首相は「私から文書の書き換えを指示したことは全くない」と自らの関与を否定。国有地売却に関しても「払い下げや学校の認可に私や妻、事務所は一切関わっていない」と語った。公明党からは横山信一、矢倉克夫両氏が質問。「国民からの信用を失い、国家の基が瀬戸際にある重大な事態であることを財務省はよく理解し、真摯に対応してもらいたい」と訴え、政府の姿勢を厳しくただした。民進、共産、立憲民主などの野党各党は欠席した。

横山氏は、書き換えに関する調査結果を公表した12日以前に、書き換えの事実を認識しながら国会に報告しなかった財務省の対応に触れ、「国会審議を無用に混乱させた責任は重大だ」と厳しく指摘。その上で、「財務省理財局だけで書き換えの判断ができるのか。別の力が働いた、あるいは上からの指示があったと考えるのが普通だ」とただした。

麻生財務相は「当時の理財局の一部職員が行ったと想像される。不当な圧力などではない」と答弁した。

矢倉氏は、財務省が大阪地検の捜査を理由に国会への資料提出を拒み続けてきた姿勢に対し、「捜査を隠れみのにして逃げている。そういう姿勢だから、もっと早く出せるものも出せず、疑念が広がった」と述べ、財務省に猛省を促した。

その上で、書き換えが理財局の一部職員により行われたという麻生財務相の説明について、「その『一部』に佐川宣寿前理財局長の関与が全くないと断言できるのか」と質問。太田充理財局長は「当時の理財局の最高責任者は佐川氏で、答弁も主として佐川氏だった。佐川氏の関与は大きかったのではないか」と明言した。

再発防止に向けた取り組みについて横山氏は、行政機関の文書管理担当職員を対象とした研修の受講率が年2%程度にとどまっていることから、「公文書管理に対する意識が低い。全省庁が公文書管理の意義を捉え直すべきだ」と強調。梶山弘志規制改革担当相は、昨年末に改正された行政文書の管理ガイドラインで全職員に研修の受講を求めていると述べた上で、ガイドラインの実効性を高める取り組みを進めると答えた。

TPP、中小企業の海外展開後押し

一方、矢倉氏は、米国を除く11カ国が8日に署名した環太平洋連携協定(TPP11)によって、人口5億人をカバーする一大貿易圏が誕生することに触れ、「中小企業にとっても海外展開の環境が整う」と強調した。

平木大作経済産業大臣政務官(公明党)は、「中小企業の新たな市場開拓のチャンスだ。中小企業にも波及効果が及ぶよう取り組む」と答えた。

福島産 風評払拭に全力

2018-03-15 ニュース

公明新聞:2018年3月15日(木)付

商談会会場を視察する石田政調会長(右から4人目)ら=14日 都内

石田政調会長ら JAの商談会を視察

公明党の石田祝稔政務調査会長は14日、全国農業協同組合連合会(JA全農)とJAバンクが都内で開催した国産農畜産物の商談会会場を訪れ、販売先を広げる取り組みを視察した。佐藤英道党農林水産部会長(衆院議員)らが同行した。

商談会では、全国各地から147団体が国内の野菜や果物、畜産物、加工品などをブースごとに展示。商社やスーパー、加工品メーカーなどに対して商品の魅力をアピールしている。

このうち、福島産のブースで石田政調会長らはコメやシイタケ、福島牛の魅力や万全な放射能検査体制について、JA全農の担当者から説明を受けた。

石田政調会長は「福島産の風評被害払拭に向けた取り組みを引き続き後押しする」と語った。

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